「お、そーだっ! すべりをよくするんだったら、もっといー方法があるぞっ!」  
「え、なに、真帆?」  
「んー、……ちょっとまってろっ!」  
「……」  
「……」  
「……」  
 
……あれ?  
みんな黙ってしまった。  
「まってろ」と言いつつ、真帆がどこかに移動した気配はない。  
イチモツからも手を離し、その場でじっとしているようだ。  
 
……なんだ? どうしたんだ?  
 
いつもの真帆から考えるとかなり不気味な沈黙ではあったが、  
俺にとっては千載一遇のチャンスであった。  
真帆だけでなく、今俺の息子には誰も手を触れていない。  
この間に呼吸を整え、さんざん小学生にいたぶられた息子を休ませ、  
鎮めてやらなければならない。  
 
すーはーすーはー。  
 
…………。  
……。  
 
1分か2分か、俺にとっては至福のような時間が過ぎたが、  
それでも真帆は静かなままだった。  
さすがにちょっと訝しく思いだしたとき、布団ごしに聞こえる微かな音に気付いた。  
 
…………。  
……くちゅくちゅくちゅ。  
くちゅくちゅくちゅくちゅ。  
 
その音はだんだん大きくなってきて、やがてはっきりと聞こえる様になる。  
 
「くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ」  
 
これは……何かを口の中で混ぜる音だよな。  
真帆は滑りをよくする方法を思いついたようだった。  
そうすると普通は油とか石鹸とか……ローションとかだよな?  
でもそれらは口の中では混ぜない。  
飲料水とかいろいろあるが、通常人間の口の中にある液体といえば……。  
……嫌な予感がした。  
おい、真帆、お前……。  
 
「くちゅくちゅくちゅくちゅ――んぱっ、……れろ〜〜〜」  
 
!!!!!!!!!!!  
 
生温かい、大量の液体が、俺のナニの上にゆっくりと垂らされていく。  
これは、この生温かい液体は――唾液だ!  
真帆はただ黙っていたのではなく、口の中で唾液を溜めていたのだ。  
しかも俺のモノを完全に覆い尽くしてもまだあまりあるほどの量をだっ。  
 
「れろ〜〜〜」  
「……真帆、それだってじゅーぶん汚いわよ」  
「れろ〜〜、んくっ、んーんーんー」  
「いや、全部だしてからしゃべればいいから……」  
「……れろ〜〜〜〜〜〜。……んっ、えーっ、いーじゃん。  
 ここまで来たら、『どくをくらわばさらまで』だっ」  
「……ちょっと、使い方が違う気がする……」  
「まーまー、細かいことはいーからいーから。そーらそーらっ!」  
 
上から垂らされた真帆の唾液が、俺のモノにまんべんなくなすり付けられる。  
 
……うわっ、なんだ、この感覚。  
 
他人の唾液、しかも小学生の女の子の唾液を息子にかけられるなんてレアな経験は、  
俺の15年の人生においてもちろん存在しない。  
生温かい唾液にナニを包まれると、実際はそうでないのに、  
まるで真帆の口の中に含まれているような危険な錯覚を起こさせる。  
あのいっつも笑っている元気な顔の、その開いた口の中に突っ込んで、温かな唾液と粘膜に包まれ、  
よく回る舌で亀頭や裏スジをペロペロと舐めまわされる……そんな危険な錯覚をだ。  
 
「えへへ、……んー、よしっ。これでさっきよりももっとすべりやすくなったぜっ!」  
 
びちゃっ。  
うっ!  
 
唾液で濡れたイチモツを、真帆の手が無造作につかんだ。  
そう、「さわる」ではなく「つかんだ」のだ。  
 
「んふふっ」  
 
そして、その「つかんだ」手をなんのためらいもなく、上下に動かす。  
 
!!!!!!!!!  
 
やっ、やめろっ、真帆! その動きは、小学生がしていい手の動きじゃない!  
 
しかし当然、俺の制止の声はとどかず、真帆の手は勢いよく上下運動を繰り返す。  
真帆の唾液と俺の我慢汁が混じって潤滑油となり、じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てる。  
その感触は、先ほどの錯覚と相まって、まるで真帆の口にふくまれ、  
激しくしゃぶられているようなイメージとなって、俺に襲いかかった――。  
 
 
「よーしっ、いっくぞぉーっ! ……すばるんっ、かくごしろよっ!」  
「!!!!!!!!!」  
 
声を抑えるのがやっとだった。  
真帆の手が、俺のモノをすごい勢いで擦り始めた。  
右手で竿を握り、左手を根元に添えて、シェイクするように右手を上下に高速移動。  
な、なんでっ、小学生が、こんな手コキの仕方を知ってるんだっ!!!  
じゅぷじゅぷと卑猥な音をたてながら、真帆の唾液と俺の我慢汁が混ぜられて、  
手とナニの隙間から溢れ出る。  
 
「――っ! ――っ! ――っ!」  
 
口を押さえて必死で声を抑える。  
さっきのひなたちゃんのひと舐めは一瞬だった。  
だが今度の刺激は連続だっ。  
無理、無理、無理っ。  
もう堪えられるわけがないっ!  
 
いったんは治まりかけた衝動が、急速に湧き上がってくる。  
相手が小学生だとかはもう頭の中になかった。  
俺は、もう――  
 
「すとーーぷっ! すとーーぷっ! 真帆、どーどー」  
「へ? なに、もっかん?」  
「そんな乱暴に動かしちゃ駄目ッ。昴さん、壊れちゃうよっ!」  
「えーっ、そんなことないよっ。すばるん、タフだし。ほらほらほら」  
 
これ見よがしに、大きなストロークで俺の息子をなぶる真帆。  
 
「……さきっぽ、ぷるぷる震えてるよ」  
「あれ? なんだ、すばるん、もー限界かよー。なさけないなー」  
 
…………。  
……。  
限界なんぞ、もうとっくの昔に超えとるわーーーっ!  
もう何回寸止めくらってると思ってるんだーーーっ!  
はっきり言って、気が狂う一歩手前だ。  
……いや、別にもう出しちゃってもいいんじゃないか?  
小学生に責められて射精するなんて男として終わってる気がするが、  
もはやそんな余裕は皆無だ。  
そうだ、出してしまえばもう終わりだ。  
楽になろう、俺。  
もうゴールしていいんだ。  
 
「昴さんのは、もっと優しくしてあげなくっちゃ駄目なの!」  
「えー、優しくって、どーすんのさ」  
「……ちょっと代わって。……よいしょっ……と」  
 
…………。  
……えーと、智花さん。あなた、今、私の目の前に座りましたね?  
大きく広げられた足と足の間――股間の真ん前に。  
 
「……ふぁ……やっぱり、目の前でみるとドキドキします……」  
 
そして、この息遣いからして、伸ばせばイチモツに舌が届く距離まで顔を近づけてますね?  
 
「……昴さん……私が……優しくしてあげますから……」  
 
そしてガッチリ両手で息子をホールド。  
 
さて問題です。この状態で射精した場合、精液はいったいどこへ飛ぶでしょうか?  
 
1.智花のぷっくりした唇。  
2.智花のふんわりした頬。  
3.智花の愛らしいおでこ。  
 
顔以外にあり得ない……。  
それはさすがに、可哀想だろう。  
たぶんキスもまだしたことないだろうに、  
いきなり顔射なんてされたらトラウマになりかねない。  
 
……あれ、でもそういう子は普通、こんな風に男のモノを握ったりはしないんじゃ……。  
 
「そ、それでは、湊智花、いかせていただきます!」  
 
俺の思考は動き出した智花の手によって中断させられた。  
 
しゅっ…しゅっ…。  
 
「うぅっ……」  
 
思わずうめき声が漏れた。  
 
智花の手の動きは、確かに真帆のように激しくなく、優しく、緩やかに、俺のイチモツを刺激する。  
右手で亀頭とカリを、左手で竿を握って、こすこすとゆっくり動かす。  
真帆の唾液で濡れたイチモツを智花の柔らかい手で擦られると、  
なんともいえぬ甘美な高揚感が湧き上がってくる。  
 
「……いーち、にーい、さーん、しーい、……ん、たしかにつばがあると滑りやすくていいね」  
「てか、トモ、真帆の涎まみれのものなんてよくさわれるわね」  
「えー、友達のだから別に平気だよー」  
「へへんっだ、もっかんはサキみたいにハクジョーじゃないんだよっ」  
「……そういうつまらないことで、友情をはかってほしくないわ……」  
「おー、ひなもさわれるぞー」  
「あ、だめ、ひなた。今は私の番なんだから」  
「うー」  
「でも少なくなっちゃったのかな。ちょっと足りないかも……」  
 
それはさっきの高速手コキでずいぶん飛び散ったはずだし、  
智花の手の方に付着してしまったことも考えると量は減っているだろう。  
ぼうっとした頭でそう考えていると、ふと周囲から音が消えていた。  
 
「……」  
「……」  
「……」  
 
……なんか、ついさっきも同じような間があったけど……。  
……この沈黙は……まさか……。  
 
…………。  
……くちゅくちゅくちゅくちゅ。  
 
ま、まて、智花。  
君は真帆とは違うはずだ。  
礼儀正しくて、きちんと躾ができている、しっかりとした女の子のはずだ。  
そんなお行儀の悪いことをしたら御両親が悲しむぞっ!  
 
「……れろー」  
 
しかしそんな願いもむなしく、本日2人目の小学生女子の唾が  
俺のモノへと垂らされてゆく。  
 
あぁ……。  
なにか大事なものをひとつ失った気がする。  
 
智花の口から放たれた唾液は、俺のモノにゆっくりと纏わりつきながら、  
亀頭から竿へと降りていく。そしてまんべんなく唾液に包まれたところで、  
これまたゆっくりと智花の両の手のひらが包みこんできた。  
 
「……よいしょ……よいしょ……」  
 
……くぅっ……。  
 
今度は自分自身の唾液を得て、智花の愛撫が再開される。  
竿や亀頭はもちろんのこと、裏スジやカリの部分まで手のひらや指でぐるりと、  
まるで汚れを落とすかのように、丁寧にゆっくり擦りつけてくる。  
……いや、それは汚れを落とすというよりも、むしろ自分の唾液を俺のモノに  
隅々まで塗りたくろうとするような、ねっとりとした愛撫であった。  
 
なんか、自分のモノが智花の唾液に侵食されていくような、  
ナニ全体で智花の唾液を味わっているような、不思議な感じがする……。  
 
そんな陶然した気持ちでいると、彼女の執拗な愛撫は俺の考えもしない部分にまで及んでいった。  
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!  
 
なっ、ちょっと――!  
 
裏スジを丁寧に、皺のひとつひとつまで唾液を擦り付けていた智花の2本の指が、  
やおら亀頭に及ぶと尿道口をくぱぁと指で広げた。  
 
「……れろー」  
 
そして、開け放たれたそこに、唾液を落とし込む。  
 
「!!!!!!!!!!!!!!!!!っ」  
 
だめっ、だめっ、出すところから入れるなんてダメっ!  
 
しかも唾液をたっぷりまぶしてから智花の小さな指が尿道口に押し割ってきたのだ。  
 
「!!!!!!!!!!!!!!!!!っっっっっっっ」  
 
うわあ、はいってくる、はいってくるよぉ!  
 
それは今まで経験したことのない感覚だった。  
自分の内側に他者の存在が入りこんでくるというのは、  
大きな恐怖とともに若干の痛みと未知の刺激を内包した、  
得体の知れないものだった。  
しかしその得体の知れないものが、見知った少女からのものだと認識されると、  
なぜか心地良い安心感に代わってしまう。  
 
智花が、俺の中に侵入してくる。  
それは決して嫌なものではなかった。  
 
もしかして女の人がされるのって、こんな感じなのだろうか……。  
 
「うわっ、昴さん、すごくビクビクしてるっ。……ここ、感じるのかなぁ?」  
「え、え? そこって、おしっこでる穴だろ? そんなところ、感じんの!?」  
「おにーちゃん、すごくきもちよさそー」  
「……こんなことで感じるなんて、……長谷川さん、もしかして……えむな人?」  
 
周囲で好き勝手言われているようだが、俺の快楽は、静かに、そして確実に  
終着駅へと向かって高まっていったのだった……。  
 
「……ふぁ……昴さんのここ、……また大きくなった……」  
ぷっくり膨らんで、凄いことになってる……」  
「すっげーな、ほらっなんか、プードルとか作るフーセンみたいじゃね?」  
「ほんと、いったいどこまで大きくなるんだろ?   
最初のときより明らかに大きくなってるわよね」  
「おー、おにーちゃん、すっごくおっきしてるー」  
 
……ああ、もう4人が何をしゃべってるかもどーでもよくなってきてる。  
……俺はこのまま……どうなってしまうんだろう……?  
智花の愛撫によって快楽の底を押し上げられた俺は、なにも考えられないまま陶然とするしかなかった。  
 
「それに、すっごく熱くなってる。硬さも増して……焼けた石みたい……」  
 
ナニをニギニギして硬さと熱さを確認するように智花は呟く。  
その声は、彼女自身自覚していないだろうが、先ほどよりも明らかに熱を帯びていた……。  
だから次の行為も、智花自身無意識で行ったものかもしれなかった。  
 
「……ん、……昴さん……」  
 
……ふにん……。  
 
うぅ……。  
 
ここでそれを持ってくるか……。  
 
ふにふにとイチモツに感じる智花の頬の感触。  
先ほどまでの愛撫よりも明らかに刺激は弱いはずなのに、逆にそれは俺を意識の混濁から目覚めさせるくらい、強烈なものであった。  
 
「……あつい……熱くて、硬くて……昴さんの……とってもたくましい……」  
 
うっとりとした声で熱い吐息をつく智花。そして、その吐息はもちろん俺のモノにモロに吹きつけられる。  
 
まぶたの裏に、智花の端正な顔立ちが浮かぶ。  
その美しい顔をいま、俺のモノに擦り付け、陶酔している彼女を姿を思い浮かべると、  
俺は胸が熱くなると同時に、息子をさらに膨張させてしまうこととなる。  
 
「……あ、また……大きくなって、……すごい……  
 ドクンドクンって、昴さんの心臓が脈打つ音が、ここでも聞こえる……」  
 
智花はイチモツを頬に押し当てたまま、まだ動こうしない。  
ただじっと、その硬さと熱さと、脈打つ鼓動を感じ取っている。  
それでも、彼女の口から洩れる熱い吐息、感じる頬の柔らかさと温もり、  
サラサラと流れるセミロングの髪が股間の付け根あたりをくすぐるこそばゆさ、  
そしてなにより、智花が俺のイチモツなんかを頬にうずめてうっとりとしているという  
事実が、俺を果てしない高みへと上り詰めさせる。  
 
俺のモノを頬に当てたまま、うっとりとしている智花。  
あと少しすれば、その顔を動かしてくれるだろうという俺の淡い期待を、  
場の空気を読まないやたら元気な声が遮った。  
 
「あーっ、もっかんばっかずるいっ! あたしもあたしもっ!」  
 
ぷにん。  
 
……ぷにん?  
 
……。  
……。  
……え?  
……え?  
……えええっっーーーーっ!!?  
 
 
柔らかい感触を、イチモツの両側から感じる……。  
つまり挟まれているんですね、その柔らかいものに。  
 
えっと、……柔らかいものって……なんだったっけ?  
……。  
……ほっぺた……だったよな?  
……。  
……ほっぺたにはさまれているって…………どういうこと?  
 
あまりのことに俺は状況を正しく理解することができなかった。  
 
「ちょっ……真帆! 私まだ昴さんに……すりすりしてあげてないのにっ」  
「だって、もっかんがモタモタしてるんだもん。まちくたびれちゃったよっ。  
 それにさ、すばるんだって、ひとりよりもふたりでしてもらった方が  
 きもちいーはずだぜっ」  
「えー、それは……そうかもしれないけど……」  
 
……え、なにをふたりでするって?  
いや、それよりも、ふたりとも、ほっぺたくっつけ合ったまま口を動かさないでくれ。  
しゃべるたんびにナニが両側から変な風に圧迫されるんだ!  
 
つーか、あれか? やっぱり、そうなのか? この両側から加えられる二つの感触は……。  
イチモツの、向かって左側に感じるのが智花のほっぺた。これは間違いない。  
先ほどまで押しつけられていたんだから。  
そして、右側に新たに加えられたぷにぷにした感触が――真帆のほっぺた。  
ふたりが両側から顔を寄せ合って、ふにふにとぷにぷにしたほっぺた同士で  
俺のモノを挟みこんでいると……。  
うん、了解。状況確認終了!  
 
…………。  
……。  
 
ちょ――ありえないだろっ、その構図は!  
 
小学生ひとりでも危険なのに、ふたりしてイチモツをほっぺたで挟みこむなんて  
――それはもはや犯罪だ。  
 
うわ、すごい、すごい見たい気がするが、見た瞬間人生終わってしまう光景だ!  
俺は自分の視界が遮られていることを呪うと同時に感謝するのだった。  
 
「うわーっ、ほんと、すげーあつくてかたいなっ。  
すばるん、すっげーコ―フンしてるんだっ!」  
 
ぷにっぷにっぷにっぷにっぷにっ。  
 
「あっ、やだ、真帆。ちょっと速いよ。もうちょっとゆっくり……」  
「えーっ、もっかんが遅いんだよ。これくらい速くないと、すばるん気持ちよくなんないぞ」  
「そ、そんなことないよっ。昴さんは……ほら、こういう風にほっぺたを押しつけて  
ふにふにされるのが好きなんだよ」  
 
ふにふに、ふにふに。  
 
「んー? こう?」  
 
ぷにぷにぷにっ。  
 
…………。  
 
だーかーらーお前ら、二人して両側からほっぺた押しつたまましゃべるなーっ!  
 
か、顔でコクなんて、両側から挟んでダブルでコクなんてっ、反則すぎだろっ!  
 
智花のキメ細く、しっとりとしたほっぺでふにふにされるのも、  
真帆のハリがあって弾力に富んだほっぺでぷにぷにされるも、どちらも暴力的なまでに  
俺のモノと快楽中枢を刺激してくる。  
 
とはいえ速めの真帆とゆっくりの智花ではお互いにタイミングが合っておらず、  
俺のモノは二人が動く度に右へ左へとブルンブルン振り回され、  
まだどうにかましなのだが……。  
それでも、真帆が擦り上げれば俺のモノは左に傾いて智花の髪の毛にあたり、  
智花が擦り上げれば右に傾いて真帆のツインテールにあたり……と、  
ナニをくすぐるこそばゆい感じボディブローのように俺をジワジワと追い詰めていく。  
 
「うーん、やっぱりふたりでってゆうのは、ちょっと難しいね」  
「そうだ、もっかん。……ごにょごにょ」  
 
後半、真帆の声が小さくなってよく聞こえなかった。  
 
「うん、わかった、じゃあ真帆はそっちね」  
「おー、まかせとけっ!」  
 
え、なに? なに?  
なにかわからないが……こういう場合、大変よろしくない事態になることを、  
俺はこの朝の短い時間で十分すぎるほど理解してしまった。  
 
「……」  
「……」  
「……」  
 
本日3度目の沈黙……。  
……ふふん、それか、またそれか……。  
いくら衝撃的な行為でも3回目ともなれば、それなりに心の準備ができようというものだ。  
 
…………。  
……くちゅくちゅくちゅ。  
くちゅくちゅくちゅくちゅ。  
 
「くちゅくちゅくちゅ」  
「……れろー」  
 
ナニの左側から智花の唾液がゆっくりと垂らされる。  
かかっているのはナニの左側だから、おそらくこれは智花のだろう。  
 
ふふん……ちょっとびくってしちゃったけど、大丈夫大丈夫。  
これくらい大したこと……。  
 
「くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ」  
 
……あれ?  
なんでまだ……くちゅくちゅ言ってるの?  
 
「……れろーーーーーっ」  
 
右側からぶばっと大量にかけられる唾液。  
 
……て真帆、お前もかっ!  
え、これもWなわけ!?  
ああ。イチモツの右と左、それぞれ自分の唾液をかけて滑りを良くしようってわけね。  
……なにその非常識っ!  
 
「やん、真帆〜、こっちにまでかけないでよ〜」  
「わはは、わりーわりー。ま、いーじゃんいーじゃん……それよりも、いっくぞーっ!」  
「うん……じゃ、いっせーの、せっ……だよ」  
 
両側から再び、ふわん、ぷにん、と柔らかい感触に挟まれる。  
ああ、やばいやばい。唾液のせいでさっきよりも滑りやすくなってるし、  
真帆と智花の唾液が、俺のモノでからまって、混じり合って、  
それを両側からほっぺたで挟んで……。熱い吐息がっ、髪の毛がっ!  
 
「じゃあ、いっせーのー」  
『せっ!』  
 
じゅるんっ!  
 
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!  
 
今、ひとかきで意識がトビかけた……。  
 
真帆と智花、ふたりの唾液でヌルヌルになったイチモツを、タイミングを合わせて一斉に擦り上げたのだった。  
それはヌルヌルに濡れた柔らかい肉の穴にイチモツを突っ込んで擦り上げたようで……  
そしてそれは、真帆と智花、ふたりのもので……。  
 
これ、、……これって、まるで……。  
 
しかしそんな妄想を詳しく分析する間もあたえず、真帆と智花は濡れに濡れたほっぺたを  
合わせて、俺のモノを存分に刺激していく。  
じゅるんっじゅるんっと音を立てて、唾液を飛び散らしながら、ふたり一体となって  
俺のモノを上下に擦り上げる。  
柔らかい頬がカリをめくり上げられるようにこすり上げ、返す刀で亀頭を押しつぶす。  
それはまさしく『あの行為』に他ならなかった。  
 
『いーちっ、にーいっ、さーんっ』  
 
じゅるんっじゅるんっじゅるんっ!  
 
はひっ、はひっ、はひっ。  
 
『しーいっ、ごーおっ、ろーくっ』  
 
じゅるんっじゅるんっじゅるんっ!  
 
おまっ、えらっ、ちょっ、まっ……。  
 
『しーちっ、はーちっ、きゅーうっ』  
 
じゅるんっじゅるんっじゅるんっ!  
 
っ――っ――っ――っ  
 
むりっ、無理だっ、反則だっ、こんなのっ。もうっ、わけわかんねーっ!  
 
『じゅうっ――!』  
 
十のかけ声と同時に合わせた頬を一気に引き抜いた。  
竿、カリ、亀頭、すべてが思いっきり擦り上げらる。  
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!  
 
――どぷっ! どぷっ! どぷっ どぷっ! どぷっ!!!!!!  
 
もはやその快楽に抵抗することなど無理だった。  
脳天からつま先まで、すべての神経が股間へと駆け巡り、そして放出される。  
自分の魂すら放出しているような、すさまじい射精感。  
 
――どぷっ! どぷっ! どぷっ! どぷっ! どぷっ!  
 
射精は一向に治まらず、精液をこれでもかと放出する。  
そしてその結果として当然――  
 
「うわっ!? なにっ、なにっこれっ!? おしっこ!?」  
「ひゃんっ、な、なに!? 白くて、ドロってして……」  
「!!! ……す、すごい。あんなにたくさん出るんだ……って、止まんないの!?」  
「おー、おにーちゃん、しろいおしっこ、いっぱいだしてる」  
 
ナニから一気に頬を引き抜いた真帆と智花の顔に、直撃してしまったわけで……。  
 
「うげっ、にがっ、なにこれ、ヘンな味っ!」  
「か、髪について……ネバネバして……」  
「ふたりともっ、早く洗い落さないと取れなくなっちゃうわよっ、それ!」  
「ふたりとも、かおまっしろだぞー」  
「!!! め、目にはいった! イタイ! イタイ!」  
「ふぇ、服にもいっぱい付いちゃってるぅ……」  
 
……もう大惨事である。  
 
あとはもう、ドタバタ、キャーキャーと騒がしくなり、  
みんな慌ただしく部屋を出て行ったのであった。  
 
……あまりの絶頂感に動けないでいる俺を残して……。  
 
 
…………。  
……。  
 
それから5分ほどしてから、俺はようやく起き上がることができた。  
しかし、当然、心は深く沈んだまま……。  
 
……終わった。  
……俺の人生……完全に終わった。  
 
……やっちゃった……出しちゃっよ……小学生に……。  
しかも、真帆と智花にモロ顔射……。  
 
やばいよなー、傷ついたよなー、ふたりとも……。  
 
あんだけえらそーにコーチ面しといて、結局ただのロリコン野郎じゃねーか。  
 
ああ、もう、しばらくってゆーか、一生、立ち直れそーにない……。  
 
……でもさ、いいわけじゃないけど……これって俺が悪いのか?  
気付いた時にはもうパンツ脱がされてて、いたぶられて、……イカされて、  
……むしろこっちが被害者じゃね?  
 
…………  
……  
 
……とりあえず、パンツはこ……。  
 
枕元にあったティッシュを取り出し、イチモツにこびりついていた精液を拭う。  
イチモツに付いていた精液も、布団に飛びちっていた精液も、ずいぶん少なかった。  
あれだけ大量に射精したというのに……。  
……つまりそれは、その大量の精液のほとんどを、あのふたりの顔が受け止めたということで……。  
 
「…………」  
 
ますます沈んでいく心をどうにか持ち上げて、パンツを探そうとベッドから立ち上がったところで、  
「それ」に気付いた。  
 
「…………」  
「…………」  
 
無言で見つめ合うふたり……。  
 
ドアの所にぺたんと女の子座りした、小学生にしてはずば抜けて長身の少女が、  
俺のことを呆けた表情で見ている。  
 
…………なんで……いるの?  
 
ちなみに俺はパンツを履いてないから、当然下半身ノーガードである。  
しかも、あれだけ出したとはいえ、若い15歳の衝動がそう簡単に治まるはずもなく、  
俺のモノはいまだギンギンに勃起した状態である。  
 
「…………」  
 
ふと、見つめ合っていた彼女の視線が下にずれる。  
その視線の先にあるのは、元気いっぱいの息子の姿。  
焦点のあってなかった彼女の瞳が、徐々に光を取り戻していく。  
 
「……ふぇ……」  
 
そしてみるみるとその瞳に涙が浮かんでいく。  
 
……まて、……おねがい、まって、……落ち着いて……。  
今回のことに全く関与していない君にそんなことされたら、俺は、俺は――  
 
しかしそんな俺の願いもむなしく――  
 
くしゃっと顔がゆがみ、そして放たれる――絶叫。  
 
「――いやぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」  
 
……朝の長谷川家に、香椎愛莉の悲鳴が、大きくこだましたのだった――。  
 
 
 

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