小学5年生、11歳といえば二次性徴について学ぶ時期。少し早熟な女子なら初経、男子なら精通を迎える年頃である。
自分の体に起こる変化とその意味を正しく理解するのは、この時はなかなか難しいらしい。なにしろ、実感が伴わないのだ。月経も射精も
君達がいつか子供を作るためのものだと大人にもっともらしく説明されたところで、まだまだ自分自身が子供である彼らにとっては、まるで雲を
つかむような話である。
だが、とりあえず体の準備が整えば、意味は分からなくてもそうすることが気持ちいいということにはそのうち気付く。これも個人差はあるが、
本格的に分かってくるのは、概ね異性の体への興味が他の様々な関心事より大きくなって、新しい欲求が目覚めてくる頃である。
その意味で、星河スバルの二次性徴は身体的には珍しくはないが、精神的には希有なほど早く訪れたという結論に落ち着く。
「あっ、あぁ……委員長っ……」
自室のベッドの上で、スバルは夢中で自分のペニスをしごいていた。
きつく閉じた瞼の裏に、昨日プールの授業で見たほっそりした水着姿が鮮やかに浮かんでいる。普段好んで着ている服と色合いが近いことも
あってか、妙に似合っている紺色のスクール水着だ。すべすべして柔らかそうなお尻への食い込みを細い指でこっそり直すところを、スバルだけ
が見た。そして委員長に気付かれて、後で展望台に呼び出されて怒られた。
その時もいつものタカビーな態度でいつものキツい怒り顔だったが、恥ずかしそうに顔を赤らめて、正面から向かい合っているのにスカートの
上からお尻を押さえていた。水色と白の縞々のタイツで包んだ綺麗なラインの太股をもじつかせていたのも記憶に残っている。
ペニスを擦る動きが早まる。もう少しで出て来そうだったので、左手を亀頭にかぶせて射精に備えようとした。委員長の唇やお尻を強くイメージ
して、擦りながら激しくペニスを揺さぶる。
「あっ、委員長、僕、もう……」
「スバルくん、お休みの日だからっていつまでも起きて来ないのは関心しないわ。しばらく待たせてもらったけど、おばさまが構わないからって
仰るから入るわよ……」
いきなり妄想の上に現実が重なった。
スバルの記憶の中の声と熱気を含んで感じられた部屋の空気を塗り替える涼やかで強引な女の子の声が、ばんというドアを開ける音と共に
勢いよく部屋に飛び込む。
思わず我に返ってそちらを見ると、気持ち良く開け放たれたドアのそばに妄想の中ではスクール水着だったりもした女の子その人が普段着で
仁王立ちして、そしてそのままの姿勢でこちらを見つけて固まっていた。
夢中になってしているうちに布団は押しのけられていたので、自分がパジャマのズボンを下着ごと膝まで下ろしてペニスをしごいていた様子は、
ドアの位置からでも明らかだった。女の子に見つめられながら、頭の中を、なんで、とかちょっと待って、とかそういう言葉が埋めていく。
「あ……」
まずい、これはまずいと血の気が引いていくのが分かるのに、ペニスを握ったままの手を止めることができない。
「スバルー、起きたのー? 母さん、これからパートに行ってくるからねー。委員長さんに迷惑かけちゃダメよー。スバルー?」
階下から母親の声が聞こえる。もちろんそれに返事などできずに、スバルはペニスをしごき続けた。委員長はドアのそばに立ったまま、ゆっくり
と手のひらを顔に近づけて、真っ赤な顔を隠しはじめる。広がった指の間から、スバルの痴態を見つめたままで。
どくん、と腰の下で熱い泡が弾けたような感じと一緒に、スバルは射精した。左手で亀頭を押さえていたので飛び散ることはなかったものの、量
はかなりあったらしく、指の間からプリプリと新鮮な熱い精液が滴った。
そこまで見届けた委員長は、まるでその精液が自分の顔にかかったかのように、震えながら息を吸い込む。
覚えたての射精の甘美な余韻と総毛立つような絶望感とを同時に堪能しながら、スバルはゴクリと喉を鳴らした。
(おわり。続きはそのうちにー)