ちゅんちゅん  
 
朝目を覚ますと、腕にわずかな鈍痛が走る。  
目をやればそこには、すーすーと小さな寝息をたてる愛らしい顔があった。  
 
「ひなた、おはよう」  
 
そう言ってちゅっと頬にキスをすると、んんーと身じろぎをして  
うっすらと目を開ける。  
 
少しぼんやりした表情のまま、左右を見渡し、ようやく俺の顔に焦点があうと、  
彼女はにっこりと、朝一番の極上の笑みを見せてくれる。  
 
「……おはよう。おにーちゃん」  
 
ひなた。俺の妻だ。  
 
「おはよう、ひなた」  
 
いまだに「おにーちゃん」が直らない彼女に苦笑しつつ、俺は今度はちゃんと唇に  
おはようのキスをする。  
 
ちゅっ。  
 
「ん。……おにーちゃん、もういっかい」  
 
甘えん坊やさんのひなたの願いに応えて、俺は深いキスを繰り返す。  
 
くちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。  
 
「んふふー。ありがとう、おにーちゃん。じゃあ今度はひながしてあげるね」  
 
そう言うとひなたは、いつものように俺の股に顔をうずめ、そこにある物を愛おしそうに舐め始める。  
 
シーツに広がるウェーブのかかった柔らかな髪に指を絡め、頭をやさしく撫でてやる。  
 
かいがいしく奉仕を行う可愛い子猫に、たっぷりと濃いミルクを飲ませてあげると、  
俺たちは共にベッドを下りた。  
 
 
部屋を出るとまずは一緒にシャワーを浴び、昨夜の残滓を綺麗に洗い落とす。  
そしてふたりで朝食の準備をする。  
ひなたにひとりで包丁を持たせるのはまだ危ないので、俺が後ろからぴったりくっついて  
手伝ってやる。  
 
「おにーちゃんっ! だめだよぅ。そんなに動かしたらおりょーりできないよぅ!」  
「ごめんっあとちょっと、ちょっとだから!」  
 
食事前にひと仕事した後、仲良く朝食を採り、身支度を整え家を出る。  
 
 
夕方、家に帰ると先に戻っていたひなたが玄関で三つ指ついて迎えてくれる。  
 
裸エプロンで。  
 
「おー。おにーちゃんごはんにします? おふろにします? それとも……ひなにする?」  
 
答えは決まっているので俺は食卓の上でひなたを美味しく頂いた。  
 
「じゅる……。うん。このイチゴは赤く熟れていてとっても美味しいよ。こっちの小豆はどうかな?」  
「ひゃうっ、そこっそこぉ、たべちゃだめ!」  
 
その後おふろにはいり、ふたりで洗いっこをする。  
俺は自分の体を使って、ひなたの体の奥を隅々まで洗ってあげる。  
 
「おにーちゃんっおにーちゃんっ、おくにっ、おくにコンコンッあたってるよ!」  
 
長湯になるといけないので一回で切り上げ、リビングで他愛もないおしゃべりをしながら  
ひなたの長い髪を乾かしてやる。  
 
 
そうしてひとときの団らんを楽しんだ後、お姫様だっこでひなたを寝室に連れていきベッドイン。  
激しくコンバインして子作りに励む。  
 
「おにーちゃん、でてるっでてる! おにーちゃんのあついの、ひなのおなかのなかにたくさんでてるよー!」  
 
夜の早いひなたはすぐに疲れて眠ってしまうので、俺はいろいろ体位を変えながら、  
できるだけ多くの子種を注ぎ込んだ。  
 
「はあ、はあ、はあ。……おにーちゃん……だいすき……」  
 
腕の中で幸せそうに微笑むひなたのおでこに、ちゅっとおやすみのキスをして  
俺たちの平凡だが幸福な一日が終わる。  
 
 
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