みんなで歩きながら、いろんな話をする。  
「何言ってるのよ。最後の方ぜぇぜぇ言ってたじゃない」  
「あ、アレは疲れたフリしてただけだって!」  
「真帆はずっと走りまわってたもんね。しょうがないよ」  
 フリだって言ってるのに、もっかんがフォローしてくる。  
 うぅー、信じてないなーみんな。  
   
「それより真帆、明日の事わかってるでしょうね?」  
 サキの言葉で思わず背中がビクッてなった。  
「あ、明日? なんかあったっけ?」  
「とぼけてもムダよ。明日長谷川さんとデートするって事は既に聴いてるんだから」  
 ヤバい。やっぱ逃げらんない。  
 昨日もこんなカンジで、結局デートのコト話さないといけなくなったんだよなー。  
「おー。真帆、お兄ちゃんとデート。うらやましいぞー」  
「ひなの言うとおりよ。本来みんなのものである長谷川さんを一人占めしてるんだから、相応の対価を払ってもらわないと」  
 この時点でムチャクチャな気がするんだけど、あたしの気のせいなのかな。  
 どっちにしても、この場でサキの意見に反対するのはあたしだけなんだけど。  
 うーん、なんか理不尽じゃないか、コレ。  
「というわけで、明後日にデートで起こった事全てを私達に教える事」  
「そ、そんなコトできるワケないだろ!?」  
 あげくの果てにこんな要求してくるんだからホント理不尽のキワミじゃん。  
「あら? 私達に言えないような事を長谷川さんとしちゃうのかしら? ふふっ」  
「しまっ……あ、いや違う違う!」  
 な、なんとかゴマかさないと。  
 またすばるんとエッチなコトしたいだなんて考えてるのがバレたら……。  
「わ、私達に言えない事って……あうぅ……」  
「ど、どうしよ……でもやっぱり聞きたいな。真帆、昴さんとどんなことしてるのか」  
「うーん? 真帆、お兄ちゃんとなにをするの?」  
 って、もう手遅れ!?  
 もっかんやアイリーンまで、あたし達がエッチなコトをするって信じきってるし。  
 ヒナは……信じてないっていうか、そもそもなんなのかわかってないっぽい。  
   
   
   
「今日はまた一段とひっついてくるな」  
 次の日。約束どおりあたしとすばるんは水族館にデートに来た。  
 建物の中に入ったら、早速あたしはすばるんの腕に抱きつく。  
「みんなからは逃げらんないから、いっそ開き直るコトにした」  
「?」  
 どうせジンモンされちゃうのが運命なら、みんながうらやましがるくらいすばるんとイチャイチャしちゃおう。  
 それが、あたしの出した結論だった。  
「そんなワケだからすばるん、早くいこっ」  
 抱きついた腕を力いっぱいひっぱる。まずは思う存分、すばるんと一緒にサカナ達を見よっと。  
   
「おおー! あの魚スッゲーでけー!」  
「ホントだ。間近で見れるから尚更迫力があるなぁ」  
 水槽越しっていうより、あたし達が水の中のガラスの空洞に入ってるカンジ。  
 ホントに目の前まで魚が迫ってくるから見ててとってもコーフンする。  
「それにしても真帆、よくこんな場所知ってたな」  
「え、エヘヘ! まーねっ」  
 もちろんあたしだって、こんな水族館のコトは知らなかった。  
 家から近いってワケでもないんだから、よっぽどこういう場所に詳しくないと知らないと思う。  
 
 今回のデートの行き先は、全部やんばるが教えてくれた。  
 元々はあたしが、サキにすばるんとのデートのコトを話したのがキッカケだった。  
 デートが、決まってゲーセンとか商店街で食べ歩きだって正直に話した。  
 そしたらサキがいきなり頭を抱え出して、もう少し恋人らしいデートをしろって言ってきた。  
「たまにはすばるんとどっか遠くに行きたいなーって思ってさー」  
 やんばるに相談してみたら、すぐにこの水族館を見つけて紹介してくれた。  
 ショージキ、やんばるにここのコトを教えられた時は退屈そうだなって思った。  
 めずらしい魚はたくさんいるだろうけど、ただそれだけじゃんって。  
「そっか。ありがとな、真帆」  
 けどその時にやんばるに言われた『デートはどこに行くかではなく、誰と行くかです』って言葉。  
 そのイミが、今はものスゴくよくわかる。  
「すばるん……じゃあ、さ」  
 どこに行ったって、すばるんが一緒ならそれだけで楽しい。  
 それだけで、ムネがドキドキする。  
「ごほーびに、キスしてほしいなーとか」  
「えっ!?」  
 うわ、すばるんなんかスゴい声出したなー。  
「……なあ真帆。今の俺達って、周りからはどんな風に見えてると思う?」  
「ん?」  
 なんだろ、すばるんがヘンなコトをきいてきた。  
 あたしたち二人がどんな風に見えてるか、か。  
 そりゃモチロン……  
「コイビトどーしに決まってんじゃん! やだなーすばるん!」  
「なっ……!?」  
 え? だからなんでそこでオドロくのさ!?  
「(恋人同士に見えてるのか……このままだと通報されたりとか……)」  
 続けてすばるんがなんかブツブツ言ってるけど、よく聞こえない。  
 ただ、しばらくそうしてるうちに落ち着いたのか、まっすぐこっちを見つめてきて。  
「ゴメン、キスは後でで良いかな。少し、恥ずかしくて」  
「えー! すばるんのコンジョーなしー!」  
 せっかくキスしてくれるって思ったのに。  
 ……でも考えてみたらたしかに、ここでキスするのはちょっとハズかしいかもなー。人いっぱいいるし。  
「……そのかわり」  
 すばるんが、あたしの耳に顔を寄せてくる。  
 息が耳に当たって、くすぐったい。  
「夜になったら、真帆がイヤになるくらいたくさんキスをするから」  
「……っ!」  
   
 夜のキスってコトは、やっぱり、するのかな。  
 今日はこの後、あたしの家にすばるんが泊まるコトになってる。  
 ひょっとしたらそーいうコトにもなるかなって、ちょっと期待してたけど。  
「そんなわけだから、今は普通に魚を見ていような」  
「う、うん。でもさすばるん、これくらいはベツにいいよねっ」  
 抱きついてるウデを振る。  
「ああ。好きなだけ抱きついてくれ、真帆」  
「そっか。エヘヘ〜っ」  
 抱きつくチカラが無意識に強くなる。  
 ちょっと歩きにくいけど、それでもこうしてたい。  
 
「じゃあ真帆。いいか?」  
「うん……」  
 そんで夜。約束したとおりすばるんは家に泊まるコトになった。  
 ゴハンも食べておフロにも入って、あとは寝るだけなのがフツーなんだけど。  
 一緒にベッドに入ったあたし達は、今見つめあってる。  
「んっ……」  
 まずはキスから。水族館でも約束してたんだし。  
 すばるんの唇が重なって、あたしの口の中に舌が入ってくる。  
「ふぁ……!」  
 っていきなり!? 今日のすばるん積極的だな!  
「んちゅっ、ぺろっ……」  
「んんっ……れるっ」  
 あぅ、ダメだ。すばるんの舌がキモチよくって頭がポーッとしてきた。  
 あたしの方もすばるんの舌をなめてるけど、なんてか無意識にやってるカンジだし。  
 なんも考えられなくなってくるなぁ、このキス。  
「ん……」  
「ひゃあっ!」  
 うわ、スカートめくりあげられた。  
 あたしのパンツ、今すばるんに丸見えになってる。バレちゃうじゃん!  
「真帆……もう濡れてる」  
「うぅ……だって、しょーがないじゃん」  
 すばるんがまたエッチなコトしてくれるって思ったら、アソコがヘンになった。  
 すばるんに身体中イジってほしくてたまんなくなった。  
「エッチな女の子だなぁ、真帆は。ちゅっ」  
「あうっ……ち、ちが!」  
 ワレメを指でこすりながらうなじにキスしてくるすばるんに反論。  
 確かに一人でアソコいじったりしてるけど、そこまでエッチな娘じゃないハズ!  
「違うのか? こんなにいっぱい感じてるのに」  
「んんっ……」  
 今度は上の部分を脱がせてあたしのおっぱいにキスしてくる。  
 なんだろ、今日のすばるん、スゴくイジワルだ。  
   
「じゃあちょっとチェックしてみようか。真帆がエッチな娘かどうか」  
「ふ、ふぇ……?」  
 こんなコトまで言ってくるし。  
「チェックって、どうやって……?」  
「そうだな。真帆が普段、どんな風にしてるのか見てみようか」  
 ……どんな、ふう?  
「すばるん……それってまさか?」  
「ああ。夜中に真帆が一人でアソコいじってるっていうの。アレを見せてほしいな」  
「ええええっ!?」  
 ちょっ、正気かすばるん!  
「そんなの見たってオモシロくないって。それにスッゴくハズかしいし……」  
 あんなの見られるなんて、想像しただけでカオが燃えちゃいそうになる。  
 ……なるのに。  
「真帆のエッチなところ、俺に見せてくれないか?」  
「あうぅ……」  
 そんなに見つめられてお願いされたら、ことわれないじゃんか。  
「しょ、しょーがないな! すばるんはあたしの恋人だから、トクベツだぞ!」  
 寝ていたカラダを起こして、今度は座りこむ。  
 寝ながらイジる時も多いけど、こっちの方がすばるんに見えやすいかなって。  
「んっ……」  
 最初におっぱいを指でつまむ。ちょっとだけイタいけど、それ以上にキモチいい。  
 コレ続けてたら、あたしのムネもっとおっきくなるかな。  
 なんとなく、そんなコトを思った。  
「…………」  
 あたしが自分のカラダいじってるトコ、すばるんがジッとみてる。  
 
 スッゴくハズかしい。けど、なんだろ……。  
「あふっ……ん」  
 いつもよりも、キモチいい気がする。  
 少しずつ、右手を下に下げてく。  
 ちょっと強めに、アソコに触ってみた。  
「んんっ――!」  
 パンツ越しなのに、思いきり声が出ちゃった。  
 こんなにキモチよかったら、ガマンなんてできるワケない。  
「す、すばるん……なんでか、いつもより……んっ」  
「気持ちいい?」  
 すばるんの言葉に必死でうなずく。  
 キモチよすぎて、返事もしにくくなってきた。  
 右手がかってに、パンツをずり下ろしちゃうし。  
「真帆って、ひょっとすると見られて興奮するタイプなのかもな」  
「え、ええっ!?」  
 な、なにそれ! エッチなトコを見られてコーフンするとか思いっきりヘンタイじゃん!  
「あ、あたしはそんなんじゃ……」  
「でも、いつもより気持ちいいんだろ?」  
「あうぅ……」  
 今日のすばるん、妄想の中のよりずっとイジワルだ。  
 あたしがハズかしがってるの知っててきいてくる。  
「んっ、やぁっ……!」  
 そんでもってあたしの右手は相変わらずかってに動くし。  
 止めないとって思ってるのに、アソコに指をいれちゃう。  
 こうすると、スゴくキモチいい。  
「す、すばるん……!」  
「可愛いぞ、真帆」  
 今度はなんか切なくなってきた。そんなあたしを、すばるんは変わらず見つめてくる。  
 なんで、すばるんが目の前にいるのにあたしは自分でアソコをイジってるんだろ。  
 確かにキモチいいけど、なんかイヤだ。  
   
「…………」  
「真帆?」  
 手の動きを止めて、ジッとすばるんを見つめる。  
「ゴメンすばるん、もームリっ!」  
「うわっ!?」  
 身を乗り出して、そのままイキオイですばるんを押し倒す。  
「ちょっ、真帆!? んんっ……!?」  
「ちゅっ、れろっ……すばるん、すばるん!」  
 すばるんにキスして、舌と舌をこすり合わせる。  
 もうガマンできない。すばるんに触りたいし、すばるんに触ってほしい。  
「やっぱりすばるんにイジってほしいよ……あたし。お願い、すばるん」  
 両足ですばるんの足を挟み込む。アソコのおツユがすばるんの足を濡らしてる。  
 お腹には、おっきくなってるすばるんのアソコ。  
 あたしが一人でイジってるの見て、コーフンしてくれたみたい。  
「そっか。……ゴメンな真帆。どうしても真帆の一人エッチが見たかったんだ」  
「あ、あうぅ……!」  
 そうやって言われるとスッゴくハズかしい。またカオが真っ赤になった。  
「じゃあここからはまた、俺が真帆を可愛がるよ。……ちゅっ」  
「すばるん……ふぁっ」  
 すばるんにやさしくキスされる。  
 こっからし切りなおし。ムネがドキドキする。  
 多分今日のエッチは、まだ始まったばっかり。  
 

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