「今日は楽しかったですね。長谷川さん」  
 水族館からの帰り際、愛莉が楽しそうな表情を浮かべながら語りかけてくる。  
愛莉には世話になりっぱなしだなー。とか、万里は元気かなー。とか、何ともないことを話しながら二人並んで歩いていた。  
 ふと、智花と一緒に居るときを思い出す。智花も一緒に居るときは可愛いなー、と感じるが、愛莉とのそれはまた違った可愛さだ。  
 何というか。同い年の女の子と話している錯覚に捕らわれるのだ。身長のせいかもしれないが。  
智花はどうしても小学生という目で見てしまう。いや、愛莉も小学生だけど・・・・・・そのギャップというか・・・・・・  
「長谷川さん、私はこっちなんで・・・・・・今日はありがとうございました」  
 そんな事を考えていると、ちょうど交差点に差し掛かっていた。右に曲がれば愛莉の家のある方向だ。  
「あ、ああ。また、練習でな・・・・・・」  
 お辞儀をして、離れていく愛莉。その後ろ姿を寂しそうに眺める。  
 俺は胸に少し鈍い痛みを感じた。なんだろう・・・凄く・・・愛莉のことが・・・・・・  
「愛莉!」  
 名前を叫んだ時には愛莉に向かって走り出していた。呼び止められた本人は驚いた様子で振り返る。  
「よかったら・・・・・・俺の部屋に来ないか?その・・・バスケのDVDとかあるし・・・・・・」  
 ・・・・・・いや。何を言ってるんだ俺は。いくら愛莉に離れて欲しくないと言っても、いきなり、部屋に来ないかはマズイだろう  
・・・どう考えても。  
「ご、ごめん。変な事言って。嫌だよね・・・」  
 愛莉の事だから怖がっているに違いない。いきなり男の部屋に上がるなんて、凄く勇気の要る事だ。  
「いいです・・・よっ」  
「えっ!?」  
 恥ずかしそうにうつむいたまま、答えた。え・・・・・・・・聞き間違いか?と一瞬思ったが、はっきりと唇はそう告げていた。  
「ほ、本当に?でもお家の人が心配するんじゃ・・・」  
「お、お家の人には連絡しておきます。友達の家に行くって・・・えへへ、嘘、ついちゃいますね。私」  
 ペロッと舌を出しながら笑う。うん、可愛いな。こんな一面を見られるなんて、万里に対して少し優越感を感じた。  
「じゃあ、行こうか。ちょっと歩くけど、大丈夫?」  
「はいっ!毎日鍛えているんで、大丈夫ですよっ!」  
 元気よく答えるのを確認すると、俺は安堵しながら、自宅へ道を二人並んで歩いていった。  
 
ん、そういや、なんか俺の家で先約があったような・・・まぁ、いいか。  
 
「了解。今すぐ3人分作るわね」  
 母さんに愛莉が来た旨を伝えると刹那に許諾をもらえた。  
まぁ、断られる事はあり得ないと思っていたが、この順応性の高さには毎度、頭が下がる。  
「ありがとうございます。あの・・・私も何かお手伝い出来る事は・・・・・・」  
「いいのよー、愛莉ちゃん。お客さんにそんな負担をかけるようなマネはできないしねぇ」  
「あ、ありがとうございますっ!」  
 再度、頭を下げる愛莉。本当に律儀な女の子だ。こういうところは智花に似ているなー。  
母さんにとって一人前余分に作る事は朝飯前なので、そういう心配は無用なのに。  
「じゃあ、俺の部屋でDVD、見ようか」  
「はいっ!」  
 二階続く階段を上り、俺の部屋のドアを開けると、ふと、あることに気がついた。  
「そういえば・・・・・・散らかったままだった・・・愛莉。悪いけど、ちょっと待っててくれないか?すぐ、かたづけるからさ」  
「はい。いくらでも待ってますよっ」  
 愛莉の厚意をありがたく頂戴すると、俺は早速部屋の掃除を開始した。まず、ベッドだ。  
体操服やら、バスケットボールやらが散乱していて、とても女の子に見せられるような状態ではない。  
 手際よく片付け、机の上、床。そして本棚の間に隠してあるDVDを奥に押し込み、完了した。  
特にDVDはマジで見られるとヤバイ。小学生のDVDを小学生に見つけるなんて、ギャグにもならない。  
「愛莉、お待たせ。終わったよ」  
 ドアを開き、愛莉を招き入れる。ちょっと緊張しているのかな。頬がほんのり赤く染まっている。  
「えへへ・・・・・・男の人の部屋に入るの、初めてなので緊張します」  
「そうなの?万里の部屋には入ったことないの?」  
「はい。お兄ちゃんの部屋・・・なんだか汗臭そうで・・・・・・あっ!私がこんな事いっていた事、お兄ちゃんには内緒ですよ」  
 急いで訂正する。思いっきり汗臭いって言われていたぞ・・・万里。まるで思春期の娘が親父に抱く感情のようだな。哀れ。  
「とりあえず、今DVD出すからベッドの上にでも座って待ってて」  
 ちょこん、と申し訳なさそうに座る愛莉。・・・・・・・うん。恥じらいがあっていいな。  
本当に、智花と違って大人の色香が感じられるのは愛莉だけだ。  
 って、いかんいかん。小学生だぞ。小学生。手を出してはいけない一線というものがある。  
「確か・・・・・・これだったかな。DVD」  
 机から取り出したDVDケースは、確かに目的の画像が印刷されたものだった。間違いない。  
 
 DVDを取り出すと、プレイヤーに挿入した。モーターの無機質な音が鳴り、再生が開始される・・・  
・・・と思ったがロードに時間がかかるんだよな。このプレイヤー。  
「ちょっと、飲み物とってくるね。先に見ていていいよ」  
 そう言い残すと一階へと下り、冷蔵庫から麦茶を取り出した。リクエストを聞くのを忘れたけど、まぁ、無難な選択だし、大丈夫だろ。  
「あら、飲み物なら持って行ったのに」  
「いいよ。母さんは料理に専念しておいてくれて」  
 母さんが料理を作っているのに手を煩わせる訳にはいかない。今日の料理は愛莉と3人で食べる、初めての料理だからな。腕を奮ってもらわなくては。  
 二階へ続く階段を半分まで上がった時、ふと変な声が聞こえるのに気がつく。ヤケに元気な・・・・・・女の子?まさか。いや、そんなことは・・・・・・  
 一抹の不安を胸に、俺は部屋の前へと近づく。そしてそれは徐々に確信に変わっていった。  
 
ガチャ  
 ドアを開くと・・・・・・そこには、あられもない格好をした小学生の映像が映し出されたテレビと、そして、ソレを見て目を丸くした愛莉の姿があった。  
 時が、止まったように感じた。俺は後悔や不安など置き去ったかのような表情で、愛莉を見た。もう、全てが終わったかに思えた。  
「愛莉・・・」  
 話しかけようにも、かける言葉が見つからない。どうしようか迷っていると、愛莉が俺の方を向き、  
「長谷川さん・・・・・・は、小さい女の子が好きなんですね・・・・・・やっぱり、小さいのが・・・」  
 呟きとも取れる、蚊の鳴くような声で俺に言った。  
「愛莉、俺は・・・・・・確かに小学生が好きだ。大好きだ。最高だと思っている。でも、決して小さい女の子が好きな訳じゃない」  
 弁明とも取れる言い訳だなと、自分でも思う。ましてや小学生のDVDを見ている男なんて信用も信頼もあったものじゃない。  
それでも言わなくてはならない事が、俺にはある。  
「俺は・・・・・・愛莉が好きだ。愛莉の身長も表情も。全部好きなんだ。小さい小学生じゃない。その体に秘めた可能性の方がずっと魅力的なんだ!」  
 真剣な表情で、愛莉を見つめ、溜めた言葉を吐き出す。  
「長谷川・・・・・・さん。はい。私も・・・・・・長谷川さんの事が、好き・・・・・・・・・・です」  
 まっすぐ、純粋な瞳で見つめ合う。もう、俺には愛莉しか見えていないのだ。DVDの事なんて・・・・・・今はどうでもいい。  
「でも、智花ちゃんが・・・なんて言うか・・・」  
「智花は関係ない。智花は・・・・・・妹みたいなものだよ」  
 そう、智花は恋愛対象ではない。ハッキリ言うと、妹だ。かわいいとは思うが、そこまでである。  
 俺は思い浮かんだ智花の姿をかき消すと、目の前の愛莉に・・・・・・  
「好きだよ。愛莉」  
 軽く唇を重ねる。一方的だと思ったけど、愛莉は抵抗はしなかった。なすがままにされている。  
「長谷川・・・・・・・さん」  
 小さくつぶやく愛莉が愛おしくて、抱きしめる。愛莉の豊満な二つのバストが俺の胸に当たった。  
 
 そのまま、ベッドに寝かせた。横になってもその破壊力は衰えない。  
俺はゴクリと喉を鳴らすと、ワンピースのボタンをゆっくりと外し始める。  
「恥ずかしい・・・・・・ですよぅ」  
 両手で顔を覆う。その隙間から伺える愛莉の表情は本当に・・・なんというか。オンナだ。  
「でも・・・長谷川さんなら・・・・・・いいです・・・好き、ですから」  
「愛莉」  
 もう一度、名を呼ぶ。そして、ボタンを全て外すと、そこには布きれだけで覆われた愛莉の素肌が露わになる。  
ブラは・・・・・・まだスポーツブラのようだ。いかにも小学生らしい。けれども、そのギャップが俺を興奮させたのは間違いない。  
 下に目をやる。白い、純白のパンティがそこにはあった。  
今度はブラと違い、大人っぽい下着だ。恐らく、真帆か紗季あたりに選んで貰ったのだろう。愛莉の性格から言って、一人でこれを買う場面を想像できない。  
「すごく・・・綺麗だよ。愛莉」  
 俺は最後に残された二つの布をゆっくり外すと、生まれたままの愛莉の姿がそこに現れた。綺麗で、繊細な柔肌に触れる。  
「あっ・・・・・・」  
 微かに愛莉が反応した・・・・・・ように感じた。太ももに触っただけだが、マシュマロのような柔らかさだ。何というか・・・  
小学生だからこその健康的な肌というか・・・葵には絶対マネできないだろうな。うん。  
「愛莉・・・・・・俺は今から愛莉の事を好きにしちゃうけど・・・いいかい?」  
 なるべく紳士的に話しかける。愛莉を怖がらせるわけにはいかないからな。  
「はい・・・・・・・私の事、好きにしてください。長谷川さんでいっぱいにして・・・ください。コーチでもなく・・・恋人として。えへへ。恥ずかしいですね。面と向かって言うと」  
「はは。そうだな。でも、言って良かったと思ってる。思いを伝えられて。ホント、良かった」  
 そう言うと、早速、俺は豊満なバストをいただく事にする。両手で触れる。  
「おおっ」  
「はうっ」  
 俺が感動を言葉に出すのと同じく、愛莉も声をだす。普段とは違う声だった・・・色っぽい。  
滅多に味わうことの出来ないであろう、二つの塊を手のひらで回すように撫でる。  
「んっ・・・はぁう、えうっ・・・」  
 愛莉の喘ぎ声が徐々に大きくなっていく・・・・・・・そして、遂に、そのメインディナーを頂く時が来た。  
何ヶ月夢見ただろう。この双丘を食す日を。  
 リンゴをかじるように口先をつける。  
「ふえっ・・・・・・はぁ、はぁう。昴さんっ・・・なんかヘン・・・ですっ!カラダがヘンになってますっ・・・・・・ふぁっ!」  
「愛莉っ・・・美味しいよ。愛莉の果実。本当においしい・・・・・・熟した果実ほど美味しいものはないと再認識させられたよ」  
 ・・・・いかん。思っている事を口に出してしまったではないか。小学生×巨乳がこんなにも俺を魔物にさせるとは・・・おそるべし。  
 もはや、最初の頃にあった、ひなたちゃんマジ天使、という感情、  
智花は最高のパートナー、という宣言など、どこ吹く風、目の前の愛莉に夢中である。  
「愛莉・・・・・・あんまり声、大きくすると、母さんに聞こえちゃうよ。そうなったら、もうウチには来られなくなるなぁ・・・」  
「そんなっ・・・嫌、です。長谷川さんに会いに行けないなんて・・・イヤです」  
 ちょっとイジワルをしてみても可愛い反応をしてくれる。愛莉こそが俺の天使だ。  
 
「ふゎ・・・あっ、あっ・・・」  
 執拗に胸を揉んでいると、声が徐々に大きくなっていく。本当に気持ちいいんだな・・・愛莉。俺、もう・・・そろそろ・・・・・・  
「愛莉、声が大きいと・・・」  
「声がなんですって」  
 
・・・・・・えっ  
後ろを振り返ると、いつもの笑顔をたたえた、  
「葵・・・」  
 葵が、鬼のような後光を放ち、立っていた・・・・・・  
 そうか・・・約束って、葵とDVD見る約束だった。  
 
 俺がその瞬間、死を覚悟したのは言うまでもない。  
 
 

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