一人で遊びに来たひなたちゃんが  
 
「おにーちゃんオトナゲないってほんと」  
 
とコントローラー片手にそういった。  
 
「・・・・・・うぇ?」  
 
あまりに予想外の言葉に手が止まった俺の操作キャラが空中の打ち上げられる、  
 
「ひなたははえてるよ」  
 
意味不明な言葉の羅列というか意味わかっちゃまずいだろと理解を拒むうちに体力ゲージがゼロになる。  
画面に踊るひなたちゃんの勝利を告げる文字、呆然とする俺の前にひなたちゃんが立ち上がる。  
そしておもむろにスパッツを下にずらす、飾り気のない綿のパンツが俺の視界に入った  
 
「は?」  
 
意識がまとまらない、ステータス表示が絶賛混乱中の俺の前でスパッツが床に落ちた  
そして俺が事態を把握しようとした瞬間パンツも床に落ちていた、  
 
「ほらおにーちゃんみて、ひなたおとなげあるよ」  
 
彼女が股間を指差す、確かにそこにはわずかながらの産毛に等しい毛が、ってなにをぼうっとしてますか俺  
しかし何か誇らしげに彼女は笑顔を浮かべながら  
 
「あ、おにーちゃんもみせて」  
 
「む、無理ー!!」  
 
俺は瞬間叫んだ、しかしひなたちゃんは  
 
「たけなかがいうとおりなの?」  
 
「違う、生えてる、俺大人毛あるから」  
 
「じゃあみせて、ひなたはみせたのにおにーちゃんはずるい」  
 
「いやそういう問題じゃなくてね、ほら女の子として慎みとか」  
 
「むずかしい、というわけでみせて」  
 
「何が?」  
 
「ないからみせられないの?」  
 
「あるって」  
 
「じゃあみる」  
 
ひなたちゃんはとてとてと俺に近寄ると座り込んだ俺のズボンのチャックを開ける  
 
「だ、駄目だって」  
 
思わず上げた声にひなたちゃんは顔を上げる  
 
「じかん」  
 
そして再び意味不明な言葉、そして興味がうせたかのように時計を見つめつぶやく  
 
「あ、ああそう、もうこんな時間だから帰らないと」  
 
時計を見上げると午後6時、そろそろ家に帰す時間だと思う、危ない、本当に危ない  
 
「おふろのじかんだよ、おにーちゃん」  
 
「そっちかよ」  
 
俺は叫んだ、  
 
「?だいじなことだよ、じゃいこっ、おにーちゃん」  
 
「何で」  
 
もはやわけがわからない  
 
「だってひなたひとりじゃあたまあらえない、しかたない」  
 
「は?」  
 
「それとおにーちゃんはひなたがきらいですか」  
 
「そ、そんなことはないけど、一緒にお風呂は」  
 
「じゃあいっしょにおふろ、ひなたはあたまがあられなくて、おにーちゃんはひなたがすき、だからおふろ、いこ」  
 
え、そういうことなのか、ってどう考えても違うだろ  
 
「あ、はい」  
 
そして返事をしてしまった俺に、  
 
「じゃあこれもってきて」  
 
脱いだスパッツとパンツを俺に差し出す、まだかすかに暖かいって俺はなにを  
―――そして混乱の末、俺は気がつくとひなたちゃんをひざに乗せて浴槽につかっていた。  
 
 

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