「姉さま……長谷川コーチ、気持ち良さそうですね……」
カウパ―を垂れ流し、熱を帯びた息を吐くばかりの俺を見て
心もち興奮した様子のかげつちゃん。
「おー♪ おにいちゃんの、元気……ぴくぴく、してる」
そして、時に愛としそうに優しく、時にある程度緩急をつけて、その小さな柔らかい手ですりすりしてくれるひなたちゃん。
本能的、感覚的なものだろうけども、だからこそ、つくづく末恐ろしいなと思う。
一生懸命にやってくれるのが愛しいからだろうか。
愛おしそうに抱きつかれている為に、背中に感じられる柔らかなふくらみが
――華奢な割に、アンバランスな成長を遂げているおっぱいが――心地良いからだろうか。
とにかく、ひなたちゃんが初めてとは思えないほど的確に、俺を昂らせているのを自覚せざるを得なかった。
(準備、して……このままじゃ、汚しちゃう……)
かげつちゃんに目配せをしたつもりが、興奮した様子の彼女に気づいて貰えない。
察したのは、抱きつく力を心もち強め、俺に囁くひなたちゃんだった。
「……いつでも、良いよ……おにいちゃん」
結局、そんな声と吐息に首筋や耳元を刺激され、射精してしまったのだった。
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――白濁する意識の中振り返るのは、
姉さまに、お勉強に同席するという名目で了承を得てますから、というかげつちゃんとのやりとりだった。
信頼はしてくれているのだろうけども、だからこそ念の為にとブレーキ役を買ってくれたのだろう……多分。
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枕元に準備しておいた箱ティッシュで拭い、心地良い倦怠感に浸っていると、
姉妹仲良く汗を流しに行って戻ってきたかげつちゃんに声をかけられた。
「『無防備過ぎて危うい姉さまに、きちんと知識をつけてあげた方が良いと思うんです。』が聞いて呆れますよね、ごめんなさい……」
結局呆けてしまい、ブレーキ役を果せなかったことを悔やんでいるのだろうかと思って、
嘘偽りのない気持ちを伝えようとしたら、結局、ジト目で抗議されてしまった。
「……心遣いは嬉しいですが、長谷川コーチじゃなかったら警察に突き出したくなるようなセリフは止めて下さい。」
――『そう提案してくれなかったら、ひなたちゃんが望んでくれるならと最後までしてしまったかもしれないから、気にしないで。』なんて言ったのは拙かったかな。
<了>