「ふふ、まあいいわ。この勝負はトモの勝ちということで」  
「うぅ、嬉しくないのに……」  
「……では長谷川さんも起きたことだし、そろそろ本題に入りましょうか」  
「ほ、本題ってナニ?」  
 
聞かなくても想像できるのだが、声を出さずにはいられなかった。  
まずいぞう。これ以上の射精はもう未知の領域だ。  
今度は誰だ? 約束通りひなたちゃんからか?  
でも智花と紗季が前にいるってことは、2ターン目に突入ってこと?  
ということは、ま、まさか、二人同時に――  
 
「? お風呂で本題といったら、体を洗うことに決まっているじゃないですか」  
「え? なにいってんだよサキ、遊ぶことだろ」  
「わたしはお湯にゆっくり入って疲れをとることだと思うな」  
「ひなはおからだ洗って、お湯にぷかーって入るとは、とっても気持ちいいよ」  
「…………」  
 
……えーと。  
……少なくともこの中に、俺の考えたような不埒な想像をした子はいないらしい。  
 
なんだろう……この疎外感。  
さっきまでみんなあんな卑猥なことをしていたっていうのにっ。  
くそっ、こんな時だけ子供らしくするなんてズルイぞっ!  
 
……あれ? もしかして俺、期待してた?  
 
「……ふふ、長谷川さん、そんな残念そうにしなくても大丈夫ですよ。  
洗うのは長谷川さんのお体ですから。ご期待に添えるよう頑張らせて頂きます」  
「え、い、いや期待なんかしてないから……」  
「期待していない? ……ふーん、そうですか。……トモはどう思う?」  
「ふぇっ、あ、あの……えと……」  
「へぇーーー、そーなんだー。……きしし、だってさ、アイリーン!」  
「は、長谷川さんがそうおっしゃるなら、……そうなんじゃないかと……」  
 
……なんだ? なんでみんな歯にものが詰まったような言い方するんだ?  
 
「おー、おにーちゃん。おちんちんがすっごくおっきしてるよ。ひながまたぺろぺろしてあげよっか?」  
「!!!!!??????」  
 
なっ、なんだって!?  
そういえば股間がやけに張り詰めているような……。  
 
「ぷぷぷっ、ダメですよ、長谷川さん。こんなにオチンチン大きくしているのに、  
 期待してないだなんてウソついちゃ」  
 
――ツン!  
 
「うわあああああ!?」  
 
ちょこんと紗季がイチモツを指で突っつくと、それだけでビクビクと大きく震えた。  
うそっ、おっ勃ててたの!? 俺。  
 
「すばるんが見えないからって、もっかんとアイリーンがガン見してたんだぞ!」  
「ふぇぇっ!? が、がん見なんんてしてないよっ」  
「そ、そうだよっ、恥ずかしくって、じっとなんて見れないよう……」  
 
慌てて反論する智花と愛莉。まあこの二人の言うことは本当だろう。  
むしろ真帆とひなたちゃんには穴があくほど見られている気がするが。  
 
「恥ずかしがってチラチラ見るから目立つのよ。  
おしゃぶりまでして差し上げたんだから、今更恥ずかしがらなくてもいいでしょうに」  
 
ふうっとため息をつく紗季に、おずおずと愛莉の抗議の声があがる。  
 
「わたし……まだしてないよ」  
「あれ、そうだった? ……じゃあ愛莉がちゃんとお口で咥えられるように、オチンチンを綺麗にしておかなくっちゃね」  
「そ、そんなっ、……コレをしゃぶるなんて、む、無理だよ!」  
「でも、しゃぶってあげると長谷川さん、とっても喜んでくれるわよ」  
「…………」  
 
ああ、愛莉が黙ってしまった。  
 
「違うよ、愛莉。俺は喜んでなんかいないから、無理してする必要はないんだよ」  
 
……と、言いたいところなんだけど……。  
……あれだけ何回もイッておいて、今更そんなことを言うのはさすがに厚かましい。  
 
……正直、みんながおしゃぶりしてくれるのは気持ち良くって、堪らなかったし。  
罪悪感はあったものの、嬉しくなかったといえば大嘘になる。  
もし愛莉にしてもらったら……駄目だ。また股間が震えちゃう。  
 
「ふふ、ま、無理をする必要はないけどね。  
……では長谷川さん、汚れてしまった長谷川さんの体、  
私とトモでたっぷり洗って綺麗にして差し上げますね」  
「は、はいっ。頑張ります」  
 
そういうとチャプチャプと……たぶん石鹸かなにかを泡立てる音が聞こえた。  
……洗ってくれるのはこの段階にきてはしょうがないのだが、  
何故「たっぷり」がつくんだ?  
そこだけニュアンスが違う気がする。  
 
「じゃあ私が右手側でトモが左手側の担当ね」  
「うん。……す、昴さん、お体、洗わせていただきますね」  
「……ふう、わかったよ。……よろしく頼むよ」  
「はいっ!」  
 
元気な声で返事をすると、智花いそいそと俺のに身を寄せる。  
ああ、あんまり近づかないでくれ。体が当たる……ってか、もう匂いが立ちこめてくる。  
既に体を洗い終えているのか、智花の素肌からはボディーソープと智花自身の匂いが混ざった桃色の香りがしてきて、俺の頭をクラクラとさせるのだ。  
 
「……まずお湯をかけますね」  
 
シャワーを使って肩口にお湯をかけながら、お湯を行き渡らせるように、胸板をゆっくりと撫でていく。  
 
「……昴さん、男の人なのにお体細いんですね」  
「うん。当たり負けしないようにもう少し筋肉つけたいんだけどね」  
「……でも触ってみると引き締まっているのがわかります。ほら……こことか」  
 
お湯をかけつつ、智花が胸板をやさしく撫でる。くすぐったいような癒されるような不思議な感覚だ。  
 
「…………」  
「トモ、長谷川さんの体にうっとりするのはいいけど、こっちにもシャワー貸してもらえるかしら?」  
「ふぇっ、は、はい。ごめんね、紗季」  
「ふふ、ありがと。……あ、でもホント。意外と硬いんですね、男の人の体って……」  
「はは、そりゃ女の子とは違うよ」  
「…………」  
「…………」  
 
智花と紗季は体を撫でながら、代わりばんこにお湯をかけてくれる。  
でもなんだ、この沈黙は? 胸の辺りを這う二人の手が、すごくこそばゆいんですけど。  
 
「こらあーーーっ、サキももっかんも、洗わないならとっとと交代しろ!  
すばるんの体にさわってばっかじゃんかよっ」  
「おー、ひなもおにーちゃんのおからだ、はやく洗ってあげたい」  
「……ふぇ!? ご、ごめんなさい」  
「……はっ、いけない、私としたことが。申し訳ありません長谷川さん。 すぐに洗いますので!」  
「う、うん……」  
 
気を取り直したように、二人は俺の体を洗い始めたのであった。  
 
……ゴシゴシ……ゴシゴシ……。  
……ごしごし……ごしごし……。  
 
「どうですか、昴さん、痛くないですか?」  
「うん。大丈夫、気持ちいいよ」  
「長谷川さんって、肌きめ細かいですね。男の人なのに……」  
「いや、そこは褒められても……」  
 
最初は腕からということで、前に突き出した両腕を紗季と智花がそれぞれ洗ってくれている。  
片方の手で腕を支えてもう片方の手でゴシゴシ、ごしごしと、二人の性格を表すようにとても丁寧な洗い方だ。  
両腕に纏わり付く泡と手の感触が、先程の二人の柔らかな肌を思い起こさせ、再び麻痺状態になってしまう。  
やばいなあ、絶対また勃っているよなあ。  
 
「では次は手をあげてください」  
「こう? ――うひゃあ!?」  
 
手をあげると同時に、脇の下を同時にゴシゴシと擦ってくる。  
くすぐったいのとはまた違う、快楽に近い気持ち良さがゾクゾクと駆け巡った。  
 
「……昴さん、脇の下もお綺麗ですね」  
「……ほんと、毛一本ないわ。女の人みたい……」  
「男だよ。100%」  
「わかっていますとも。……こんな立派なモノをお持ちなんですものね!」  
 
――ツンッ。  
 
「ぐあっ!? 紗季っ、からかうのも大概にしてくれ!」  
「あら、からかってなんかいませんよ。むしろ称賛しているくらいです」  
 
うう、小学生に弄ばれている気がする……。  
くすくすと笑うその声すらも、浴室に反響して耳に纏わり付いてくるようだ。  
 
腋の下から胸に移動して、二人一緒にゴシゴシと胸板を洗う。  
ちなみに智花が手にしているのはタオルで、紗季が手にしているのはスポンジだ。  
それぞれたっぷりボディソープを付けて泡立てているのだが、  
擦る感触が微妙に違くって、俺をさらに混乱させる。  
 
「……当然胸毛も無し……と。ピンクのかわいい乳首ですね。長谷川さん。  
ここをひなに散々吸われちゃったんですね」  
「んひゃあっ」  
 
ツンツンとスポンジの端で乳首を突っつかれる。  
刺激としてはそんなに強くないのだが、視覚の奪われた状態ではどんな攻撃も不意打ちだ。  
 
「おー。おにーちゃんね、ちくびちゅーってされるの、気持ちよさそーだったよ」  
「ふふ、それは楽しみね」  
「こら、紗季っ。ふざけてばかりいないの! 智花みたいにしっかり洗って……智花?」  
 
ちょっかいを出す紗季とは対象的に、智花は黙々と俺の体を洗っている。  
大変ありがたいのだが、あまりにも無口なのでちょっと不安になってしまう。  
 
「智花、大丈夫? さっきから黙ってるけど、疲れたりとかしてない?」  
「……ふぇ!? い、いえ、とんでもございませんっ!」  
「もっかんはすばるんの体に見とれてただけだもんな!」  
「おー、ぼーっとしてた」  
「うん。ちょっと顔が赤くなってたよ」  
「そ、そ、そ、そんなことないです」  
 
ごっし、ごっし、ごっし!  
 
「!? と、智花、できればそんな強く擦らないでくれるかな」  
 
そこ、乳首ですから。  
 
「ふぁあっ も、申し訳ございませんっ」  
「トモ。力をいれすぎても気持ち良くないのよ。  
こうやって、ちょっとかするくらいの感じで触ってあげるのがいいんだから」  
 
しゅっしゅっ。  
 
「はうっ!」  
「こう?」  
 
さっさっ。  
 
「くううんっ!」  
 
スポンジとタオルが、左右の乳首をかすめるように擦っていく。  
目の細かいスポンジの表面と荒いタオルの布地で擦られ、  
甘い疼きが二つの乳首を基点として波紋のように広がっていった。  
 
「あとは軽く引っ掛けるようにしてあげるのも効果的よ」  
「こう……かな」  
 
……クニックニッ。  
……くにっくにっ。  
 
「はあああああんっ!」  
 
くそっ、いいようになぶられてしまっている。  
しかし止めようにも俺は両手をまだ上げたままなのだ。  
 
だって下ろしたとして……どこに置くの?  
 
智花と紗季は今息のかかる距離で俺の胸やら脇やらを洗ってくれている。  
前に下ろそうが、横に下ろそうが、たぶん体のどっかに触れてしまうし、後ろは壁だ。  
 
そしてもし彼女たちの体に触れようものなら、俺は自分がどうなるかわからない。  
そんな危険を犯すよりは、筋トレだと思ってあげっぱなしにしておいた方がマシだ。  
 
俺は両手を上げたまま、体中を這いまわるスポンジとタオルの感触に、懸命に耐えていた。  
 
「……ごしごし……ごしごし……ふぇっ、おなか……すごい硬いです」  
「ほんと……こういうところはやっぱり男の人って感じがしますね」  
 
俺の苦悩をよそに、智花と紗季は乳首から離れて下へ下へと洗っていき、腹部へと到達した。  
ようやく男としての評価があがってきたわけだが、わき腹を擦られるのはどうもこそばゆい。  
 
「……ぷにぷに……ぷにぷに……」  
「うーん、スポンジごしだと、イマイチ感触がわからないわ」  
「……智花、あんまり押さないでね」  
「ふぇっ、す、すいません。……でも男の人の筋肉は違いますね。  
 私じゃいくらトレーニングしても、こんな風にはなりませんから」  
「いや、トモのお腹も十分凄いわよ。キュッて引き締まってるじゃない」  
「もっかん腹筋すげーもんな!」  
「おー。ともか、むきむき?」  
「そ、そんな恥ずかしいこと言わないで! それに腹筋だったら愛莉の方が……」  
「わ、わたしは、背が伸びないようにいつも筋力トレーニングしてるから」  
 
きゃいのきゃいの騒ぎながら、体の前面を丁寧に洗ってくれる智花と紗季。  
そしてついに、その場所へと辿り着いたのだった。  
 
「……ふぇ……さっきよりも、おっきくなってる……」  
「ふふ、待ち切れないって感じですね」  
 
そりゃ君達がたっぷりと敏感な場所を洗ってくれたからね。  
加えてさっきから体にあたってくる濡れた肌や、鼻腔に充満する女の子五人分の匂いで  
股間は完全に臨戦体勢が整ってしまっている。  
もういい。覚悟はできている。さあっ、好きにするがいいさ!  
 
「……ふふっ、ココは大切な所だから最後にして、先に足を洗いましょうか」  
「……う、うん」  
 
なんですと!?  
 
……いや、いい。それでいいいんだけれど…………ああ、下の息子は絶賛反抗期中だ。  
つかわざとだろ紗季。  
くそう、徐々に焦らしを覚えてきているな。  
 
そして本当に二人は股間を無視して、足を洗い始めてしまう!  
 
「ごっしごっし、ごっしごっし。 ……長谷川さん、すね毛も随分薄いというか、ほとんど無いじゃないですか。  
本当にオトナゲがないんですね」  
「オトナゲナイ言わないで! って、なんで紗季までそんな言い回しを知ってるんだ!?」  
「それはみーたんが、事あるごとに言っていますから。  
昴はいつまでたってもオトナゲなくって困るって。……みんな知ってますよ?」  
 
あのやろう。  
道理で竹中にまでからかわれるわけだ。  
……みんなって、まさかミホ姉のクラスの子全員知っているわけじゃないよな?  
もしそうだったら生きていけない……。  
 
「だ、大丈夫ですよ、昴さんっ。ほら、おみあしがとても綺麗でいらっしゃるし!」  
「そーだぞ! 毛がないなんて気にすんな! それ言ったら、あたしたちみんな毛がないんだからっ。  
オトナゲナイモノどーし、仲良くしよーぜ!」  
「おーっ、みんなツルツルだぞー!」  
「真帆、ひなたちゃん、女の子がそういうことを言ったら――って、愛莉も!?」  
 
言ったらまずいことをすぐ言ってしまうこの口をどうにかしてしまいたい。  
 
「な、なんでわたしには、そんな驚いたように聞くんですか!? わたしだって、その……」  
「ごめんっ、愛莉! でも違うんだっ! 愛莉はその……発育がいいから……胸とか……お尻とか……」  
 
「背」という禁句をいってしまいそうになるのをどうにか堪える。  
しかし、代わりに出た言葉も、十分過ぎるほど失礼窮まりないものであった。  
 
「むっ、胸っ、とか、お尻って、は、長谷川さんがっ、そんな……」  
「まー、しゃーないってアイリーン。こーんな、でっかいおっぱいしてるんだからさっ。  
すばるんだって毛がはえてるって思っちゃうよ」  
「そーだよ。あいりー。もみもみ、もみもみ」  
「きゃあああっ!? 真帆ちゃん、ひなちゃん、やめて! 揉んじゃダメだようっ!」  
   
バシャバシャとお湯が跳ね回って体にかかる。  
……いったい湯舟の中ではどんな恥態が繰り広げられているんだろうか。  
 
「ふふ、長谷川さん、愛莉に生えているかどうか気になるんでしたら、  
ご自分の目で確かめてみたらいかがですか?」  
「ああ、そうだね……って、取ったら駄目じゃん!」  
 
目隠しを取りそうになった手を慌てて下ろす。なん てことをさせようとするんだ、この子は!  
 
「もう時間の問題だと思いますが……まあ、いいでしょう。トモ、続きをしましょう」  
「うん」  
 
……ゴシゴシ、ゴシゴシ。  
……ごしごし、ごしごし。  
 
二人は再び丁寧に足を洗い始める。  
太ももを洗い終わったと思ったら、体勢が苦しいのかくるりと回れ右をして、今度は足の先を洗う。  
足の指を一本一本洗われるのはくすぐったいが、太ももに触れる智花や紗季の足の感触の方がよっぽど体に毒だ。  
 
……ゴシゴシ、ゴシゴシ。  
……ごしごし、ごしごし。  
……ぷにん。  
 
「うっ!?」  
「ふぇっ!?」  
「どうしたの、トモ?」  
「え、あ、あの、お尻に、ちょっと当たってしまって……」  
 
い、今、俺のペニスに当たったのは智花のお尻だったのか。  
どうりで柔らかかくとも弾力があったはずだ。  
おそらく智花は俺の足を跨ぐようにして、四つん這いになって洗っていたのだろう。  
そしてバックしながら足を洗っている間に、お尻がいきり立ったチンコにぶつかってしまったのだ。  
危ない危ない。  
思わずイッちゃいそうになってしまったじゃないか。  
 
「ご、ごめんなさい、昴さん。洗うことに集中していたら、後ろがおそろかになってしまいました」  
「い、いや、俺の方こそゴメン」  
「いえ、昴さんは見えないのですから、私が気をつけないと……」  
 
謝り合った後、再び洗い擦り始めるが……。  
 
……ごしごし……ごしごし……ぷにんっ。  
 
「ひゃんっ!」  
「くはっ!」  
 
洗うことに集中していると、どうしても後ろが疎かになるらしく、  
智花のむきだしのお尻が、何度か俺のペニスにかさった。  
 
「た、たびたび申し訳ございませんっ」  
「ううんっ! ……俺のことは気にしなくていいから、智花は洗うことに専念していいよ」  
「は、はいっ!」  
 
俺はあくまで「気にしなくていい」という意図で言ったのだが、  
智花は「洗うことに専念して」という意味を強くとらえてしまったらしい。  
 
なぜならば――  
 
……ごしごし、ぷにんっぷにんっ。……ごしごし、ぷにんっぷにんっ。  
 
「はうっ、と、智花?」  
「すいません、昴さん。でも、膝のあたりを洗うには、もっと下がらなくてはいけないので、少し我慢してください」  
「う、うん……」  
 
智花はお尻に俺のモノが当たるのも構わず、ごしごしと膝を洗い始めたのだから。  
ごしごしと智花がタオルでこするたびに、お尻も揺れて、スリスリと俺の息子をこすっていく。  
 
あの美しいジャンプシュートを生み出すお尻が、こんなにも柔らかかったなんて……  
もう純粋な気持ちであの後ろ姿を見れなくなってしまう。  
 
……ごしごし……ごしごし……ぷにんっ……ぷにんっ  
 
「? トモ、さっきから何が当たって……」  
 
紗季がいぶかしげな声をあげたときだった。  
 
……ふにん。  
 
「うっ!?」  
「きゃっ!? なっ、長谷っ…………ああ、そういうことね」  
 
たぶん振り向いた拍子に、今度は右側から紗季のお尻が当たってしまったようだった。  
納得したような声がした後、……ふふふ、と非常に嫌な予感をさせる含み笑いを漏らす紗季。  
 
「ふふ、じゃあ私も洗うことに集中しないとね」  
「あ、あの、紗季……」  
 
……ゴシゴシ、ゴシゴシ、……ふにんっふにんっ。  
 
「はうううっ!?」  
 
予想通り、今度は紗季のお尻が、俺のチンコをかすめ始めたのだった。  
手を動かすたびに、上下に揺れる二つのお尻。  
 
しかも同じタイミングではなく、擦ったり擦らなかったり、見えない分動きが読めないため  
常に不意打ちとなって襲い掛かってくるのだ。  
智花はともかく、紗季は絶対わざとだ!  
 
「紗季!やめてくれっ、そんなお尻で擦られたら俺は!」  
「なにを慌てているんですか長谷川さん。私はただ足を洗っているだけですよ?」  
 
……ふにんっふにんっ!  
 
「あうあうっ!」  
「ふふふ」  
 
弾力がある二つのお尻が交互に俺のチンコに当たってくる。  
しかも二人とも後退してきているのか、だんだんとその頻度が高くなってくる。  
 
「智花っ、紗季っ! とりあえずいったん手を止めて――」  
 
俺が声をあげた瞬間事故は起こった。  
 
智花と紗季は俺にお尻を向けてそれぞれの足を洗ってくれている。  
しかし考えてみてほしい。  
俺は両足を投げ出すように八の字に開いているのだ。  
足を洗いながら後ろに下がったら、当然とある地点でぶつかってしまう!  
 
――ふにんっ!  
――ぷにんっ!  
 
「あっ」  
「ふぇっ」  
「んひゃあっ!?」  
 
ペニスが両側から柔らかいものに押し潰された。  
 
さ、サンドイッチされました。  
智花と紗季の生のお尻に挟まれてサンドイッチ状態!?  
無理ですっ、監督。もう俺は――  
 
「駄目だっ、二人とも!」  
 
――さわっ!  
 
「ひゃんっ!」  
「きゃんっ!」  
「ええっ!?」  
 
止めさせようと咄嗟に手が出てしまい、二つの柔らかいものに当たった。  
柔らかいんだけど、とってもスベスベしたもの。  
これは――  
 
「やるな、すばるん! おっぱいだけじゃなくてオシリまでホーミングできるなんてっ」  
「おー。おにーちゃんは、おっぱいよりも、おしりのほうが好きなの?」  
「ふぇ!? す、昴さん?」  
「ち、違うんだっ、これは!」  
「い、今のは……押し潰されちゃいそうになったから止めようとしたんだと思うよ」  
「そうっ! 愛莉の言う通り!」  
 
さすが愛莉っ、なんて良い子なんだ。  
さっきあんな失礼なことを言われたというのに、きちんと擁護してくれるなんてっ。  
後でたくさんお尻をナデナデしてあげるからね。  
 
――ちゃう!  
お尻じゃないっ。頭だあたま!  
お尻から離れろ、俺の思考!  
 
「もう、駄目ですよ、長谷川さん」  
 
紗季がちょっと怒ったような声色で糾弾してくる。  
 
「も、申し訳ない……」  
「触りたいときは、ちゃんとおっしゃってくださいね。びっくりしますから。  
あっ、それとも驚かせようとして、わざとやったんですか? もう、いたずらっこさん☆」  
 
……なんかOKがでました。  
……ねえ、もしかして俺、誘われているの?  
 
「ふぇ……昴さんが……私のお尻を……」  
「いやっ、違うから、これはホントに咄嗟に手が出ただけで!」  
「そ、そうですよね! 私なんかの薄っぺらなお尻、昴さんが好きで触るわけないですよね」  
「え、そんなことないよ。ほら、智花のお尻はとっても柔らかくって、ツルツルしてて、  
いつまでも触っていたいくらいだよ」  
 
ナデナデ……ナデナデ……。  
 
「はうううんんっ!!!」  
「――って、ごめん智花!」  
「ふぃ、ふぃえっ、ご満足頂けて、何よりです……」  
 
ああ、なにやってんだ、俺はっ。  
 
でも二人のお尻の感触が……特にナデナデしちゃった智花のお尻の感触が手に残って……  
駄目だ! しっかりするんだっ、長谷川昴!!  
 
「ふふ、長谷川さん。ようやくその気になってくださったんですね」  
「違う! 俺はっ、君たちを手をだすようなことは断じてしないっ」  
「むー、強情ですね。……でもこっちの子はとっても素直ですよ」  
「ひゃうっ!!!」  
 
紗季がスポンジの端でペニスを突っつく。  
くそう、今ほど自分が男であることを妬ましく思ったことはないっ。  
 
「大丈夫ですよ。長谷川さんが私たちのことを想ってくださって手を出さないでいることは、ちゃんとわかっていますから。  
でも……いえ、だからこそ、私たちは大好きな長谷川さんと、もっと深く愛し合いたいのです」  
「……さ、紗季……」  
「わ、私も……昴さんのことが、大好き、です。だから、もっと昴さんのことを知りたいし……私のことも、昴さんに知ってほしいんです」  
「……智花……」  
「あーっ、ずるいっ! あたしだって、すばるんと、もっと『フカイナカ』になりたいんだからな!」  
「おー、ひなも。ひなもね、おにーちゃんともっともっと仲良しになりたいのです」  
「真帆、……ひなたちゃん……」  
 
……えーと、でも仲良しっていうのは、ちょっと違うんじゃ……。  
 
「わ、わたしも、……長谷川さんにいつもお世話になって、いっぱいいっぱい助けてもらって……  
 ……だいすき……だから、……長谷川さんが気持ちいいこと、してあげたいなって思うんです」  
「あ、愛莉……」  
 
やばい。  
このタイミングでこの告白は激しくヤバいっ。  
俺を縛る枷がどんどん取り外されていってしまう。  
 
「ふふ、ではみんなの決意もお聞きいただいたところで……」  
 
さわっ。  
 
「ひゃうん!!!」  
「お待ちかねの、ココをたっぷり洗って差し上げますね」  
 
紗季の掌がやさしく、俺のペニスに触れたのだった。  
 
 
 

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