――昴さん、私と婚約して下さいっ!!
強烈に印象の残る、智花との新たな”賭け”をした日のこと。
決して小さくはない技術の差、体力の差を埋める智花の根気を讃え、将来を誓い合う仲になった日のこと。
久しぶりの、夢。
「おはようございます、昴さん。朝練の準備、できてますよ。」
控えめでいて快活な、智花の声で目が覚める。それがいつしか、俺の朝の始まりとなっていた。
――今でこそ智花は部屋の前で待ってくれているが、最初の頃は少し大変だった。
朝の生理現象で堅くなった男の象徴に、年相応の興味を抱かれてしまったり。
少し寝坊をしてしまったときに、熟した林檎のような赤ら顔で俺に抱かれる智花と眼があってしまったり。
まだ恥ずかしいけれど、いつか良い思い出になるだろうか…。