「最近の昴さん、どうしちゃったのかな?」
最初にヘンだったのは、二週間くらい前。
昴さんと真帆が二人で出かけた翌日。昴さんの様子が、少しおかしかった。
二日後、お勉強が難しくなったらしくて、バスケ部のコーチをしばらくお休みさせてもらいたいって言ってきた。
一週間して戻ってきた昴さんは、いつもどおり私達にバスケを教えてくれた。
ただ、一つだけ。前より真帆を見る回数が増えた。
いつも練習の合間に、無意識に昴さんに眼がいってるから気づいたこと。
それだけ。べつに、大したことじゃない。
でもそれが、なんとなく気になってしょうがない。
『きっとすばるん、いまごろになってあたしのあふれるミリョクにきづいて、ドキドキしてめをあわせられないだけさー』
なんだろ。こんなこと思い出すなんて。
「そ、そういえば真帆、どうしたんだろ?」
ちょっと用事があるって言ってたけど、着替えもせずに何処かに行っちゃった。
おまけに着替えから戻ってきたら、昴さんもいなかったし。
こっちは紗季の方から『急な用事が出来て帰った』って知らされた。
紗季は誰よりも早く着替えを終わらせて、外に出たから。
……いつもは、みんなと一緒に外に出るのに。
なんだろ。全部少しずつだけど、おかしい。
「やっぱり、真帆のこと待っていようかな」
まるで誰かに言い訳するみたいに、引き返す理由を口に出す。
カバンは置いてたから、とりあえず一度体育館には戻ってくるはず。
「その、真帆……ホントにいいのか?」
今更な感満点なセリフだけど、これはさすがに言わざるを得ない。
「ヘーキ。っていうかあたしがしたいって言ってるんだから、すばるんはだまってうなずく!」
いや、行為自体は普通のフェラチオ。以前もやってもらったことだ。
ただ、真帆の方がここまで積極的だと、却って申し訳なさで心が満たされてしまう。
「あっ……」
「きひひ、出てきた出てきた」
最早頷くのすら待たず、俺のズボンを脱がせる真帆。
なんだかんだで膨らんでしまっていたモノが、外気に晒される。
「やっぱおっきぃなー。すばるん」
少しだけ熱で潤んだ瞳で見つめながら、徐々に顔を近づけてくる真帆。
「んちゅっ……」
「くっ……」
先端にキスされる。そのまま真帆は、俺のモノに舌を這わせてきた。
同時に棹は手で緩めに握り、ゆるゆると上下してくる。
「んぅ、れろっ……」
髪が垂れてくるのが気になるのか、もう片方の手で髪をかき上げる仕草が妙に艶めかしく見える。
「あ、ん……」
「うくっ……!」
唇を徐々に広げて、陰茎を吸い込んでゆく。
真帆の温かい口の中に、包み込まれてゆくのがわかる。
「ま、真帆……なんか上手くなってないか……!?」
気のせいじゃないと思う。前よりも気持ちいいし、何より戸惑いや躊躇いがない。
「んっ……へへ、イメージトレーニングしまっくたからなー」
一度唇を離してから、得意満面にそう言う真帆。
イメージトレーニング……なるほど。さっき聞いた夜の一人遊びのことだろう。
「そっか。ガンバったんだな。上手だぞ、真帆」
真帆が一人でしているコトはいけないコトじゃない、そう教えるのが一つ。
そしてもう一つは純粋に頑張った真帆を褒めるために。俺は真帆の頭を優しく撫でる。
「エヘヘ、サンキューすばるん。じゃ、続けるぞー」
再びペニスを飲み込む真帆。
醜く膨張したモノが少女の小さな愛らしい口に包まれていく光景は、否応なしに興奮を駆り立てる。
背徳感に塗れた興奮。むしろこれこそが、いけないコトなんだから。
「んちゅっ、ぺろっ、れるっ……」
「んっ、真帆……」
俺ばっかり気持ちよくなるのも申し訳ない。頭を撫でている手はそのままに、もう片方の手を動かした。
「んんっ……」
思いきり手を伸ばして、真帆のお尻に触れる。すぐに色の混じった声が漏れた。
それにしても、スゴく柔らかいな。ずっと触っていたくなる。
「はみゅっ、ちゅぱっ、れろっ」
「くっ……」
反撃とばかりに口の動きを激しくする真帆。
頭を上下に激しく振り、唇はキツくすぼめてその中で舌が生き物のように亀頭の上を這い回る。
射精感が込み上げてくるのを何度も堪え、俺は真帆のお尻の間を指でなぞる。
「ぁんっ……もぉ、らめらろぉふわるんっ……」
「くあっ!」
無邪気なはずの笑顔が、今は悪魔の微笑にしか見えない。
そんな風にしゃべったら、堪えきれなくなる。
「ひゃふっ」
少しでも真帆の動きを鈍らせようと俺も必死になる。お尻の穴に、指を突っ込んだ。
スパッツ越しだからあまり深くは入ってないけど、それでも違和感は大きいだろう。
そのまま指を、左右に動かす。
「あ、ああ、ああぁっ!」
声が漏れる。一瞬だけ、俺への攻撃が止んだ。
「んちゅっ、ぺろっ、むぁっ……」
「あっ、ふぅっ……!」
けどそれはホントに一瞬。すぐに真帆はペースを取り戻す。
これはもう、既に意地だろう。自分が再びイカされる前に、何が何でも俺をイカせようという。
さてさて、このまま逃げ切れるか……
「ん……?」
ふと、真帆が上目遣いでこっちを見ているのに気づく。
そのまま、目を細めて、
「ふわるんっ、あふぁひにせーえき、いっひゃいらひてくれよなっ」
その、真帆らしい満面の笑顔と、俺の陰茎を咥えているという淫靡な光景。
愛おしさと興奮がさらに跳ね上がり、同時に必殺の一撃がきた。
「じゅるるるるっ!」
「――っ!?」
前回と同じ、強烈なバキューム。しかも今回は、それだけじゃない。
舌の先を尖らせ、尿道口をムリヤリ開いてからの吸いあげ。
先端への刺激がすさまじい上に、我慢のしようがない。
「ダメ、だっ……――あくッ!!」
「んっ、んんんんっ!?」
ペニスを抜きだす余裕さえなく、俺は真帆の口の中に白濁とした欲望を解き放った。
「ま、真帆……。ほら、吐き出して」
ペニスを抜いて、真帆の口の前に手を添える。
「ん〜……こくっ」
真帆はしばらく考える素振りを見せた後、あろう事か俺の出した精液を飲み込んでしまった。
「真帆っ!? 一体なにしてるんだ!?」
「うぇー……あんま美味くないな、コレ」
しかめっ面をする真帆。そりゃそうだろう。
「まったく。これに懲りたら……」
「けど、なんだろ……」
「えっ……?」
真帆はそのまま、再び俺のペニスに口づける。
いきなりだったから、何も反応できなかった。
「ぺろっ、ちゅぱっ……」
「ま、真帆……?」
そして亀頭を重点的に舐め始める。まるで残った精液を舐め取ってるみたいに。
「んっ……もっとほしい、すばるんの……」
味には難色を示したけど、他の何かが琴線に触れたのか、尚も精液を欲する真帆。
けどここでもう一度出したりしたら、さすがに続きが出来ない。
「真帆。舐めてくれるのは嬉しいけど、俺のお願い、聴いてもらってもいいか?」
「すばるんのおねがい? うん、いいよんっ」
俺のペニスから口を離して、真帆は頷いてくれた。
「すばるん、こんなカンジで、いい……?」
すばるんのおねがい、ショージキいがいだって思った。
てっきりあたしのスパッツを脱がせて、アソコをなめるんだって思ってたから。
「うん。可愛いぞ、真帆」
けどすばるんは、こう言った。
『そこの飛び箱に手をついて、こっちにお尻を突き出して。あ、スパッツは履いたままでいいよ』
スパッツ、はいたまんまでダイジョウブなの?
よくわかんないけど、とりあえずすばるんの言うとおりにしてみる。
「うぅ……」
ハズかしい以上にワケがわかんない。これから、なにするんだろ。
不安になる。うしろを向いてるからなおさら。
「じゃ、いくよ。真帆」
「ひゃっ……!?」
オシリになにかアツいモノが当てられる。
カタい……これひょっとして、すばるんのおチンチン?
「んんっ……」
オシリのワレメをなぞって、おチンチンが下におりてく。
そのまま足の付け根まできて、
「ふっ……!」
「あっ……」
おチンチンを前に押し出してきた。
あたしの足のあいだに、すばるんのおチンチンが挟まってるカンジ。
「んんっ」
なんとなく、足を閉じる。
「すばるんの、アツいよぅ……」
「くっ、真帆の足、柔らかくてスベスベで、すごくキモチいい……!」
すばるんの声。なんだろ、カラダがアツくなる気がする。
ううん、多分アツいすばるんのおチンチンが、スパッツごしだけどカラダに当たってるからだ。
アソコに熱が、ドンドンうつってきてる気がするもん。
「じゃ、動くぞ。真帆……」
「えっ? んんっ――!?」
な、なにコレ!? あたしの足とアソコにはさまれたまま、すばるんのおチンチンが動いてる!
アツくてカタいのが、あたしのおマタでいったりきたりしてる。
「はぁっ……スパッツの生地が擦れて、くぅっ!」
「んっ、やぁっ……すばるんの、スゴい……!」
あたしのおマタの下で、すっごい暴れ回ってる。
アソコがおチンチンとこすれあって、ものスゴくキモチいい!
「真帆のアソコも、スゴくキモチいいぞ!」
すばるんが夢中になって、おチンチンを動かしてる。
あたしのカラダで、こんなにキモチよくなってくれてるんだ。
そう思うと、スゴく嬉しくなる。
「んっ、あっ、ふぅんッ――!」
そんでもって、スゴくコーフンしてくる。
アソコがさらに濡れてきて、おチンチンがもっと動きやすくなる。
「くぅっ、ま、真帆……!」
そしたらすばるんがもっとキモチよくなって、あたしもまたコーフンしてきて。
気がついたらループが生まれてて、ドンドンキモチよくなってく。
ブレーキもないから、キモチよさは止まんない。
「す、すばるんっ! あたし、もぉっ……!」
でも、ブレーキはないけどゴールは、終わりはある。
グチュグチュ音を立てながらおチンチンが擦れ続けて、キモチよくて立ってらんなくなって。
膝がガクガク言いだしてる中で、ゴールが見えてきた。
「俺も、もうすぐっ……っお!」
すばるんの動きが、さらにはげしくなる。
多分これがラストスパート。イッキにかけ上がるみたい。
「すばるん、すばるん、すばるんっ……!」
コワれたみたいにすばるんのコトを呼び続ける。
ダメだあたし。もうなんにも考えらんない。
ただすばるんのおチンチンで擦られてるアソコが、アツくてキモチいいだけ。
「真帆、真帆ぉっ! ――くぅッ!」
すばるんもおなじカンジなのか、あたしの名前を呼んでから、セーシを出した。
「や、んんんんーっ!」
それですばるんのおチンチンがビクビクふるえて、あたしもイッちゃった。
「ハァ、ハァ……!」
正直、最高に気持ちよかった。
スパッツを穿いた真帆の太ももに挟まれた瞬間にまずイキそうになったくらいだ。
射精した瞬間も一人でした時の何倍も……いや、既にそんなものを比較対象にするのが無意味なくらいに気持ちよかった。
参ったな。クセになってしまったらどうしよう。
「真帆、どうだった?」
「すっごく、キモチよかったぁ。すばるん、は?」
小学生とは思えない恍惚とした表情を浮かべながら答える真帆。
彼女にも気持ち良くなってもらえたなら、何よりだ。
「俺も、すごく気持ち良かったぞ」
「そっか。くふふー……まぁあたしのミワク的なカラダでしたんだから、トーゼンだけどさー……」
アヤしい瞳をしたまま、言葉はいつもどおり。
そのアンバランスさに言い知れない背徳感を覚える。
いつもバスケを教え、一緒に遊んでる女の子と、こんな事をしているって事実を思い出させる。
そう。思い出すにはそれで十分だったんだ。
「すばる、さん……?」
「え……?」
だから頼むから、こんな事態は起こさないでほしかった。
神様に、そう抗議したい気分で一杯になる。
それくらい、あってはならない事が起きたんだ。
体育倉庫の入り口のドアを開いて呆然と立っている、智花がいた。
「も、もっかん……」
三人が三人とも、固まる。
誰も、それ以上は何も言えなかった。