「うん。位置はこの辺で良いかな」  
「なっななななっ……」  
「どうした、真帆?」  
 お互いの体勢も整えて、さあこれからというトコロで真帆がわなわな震えてる。  
 いやまぁ、その原因なんて、まさしく今の状態に決まってるんだが。  
「どうしたって、なんなんだよこのカッコはっ! すばるんにバッチぃトコ見られてるしそれに……あぅ」  
「俺だってハズかしいんだぞ。真帆にこんなトコ見せるの」  
 寝そべった俺の眼前には、真帆の大切なトコロ。俺の上に跨った真帆の眼前には、俺の大切なトコロ。  
 要するに俺達は現在、所謂シックスナインの体勢になっているワケで。  
「ってゆーかすばるんのチンチンデカ過ぎじゃん! ナツヒのとか小さかったのに!」  
 ……待て。今とても聞き捨てならない発言が聞こえたんだが。  
「……真帆、竹中のココ、見た事があるのか?」  
 努めて平静を装って尋ねる。事によってはあいつとじっくり話し合う必要があるかもしれない。  
「スッゲー昔にだけどさ。やっぱりオトナになるとでっかくなるのかな、女の子のオッパイみたいに」  
 が、どうやら過去の事らしい。  
 アブないアブない。発想が葵と同レベルだ。普通に考えて、そんなワケないじゃないか。  
 ……とか言いつつ、今まさにあいつが危惧していたような事態になってるんだが。  
「ははは、それもあるけど男のココはきっかけ一つで大きくなっちゃうんだよ」  
「キッカケ? なに?」  
 顔を真っ赤にしながらも振り向いて訊いてくる。多分、興味津々なんだろう。  
「好きな女の子の、エッチな姿を見ると、こんな風になるんだよ」  
「スキな……へへぇ〜っ」  
 それを聞いた途端、真帆が頬を一気に緩ませる。  
「つまりさ、ココがおっきくなってるってコトは……」  
「ああ。真帆が好きだから、真帆のエッチなトコロを見て、こんなになってるんだ」  
「……そっかぁ。へへ」  
 こっちに向けていた顔を、元の位置に戻す。  
 再び視線の先に、俺の膨張した息子が映っているはず。  
「なんかコレ、カワイイ気がしてきたぞ。……ちゅっ」  
「んっ……!」  
 愛しさが込み上げてきて、それを表現する為の手段として、そうしたんだろう。  
 けれど真帆の取ったキスという行為は、奇しくもこれからしようとしている事そのもので。  
 俺はいきなり不意打ちを食らった形になり、呻き声をあげてしまう。  
「へっ!? なっナニすばるんっ!?」  
「いや、さっきの真帆と同じだよ。気持ち良くて、声が出ちゃっただけ」  
「そなの?」  
「ああ。そのまま、続けて。舌で舐めてくれたりしたら、もっと気持ち良くなるから」  
「りょーかいっ! そんならいーっぱいキモチーくしてやっからな、すばるんっ!」  
 元気よく返事をして、俺に言われたとおり舌を出して先端を舐め始める真帆。  
 子どもの体温って大人より高いものだけど、口の中もそうなんだろうか。  
 さっきの唇同士のキスの時も脳裏を過ぎった疑問が、再び顔を出す。  
 すごく熱い舌に舐め回され、ただでさえいきり立っていたモノが、更に堅くなった気がした。  
 それはそうと。俺もそろそろ、真帆にお返しをしないとな。  
「……ぺろっ」  
「ンンっ……!?」  
 いきなりの刺激に、驚いてこっちを振り向く真帆。  
「す、すばるんっ、まさかまたあたしのおマタなめた!?」  
「そりゃ、その為にこの体勢になったんだから。れろっ」  
「くぅんっ!」  
 ニ、三度舐めるだけで真帆はガクガクと膝を震わせる。  
「ほら、気持ち良くても舌を休めちゃダメだぞ。舐め合いっこの最中なんだから」  
「そんなのムリぃ……ひやんっ!」  
 ひたすら翻弄されてる真帆。う〜ん……これはさすがにキビしいだろうか。  
 そう思い、弱冠舌を出すペースを緩める。  
「んっ……ぴちゅ」  
 それで余裕が生まれたのか、再び俺のペニスに舌を這わせてくれる真帆。  
 どうやらこれくらいが丁度良いペースみたいだ。  
 
「ちゅっ、ぺろっ……」  
 真帆なりに工夫してくれてるのか、時折舌の先を強く押し付けて、俺のモノを圧迫してくる。  
 その刺激だけでなく、分からないなりに俺に気持ち良くなってもらおうと一生懸命考えてくれてる真帆の姿勢に今まで以上の愛しさが募ってゆく。  
 同時に、自分の失態に気付いた。  
「……真帆、ゴメンな」  
「ん、なんであやまんのすばるん?」  
「さっきはイジワルしちゃって、さ」  
   
 本当に謝らないといけないのは、俺が一時、忘れてしまっていた事。  
『――真帆、ゴメン!』  
『ん…――んんっ!?』  
 あの夢のような、自分の快楽を最優先させてしまうような事は、絶対にしないという誓い。  
 傍から見れば、どっちにしろ小学生の女の子に手を出してる時点で許されない罪だろう。  
 けどそれでも、手を出してしまってる俺でも、それだけはやってはいけないと肝に銘じた。  
「そんなん別にいいって。すばるんになめてもらうの、なんかキモチいーし」  
 肝に銘じたはずだったのに、俺は真帆に、自分のペースに合わせてもらおうとしてしまった。  
「ありがとう。ここからは、真帆の出来る範囲でしてくれれば良いから」  
 本来ならここでやめるべきなんだろうけど、真帆を欲する気持ちが俺の頭からその選択肢を一瞬で消し去ってしまった。  
「んー……それはいいんだけどさ。あたしもっとすばるんのコトキモチーくさせたいんだけどやり方がわかんなくって」  
 大丈夫。俺の為に頑張ってくれてる真帆の事を最優先に考えてあげてれば、きっと。  
「じゃあ真帆、今度は手で握って上下に擦ってみて」  
「そんなんですばるんキモチよくなるの? うーし、やってみよっ!」  
 好奇心旺盛な真帆は、早速試してみようと、ペニスを握る。  
 ……力強く、むんずと。  
「んぐっ……! ま、真帆! もうちょい優しく、なっ」  
 潰されたカエルのような悲鳴を上げた後、真帆にやんわりと注意する。  
「うわわっ! ゴメンすばるんっ!」  
 慌てて手の力を緩める真帆に、少し苦笑が漏れる。  
 それから俺の指示したとおりに、ゆっくりと手を上下させ始めした。  
「おっ……?」  
「んんっ……」  
 こしゅこしゅと音を立てながら、擦られ続ける俺のペニス。  
「お〜……っ」  
 こしゅこしゅ。  
「おおっ?」  
 こしゅこしゅ……。  
「すばるんっ、これなんかオモシロい!」  
 何やら手コキを、いたく気に入ってしまったらしい。  
「んっ……なら手で擦り続けながら、舌で舐めて」  
「こう、かな。れろっ、んちゅっ……」  
 棹には真帆の柔らかい手の圧力。先端には熱い舌の感触が、俺のモノに降りかかる。  
「そうそう、上手いぞ。じゃ、俺も……」  
 さて、そろそろこちらも反撃に移るとしよう。真帆にもちゃんと、気持ち良くなってほしいし。  
「ぺろっ、ちゅぴっ……」  
「んんっ――! すばるんの、舌が……!」  
 自分の秘裂に滑り込んでくる舌の感触に敏感に反応する真帆。  
 もっと真帆の感じてる声を聴きたくて、俺は一定のペースでひたすら真帆のアソコを舐める。  
「やっぅ……! ダメだってすばるんっ……」  
 すっかり声がとろけてしまった。けれど、  
「あぇ、れろっ……」  
 再び舌と手を使って、反撃を始めた。  
 しかも今回は、それだけには留まらない。  
「こっちのほーが、キモチい―だろ?」  
 本能的に嗅ぎつけたとでも言うんだろうか。  
 何も知らないはずの真帆が、俺に更なる快感を与えようと、ペニスを口に含んだ。  
 途端に先端部分が温かな粘膜に包まれる。  
 ヤバい。これだけでも、かなり気持ち良い……。  
 
「んぁ、ぴちゃっ……」  
「うくっ」  
 そして当然、舌を這わせ、手を上下させて棹を擦ってくる。  
 ある程度は力を込めて強く圧迫した方が感じやすい事も体感したのか、少しだけ握る力が強くなってきた。  
 けどさっきのように痛みに変わる事はない。  
 末恐ろしい娘だ。もうコツを掴み始めてる。  
「ぺろっ、じゅるるっ」  
「ひあっ!?」  
 このままだと長くは保たない。そう思った俺は、自分の舌のペースを少し上げ、さらに真帆がさっきから分泌し続けている蜜を、強めに吸った。  
 さすがに小学生の女の子と舐め合いっこをして先にイカされたなんて事になったら、ハズかしい。  
 いや、ハズかしいも何も、こんな事死んでも他人には話せないけど。  
「あ、そっか。きひひ……」  
 いつものイタズラっぽい笑みを浮かべる真帆。マズったな。  
「んちゅっ……じゅるるるっ!」  
「くああああっ!」  
 案の定、真帆は俺の真似をして、口を窄めて俺の先端を強く吸ってきた。  
 徐々に昇り始めた精液が、一気に吸い上げられるかのような錯覚に陥る。  
 というか振動がヤバい。ホント、よく今のでイッてしまわなかったものだ。  
「んくっ……ちゅぅ」  
「んぁっ!」  
 こっちも負けじと、舌を限界まで伸ばして今まで届いてなかった処まで舌を侵入させる。  
 そして舌を上下左右に動かし、真帆の膣内を隅々まで味わう。  
「やああぁぁっ! すばるんそれらめぇぇぇっ!」  
 その刺激でついに達してしまったんだろう。膣内が急にキュッと締まり舌を圧迫したかと思うと、俺の顔面めがけて潮を噴きかけてきた。  
「ああぁぁ……ウソだぁ……」  
 真帆を、イカせた。その事実がどんな作用を及ぼしたのかは解らない。  
 ともかく俺も直後に、我慢の限界を悟った。  
「真帆っ……くっ!」  
 こんなもの、真帆の口の中で出すわけにはいかない。  
 そう思った俺は、咄嗟に真帆の口からペニスを出そうとするが。  
「しまっ――」  
 イク直前で敏感になっていた先端が真帆の八重歯に当たり、それが最後の引き金になった。  
 結局俺は、口からペニスが脱出したという最悪の瞬間に、  
「ダメだ真帆っ……ぅああッ!」  
「ふぇっ……うわぅ!?」  
 自分の中に溜まっていた全ての欲望を、真帆のあどけない顔に、ブチ撒けてしまった。  
   
「ゴメン、真帆! こんなつもりじゃ……!」  
 よりにもよって顔にかけてしまうなんて。自己嫌悪に陥るが、それよりも真帆に謝るのが先だ。  
「うっ、うぅっ……」  
「ま、ほ……?」  
 ヤバい。泣かせてしまうほどイヤな思いをさせてしまったらしい。  
 一体どうすればいいんだ、俺は。  
「ひくっ、なんでこんな時に漏らしちゃったんだろ……サイアクだぁ……」  
「え?」  
 と思ってたんだけど、どうにも様子がおかしい。  
「ゴメンすばるん! すばるんの顔の上で、おもらし、しちゃった……!」  
 即座に俺の方を振り向き、泣きついてくる。  
「ゴメンなさいゴメンなさい! なんでもするから、あたしのコトキライになんないで!」  
「真帆……」  
 必死に懇願してくる真帆を見て、ようやく彼女の勘違いに気づく。  
 何も知らない無垢な少女。途端に微笑ましくなる。  
 
 ……同時に、そんな無垢な娘の顔に思いきり欲望を吐き出してしまったっていう罪悪感も込み上げてきたけど。  
「うくっ……お願い、お願いすばるん……!」  
「大丈夫だよ、真帆。たとえホントにお漏らししたとしても、そんな事くらいでキライになったりしないから」  
 まずは何より安心させてあげたくて、こっちからも真帆を抱きしめてやる。  
「あっ……」  
 俺の腕の中で、少しだけ力を抜く真帆。少しは目的が果たせただろうか。  
「というか、真帆のコレはお漏らしとは違うよ。女の子が最高に気持ち良くなると、こんな風に潮を噴きだしちゃうんだ」  
「ホ、ホントすばるん? コレ、ばっちくないっ?」  
「もちろん。それどころか嬉しいよ。コレは、真帆が俺の舌で気持ち良くなってくれたって証拠だから」  
 そう。言い訳をさせてもらうなら、それが原因かもしれない。  
 好きな娘を気持ち良くさせてあげる事が出来たという達成感で、我慢が緩んでしまった。  
 それが一番、しっくりくる理由な気がした。  
「そ、そっか。へへ……」  
 俺の言葉に心底安心できたのか、必死だった表情が一気に綻ぶ。  
 うん、やっぱり真帆は満面の笑顔が一番似合う。  
 ……と、それはそれとして。  
「それより、俺の方こそゴメンな。真帆の顔、こんなにしちゃって……」  
「ぬあっそうだった! すばるん、コレ何!? なんかあったかくってネバネバしてるけど」  
 改めて真帆に謝りつつ、顔に飛び散ってる精液をティッシュで拭き取ってやる。  
「まぁ真帆のと同じ、かな。男が最高に気持ち良くなると出ちゃうものだよ。授業で習ったんじゃないかな、精子っていうやつ」  
「んー……なんか聞いたコトあるよーな気がする」  
 うろ覚え程度らしい。なんとも微笑ましい。  
「ともかく、すばるんがキモチよくなってくれた証拠なんだな、コレ!」  
「ん、まぁそうだね。ホントゴメン」  
「なんであやまるんだよー。すばるんも言ったじゃん。あたしでキモチよくなってくれたってんなら、出してくれて嬉しい!」  
「真帆……」  
 そうだな。自分に置き換えてみれば、簡単な話かもしれない。  
 自分の好きな人が、自分の手で気持ち良くなってくれて、それを目に見える形で表してくれた。  
 嬉しさこそあれ、不快感なんてない。  
 勿論、そんな気持ちだけで許される事じゃないのは解ってる。  
「ありがとう、真帆……ちゅっ」  
「んっ……すばるん」  
 けど今は、素直に真帆にお礼を言って、お互いの心を心地良さで満たしたかった。  
   
「くふふ〜。すばる〜ん〜っ」  
「はは、くすぐったいって真帆」  
 一緒にベッドの中で寝そべって、じゃれ合う。  
 真帆が俺の頬に自分の頬を擦りつけてきて、俺は真帆の頭を優しく撫でてやる。  
 そろそろ母さんも、戻ってくるだろうか。けどあの人なら、一緒に寝るくらいはしても、深くは気にしないでくれるだろう。  
 甘い判断かもしれない。慎重になるなら、別の部屋で寝るべきだろうと思う。  
「真帆、ちょっと頭上げて」  
「んっ、こう?」  
 けど少なくとも今日だけは、俺達が結ばれた特別な日だけは、眠りに就くその瞬間まで、一緒にいたかった。  
 それこそ、自分の腕を差し出して真帆の枕にしてあげたくなるくらいに。  
「うわぁ、なにコレすばるんっ」  
「腕枕ってヤツ。これなら、自然とくっついて寝れるだろ」  
 俺の腕の上に載った頭。心地良い重みと温もりが伝わってくる。  
「うん。そっか……くふふ」  
「どうした? 真帆」  
 俺の言葉を聞くなり、口許に手を当てながら笑う真帆。  
「いやーこんなシアワセな眠り方があったんだなーって。ヤバいってコレ。もうあたし、すばるんのウデなしに眠れなくなっちゃうよぅー」  
「ははは。そうは言っても、毎日こうやって一緒に寝るワケにはいかないからな」  
 本当に真帆の言うとおり、こんなに幸せなまどろみの一時がある事を俺も初めて知って。  
「けど今だけは、俺の腕の中で眠ってくれ、真帆」  
「うん、すばるん……んぅ」  
「真帆……ちゅっ」  
 ゆっくりと唇を近づけ、キスを一つ。真帆は照れたように笑いながら、  
「ダイスキだかんな、すばるんっ」  
 変わらない、曇りのない笑顔を、俺に向けてくれた。  
 

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