「こんな所にいたんだ、アラン。」  
 
西日が細長い窓から優しく入るラダトーム城の書斎に、彼の姿を見つけたアステアが話し掛ける。  
 
「・・・こんな所に居たら悪いのかよ。」  
読んでいる書物から目も離さずにアランが答える。もちろん声にはこれっぽちの愛想も無い。  
読んでいたのはロトの系譜。古くからラダトームの王家の者だけに代々伝わる貴重な文献だ。  
人生の殆どを魔人王として生きていた彼にとって、自分が一体何者なのかそれが教えてくれるような  
気がしてまるで呼ばれるように此処へやって来て手にとってしまったものだ。  
 
この城の主が腰掛ける椅子に座り、頬杖をついて書物に目をやるアランをアステアはしばらく黙って  
見つめていた。その視線が気になってようやくアランが口を開く。  
 
「何だよ、用があるならさっさと言えよ」  
「・・・その、時間があるなら剣術を教えてもらおうと思ったんだけど・・・忙しそうだね。」  
 
その声色が随分楽しそうなのが気になって、思わずアステアを見る。  
「何がおかしい」  
「おかしいんじゃないよ。あのね、そこに座って本を読んでいると、兄様みたいで。」  
ゆっくりと近づいたアステアがアランの座っている椅子をくるりと動かす。  
 
「な、何だよいきなり!」  
机に向かっていたアランがアステアと向き合う。何を思ったのか、アステアがアランの膝にちょこん  
と乗ってきた。  
「お、オイ!!!」  
 
柄にも無く慌てるアランをよそに、アステアが子供のようにキャッキャと声をあげて笑う。  
「小さいころ、兄様がよくここで僕を膝に乗せて本を読んでくれたんだ。」  
「バカ、やめろって!降りろよ、おい!」  
口ではそんな風に嫌がって見せたが、アステアの体が自分に預けられている事態に少なからず  
興奮してしまう。髪の匂いだろうか、ふんわりと甘い花のような香りに改めてアステアが女で  
あることを実感する。  
 
「重たい?」  
「・・・重たくは無い。でも降りろ。俺はお前の兄貴じゃない」  
「でも遠い兄弟だよ」  
「そうかも知れないが、それ見ろよ。血縁なんてとうの昔になくなってる。」  
 
勇者アレルの3人の子供−ローラン、カーメン、そして末娘フローラから続くロト一族の系譜。  
それぞれの子孫は繁栄していく中で、再び交わることなく100年以上の時が過ぎていた。アラン  
とアルス、そしてアステアは遠い遠い親戚であり、同じ聖なるロトの血が流れる者同士ではあるが  
それほど近しい縁とは言えなかった。  
 
「そうだね。”兄弟”なんて慣れなれしくしちゃいけないかもね・・・」  
系譜に目をやり、少し寂しそうにアステアが言った。  
「こうしてアランと暮らしていると、兄様の事を思い出しちゃって。迷惑だよね・・・もう、しない  
から。」  
ごめんね、とつぶやいて腰を浮かせたその時。  
 
「え?」  
逞しい腕が、アステアの体を強く引き寄せる。さっきよりも体が密着して背中に広くてがっちりした  
アランの胸を感じる。  
「・・・アラン?」  
 
今度はアステアが動揺する。見上げたアランの顔が、いつもの無愛想とはちょっと違う真剣な表情。  
さしものアステアも、アランが何を考えているのか判ってしまった。  
「ねえ、放して、アラン・・・ねえ?」  
アステアが身をよじるが、びくともしない。  
「自分から誘っておいてそれは無いだろ」  
耳元で低い声が響く。そののけだるそうな声にドキっとする。大きな手がアステアの頬を撫でた。  
 
「誘ってなんて無いよ!誤解だよ!誘うなんて、そんなつもり・・・」  
言いかけてやめた。そんなつもりない・・・それは嘘だ。アステアは自分で分かっていた。異魔神と  
対峙した時、手を取ってくれたアランに同じく共に戦ったアルスとは別の気持ちを抱いた事を。  
 
平和は訪れたが、帰る場所の無い彼をラダトームに来るよう説得したのは、もしかしたら遠い兄弟  
としての好意では無かったかもしれない。  
 
でも。  
 
「どうして俺がここに住むことを承諾したか分かってたんだろ?そんなつもり無いなんて言わせない  
からな・・・」  
 
今、ここで突然お互いの気持ちが確かめ合えるなんて思ってもいなかったし、それに彼はそれ以上  
の事を望んでいる。  
 
怯えた表情でアランを見つめるアステアに追い討ちを掛けるように言う。  
「俺の事、好きか・・・それとも嫌いか?」  
「そんな・・・急に・・・」  
 
「早く答えろよ。嫌なら止めてやるから。」  
こんな究極の選択を即答するよう強いられて困惑の表情を浮かべていたが、心には答えが一つしか無かった。  
 
 
「好き。大好き・・・だよ。」  
ついこの間まで勇敢に戦っていた姿からは想像もつかない程弱々しく震えた声で絞り出す。  
その、涼やかな目元からはぽろぽろ涙がこぼれていた。  
 
まさかこんな答えがもらえるとは思わなかったアランが思わず確かめる。  
「え・・・今、何て・・・」  
「アランもちゃんと言って・・・。」  
 
膝に乗っていたアステアが向きを変える。子供が甘えるようにアランの両太腿にまたがるように座った  
アステアがゆっくりとアランの胸に顔を埋め答えを待っている。  
 
アランはもう一度アステアの頬に手をやり、涙を拭ってやる。  
「好きだ。・・・もう、言わねーからな・・・」  
照れくさそうに、でもしっかりとアステアに聞こえるように言い、そのままアステアの顔を上げさせる。  
 
「キス・・・するの?ねえ、僕、初めてだから・・・その・・・どうしたら・・・」  
「いちいちうるせーな。黙って目ェ閉じてろよ・・・」  
ぶっきらぼうだけど、いつもよりほんのちょっと優しい言い方。言われた通りにキュっと目を閉じた  
アステアの愛くるしい顔に、ほんの少し罪悪感を感じてしまう。  
 
「俺だって、初めてなんだからな・・・。」  
 
震える手でアステアの顎を引き寄せて、そっと唇を重ねる。それから自分も目を閉じて、柔らかくて  
暖かいその感触を味わう。自分に比べてうんと華奢な体を壊してしまいそうなほど抱き寄せた。  
 
 
本当は怖かった。  
こんな事をして彼女に嫌われてしまうのでは無いかとずっと思っていた。  
此処で暮らし始めてから何度アステアを思い通りにしてしまいたいと考え、そして自己嫌悪に陥った事か。  
 
 
それなのに、アステアは今自分の腕の中に包まれて、誰にも捧げた事が無いであろうその唇を  
俺の唇に塞がれている。  
 
・・・大好きだって、言ったよな。  
 
アステアの顎を支えていた手が、口を開けさせる。瞬間、アステアが驚きのあまり閉じていた  
目を見開く。  
 
「・・・!ん・・・!!」  
 
目が合ったアランは意地悪な微笑みを浮かべて、僅かに開いたアステアの口に暖かい舌を  
割り入れてくる。  
どうして良いかわからないアステアはされるがまま、アランに口全体を舐めまわされ、吸われる。  
舌を絡まされ、唾液でいっぱいになったアステアの口からつっと雫が落ちる。やっと唇が離れ、  
こぼれた雫をアランが舌で舐め取り、ゴクリと喉を鳴らして飲み込む。そして自分の口を手で拭って  
アステアの耳元で囁く。  
 
「お姫様はディープキスなんて教わらなかったか?」  
 
「・・・いやらしい・・・」アステアがうつむいてつぶやく。体がまだ、震えている。  
 
「汚らわしい、か?」  
 
抱えていたアステアをそのまま持ち上げて、ずんずんと書斎の奥へ向かう。背の高い本棚をすり抜ける  
と、マホガニーの長椅子にちょこんと乗せてやる。膝をつき、アステアの顔を見上げるように覗き込んだ。  
かけてやる言葉が見つからない。  
 
「・・・・・アラン・・・」  
「何だ?」  
 
「やさしくして・・・下さいませ・・・。お願いです・・・。」  
取って付けたような台詞に、アランが吹き出す。  
 
「何言ってんだよお前・・・。」  
「これは・・・教わったの。大切な人と、初めてその・・・愛し合う前にお願いするようにって・・・」  
 
「よく分かってんじゃねえか。良い子だな。」  
 
フン、と鼻で笑ってアステアの薔薇のように紅く染まった頬に口付ける。  
「やさしくしてやるよ。だから・・・」もう一度、その愛しい少女をしっかり抱きしめる。  
 
アステアの上着の裾を持ち上げる。腕を上げるように促すと、アステアは子供のようにバンザイをして  
アランに服を脱がさせる。白い、小さく刺繍の入ったシルクのスリップが目に飛びこんでくる。  
 
スリップとその下に付けているブラジャーの肩にかかるストラップをずらして透き通るように白い  
デコルテを撫でる。たまらずうなじにキスを落とすと、その跡はくっきりと赤く浮かぶ。首筋から  
細い肩にアランは夢中でキスを続けた。  
 
「いやあ・・・くすぐったい・・・」  
恥ずかしそうな、でもどこか嬉しそうな声を出す。その声は、アランの欲情をもっと掻き立ててしまう  
のも知らずに。  
 
アステアを立たせてベルトを外す。ストンといつもの少年の履くようなズボンが足元に落ち、  
白く伸びた細い足をさらけ出す。かろうじてスリップがお尻の部分まで隠してくれていた。  
アランが思わず可愛らしいその膝小僧に口付けると、アステアがひゃ、と飛び上がる。  
 
「くすぐったいってば、アラン」  
「逃げんなよ」  
 
腰をぐいと掴んでまた座らせる。下からスリップを持ち上げると、アステアが抵抗した。  
 
「全部・・・脱ぐの?」  
「脱がしてやるよ・・・。」  
「いや・・・自分で脱ぐから・・・あっち向いてて・・・お願い。」  
 
分かったよ、好きにしろ。とアランはくるりと背を向ける。  
 
「ありがとう・・・アラン。」  
あっさりと願いを訊いてくれたアランに、心から感謝しつつ、震える手でスリップを脱ぐ。  
鎖骨や肩の辺りに先ほどアランが残した無数の赤い印を見つけ、これからこの薄い布で守られていた  
部分も同じようにされることを想像しただけで、眩暈を起こしそうになる。  
 
アステアが下着を脱ぐ、衣擦れの音が聞こえる。余裕を見せて背を向けてやったはずなのに、心と彼の  
下半身は激しく動転している。落ち着け、俺。  
 
「俺も、脱ぐぞ」  
自分に言い聞かせるように言って立ち上がり、アランが上着を脱ぎ捨てる。  
あっという間に一糸纏わぬ姿になったアランの後姿を見て、アステアが悲鳴を上げる。  
 
「待って!ちょっと待って!!お願い、振り向かないで・・・。」  
「遅えよ」  
「だめぇ!!!」  
 
振り向くと、長椅子に腰掛けて丸くなっているアステアがいた。アランを見ないように顔を背けている。  
約束どおり自分で脱いでいるが、手で胸を隠しパンティはまだ身につけたままだ。  
傍にはさっきアランが脱がせて放り投げた服が綺麗にたたまれていた。  
 
「トロいんだよ、お前。」  
苦笑して近づくアランの気配を感じるものの、アステアは目を固く閉じていた。  
ゆっくりと近づいて来たアランはアステアの両手首を掴み、左右に広げるようにして仰向けに寝かせる。  
 
「ああっ・・・」  
あきらめとも取れるような声を漏らす。アランはアステアの腹の上に膝を立ててまたがり、  
手首を掴んだまま彼女を見下ろす。  
 
ラダトーム城の最も高い塔にある書斎の大きな窓からは冬でも暖かい日差しが降り注ぐ。  
アステアは幼いころよく兄の調べ物について行き、待ちくたびれてビロード張りのこの長椅子に横たわり、うたた寝をした。  
 
まさかその優しい陽の光が、成長した自分の肢体を照らし出すなんて夢にも思わなかった。  
 
胸の小さな膨らみは仰向けに寝かされて殆ど平らになってしまうが、その先端は淡いピンク色で、ツンと  
上を向いている。アランを魅了するには十分だった。  
 
アステアは恐る恐る薄目を開けると、アランが自分の首から下を凝視しているのに気づいて、また閉じてしまう。  
 
アランが耳元で囁く。  
 
「綺麗な身体、だな。」  
 
アランの口からそんな言葉が出るとは思わなかった。思わず目を見開くと、端正だが冷たい印象の顔が  
すぐ側にあり、愛しいものを慈しむ表情を見せる。  
 
アステアもまた、微笑んだ。  
「ありがとう・・・嬉しい。」  
 
覆い被さるように上からアステアを抱き締めると、また唇を奪う。アステアが自分からおずおずと  
口を開け、アランの舌を迎え入れて精一杯”大人のキス”に応える。健気なアステアに意地悪するように  
アランの舌はもっと大胆になる。混ざり合って溢れる唾液をアステアもゴクリと飲み込む  
 
アステアの頬を撫でていたアランの右手が、するりと肩を撫で、身体を弄り始める。  
ひんやりとして硬い手のひらの動きに、アステアの背中がゾクリとする。  
 
アランもまた、キスを続けながらきめ細かでみずみずしいアステアの肌を夢見心地で堪能していた。  
 
アステアの上半身にキスを浴びせながら右手で彼女の小さな胸をすっぽりと包む。優しく揉みしだくと、  
掌の中心にあったその先端がみるみる固くなる。  
それを指でキュっとつまんでこねまわすと、おもむろに口に含んでしまった。  
 
「はぁん・・・えっち・・・。」  
首まで真っ赤に染めて、アステアが抗議する。チュッチュ、と吸い付つかれる音とアランの舌のざらつき  
が羞恥心を煽る。くせのある、固いアランの髪が胸に触れてちくちくとくすぐる。  
 
「アランにも・・・してあげる。」  
アステアがお返しとばかりに、体を入れ替える。アランに抱き付き、太い首、肩口にキスをする。  
広い背中には幼いころから負い続けた無数の傷が、塞がらないまま醜く残っている。  
その一つ一つを細い指でなぞりながら、丁寧に口付けをしていく。  
 
「くすぐったいけど、気持ち良いでしょ・・・?」  
背中越しに甘えた声でアランに囁く。  
 
「・・・すげえ、気持ち良い・・・」  
向きを変えて正面を向く。アステアの太腿に、硬くて熱いものを押し付ける。  
 
「!」  
驚いて声も出せない。  
 
アステアの脚にあたっているそれは、アランの体のどの部分なのか知らないわけでは無かった。  
 
一度そうなってしまったら、殿方はお相手して差し上げないと、収まりませんのよ。  
 
ほんの数年前− アステアが初潮を迎えたころ、淑女のたしなみとして教育係の女官が教えてくれた、  
男の体の事。  
 
まさか、こんな・・・。そのこわばりの大きさに動揺を隠せない。これが自分の中に押し入って来るの?  
自問して卒倒しそうになる。  
 
アランのそれはもう爆発寸前だった。アステアの体を攻めていただけの時はまだ我慢できた。が、  
互いに睦み合ううち、自制心とは裏腹に体が言うことを聞かなくなってしまっていた。  
どうする。このまま組み敷いて自分の欲望だけ果たしてしまいたい衝動に駆られるが、それでは  
アステアとの約束を破ってしまうことになる − 優しくしてやらないと。  
 
「これ、どうするか、知ってるか?」 アランの問いに、アステアが小さくうなずく。  
「じゃあ教えてくれよ・・・どうすんだ?」また意地悪な笑みを浮かべる。  
「・・・知ってるくせに・・・。」 アランをキッと睨む。  
アランは少しホっとした。何も知らなかったら、これから始まる行為をもっと怖がるに違いない。  
 
アステアの大切な部分を守っている薄い布を撫で上げる。  
「あぁっ・・・」  
自分の口から、男の欲情をそそる鼻にかかった声が出てしまった。はしたない・・・!  
唇を噛み、涙目でアランを睨む。こんな辱めを受けている自分が情けない、と思った。  
 
「そんな顔するなよ・・・」  
その顔もまた、たまらく可愛いけどな・・・フン、まるで俺、変態だな・・・。  
そのままアランがパンティの中に手を入れてしまう。その髪質とは違った、柔らかく細い茂みが  
薄く覆っている部分を撫で、ピタリと閉じられていた割れ目に指を当て、なぞる。  
 
つぷ。  
 
「やっ・・・!」  
アステアが腰を引くが、そのまま彼女の秘所はアランの中指が吸い込み、第二関節まで咥えこんでしまう。  
もうアステアの体は、アランを受け入れる準備を始めていたのだ。  
 
アランの口元が緩み、アステアの顔を覗き込む。  
「おかしいなお姫様?濡れてるみたいだぞ・・・。」  
 
ゆっくりとアランが太い中指を出し入れする。自分でも触れたことの無いような場所を探られ、  
アステアの目に屈辱と羞恥の涙が浮かぶ。  
「こんなの、やだ・・・こんな・・・いやらしい事・・・。」  
 
ズブリ、と指を根元まで埋めると、アステアが眉間に皺を寄せ、体をこわばらせる。  
指をアステアの中で動かそうとするが、そこは窮屈で自由がきかない。  
 
「う・・・」  
「痛いか・・・?」  
何度もうなずく。もう、止めて欲しいという目をしながら。  
 
「もっと濡らさないと、痛いからな・・・。」  
そう言って指を引き抜く。アステアの体から溢れ出たぬめりのある温かい体液が中指を濡らしている。  
アステアに見せるようにその指を、アランは自分の口に運び、音を立てて味わう。  
その表情は同い年とは思えないほど色気があり、アステアをドキリとさせる。  
 
「汚らしい・・・」軽蔑の言葉を浴びせるが、本当は彼のそんな振る舞いにすっかり心を奪われてしまう。  
 
再び指を這わせる。溢れる愛液を指ですくい、ひだに沿って指の腹でアステアの性器全体にぬりつける。  
クチュクチュと淫靡な音を立てアステアを刺激するが、彼女はアランを恨めしげに睨み、意地でも声を出さない。  
 
「さっきみたいな声出せよ・・・すげえ色っぽかったぜ・・・気持ち良いんだろ?」  
挑発するように囁くがアステアはぷいと顔を背ける。ならば、こちらも意地だ。指の数を増やし、  
掻き壊すように攻めたてる。アステアはなお一層体をこわばらせてうつむく。  
 
しかし。  
 
アランの指が、花弁の上部にある小さな突起に触れる。するとアステアが突然身悶えた。  
 
「いやあああん!!!」  
悲鳴は書斎の高い天井に響く。見つけた。女はここだけで、おかしくなるんだろ?  
アランが思わずフフっと笑ってしまう。どんなゲームに勝つよりも快感だ。  
 
助けを求めるつもりでアランの顔を見上げる。しかしアステアの凛とした少年のような面立ちはもはや  
艶かしい女の媚態となり、吐息は甘くアランの耳元をくすぐる。  
 
 
「素直に言えよ・・・感じてるんだろ?・・・言ったらもっと気持ち良くしてやる」  
「・・・もうだめ・・・お願い・・・許して・・・おかしくなっちゃう・・・」  
うるんだ目で懇願する。たまらなく愛しくなるが、アランは残酷に微笑んで首を横に振る。  
 
もう少しで、アステアの理性の砦を崩せる。  
確信したアランはアステアのクリトリスを円を描くようにゆっくりこね回す。  
 
「あん!あぁ・・・っ!うぅっ・・・」  
打ち上げられた白魚のようにピクピクと悶え、口をぱくぱくと開けて喉の奥で小さな悲鳴を上げる。  
アランの愛撫に耐え切れなくなったアステアが遂に陥落する。  
 
「きもちいい・・・。」小さな声で訴える。  
「・・・何だって・・・?」 指を止めてやる。  
「ああ・・・このままじゃ・・・私、溺れちゃうみたいに・・・なる・・・たすけて・・・」  
「もっともっと溺れてみろよ・・・俺が助けに行ってやるから。」  
 
「うん・・・」  
 
アステアが、快楽の海の底に堕ちていく。  
 
小さなパンティに手をかける。もうアステアは抵抗しない。  
ゆっくりと下ろすと、朝露がかかったように濡れた、髪と同じピンク色の茂みが薄く覗く。  
 
丸い小さなビロードのクッションをアステアの腰の下に入れ、膝を立てさせる。  
膝頭を持ち、左右に開かせる・・・グッショリと濡れそぼったアステアの秘所が晒された。  
 
恥ずかしい格好をさせられ、アランに大切な部分を見つめられているというのに、アステアは  
うわ言のように繰り返す。  
「早く・・・ねえアラン・・・はやく・・・」  
 
アステアの白い太ももの内側を撫でさすり、すべすべとした、とろけるような触感を楽しむ。  
その脚の間に顔をうずめ、指で割れ目をパックリと広げてしまう。愛撫され充血したひだは、  
鮮やかな濃いピンク色で、透明なアステアの蜜をたっぷりと含んでいた。  
 
「お前のここ・・・こうなってるのか・・・」  
じっくりと眺め生唾を飲んでから言った。アランの息がかかる。花弁が反応してひくつく。  
そこにそっと舌を這わせる。ぴちゃ、という水音に、頭の上でアステアが声を上げる。  
思わず彼女はくしゃ、と彼の固い髪を掴んでしまう。  
 
「ひやぁぁん・・・っ!あっ、あっ、あぁぁぁ!!アラン・・・もっと・・・!」  
気が触れたように叫ぶアステアに、アランもまた気が狂いそうになる。  
 
舌で愛液を掻きだすが、膣口からとめどなくそれは溢れ、クッションに大きな染みを作る。  
ピチャピチャピチャ、と下品な音を立てて激しくアステアの花弁を舐める。甘酸っぱく、温かいそれは  
アランをも快楽の海へ引きずりこむ。  
 
アステアは天井を見つめ、口で荒い呼吸をしながら小動物のような可愛らしい悲鳴を出しつづける。  
 
 
アランの舌先がクリトリスを責める。小刻みに、大きくこすり上げる。  
ジュル、と最後に吸い上げてその小さな蕾を口の中でしごく。  
 
「あっ、あっ、ああああああ!!!」  
 
ビクン、とアステアの背が弓のようにしなり、痙攣を起こす。絶頂を迎えた証だった。  
 
 
「・・・アステア?」  
返事が無い。脚の間から顔を出したアランは、下腹部からキスをしながらアステアの身体に上ってくる。  
 
がくがくと震え上気した顔のアステアをなだめるように抱きしめ、言う。  
 
「俺も溺れさせてくれよ・・・」  
 
ずっとずっと耐えてきた、自分の分身をアステアの入り口に当て、こすりつける。  
 
「怖いか?」  
小さくアステアが首を振る。ぼんやりと宙を見つめてつぶやく。  
 
「アラン、愛してるって、言って・・・」  
目を閉じて、キスをねだる。初めての時と同じ、唇が触れるだけの優しいキスをした後、彼が囁く。  
 
「愛してる・・・いくらでも言ってやるよ・・・」  
 
アランがペニスを静かにアステアの中に沈める。  
が、穢れを知らないそこは十分に潤したにもかかわらずアランの侵入をやすやすとは許さない。  
アステアはアランの腕を掴んで歯を食いしばる。まだ半分も入っていないのに激痛が走る。  
 
狭いアステアの膣が、アランのペニスを締め付ける。このままここで果ててしまいそうだ。  
・・・そんなカッコ悪い事できるかよ。  
 
アランはアステアの細い腰を掴み、力任せに一気に貫いた。裂けるような痛みにアステアが声を出す。  
「あああっ・・・ちぎれちゃう・・・・!」  
 
ズブリ、と奥まで挿入したあと、夢中で腰を振る。その動きは激しく、アステアの全身を揺らす。  
小さな二つの乳房が可哀想なほど震わされる。  
 
ぱん、ぱん、とアランの根元でアステアの膣口が打ち付けられる音が聞こえる。  
その度アステアがひっ、ひっ、と鼻を鳴らす。  
 
できたばかりの傷口をえぐられるような痛み。でも、それは愛する人が自分を求めて夢中で続けている  
行為。アステアは顔を歪めて苦痛に耐える。  
 
「アラン・・・アラン・・・」  
もう、彼女は彼の名前を呼ぶことしかできない。伸ばした両腕は空を掴む。  
「アステア・・・アステア・・・」  
彼もまた、彼女の名を何度も呼ぶ。獣のようにアステアを貪っていたが、  
溺れてもがく白い腕に気付き、彼女を抱き起こす。  
 
アランは座った体勢で、アステアを抱える。アステアの体重がかかり、より深く二人は繋がり合う。  
アステアは振り落とされないように必死でアランにしがみつく。本能だった。  
 
しっかりと抱き合ったまま、アランの腰の動きが止まる。うっ、と低くうめき、最後に一度、大きく  
腰を動かす。アステアの胎内にじんわりと温かいものが広がる。アランが果てたのだ。  
 
アランはあまりの快感に、しばし呆然としたが、ぐったりとしているアステアが目に入るとすぐに我に返った。  
 
アステアを寝かせ、おとなしくなった自分のものを引き抜く。そこから、彼女の赤い血が流れる。  
 
「やばい・・・血・・・」  
「ハンカチ・・・あるの・・・」  
 
だらしなく脚を広げたままアステアは、そう言ってそのまま気を失ってしまう。  
慌ててアランがアステアのズボンのポケットをまさぐる。小さな白いハンカチを当てると血がどんどん染み込む。  
 
先ほどまで結ばれていた部分を丁寧に拭いてやり、脚を閉じさせる。  
 
それから汗と涙でグシャグシャになったアステアの顔を見つめる。  
額に、頬に張りついた髪を指ではらってやり、乱れた髪を手櫛で整えてやる。  
 
アステアが目を覚ます。アランはまるで助けにやってきた王子様のように微笑み、彼女の手を取る。  
「大丈夫か・・・?」  
うつろな瞳で安心したように微笑み返す彼女を抱き寄せ、額に口付ける。  
 
「すまない・・・最後の方、俺、自分の事しか考えてなかった・・・」  
「ううん・・・アラン、ずっと私の名前呼んでくれてた・・・」  
「痛かったろ・・・ホイミ、かけてやろうか・・・」  
 
「・・・バカ・・・。だめ・・・痛くても良いの・・・アランのが、まだお腹の中に入ってるみたいだから・・・  
私たち、愛し合って、結ばれたんだね・・・」  
 
「そうだな・・・」  
 
何度目か分からなくなるほど、キスをする。アステアがうっとりとした表情を浮かべる。  
 
「このまま、ずーっとこうしてたい・・・」  
「そうもいかないだろ。そろそろ侍女達が、お前を探し始めるぞ。歩けるか?」  
 
「・・・お願い、聞いてくれる?」  
「今ならなんでも聞いてやる・・・」  
「本当に?」  
 
 
着せ替え人形のようにアステアに元通り服を着せ、靴下を履かせる。  
アステアをお姫様抱っこの要領で抱えあげると、足元がふらつく。腰に力が入らない。  
 
ドアを開けると、誰にも出会わぬよう辺りを慎重にうかがいながらこっそり、しかし全速力でアステアの部屋を目指す。  
その必死の形相をクスクスと笑いながら、アランの腕の中でアステアが見上げていた。  
 
おしまい。  
 

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