「元に戻りましたわ〜っ!」
「・・弥、生・・!」
感極まり、思わず秋華は弥生を抱き締めた。
「秋華様・・!」
秋華の想いが伝わり、幸福感に包まれる弥生。
「よかっ・・、・・・・よかった、弥生・・!」
涙声で言う秋華は、不幸にも気づかなかった。
・・・・抱き締めている少女の目が、獲物を狙う肉食獣の目に変わったことを。
「・・・・・・ええ、本当に」
急に変わった声音に、思わず腕の力を緩めて弥生を見る秋華。
その隙を見逃すほど、彼女は間抜けではなかった。
そのまま、二人して床になだれ込んだ。
「おっ、おい、弥生!?」
「秋華様、お分かりですか?」
ずずいと顔を近づけた弥生の迫力に、秋華は本能で何か危険を感じ、及び腰になるも、既に時遅く。
「・・な、何が?」
「秋華様と私は両思いです。今までそれを信じられませんでしたが、私はやっと確信いたしました。そして、私の体も元に戻りました。そうなれば、この後はお分かりですね?」
「い、いや、分かりたくな・・・・って、てめえ! なに人のベルト抜いてんだよ!!」
「だって、この後で邪魔になりますもの」
「どうやって邪魔になるんだよ! ってか、ズボンのボタンを外すな〜っ!!」
「この後の展開は、やっと思いを交わした二人が心だけでなく体も繋がるに決まってるじゃありませんの」
「わ〜っ、やめろ! 俺ら、まだ中二だぞ!?」
「年齢なんて関係ありませんわ。・・・・・・それとも、秋華様はしたいと思うほどには、私のことが好きではありませんの?」
目に涙を溜めて、弥生は秋華を見つめた。
その顔にどきりとし、思わず抵抗を止める秋華。
「そ、そういうわけじゃ・・」
「じゃ、いいですわね」
勢いよく秋華に覆いかぶさる弥生。
「どこ触って・・、うわ〜っ、待て、まだ心の準備が〜〜っ」