アニヤ「今日、俺の部屋来いよ」  
 
塔子「わかった」  
 
辺りは真っ暗。  
練習が終わった2人だけの帰り道だった。  
俺は塔子を誘った。  
この馬鹿は警戒もせずに軽々とOKをしやがった。  
 
アニヤ「おめぇよぉ…そんな気安くわかったとか言うんじゃねーよ」  
塔子「いいじゃん。」  
アニヤ「他の男にヤられっぞ?」  
塔子「恵ちゃんとこだから行くんだもん。」  
アニヤ「あぁ?俺だっていつもヤらせて★って頼んでんだろ(笑)」  
塔子「なんでヤらせてくれとか言うの?」  
アニヤ「あ?」  
塔子「私じゃなくても、いっぱい相手がいるじゃない」  
 
ホントに愛してるのはお前だけだからだよ。  
ヤらせて★なんてのは言い訳で、ホントは愛してるだけだ。  
 
塔子「ねぇ、恵ちゃん。」  
アニヤ「あぁ〜…ヤりたいからヤりたいだけだよ」  
塔子「あっそ!やっぱり襲われたら嫌だから、今日は恵ちゃんとこ行〜かない!」  
アニヤ「はぁ??来いよー!」  
塔子「ばーか。ちゃんと行ってあげるんだから(笑)」  
 
 
ガキん時から  
塔子だけには  
たった一言が言えない。  
 
『愛してる』  
 
今夜俺んちには誰もいない。  
その事も塔子に言ったのに  
塔子「まじ?じゃあ泊まっていこ♪」  
とか言いだした。  
こいつの考えてること、全然わかんねぇ…  
 
塔子「晩ごはん作るから待っててね」  
アニヤ「おぅ」  
 
しばらくすると塔子が  
俺の部屋にホカホカのオムライスを運んできた。  
うまそう。  
いや、絶対うまい。  
こいつは昔から料理上手で、よく俺に食わしてくれた。  
 
オムライスを2人で食い始めた。  
「おいしい?」とかは聞いてこない。  
こいつは俺が「うまい」とか、恥ずかしいから言わないのわかってるから。  
 
塔子「…ん〜…ふぅ。」  
 
塔子は眠そうに甘い声を出した。  
…そして、俺のベットに潜りこんだ。  
 
アニヤ「おまっ…」  
塔子「なに?小さい頃は…よく一緒に…寝た…じゃん」  
 
塔子は相当眠いようで、ゆっくりで途切れながらしゃべる。  
 
アニヤ「俺はもうガキじゃねーよ!」  
塔子「…いいから恵ちゃんもぉ。」  
アニヤ「おわっ…」  
 
塔子は俺をベットの中に引っ張りこんだ。  
 
アニヤ「おめぇ寝ぼけてんなよ!ばーか!」  
 
塔子は返事をしない。  
もうぐっすりだ。  
 
アニヤ「ばーか!!」  
 
俺は一度ベットから出た。  
そこで気づいた。  
 
 
…きったねぇベットだなぁ。  
 
これは俺が何人もの女を抱いてきたベットだ。  
 
 
快楽が欲しくて、たくさん振った腰。  
ヌルヌルになるまで突っ込んだ指。  
嫌がる女の股を無理やり開いた腕。  
 
それでも、今は野球のために使っている。  
 
俺は変われたんだろうか。  
 
 
 
そして野球を取り戻せたのは、  
 
間違いなく、塔子のおかげだ。  
 
 
『キスぐらいなら、してあげてもいいよ♪』  
 
どこの塔子様だ(笑)  
ばーか!  
 
その言葉で俺の心臓破裂させかけたんだからな(笑)  
 
 
アニヤ「ばーか。ずっと好きだからよぉ。」  
 
熟睡する塔子に  
聞こえるはずも無のに、  
かなり緊張して  
顔が真っ赤になって  
 
心臓破裂するかと思った。  
 
 
だってよー  
好きだからよぉ。  
 
 

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