智花のラブラブ誕生日プレゼント大作戦
「昴さん、欲しいものは何かありますか?」
もうすぐ、昴さんのお誕生日。絶対に喜んでもらえるものをプレゼントしないと。
私は、顔が真っ赤になるのを感じながら昴さんに尋ねてみた。
女バスのメンバーは、私以外昴さんの誕生日は知らない。ちょっと、ずるいけど真帆たちに言ったら、大騒ぎになっちゃうし、それに昴さんをびっくりさせてあげたい。
「そうだなー。そろそろバッシュ限界だし、エアジョーダンかな。でも、高いし妥協して別の買っちゃうだろうけど」
昴さんはそう言って笑うと、照れくさそうに頭を書いた。
私はその顔を見て、決めた。絶対にエアジョーダンをプレゼントしようと。
「なんで、智花はそんなこと聞いたんだ?」
「えっ、その、何でもないです。なんとなく聞いただけです」
「そう? まぁ、いいや。じゃ、そろそろ休憩も終わりにして練習を再開しよう」
みんなのところに走っていく昴さん。
私はその背中を追いかけた。
練習が終わって。家に帰る。
早速エアジョーダンを調べる。靴のサイズは、今日の部活のときに昴さんの靴を拝借して調べたからわかってる。
お年玉も一万円ぐらい残ってるし、きっと大丈夫だろう。
「……こんなに高いんだ」
インターネットサイトで調べて見ると、想像していたよりずっと高い。
大体2万〜3万ぐらい。とても手が出ない。
「でも、昴さんには絶対喜んで欲しいし。どうしよう……」
中古を探す? いや、バッシュの中古なんて絶対に嫌だ。街で安いのを探す? スポーツシューズだと特価品を探してもネットのほうが安いことが多い。
お母さんにお小遣いを前借りするにも値段が大きすぎる。
頭の中がぐるぐる回っておかしくなりそうだ。
考え事をしていると、PCからベルの音が鳴った。女子バスケットボール部のSNSに誰かが書き込んだんだ。
『よう、みんないるかー。まほまほだぞー』
『おー、いるよー』
『こんな夜中に呼び出してなんの用よ』
『へへへっ、もっかんの隠し事を暴こうぜ。最近妙にそわそわしてるから気になってしゃーない』
『まほちゃん。趣味悪いよ。でも、わたしもちょっと気になるかも』
『馬鹿真帆。こういうのは本人が言い出すまで黙ってあげるのが優しさよ。そういう無神経なところがガキなのよ。だから胸も……ごめんなさい』
『こらっ、サキなんでそこで謝る!」
顔が高潮する。ばれてる。真帆はなんだかんだ言ってよく見てる。
言い訳を必死に考えていると、唐突に一つアイディアが浮かんだ。
もしかして、真帆なら、いろんなことを知っている真帆なら、お金の稼ぎ方を知っているかも。それにきっと相談に乗ってくれる。
私は昴さんの誕生日を隠していることに後ろめたさを感じながら震える手でSNSに書き込む。
『みんな、ごめん。実はみんなに隠し事してる』
書き込み終わるとすぐに返事が返ってきた。
『水臭いぜもっかん。なんでも相談してくれよ』
真帆らしい無遠慮で優しい言葉。それだけに余計、胸が苦しくなる。
『どうしてもお金が必要で、でも、私の手元にあるお金じゃ足らなくて、私でもお金を稼ぐ方法ってないかな?』
書いちゃった。大事なところは隠して。
『お金が必要なら私が貸してやるよ』
『おー。ヒナもお小遣い残ってるから貸してあげるー』
『わたしもいいよ』
『智花水臭いじゃない。私も別にいいわよ』
優しい言葉。でも、それじゃ駄目だ。これについてはみんなの力を借りたくない。私は私の力で昴さんを喜ばしてあげたいんだ。
『みんな、ありがとう。でも、駄目。私が自分で稼がないと意味ないの』
『そっかー。じゃあ、援こーなんてどうだー。もっかん可愛いからすぐ稼げんぞー』
『真帆、馬鹿!! 意味わかって言ってんの!!」
『馬鹿言うなサキ。もちろんわかってるに決まってんだろ。可愛い女の子がもてなくて寂しいオッサンとご飯食べてあげる代わりにお金もらうって言う話だろ』
『ごはん!? そんなので済むはずないでしょ』
『じゃぁ、何するんだよ。言ってみろよサキ』
『えっと、それは、そのあれよ。あれ!』
『あれでわかるか! なんだ。サキも知らないんじゃないか?』
すごい勢いでログが流れている。それを流し読みする。真帆の言っていたエンこーっていう言葉が頭に引っかかっている
サキは止めようとしたけど、お金が手に入るってことは否定しなかった。きっと、優しいサキは、大変なことだから止めようとしたんだろ。
でも、お金が稼げるならどんなことだってしたい。
それで、昴さんが喜んでくれるなら。
今なお、ログが流れ続けているPCから目を離し、携帯でエンコーと検索する。するとすごいHIT数が出た。
その一番上の掲示板をクリックする。
たくさんの女の子の書き込みがあった。そこには、自己紹介と自分の写真。そして、欲しい金額を書いてあった。
その金額を読むと2万とか、どんなに安くても1万5千と書いてある。
「やった。ここならお金を稼げる」
私は夢中になって、案内にある通りに、掲示板に登録する。
最寄り駅と携帯の番号。それに自己紹介に、後写真。それに欲しいお金。私は2万円と書いた。
「後は待つだけか」
掲示板に登録したのはいいけど、具体的に何をするんだろ。回りの人のを読んでみる。
するとホ別とか、生×とか、よくわからない言葉が書いてあった。
でも、なんとなくわかったのは、男の人にあって何かするってことだ。
「会って見て、それからその人に聞けばいいよね。うん、行動しないと」
なんて覚悟を決めて、私は携帯をにらみ付けながら、着信を待った。
好きなJPOPのメロディーが流れる。携帯の着信音だ。
私は、震える手で携帯を取った。ディスプレイには知らない番号。
「はい、湊です」
「本当に、若い声だ。プロフィール本当そうだな。ねえ、君本当に小学生」
気持ち悪い。紛れもなくそれが第一印象だった。でも、その感情を抑えて返事をする。
「そうです。小学生です」
「ふひぃ、リアル小学生きたぁ。で、今から会える」
「大丈夫です。あっ、その、えっと」
お金が貰えるのか、それを聞かないといけないのに唇が乾いて声が出ない。
「お金のことだよね? 僕、いっぱい持ってるから大丈夫だよ。会って可愛かったら2万と言わずにもっとあげるから」
少しだけ安心した。
だからかな、勇気が出てきた。そして声も
「……ありがとうございます。待ち合わせ場所は携帯に書いた駅でいいですか?」
「ああ、いいよ。ホテルも近いしね。じゃあ、30分後に待ち合わせでいい?」
「はい、大丈夫です」
「でっ、俺の名前だけど、そうだなー ナイキって呼んで。偽名だけどね」
その言葉を最後に電話が切れた。そこで気づいた。自分がまだ制服姿のままだってことに。
でも、着替えている時間はない。
私は、慶心学園の制服のまま、待ち合わせ場所に向かった。
駅に着いた私は、時計を見る。待ち合わせ時間の3分前。辺りを見回し、そしてそれが無駄だと気が付いた。だって私は相手の顔を知らない。
でも、なぜか、無駄だとわかっても回りを見渡すをやめれない。
「君が、智花ちゃん」
いきなり、声を掛けられた。
襟の汚れたシャツ。汗だくでだらしなく太った身体。無精ひげ。年はお父さんよりは若いぐらい。第一印象は最悪だった。
「はい、そうです」
「僕だよ、僕、ナイキ。さっき電話かけた。うひょっ、可愛いな。しかも制服。本当に可愛い。こんな子がねぇ。完璧つりだと思ってたけど。こりゃラッキーだ。じゃあ、行こうか」
手がつかまれる。気持ち悪い。反射的に振り払いそうになるが、無理やり押さえ込む。
どこに連れて行かれるんだろ?
「どこに行くんですか?」
「そんなの決まってるだろ」
「その、初めてで、よくわからなくて」
私の言葉を聴いた、その人は笑った。昴さんが笑うと暖かい気持ちになるけど、この人の笑顔は寒い。背筋がぞっとなる。
「初めてなんだ。じゃあ、キスしたことは?」
なんで、そんなことを聞くんだろう? 疑問に感じながら私は答える。
「ありません」
ナイキさんの笑みが深くなる。
「うそじゃなさそうだね。なんで君みたいな子がこんなことを?」
「……どうしてもお金が必要だったから」
私の言葉を聞いた。そのナイキさんはついに声を出して笑った。
「本当に何も知らないんだ。安心して僕が教えてあげる。僕に任せてくれたらちゃんとお金は上げるから」
「ありがとうございます」
それ以降会話がないまま、どんどん人が居ないところへナイキさんは私の手を引いて歩いていった。
10分ぐらいたってナイキは足を止めた。
ホテルのまえだ。
でも、私が知っているホテルとは何か違った。不潔で寂しい空気。
「じゃあ、入るよ。智花ちゃん」
「はい」
自動販売機で券を買ったナイキさんに連れられてエレベータに乗る。
そして部屋に。通り抜けたドアが勝手に閉まっていく。私はどうしようもなく逃げたくなった。でも、昴さんの笑顔が頭に浮かんで踏みとどまる。そして気づいたらドアは完全に閉まって、私は部屋の中へ入っていった。
部屋の真ん中には大きな布団とテレビがあった。それ以外は何もない部屋。
少し臭い気がする。
「智花ちゃん座って」
「はっ、はい」
ナイキさんに急かされてその場に座る。
「違うよ。ほら、ベッドの上」
「ごめんなさい」
言われるままにベッドに行く。
そして腰を下ろすと同時に、ナイキさんがのしかかって来た。
「んっんんん」
抵抗なんてできなかった。臭い息が顔にかかる。次の瞬間には口が塞がれている。ナイキさんの口で
舌が入ってくる。吐き気して口が勝手に開く、するとよけいに舌が入ってくる。嫌悪間で頭がいっぱいになる。
しばらくして舌が抜けた。
「おえぇ、うぇえ、おえ」
舌が抜けた瞬間に私は吐いてしまった。
吐くものがなくなったら涙があふれてきた。
「えっ、その反応まさか本当に初めてなの? ねえ、」
「ひぐぅ、ひぐぅ」
声が出ない。気持ち悪い、帰りたい、逃げたい、なんで、どうして? 頭がおかしくなる。昴さんの顔が浮かんだ。
でも、おかしい。いつもの思い出すだけで幸せになれる昴さんの顔が、今は見たくない。切り裂かれるようだ。見えない何かに内側から。
「智花ちゃん最高だよ。じゃあお口を拭き拭きしましょうね」
その言葉と同時に無理やり、顔にティッシュを当てられる。
抵抗する気力もなく成すがままにされる。
「ああ、服まで掛かってる、脱がしてあげよう」
脱がしてあげよう? その言葉に身体が反応する。太い手を掴もうとしても、のしかかってくる重いからだを退かそうとしても、ぜんぜん男は動こうとしない。
「止めてください」
「智花ちゃん、お金欲しいんだろ?」
「そっ、それは」
「ここで止めてもいいけど、あんなことされたのが全部無駄になっちゃうんだよ。いいの?」
今ここで止めたら、全部終わってしまう。お金を稼ぐにはまたこんなことしなきゃいけない。恐怖だった。もう、こんな思いはもうしたくない。
そう思った瞬間に身体から力が抜けた。
制服がずり上げられる。
「まだ、ブラはつけてないんだ」
その言葉と同時に、私の胸を撫ぜ始める。くすぐったさと気持ち悪さが綯い交ぜになった感じ。
私は、ただ終わるのを待つ
「きゃっ!」
生暖かい感触に思わず声を上げる。私の乳首を男が吸っていた。気持ち悪さが限界に来て半ば無意識に暴れてしまう。
男が顔を私の胸から話す。ほっとした。
「智花ちゃん駄目じゃないか」
ナイキさんは不機嫌そうに私を見下ろしそして、右頬を殴った。頭がまっしろになる。そして、左頬も
何度も何度も繰り返す。
怖い。怖い。怖い。怖い。
「もう、暴れない? 約束するなら止めてあげるよ」
「もっ、もう、暴れません。だから、殴らないで」
私は赤子のようにぐしゃぐしゃになって泣いていた。
そして男はまた私の胸を吸い始めた。赤子のように泣く私の胸を大の男が赤子のように吸っている。なんて滑稽なんだ。気が狂いそうだ。
どれくらいそうしていただろうか? 永遠とも思える時間が過ぎて男は顔を上げた。やっと終わったと思って私は安堵する。
「終わりですよね?」
なかば懇願するように私は尋ねる。
また、ナイキさんは笑う。あの薄気味悪い笑顔で。
「もうちょっとだけがんばってね」
もう、抵抗する気力もない。
ナイキさんは私のスカートの中に手を入れて、パンツを掴んだ。抵抗したいけど、もう殴られるのは嫌だ。
唇を噛んで、目を瞑る。
パンツが脱げた。感触でわかる。
何をするんだろう? 考えても怖いだけなのに。つい考えてしまう。
「じゃあ、いくよ」
私の足と足を強引に広げられる。目を瞑っていて見えないが、圧迫感が強くなってからだが近づいていることがわかる。
鼻息が顔に掛かる。
「……」
そして、それは来た。
「痛いっ、痛いっ、痛い、やめて、痛いから、やめてぇええええええええええええええ」
声が勝手に出た。
私の人生で最大の痛みだった。
部屋の中で響くひび割れた声。これが自分の声だとは信じられなかった。
暴れたいのに、止めさせたいのに、そんな余裕はない。
ただ、この痛みに耐えるので精一杯だ。
シーツを思い切り握り締める。
「智花ちゃん、気持ちいいよ、智花ちゃん」
私の、あそこが避けそうだ。保険体育で習ったセックスと言うのをやってるんだろう。
ナイキさんのあそこが私のあそこを何度も、何度も行き来する
「うわあぁあああああああああああああああ」
ただ、思いっきり口をあけて絶叫する。そうすれば少しだけ楽になる。
ぶちぶちぶちと、そんな音がしているような気がする。
「ねえ、気持ちいいよね。智花ちゃん。そう? 気持ちいい。俺も最高に気持ちいいよ智花ちゃん!!」
そんな私を尻目にナイキさんは一人、気持ち悪い顔をさらに歪ませて、上っ面だけの優しい言葉を吐く。
痛みになれて余裕が出てきた。
すると、心のほうが急激に痛み出した。
涙がこぼれる。さっきの殴られて流した涙とは別の涙が。
「智花ちゃん。僕と結ばれて嬉しいんだね。わかるよ。わかる。僕たち最高に通じ合ってるよ」
死ね。どけ。心がどんどん汚くなっていく。
「いくよ。いくよ。いっしょにいこう。うっ」
その言葉の後に痛みで麻痺した私のあそこに、信じられないくらい気持ち悪い感触があった。
全身の力が抜ける。ナイキさんのあそこが私のあそこから抜けた後に白い何かが私のあそこから流れた。
ナイキさんが身体を退かしても、まるで壊れた人形のように私の身体は動かなかった。
「本当に小学生は最高だな」
ぐったりとした私を抱えて、ナイキさんは私をシャワーに連れ込む。
ナイキさんは私のからだを徹底的に弄り、舐め、徹底的に汚して、飽きるまで私で遊んでいた。
飽きて出て行った後、シャワーを一人で浴びても、その汚れはまったく落ちなかった。
しばらくたって落ち着いて見出し並みを整える。
ナイキさんは笑顔でその様子を見ていた。
「ねえ、智花ちゃん。最高だったよ。おまけしてはいこれ、5万」
「……ありがとうございます」
「じゃあ、また電話掛けるから。そのときはよろしくね。じゃあ、僕行くよ」
そう言うと、ナイキさんは部屋から出て行った。
それを見届け窓を開ける。そして携帯電話を掴み思いっきり地面に向けて投げつけた。
そして、私は思いっきり声を上げ泣いた。
「昴さん。昴さんの誕生日明日ですよね」
部活の休憩時間。昴さんが水を飲みに行くのを追いかけて声を掛ける。
やっと二人気になれた。
「ああ、そうだよ」
「黙ってるなんて水臭いじゃないですか」
「ごめん。あんまり気を使わせたくないからさ」
「はい、昴さん。誕生日プレゼントです」
私は後ろ手に隠していた。プレゼントを渡す。
「ありがとう、智花。今、空けていいか?」
「はい! きっと喜んでもらえると思います」
昴さんは心なしか顔を赤くしてプレゼントの梱包を破いていく。
「智花! ありがとう。これ欲しかったんだ。大切にするよ」
「どういたしまして昴さん。大事にしてくれると私も嬉しいです」
昴さんの笑顔。それはとても眩しくて、見ているのが辛くなる。だけど、目をそらすことができない。
これが、きっと最後だから。
「昴さん、これからはそれを私と思ってください」
「どういう意味だい?」
「秘密です」
そして、その後に小さく私は付け足した。さよならと
〜智花のラブラブ誕生日プレゼント大作戦
完