俺、昴です。
子供たちに好物の二郎について話したらぜひ食べたいと言い出したので連れて行きました。レポします。
開店一時間前から並んで、俺達は余裕の一番乗りをゲット。いわゆる、ファースト・オブ・ファースト。
この時点で愛莉とヒナタちゃんには帰ってもらう。1ロット4人迄なのだから仕方ない。
開店して着席、一息ついて改めて自分のミスに気づく
もっとも重要なファーストロットで、素人3人。
案の上、コールの仕方もめちゃくちゃで、店のローカルルールをまったく理解していない。
二郎行きたいって言うなら、予習ぐらいしとけよ。正直失望した。まるでお食事気分だ。
これはまずい・・・ファーストロットの乱れは、閉店まで波及しオペレーションに重大な支障を来たす。
ふと店主と目が合う。額に汗を浮かべながらのその表情は明らかに
「たのむ・・・あんたがロットマスターになってなんとかしてくれ」と訴えかけていた。。。
ここまで期待されたら、断る理由は無い。やってやろうじゃないか。
大豚W全マシが俺の前に置かれる。難攻不落の要塞さながらのその野菜の山に、
俺はさっそく箸を刺しこみ、胃袋に詰め込み始める。
しかし、今日はいつもの単純な、自分との戦いではない。俺は自分の要塞を攻略しつつ、素人のそれも女の子をフォローしないといけない。
さっそく問題発見。盛りの豪快さをネタに、しゃべりまくる智花と真帆。
――ロット乱しの元凶その1、『不要な私語』。ギルティー。
俺は勢いよくテーブルをバシッ!と叩く。その音に驚き、二人は黙り店内に再び静寂と規律が戻った。
そしてその隣!長い髪を気にしながら、上品にすぼめた口で一本ずつ麺をすすりこむサキ!
――ロット乱しの元凶その2、『女』。ギルティー。
俺は箸でサキを指し「すばやく食え!」と麺をかきこむジェスチャーを送る。
サキは髪に添えていた手を放し、一心不乱に麺をかきこみはじめた。そう、それでいい。
ロットマスター(=俺w)の的確な指揮により生まれた規律と調和。
俺はさながら、オーケストラを指揮するコンダクターだ。この全能感、多幸感―――。
結果、全員がほぼ同時にどんぶりをカウンターの上に置くことで、
ファーストロットという名のコンサートは見事に成功し幕を閉じた。
店を出たところで、皆に声をかける
「どうだうまかっただろう?」
誰一人返事はない。きっとあまりの感動で声がでないんだろう
あのあと、何故か三人ともトイレに駆け込んでいた。
体調管理はしっかりしろと後で忠告しておかないと