鍛練を終え、一息つこうとしていたアランにアステアが声をかけた。  
「アラン、マッサージしてあげようか?」  
「ん? …ああ、頼む」  
「これでも兄様に上手だって誉められたんだ」  
俯せになるよう指示する。  
「力抜いて…じゃあいくよ」  
ひょいとアランの上にまたがる形で乗る。  
「わ…筋肉あるね」  
「あ、あのなぁ…(乗るのはいいが何故またがる!?)」  
「ほら、力入れない。深呼吸して」  
 
しばらく後。  
「次は横向きになってもらえるかな?」  
「は? いや、もういい(横って…お前が密着してたおかげで今ヤバいんだが)」  
「遠慮しなくていいからw」  
「いや! 本当にいい…って、うわたっ!」  
 
「……」  
「……」  
「え、えーと…」  
「あー…つまり、だ」  
コホンと咳払い。  
「お返しに…俺からもやってやるよ!」  
「え!? ああああの、ちょ、ちょっと、これって違う…っ!  
あっ…やだぁっ……」  
違うところを念入りに『マッサージ』されてしまったとか。  
 
おしまい  
 

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