「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
咆哮があがる。
股間から凄まじい快楽が全身を駆け巡り、いきり立ったペニスから練りに練られた濃い精液が飛び出そうと痙攣を始める。
だが俺は耐えた。
奔流のごとき快楽に真っ向からあらがい、射精しようとする下半身を無理やり押さえ込もうとする。
最後に俺が思い浮かべたシーン――
それは球技大会の前、
鉄棒にぶら下がって、ぷるぷると腕を痙攣させながら、上がらない斜めけんすいを続けるひなたちゃんと、
一緒にロードワークをして、転んでも起きあがろうとする、膝小僧をすりむいた愛利の姿だった。
なぜそのシーンが思い浮かんだのかわからない。
だがまさに射精しようとしていた俺を、その二つのシーンが思いとどまらせた。
「ぐぎぎぎぎぎぎーーーーーーー!!!!!!!!!」
歯を食いしばり、強制的に射精をストップさせる。
考えてできるようなタイミングではなかった。
本能を本能で押さえ込むような無茶苦茶な止め方。
だから当然その反動は体にくる。
「ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
散々苛められた後、やっとのことで外に発射されようとしていた射精衝動は、内部で爆発!
体の中をムチャクチャに暴れ回った。
腰から下にかけて変な風に力が入り、足がつった時のような痛みが下半身の至る所で発生する。
精液が溢れ出そうにな股間は、快楽とも痛みともつかない凄まじい衝動が駆け巡る。
「んああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
背中を大きく仰け反らせ、縛られた手足を思いっきり引っ張りながら荒れ狂う射精衝動に必死に耐える。
ぶっちゃけイっているんだと思う。イっているのに無理やり射精を押さえ込んでいるから
体がバラバラになりそうな衝撃が襲ってくるのだ!
「ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」
でも出さない!
今まで頑張ってきた彼女たちに対して、コーチである俺が快楽に負けて射精してしまうなどあってはならない!
「ぐががががががががががががががああああああああああああああああ!!!!!!」
そうして俺は――
………………。
…………。
……。
「す、昴さんっ。大丈夫ですか!?」
「おー。おにーちゃん、へーき?」
「ど、どうしよう。やっぱり何か間違えちゃったのかな!?」
智花、愛莉、ひなたちゃんの心配そうな声が聞こえる。
しかし俺は返事どころか、声ひとつあげることができなかった。
「はあっはあっはあっはあっはあっはあっはあっはあっ」
50メートルダッシュを何セットもこなした後みたいに、息も絶え絶えになっていた。
――出さなかった!
どうにかこうにか精液が発射されるのを押さえ込み、俺は補習授業を終えたのだった。
むろん無事ではない。
股間から下はジンジンと痛みとも快楽ともつかない感覚に支配され、ほとんど麻痺状態だ。
我慢するために踏ん張ったり仰け反ったりしたため、体のあちこちが痛く、
手足を縛ったところからは血が滲んでいた。
脳味噌の血管も何本か切れたんじゃないかと思う。
凄まじい衝撃で、頭はぼーーーとし、視界はボンヤリとかすんでいた。
「すごいですね、長谷川さん。絶対イクと思ってたのに……。男の人ってこんなに我慢できるんだ。メモメモ」
「すばるん、よだれたらしてんぞ。汚いなあ。あたしが綺麗にしてあげんね」
そう真帆の声がすると、口のまわりに飛び散った唾液をペロペロと舐めていく。
子猫がミルクを舐めるようにちゅぱちゅぱと音を立てながら、ねっとりと舌を絡めてくるのだが、
それに反応することすらできず、マグロのようにされるがままであった。
「駄目だよ真帆。昴さん本当に調子がお悪そうだし、休ませてあげないと」
「ぷはっ。……うん、はんのーがない。ただのシカバネのよーだ」
「真帆!」
そんな真帆を引き離し、智花がハンカチでやさしく口もとを拭ってくれる。
感覚がごっちゃになっているなかで、なぜだかハンカチから微かに薫る智花の匂いを感じた。
「……と、智花」
「昴さん! お気づきになられましたか!?」
「お、俺は、出していないよな。耐え抜いたよな」
気づかないうちに漏れていたとしても不思議じゃない。
「はい。大丈夫です。何も出していません。この勝負、昴さんの勝ちです!」
「そうか、俺はやり遂げたんだな。ガクッ!」
「――昴さぁん!?」
「……そこ、三文芝居はふたりっきりの時にやってください」
いえマジで、もうズタボロです。
それでも徐々に視界がはっきりしてくると、心配そうに俺をのぞき込んでいる
愛莉とひなたちゃんの顔がわかった。
「おー、ごめんね、おにーちゃん。ひなたちへたっぴだから、おにーちゃんを痛くしちゃったんだね」
「ほ、本当に、申し訳ございませんでした。長谷川さん!」
「いや、そんなことは全く……」
「次はうんとれんしゅーして、おにーちゃんを気持ちよくしてあげるね」
「はいっ。がんばります!」
しーぬーかーらーやーめーてー!
「違うんだ。二人とも! ひなたちゃんと愛莉にしてもらってすっごく気持ちよかったんだけど、
オシオキが恐くて我慢してたんだ。だから気にする必要なんて全然ないんだよ」
「おー、そーなの?」
「うんうん。そう!」
「……よかった。ほっとしました」
「じゃー、今度はおにーちゃんがもっともっと気持ちよくなれるよに、ひな、がんばるね」
「わ、わたしも……」
「…………」
どうやらどう転んだところで俺に逃げ場はないらしい。
「長谷川さん、そんなにオシオキが嫌だったんですか? それなら言っていただければ……」
「……やめてくれたの?」
「いえ、もっとハードルを下げたのに…と。射精じゃくて、勃起しちゃったらオシオキとか……」
「ムリゆーな!」
あんまりな台詞に俺が噛みつくと、紗季は「ふふふ」と意地悪く笑った。
「冗談ですよ。オシオキができないのは残念ですけど、
頑張った長谷川さんにはご褒美にたっぷり舐めて差し上げますね♪」
そう言って、いまだ隆々と勃起している俺の息子をツンッと突っついた。
「うぐうっ!?」
触れられた瞬間、股間に電流が走る!
絶頂の直前で寸止めされ敏感なペニスは、ちょっとの愛撫でも凄まじい刺激となって俺を攻め立てる。
――しかし、しかしだ。
だからすぐにでもイっちゃうか……と聞かれればそうでもない。
どうも無理やり射精を抑え込んだせいか、すごく感じるのに射精する気配が全然ないという
おかしな状態に陥っている。
股間にフタをされたみたいな感じになって、生半可な刺激ではイきそうにない。
だが、そのフタの下では、快楽の濁流が渦を巻いて荒れ狂っているのをのをヒシヒシと感じる。
もし今度フタが外されたら、今まで我慢した分の倍以上の快楽と精液が、大噴火を起こすのは確実だった。
大丈夫かな、俺。壊れちゃわないかな……。
「では私が、長谷川さんお待ちかねのお口でのご奉仕をたっぷりしてさしあげますからね」
紗季は俺の股間の前にくると、竿の部分をもって妖しく笑った。
そうだ。補習も終わったし、もう愛莉に顔射する心配も、オシオキの危険性もなくなったんだから、
こんな変な気分、とっとと舌で舐めてもらって綺麗さっぱり出して、すっきりしてしまおう。
……あれ? でも彼女たちに舐めてもらうのは、なんか凄くマズイような気がしたんだけど……
……なんだったっけ? もうよくわからない……。
俺がぼんやりと疑問に思った時、傍らから異を唱える声があがった。
「ちょっとまったぁーーーっ!」
「なによ、真帆」
「あたしがやる」
「は? なに言ってんの。いったい何のために私が今まで舐めなかったと思ってんの?」
「ダメだねっ。今までたっぷり時間があったのに舐めなかったんだから、サキはタイムアウト、失格!
次はいっぱいべろちゅーしてすばるんをメロメロにしてやったこのまほまほ様の出番なんだからな!」
無い胸をえっへんと張って真帆が言う。
たしかに真帆が今まで舐めなかったのは、べろちゅーしてなかったからで、
それを達成したのだから、紗季より先にフェラチオをしたっておかしくはないのだが……。
「なにトボケたこと言ってるんだか。どう見たって、メロメロにされていたのは、あんたの方じゃない。
キスもまともにできないお子さまに口でしてあげることなんて無理に決まってるでしょ」
「あんだとーっ! サキだってエラソーなこと言っている割にはすばるんを「しゃせー」できないじゃんかよ!
おまえのコスり方が下手なショーコだ!」
――ぴくん。
あ……。
いま紗季のこめかみに「怒」マークが入ったのがわかった。
紗季はすっと右手を挙げると、ぺきん、ぽきんと指を鳴らしてみせた。
「私はただ手加減してただけよ。本気でやればあっという間に長谷川さんをイかせられるわよっ!」
「へんっ、あたしだって、マジになればスゴいんだからな!」
「なら勝負よ! 時間は1分。私は手でコスって、あんたはべろちゅー。
1分以内に長谷川さんを射精できれば、私の勝ち。1分以上べろちゅーして真帆が気絶しなければそっちの勝ちよ!」
「おー、やってやんよ!」
待て待て待て!
なんだその変則ルールは!?
「すばるんっ、サキにイかされたらオシオキだかんな!」
「長谷川さん、真帆がズルしないよう本気でやってくださいね。
1分以内に真帆を落とせなかったらオシオキですからね!」
うそーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!???
話ちがああああああううううううううううう!!!???
え? ちょっと何それ、俺の生存条件はどーなるの!?
混乱する俺をよそに、紗季の手ががしっと俺のモノを掴み、
真帆が二つ結びの長い髪と黒いべビードールの裾をひるがえしながら、ドカンと俺の体の上に跨ってきた。
うわっ、だめっ、それっ! まだ敏感なんだから、そんな強く掴んじゃ!
真帆だって一番大切な所が俺のおへそのあたりに当たって……。
「それじゃ、ひなっ、カウントお願いね」
「おーっ、まかしとけ!」
「や、やめなよー、真帆も紗季も!」
「じゃ、よーい、ドン!」
瞬く間に準備が整い、開始の合図が発せられる!
そして紗季の手が動き出すのと、真帆が覆い被さり唇が重なるのとが同時だった。
真帆と紗季のガチンコ勝負が開始された――。