読仙社の依頼をこなし、それなりの報酬金を得た三姉妹。しかし翌日アニタが学校から帰ると、リビングに溢れんばかりの本の山が。  
「ミー姉、これまさか…」  
「貰ったお金、全部つぎ込んだの♪」  
ゲシッ!  
悪意がまったく感じられぬ屈託のない笑顔で問い返したミシェールの顔面に、アニタの容赦ない蹴りが突き刺さる。  
「どうすんのよ! ねね姉に家賃とか食費とか渡すんじゃなかったの!?」  
能天気なダメ姉に対し激しく憤るアニタ。  
しかし、時既に遅し――。  
「ダメだ…こんなんじゃいつまで経ってもあたしたち、ただの迷惑な居候だよ…」  
これ以上、肩身の狭い思いを強いられる状態を嫌ったアニタは、お金を稼ぐためアルバイト探しを始める。しかし、弱冠13歳の少女を雇ってくれる店などこの日本にあるはずもなく……。  
「昨日もバイト見つからなかった…もう無理なのかな…」  
昼休み、学校で机に顔を伏せたまま途方に暮れるアニタ。  
そんな彼女の耳に、すぐ傍で雑談していた女生徒たちの噂話が聞こえて来た。  
「この前、隣のクラスの○○さんが渋谷でオヤジに下着売ったんだって。凄い高く売れたってよ…」  
 
   
放課後、アニタの足はそのまま渋谷へと向かっていた――。  
 

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