俺はひなたちゃんをお姫様だっこしたまま、体育館にある用具倉庫へと駆け込んだ。  
色々と複雑な思い出のある場所ではあるけれど、とりあえずここが一番手近だったのだから仕方ない。  
腕から降ろすと、ひなたちゃんは困ったように眉を寄せたまま、俺の顔をじっと見上げてくる。  
そしてもどかしげに膝をすり合わせつつ、切なげな口調で訴えてきた。  
「おにーちゃん、ひな、おまたのむずむず、とまらないよ……」  
事の発端は、女子バスケ部の練習中、体力づくりのためにと皆に登り棒をやらせてみたことだ。  
ひなたちゃんも最初のうちは頑張っていたのだが、次第に様子がおかしくなってきた。  
妙に顔を赤くして、まるでトイレを我慢しているみたいにモジモジし始めたのだ。  
理由を聞いてまごつく俺に、潤んだ瞳で『おにーちゃん、どうにかして?』とねだるひなたちゃん。  
その強烈きわまるイノセントチャームに、俺の理性は完全蒸発。  
今はもう、ひなたちゃんのそれを何とかしてあげることだけが、俺に課せられた唯一の使命なのだった。  
「うん、すぐ治してあげるからね。じゃあ、まずは自分で脱いで見せてくれるかな?」  
「おー。んっしょ、んしょ。……はい、これでいい?」  
ひなたちゃんは俺の言う通り素直に下を脱ぐと、跳び箱の上に座って大きく股を開いてみせた。  
女バスの中でも一際小柄なひなたちゃんのそこは、まるで陶器人形のようにちっちゃくて可愛らしい。  
今からここに自分の手が触れるかと思うと、えもいわれぬ緊張感が湧き上がってくる。  
俺は乾いた唇を軽く舐めてから、彼女の前へかしずくように膝を突いた。  
 
「それじゃ、ちょっと触るよ? 少しくすぐったいかも知れないけど、我慢できる?」  
「おー、ひな、くすぐられるのはへいき」  
「そうなんだ、えらいね」  
「えへへ、おにーちゃんにほめられた」  
嬉しそうに笑うひなたちゃんを眩しく思いつつ、俺は無防備に晒された股の間へ手を伸ばした。  
女の子のこんな処に触れるのは初めてだけど、とても敏感な箇所だという事ぐらいは分かっている。  
俺は壊れ物を扱うような慎重さで、開いた股の中心に人差し指をそっと宛がう。  
ふにっとした弾力と、汗ばんだ肌の温もりを感じた瞬間、ひなたちゃんの眉が小さく跳ね上がった。  
「ん……っ。ひな、いまちょっとぴくんってなった」  
「そうだね、でもこうしないとムズムズは治らないから。続けても平気?」  
「おー、つづけていいよ。……ふにゅ、んにっ……」  
触れさせた指を上下に細かく動かし始めると、ひなたちゃんの唇から可愛い声が洩れだした。  
普通にくすぐられるのとは違う感覚に、少し不思議そうな顔をしながらも、俺の行為に身を任せてくれる。  
俺は指先に神経を集中して、柔らかな肉の狭間を何度も往復させる。  
そのうちに、ひなたちゃんはほんのりと頬を染めて、小さなお尻をもぞもぞとさせ始めた。  
 
「おにーちゃん……。ひなのおまた、にゅくにゅくして、へんなかんじ……」  
「まだムズムズする?」  
「んー、すこし、する……。そこの、ぽっちのところ……」  
「ここだね……?」  
俺は、ぷっくりと膨らんだピンク色の肉芽を、ぬめる指先で少し強めに擦り上げた。  
円を描くように刺激してあげると、ひなたちゃんは喉を撫でられた子猫みたいにうっとりと目を細める。  
「んっ、それ、いい……。おにーちゃん、そこ、もっとくりくりってして……?」  
「こう?」  
「ふにゅ、うん……。ひな、そうされると、すごくきもちいーの……」  
その甘えた声に心を奪われた俺は、より一層の熱意を持って指を動かした。  
周囲のぬめりを掬い取っては、コリコリした感触の突起へ擦り込んで、ひなたちゃんの疼きを鎮めていく。  
指先に感じる、吸い付くような肌の感触と温かさに、俺のほうまで何だか気持ちよくなってくる。  
もうちょっとかなと思いつつ、俺は空いている手を自分のジャージのズボンへと伸ばし、中から・・・・・・  
 
 
「すすす昴っ! あんたなにやってんのよ!?」  
「なにって見ての通り、虫に刺されたひなたちゃんの足の指の股に薬を塗ってるんだけど?」  
 
……取り出した痒み止めのチューブを見せ、突然乱入してきた葵に即答した。  
「へっ!? 足の……指? 虫刺され?」  
「ああ。登り棒で、ひなたちゃんシューズを脱いで靴下履きでやってたら、その上から刺されちゃって」  
「おー。こんなむずむずするとこさすなんて、あのむしさん、いじわる」  
裸足のつま先をプラプラさせながら、ひなたちゃんは可愛らしくほっぺたを膨らませた。  
陶器人形のような親指と人差し指の間には、ピンク色の虫刺されの痕がぷっくりと盛り上がっている。  
もうちょっと薬を塗ったほうがいいかと思ったけど、この様子だともう大丈夫そうだ。  
それよりも、妙にうつろな目をして顔をひきつらせている葵のほうがちょっと心配になってくる。  
「あ、ははっ、そうだったんだ……。登り棒で股がムズムズとかいうから、私、つい誤解して……」  
「誤解? ああそういえば、葵って昔やたらと登り棒にハマってた時期あったよな。  
そん時になんか思い当たることとか」  
「なな何で覚えてるのよ!? や、違っ、別に私がそうだったとかじゃなくてっ!」  
「は? だからさっぱり判らないんだけど……?」  
「う、あ、うわあああぁぁん! 汚れた子供時代でごめんなさいぃぃっ!」  
全く意味不明な事を叫びながら、葵は飛び込んできた時以上の勢いで駆け出していく。  
「おー。あおい、どうした?」  
「さあ、どうしたんだろうねー?」  
残された俺とひなたちゃんは、しばらく互いに顔を見合わせて、ひたすら首を傾げるのだった。  
 
〜おわり〜  
 

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