「……あのさあ、紗季。自分で言っといて何なんだけど……これはあんまりじゃないか?」  
「……うふっ、なに言ってるんですか。とっても似合ってますよ、長谷川さん!」  
 
俺は自室のベッドの上で、両手足を家庭用のビニールヒモでベッドの足に縛りつけられ、  
かつて大昔の変身ヒーローが改造手術を受ける時みたいな恰好にされていた。  
 
「しかもなんで俺……裸にYシャツなの?」  
「だって長谷川さんの服は、愛莉が涙やらなんやらでべちょべちょにしちゃったんだから、しょーがないじゃないですか」  
「はうぅぅぅぅ、ごめんなさい……」  
「いやっ、愛莉は何も悪くないんだよ! そーじゃなくって、それなら着替えるだけで済むのに  
 なんでTシャツはダメで裸にYシャツだけなのかと……」  
 
……ええ、モチロンひんむかれましたとも。  
女子小学生5人に寄ってたかって裸にされて、最後にぽいっと投げて寄こされたのがYシャツ1枚ではそれは文句も言いたくなる。  
 
「おー。おにーちゃん、ちくびピンク色。かわいー」  
「すばるん、毛ーねーな。乳首どこかワキもツルツルだし。オトナゲネーなっ!」  
「きゃっ、みてみて智花ちゃん! 長谷川さんのおなか、ちゃんと割れてるよ!」  
「……ふぇ……昴さんのはだか……ちくび……おなかの筋肉……ぷにぷに……」  
 
だあっ、智花! おなかをぷにぷにしちゃいけません!  
 
「なに言ってるんです! 美少年を縛るときたら、裸にYシャツは欠かせないじゃないですかっ!」  
 
……いや、美少年と評してくれるのはありがたいが、それは大変特殊な趣向ではないのか、紗季?  
……あと真帆、オトナゲナイゆーな!  
 
「それにこれならどーやったって、長谷川さんが私たちを襲う心配なんてないんだから、  
 万々歳じゃないですか!」  
「……まあ、それはそーなんだけどな……」  
 
ビニールヒモとはいえ四肢を拘束されたこの状態では、  
襲いかかるどころか起き上がることすら叶わないだろう。  
これなら俺が正気を失って彼女たちに襲いかかるという最悪の事態は防がれる。  
 
まあ屈辱的な形ではあるが、これでひと安心だ。  
俺がそう胸をなでおろしていると、紗季の嬉しそうな声が聞こえた。  
 
「それじゃあ、早速続きをはじめましょうか。……長谷川さんの、たっぷり舐めてさしあげますからね。  
 ほらっ、愛莉も長谷川さんのために頑張るんでしょ。しっかり見ないと」  
「はうぅぅぅ。そ、それはそーなんだけど」  
 
ズボンもパンツも脱がされ丸裸にされた俺のモノを紗季のヒンヤリした手が掴む。  
そして今まで自分からは決して見ようとしなかったそれに、恐る恐る目を向けようとする愛莉。  
 
「って、なんで、サキがしきるんだよっ! べろちゅーしたくせにっ、おまえは一番最後だっ!」  
「いや、そもそも長谷川さんがまだイってないんだから私の番、まだ終わってないし。  
 それとも何、真帆はそのまだ誰とも絡めたことのない舌で長谷川さんのモノを舐めようってゆーの?」  
「……うぅーっ! すばるん! 早くべろちゅーしよっ。サキなんかに負けてらんないんだから!」  
 
悔しそうに頬を膨らませると、真帆は広げられた俺の左脇の下あたりにぽすんっと座り、  
ぐっと身を乗り出して俺に迫ってくる。  
 
「こらっ、そういう理由でキスなんかしちゃダメ。紗季も必要以上に真帆を挑発しないことっ!」  
「はーいっ……て、長谷川さん、その格好で言われても……威厳も何もないですよ」  
 
誰のせいでこーなっていると思っているんだ!  
……あ、俺のせいか?  
 
「ほら、見て愛莉。これが長谷川さんのオチンチン。意外と可愛いでしょう?」  
「お、おっきいよぉ……」  
「なに言っているの。これから触ったり舐めたりしてあげれば、もっと大きくなるわよ」  
「えええっ!? こ、これよりももっと大きくなるの!?」  
「そう。愛莉が長谷川さんを気持ちよくしてあげれば、その分だけ大きくなるの。  
 でも恐がらなくったって平気よ。別にこれ自体は襲いかかったりしないんだから。  
 ……まあ、射精するときは精液が凄い勢いで出るからビックリしちゃうかもしれないけどね」  
「……しゃせい? せいえき?」  
「そう。長谷川さんがイク……すっごく気持ち良くなると、ここから白いおしっこみたいのが出るの。  
 それが精液。赤ちゃんの素」  
「ふぁっ、あ、あ、あかちゃんのもとがここから……」  
 
……そういえば、この子たちってもう性教育の授業は受けているんだろうか。  
紗季はいいとして、真帆とか愛莉をみていると不安になってくる。  
……いや、待てよ。たとえ受けているとしても教えてたのはミホ姉とあの羽多野先生だろ?   
……ぜってーロクなこと教えてね―な。  
 
「……知らなかった。男の人でも赤ちゃん産めるんだ……」  
「ええっ!? セーエキって朝すばるんが出したヤツだろっ。うそ、あたし目に入っちゃったよ!   
 ねー、もっかん、どーしよっ! 目から赤ちゃん生まれてきちゃうよっ!?」  
「落ち着いて真帆。そんなことないから。赤ちゃんはその、……ちゃんと愛し合った男の人と女の人との間にしか生まれてこないから」  
 
…………。  
……。  
 
ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!  
性知識ゼンゼンねーじゃん、この子たち!  
こんな子たちとエロいことなんてできるかぁぁぁぁ!  
 
「紗季っ、はかったな!」  
「は? 何のことです?」  
「いまどきの小学生は、ある程度の性知識は持っているっていったのに!」  
「ええ、持ってますよ。『私は』 でも真帆なんかは知識よりも実地で教えた方がわかりやすいから。  
 ……長谷川さん、がんばって教えてあげてくださいねっ!」  
 
じっち? 実地ってなに!?  
まさか赤ちゃん作る実地じゃないよなっ!?  
ああっ、止めようにもこんな状態じゃもうどーすることもできないっ!  
 
「まあとにかく、ここまできた以上、長谷川さんも無駄な悪あがきはしないで  
 とっとと出すもの出しちゃってください」  
 
くそう。まるで追剥だ。この子は。  
だいたい出すったって、もう散々我慢してきたんだからすぐにでも――  
 
そこで俺はとんでもないことに気がついた。  
 
「紗季っ、まて、待って!」  
「もうっ、どうしたんですか、長谷川さん? さっきから待て待てって」  
「……いや、あのさあ。俺、こんな状態で動けないだろ? で、……その、  
 出すときな、このままだとみんなにかかっちゃうから、悪いんだけど、  
 ティッシュで受け止めてもらいたいんだ……」  
 
そうだ。動ければ自分で違うところに出したりできるんだけど、この状態では彼女たちに頼むしかない。  
射精した精液を女子小学生にティッシュで受け止めてもらうなんて死にたくなるほど恥ずかしいけど、  
そうしなくては彼女たちの顔やら髪やらを汚してしまう。  
 
「――ああっ!」  
 
俺の話を聞いて、ぽんっと手を打つ紗希。  
 
「そうですね。私としたことがうっかりしてました。このままだと服が汚れてしまいますよね」  
「うん。そうそう」  
「じゃあ――はやく脱いでしまわないと」  
「うん。そうそ――――――んがっ!?」  
 
そういうとおもむろに上着のボタンを外し始める紗季。  
 
「まてまてまてまてまてまてまてまて!!!  
 違うだろっ! そんなことしなくても、ティッシュを使えばそれでいいんだって!」  
 
「うーん。でも、そんな射精する瞬間をとらえてティッシュで受け止めるって、女の子には無理ですよ。  
 やっぱり脱いじゃった方が確実ですし、考えてみれば、これからエッチなことをするというのに、  
 長谷川さんは半裸で私たちは服を着たままというのはおかしいと思います。やはりここは平等に脱がないと」  
 
いらないっ! そんな平等精神いらない!  
君たちはそのままで…………ん? ……え? ……私『たち』?  
 
その言葉の恐ろしさが脳に浸透する前に、他の子たちが動き出す。  
 
「……そうですよね。昴さんが裸なのに、私たちだけ服を着ているって、不公平ですよね」  
 
……え、あの……智花?  
 
「しゃーねーなー。すばるんがそこまでゆーんじゃ、いっちょひと肌脱いでやるかっ!」  
 
ばかっ、俺は脱げなんて言ってないっ。やめろっ、真帆!  
 
「おー。ひなもねー、ひとはだぬいでやるー。おにーちゃん、ひなのおっぱい、ちゃんとみてね?」  
 
ダメダメダメ! そんな……みたい……けど、それは絶対にダメっ、ひなたちゃん!  
 
「……あわわわっ、長谷川さんの前で服を脱ぐなんて……紗季ちゃん、本当にやらなきゃダメ?」  
 
いや、やんなくていいぞ、愛莉。君はそのままで充分魅力的だ。  
いや、むしろ君だけは脱がないでください。愛莉のあのボディが白日のもとに晒されたとしたら俺は――!  
 
「んー……別に無理にとは言わないけど……このままだと服が汚れちゃうでしょ?  
 だから私も仕方なく脱ぐわけだから……本当は私だって恥ずかしいんだからね!」  
 
「……くすっ。でも、好きな人の前だから、大丈夫なんだよね、紗希ちゃん」  
 
「なっ――!?」  
 
「そういうこと、ちゃんと言わないと、また長谷川さんに誤解されちゃうよっ♪」  
 
「……このーっ! 愛莉! あなたさっきからちょっと生意気よ! ええいっ、気が変わった。ひんむいてやる!」  
 
「え? えっ? ええっ!?」  
 
「よっしゃーっ! アイリーンのぷるぷるおっぱいをすばるんに見せつけてやるんだーっ!」  
 
「おーっ! あいりー、ひなといっしょに、おにーちゃんにおっぱいみせっこしよっ!」  
 
「――いっ、いやぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁっ!!!!!!!!」  
 
「み、みんな、やめよーよぉ。愛莉が可哀想だよ」  
 
「そうだ! やめろっ、みんな止めるんだ! とにかく服を着てくれ!!!!!」  
 
しかし俺の声もむなしく、次々と服を脱ぎ、脱がしていく女の子たち。  
 
この時ようやく俺は、自分が犯した致命的なミスに気付いた。  
 
そうだ、俺が襲うんじゃない。最初に寝ている俺を襲ってきたのは彼女たちの方だったんだ。  
それなのに、こんな風に自分を拘束したら、彼女たちが暴走した時、俺は何もできないじゃないかっ!  
この後、彼女たちがどんな行為に及ぼうとも、俺はそれを止める手立てを持たない。  
現に今だって、服を脱いでいく女の子たちに、俺は声をからして説得することしかできず、  
そして無論、そんな言葉に耳を貸す彼女たちではない。  
 
……やばい。  
やばいやばいやばい!  
今までとは比較にならないくらいにヤバイ!!!  
 
――そして、彼女たちは服を脱ぎ終わる。  
 
俺は知る。  
 
これから起こることに比べれば、今までのキスやらべろちゅーやらは、ただの予行練習にすぎなかったことを。  
 
これから俺は、本当の地獄を見る。  
 
そして、もう二度と、それを地獄だと認識できなるなるのだと。  
 
この小学生5人によって、俺の地獄は天国へとベロンベロンに塗り替えられてしまうのだと……。  
 
『お勉強会』終了まで残り約22時間。  
あまりに長い長い時間の開幕であった。  
 
 
 

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