「あら? またイッちゃったの?」  
 あれから何度も何度も、真帆の身体を味わった。  
 二の腕も首筋もおヘソも、胸もアソコも。今真帆の身体は、私の唾液と自分の出した愛液でベタベタになってる。  
「フゥ、フゥ……んんっ」  
 そして真帆の身体はさっきからビクビクと痙攣しっぱなし。  
 私が何度も何度も真帆をイカせた結果。  
 タオルの上からでも判るくらい、息が荒くなってる。  
 散々翻弄されて、体力も大分消耗したはず。心持ち、瞳も焦点を失ってる気がするし。  
「真帆……」  
「んんっ……!」  
 タオルを噛ませた事を失敗だと思った一番の理由は、キスが出来なくなった事。  
 だから代わりに、真帆のアソコに一度キスを落として。  
「ずっとずっと、真帆とこうしていたかったけど。そろそろ終わらせないとダメみたいね」  
 多分、このままじゃ真帆の体力が保たない。  
 ちょっと惜しいけど、これで最後にしないと。  
 絶対にやっておかないといけない事が、まだ一つ残っているんだから。  
「…………」  
 次でやっと終わる。それが判って、真帆が明らかに安堵の息を吐く。  
 仕方がないと解っていても、そんな真帆の反応に、胸が痛む。  
「真帆。これ、なにか判る?」  
 けど痛みを無視して、私はカバンから取り出した物を真帆に見せる。  
「ん……?」  
 案の定、まったく判らないらしい。そういうところが可愛いんだけど。  
 私の手に握られているのは、固定するための金具がついた太くて長い棒状のオモチャ。  
 ペニスバンド。真帆の初めてを奪うために必要なもの。  
「このままだと痛いだろうから……んちゅっ、ぺろっ」  
 丁寧に舐める。出来れば真帆に舐めてほしかったけど、この状態じゃそれはムリ。  
 やっぱり猿轡を噛ませたのは失敗だったかもしれない。  
「んっ……こんなものかしら」  
 ひととおり唾液で濡らした後、装着する。  
「んん……?」  
 私がペニパンを着けてもまだ意図が判らないのか、困惑の表情が変わる事はない。  
 多分『おチンチンなんて生やしてどうするつもりなんだろ?』くらいにしか思ってないと思う。  
 そんな無垢な真帆をこれから、オトナにする。  
「じゃ、いくわよ、真帆……」  
「っ――!」  
 具体的にどうなるか判らなくても、今の私に距離を詰められる自体に恐怖を覚えているんだと思う。  
 真帆の表情が、みるみるうちに引き攣ってゆく。  
 だけどそれを見ないフリして、私はペニバンの先端を、真帆の秘処に宛てがう。  
 指や舌で散々解したから、もう十分なはず。  
「ッ! んんっ、んんっ――!」  
 さすがに私がなにをしようとしているのか判ったのか、くぐもった声で叫ぶ真帆。  
 けどきちんとした叫び声にならない。逃げようとするけど、縛られてるからほとんど身動きが取れない。  
 何もかも自由にならない真帆を、私はこれから、無理矢理犯すのだ。  
「痛いけど、ガマンしてね」  
 一方的にそれだけ告げる。ヒドいな、とは思う。  
 けどやめようとは思えなかった。そのまま、腰を一気に進める。  
「んんっ、んんっ――、ッ!?」  
 シリコンで出来た玩具に、真帆は貫かれた。初めての証である赤い血が、少しずつ流れてくる。  
「…………」  
 垂れてきた血を指ですくって、一口舐める。  
 鉄の味。真帆のアソコから流れた、血。  
「っ……」  
 真帆は目を見開いたまま、呼吸をするのも忘れたかのように固まってる。  
 それだけ、痛かったんだと思う。  
 
「ゴメンなさい、真帆。出来るだけ優しくしようとは思ったんだけど」  
 自分で言っておきながら、鳥肌が立つくらいの嫌悪感が募る。  
 この娘の初めてを無理矢理奪っておきながら、何を言っているのか。  
 ……ダメね。決意した時に捨てたつもりだったけど、罪悪感がどんどん溢れてくる。  
 一番やっちゃいけない事を、やってしまったって。  
「少しだけ、動くわね」  
 だけどもうとっくに、後戻りなんてできない。  
 結局私は、このまま続けるしかないんだから。  
 ゆっくりと腰を動かし始める。  
「んっ、んっ……」  
「っ、――ッ!」  
 引いた腰を押し込むたびに、声が漏れる。  
 ペニバンの付け根がちょうど私のアソコを刺激して、思ったよりも気持ちいい。  
 真帆の口からも、くぐもった声が断続的に漏れてる。  
 こっちは間違いなく、快楽から出てきた声じゃないけど。  
 さすがに初めてで感じるのはムリがあるかしら。  
「真帆……んっ、ぺろっ……」  
「ん――!?」  
 そう思っていても、ただ痛いだけで終わらせたくなくて、私は真帆への愛撫を再開する。  
 胸を吸って、先端を舌で転がす。  
「ふっ、んんぅっ……」  
 さらに真帆の首筋にも、舌を這わせた。  
 これで少しは、良くなってくれたらいいんだけど。  
「フーっ、フーっ……」  
「それじゃまた、動くわよ」  
「んんっ――!?」  
 そう思いながら止めていた腰の動きを再開するけど、真帆は相変わらず叫び続けてる。  
 猿轡を噛まされてるから響きはしないけど、それでも私の心には確かに伝わってくる、悲痛な叫び。  
「真帆、お願い。私で、感じて……!」  
 ムチャにもほどがある要求。突きつけられた真帆は、戸惑う他ないと思う。  
「んん、んんむぅ――!」  
 いや、戸惑う余裕さえないみたい。よっぽど痛いんだと思う。  
 苦痛を訴え続ける真帆に反して、私が感じているのはキモチよさ。  
 その事実が、とても忌々しい。  
「私もう、止められないよぉ!」  
「ふっ、くうぅんっ……!」  
 どんなに抗おうとしても快楽に流されてしまうから。  
 真帆がどうなっていても、もうこの快楽を手放す事が出来ない。  
「真帆、ダメ、もうっ――!」  
 止めるどころか、動きはむしろ早くなる。もっともっと、真帆を感じたくて。  
 そしてそれは私への刺激もどんどん増している事でもある。  
 ペニバンが私のアソコをノックする回数が一気に増えて、限界がすぐそこまで迫ってる。  
「んむっ、んんぅっ!」  
「真帆、真帆ぉ……!」  
 真帆が全身を震わせて、私はそれでも尚真帆を突き続けて。  
 高まりきった想いは、抑える事が出来ないまま、  
「んっ、ま、真帆……! ああああああ――ッ!」  
「ふうぅんんんっ――!?」  
 一際強く真帆を貫いて、私は絶頂を迎えてしまった。  
「ま、ほ……」  
 全身の力が抜けて、動くのがとてもツラい。  
 それでもどうにか手を伸ばして、真帆の口に噛ませたタオルを外す。  
「っ――は! ハァ、ハァ……!」  
「真帆……んぅ」  
「んむっ……!?」  
 荒く息を吐き続ける真帆の口を、また塞ぐ。今度は私の唇で。  
「ぴちゅっ、ぺろっ……」  
「あむっ、ふぅんっ……」  
 
 ずっと出来てなかったキス。存分に真帆の口の中を、舌を味わう。  
「さ、サキ……っ」  
 唇を解放した直後、真帆は私の名前を一度だけ呼んで、意識を失った。  
「お疲れさま、真帆」  
 倒れた真帆を抱きしめて、私は微笑みを浮かべる。  
 それで、終わった。全部が。  
   
   
   
「サキ! こっちだ、パス!」  
「ふふっ、りょうかい!」  
 いつもどおりの、部活。  
 私も真帆も、普通にバスケをやっている。  
 さすがに数日はぎこちないままだったけど、やっと落ち着いた。  
「よっしゃーシュート決まったー!」  
「きゃっ!? ちょっと真帆、はしゃぎ過ぎ!」  
 シュートが決まると、真帆が抱きついてくる。  
 無邪気そうに。やっぱり元気な真帆”も”良いわね。  
「良い形だぞ、二人とも!」  
「ありがとうございます、長谷川さん」  
「すばるんがみっちり叩き込んでくれたんだから、こんくらいトーゼンだって!」  
 私達を褒めてくれた長谷川さんに、ちゃんとお礼を言えた。  
「それに二人とも、元気になって良かったよ」  
「え? 何の話ですか?」  
「ほら、こないだまでちょっと様子が変だったからさ。何かあったのかなって」  
 笑顔でそういう長谷川さんに、少しだけ胸が痛くなる。  
 やっぱり心配をかけてしまったんだって。  
 なるべく早く解決したかったけど、真帆がなかなか慣れなかったから。  
「あっ……そうですね。ご心配をおかけしました」  
「けどもうダイジョービだから! 安心してよ、すばるんっ!」  
 だけど、真帆の言うとおり。もう私達は、大丈夫。  
 大丈夫、なんだから。  
 
「サキ……今日は、何をやるの?」  
 休日。真帆の家に遊びに来た私は、真帆の部屋の中に一緒にいる。  
 使用人の人達は絶対に入ってこないように、真帆の方から言ってもらってる。  
 だから、今からやる事はきっとバレない。  
 今までだって、バレなかったんだし。  
「今日は前回の続きよ。真帆のおしり、キモチよくしてあげる」  
「う、うん。サキ、おねがい……」  
 既に真帆の身体は縄で縛られてる。  
 何度もこうやって真帆の身体をイジってあげていたら、縄で縛る=キモチいい事をしてもらえるって覚えてくれたみたい。  
 最初の方こそイヤがってたけど、今では自分から縛りやすいように身体を動かしてくれる。  
「なにをお願いしたいの? 真帆」  
「んっ……あたしのおシリ、オモチャでいっぱいイジってっ」  
 そしてすっかり、私が与える刺激の虜になってしまっている。  
「ふふ、そうね。今日もいっぱい、可愛がってあげる」  
「サキ……。――ひやんっ!」  
 あの日から休日が来るたびにこうやって真帆の身体を愛し続けて、同時に日常では今までどおりに振る舞うよう教えてきた。  
 元々真帆は演技や隠し事は苦手だから苦労したけど、何度も繰り返すうちに普段のぎこちなさは消えていった。  
 多分真帆の中では、日常と今の時間は完全に分けて考えられているんだと思う。  
 ううん。私も、そうかな。  
 この時間は、特別だから。  
「サキ、そこ……やぁっ!」  
「ココがキモチいいのよね、真帆は。刺激し続けたら、どうなるのかしら?」  
 おしりの穴を刺激し続ける。悶えている真帆が、とても可愛い。  
 毎回、この時間が楽しみで仕方ない。  
 次はどんな風に真帆を可愛がってあげようか。  
 どんな恥ずかしい思いをさせて、悶える真帆を眺めようかって。  
「真帆。ちゅっ……」  
「こ、こんな時におっぱい――ひゃああぁっ!」  
 私は今、とても幸せ。  
「真帆、真帆、真帆ぉっ!」  
 だってこんなに、真帆と愛し合っているんだから。  
 私が真帆を求めて、真帆も私を求めてくれてる。  
「真帆。ふふ、ふふふふ……」  
「さ、き……んぅっ」  
 唇を奪い、舌を這わせる。  
   
 私は、今、とっても、幸せ。  
 

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