第1幕  
 
 
「…う…」  
体に走る痛みでリアラの意識が覚醒する。節々を襲う痛みに顔をしかめながら  
ゆっくりと辺りを見回す。  
「ここは…」  
まだ、完全に意識がはっきりとしていないのか、虚ろな目で薄暗い地下牢の中を  
凝視する。  
「…私は… っ!!!」  
 
 
ジャラ…  
 
 
立ち上がろうとした瞬間、手に走る違和感と痛みに自身の手首を見つめる。  
そこには、鈍く光る手錠と壁に続く鎖があった。  
「…ぁぁあああ…」  
その手錠と鎖を目にした瞬間、リアラの脳に自分に向って鞭を振るう親友の姿と  
黒いローブ、体中に刻まれた赤い痛みの記憶が蘇える。  
 
 
コツ…  
 
 
「気分はどうかね、リアストラ・へイル。」  
微かな靴音と共に、たった今リアラの脳裏に浮かんだ声が  
暗がりから投げかけられる。  
はっとしたリアラがそこに視線を向けると、  
記憶と同じ黒ローブ姿の黒翼鳥の姿が目に入る。  
「………っ!」  
「ふふ… どうやら思い出したようだな。  
「メノア、メノアは何処?」  
「…どうやら、今の自分の状況が分かっていないらしいな…」  
そう言うと、やおらリアラに近づき、その顎をがしっと掴んで引き上げる。  
「…っく…」  
無理に引き上げられたリアラの顔が苦痛で歪む。  
「お前は罪人なのだ。本来ならすぐ処刑されても文句のいえないところを、  
サーナ殿の特別の温情によって生かされているということを、  
きちんと認識して貰わんとなぁ…」  
ぎりぎりと、その細い腕からは想像出来ない程の力で、  
リアラの顎を持ち上げ締め付ける。  
「…くぅ…ぁ…」  
「それに… お前がこのまま非協力的な態度をとり続けるのならば、  
こちらとしては別の人間に協力を頼まなければならないのだが、  
それでもいいかな?」  
「…別の… はっ! まさか…」  
「それとも、お前がこちらに協力してくれれば、わざわざ別の人間に  
協力を頼まなくてもいいのだが…」  
「…や、やります… …協力させて頂きます…」  
「ふふ…」  
リアラの搾り出すような言葉を聞き、満足したのか掴んでいた顎をを放す黒翼鳥。  
だが、うなだれたリアラの面白そうに見下ろした後、リアラの耳に口を寄せ、  
囁くように言葉を紡いだ。  
「…リアラよ… 証をたててみせよ。」  
「…あ、証…?」  
耳元で囁かれた言葉に、戸惑うように聞き返すリアラ。  
その反応を面白がるように眺めながら、黒翼鳥が再度口を開く。  
「そうだ。今までのお前の態度では本当に協力するのか判断しかねる。  
だから、こちらに対しての証をたててみせろ…と言ったのだ。」  
「で、でも、証といってもどうすれば…」  
困惑と不安の色を浮かべるリアラの体を見定めた後、  
その目を見据えゆっくりと口を開いた。  
「そうだな… 自慰をして見せろ。」  
「じ、自慰…ですか」  
前以上の困惑と微かな羞恥を浮かべながら、発せられた言葉を繰り返すリアラ。  
「まさか、自慰を知らん訳ではあるまい?」  
「知ってはいますが、な、何故…」  
「お前が本当にこちらに従うかの証明を見たいのだよ。  
だが、お前が出来ないとなると別の人間にやって貰う事になるが、  
それでお前がいいのならこちらは構わんがね。」  
『別の人間』という単語が出てきた瞬間、リアラの顔が青ざめる。  
その混乱のせいで、先程とは微妙に変えられた黒翼鳥の言葉に気がつかない。  
「もし、お前が私の言葉に従いその態度いかんでは、  
私自らサーナ殿とトール殿に掛け合って、  
お前とお前が気にかけるあの娘の処遇を良きものにと、進言してもいい。」  
「…分かりました…」  
青ざめた顔を俯かせながら、震えるような弱弱しい言葉がリアラの口から発せられた。  
 
 
…クチュ… …チュ… チュプ…  
 
 
薄暗い地下牢にどこか淫靡さを感じさせる音が響く。  
鎖と手錠を外され、着ていた服を半ば脱がされ、石畳に直に座り、  
両膝を立てたリアラの汗に濡れた太腿の奥から、その音は響いていた。  
 
 
チュ… ク…チュ… チュク…  
 
 
体中を桜色に火照らせ、一心不乱に秘所に添えた手を動かすリアラは、  
とても美しく、また同時にとても淫らに映る。  
顔を上気させ、桜色の唇から甘い吐息を吐き、愛液が洪水の如く溢れる秘所を弄る様は、  
サリカではなくその姉妹神のアルリアナを彷彿とさせた。  
その様子を少し離れた所で見守っていた黒翼鳥は、  
右手の指に嵌められた指輪を撫でるような仕草をすると  
一心不乱に自慰をしているリアラの目の前に立ちおもむろに口を開いた。  
「ふふ… 中々に積極的だな。貞淑な未亡人と思っていたが、  
どうやら私の見込み違いだったようだ。」  
「!!!」  
「…それとも、先程の会話で何か気になる名前でも出てきたか?」  
「くっ…」  
「どうやら、愛しい思い人の名前で感じてしまっているようだな。  
お前としてはある意味本望だろうが、これでは罰にならぬ。」  
「?」  
「…そうだな。お前と一緒に行動していたガヤン神官がいたな…   
そいつを思いながら続けろ。」  
「なっ… そんな事。」  
「貞淑な未亡人としては、  
思い人以外の男で盛る事はできない…ということか?   
だがそんな事は認められん。これはお前への罰なのだからな。」  
「くっ…」  
「それとも、娘にお前の罰を肩代わりさせるか?   
そっちの方がお前の希望と言うならば仕方がないが…」  
「!」  
『娘』という言葉が出てきた途端、紅潮したリアラの顔がさっと青ざめる。  
何かをぐっと飲み込む仕草をした後、震える口を開き弱弱しく言葉を紡いだ。  
「…し、します。」  
「…私は耳が遠くてな。何か言いたい事があるのなら  
はっきり言って貰わないと聞く事ができんのだが…」  
「やります! アンディさんで自慰をしますから、娘にはどうか…」  
「…何か勘違いしていないか?」  
「…えっ?」  
「お前は罪人なのだ。そのお前がこの私にお願い出来ると?   
しかもそのような態度で。  
罪人のお前が願いを言うなら、  
もう少し口の利き方というものがあるのではないかね?」  
「………」  
「ふむ、仕方がないがあの娘に…」  
「…わ…」  
「わ?」  
「わ、私リアストラ・ヘイルに、アンディ… クルツさんで…   
じ、自慰をする事を… お、お許し下さい…」  
「ふふ… そんなにしたいのかね? 貞淑で清楚な未亡人の君が、  
行きずり同然の若い男の事を思いながら、自慰を。」  
「は、はい。」  
「罪人とはいえ、臣民の希望に温情を持って応えてやるのも支配者の勤め。  
さぁ、始めたまえ。」  
「…はい…」  
 
 
石で造られた地下の部屋に、湿った音が響く。  
「はっ… はっ… はっ…」  
 
 
クチュッ… チュッ… クチュ…  
 
 
リアラは混乱していた。自らの秘所の潤いに。  
そこはリアラが思っていたより、熱く、激しく、  
そしていやらしく濡れていた。  
手を触れるたび、指を這わすたびに、  
まるでそこに泉が出来たかと思う程しとどに濡れそぼり、  
淫らな愛液が湧き水の様に溢れ出てくる。  
自分の中の水分が、  
全て出尽くしてしまうのではないかと思わせるほど潤っていた。  
勿論、リアラとて自慰の経験はある。  
だから、自分の感度や濡れ方等はどの程度か把握しているつもりだった。  
だが、自分でも信じられないほどの快感に頭が痺れ、  
知らず知らずのうちに口から卑しい売春婦の様な嬌声が  
漏れてしまう事を止める事が出来なくなっていった。  
しかし、やめることは出来なかった。  
自分がやめれば罰が娘に及んでしまう。  
それだけは絶対に避けねばならない。心の中でそう自分に言い聞かせながら、  
手を動きを激しくしていく。だが、激しく動かしていけばいくほど、  
決意とは裏腹に秘所の潤いは益々激しくなっていく。  
それはまるで、底の見えない坂道を自ら転がり落ちていくかの如く、  
リアラを乱れさせていった。  
 
 
そんなリアラをほくそ笑みながら眺めていた黒翼鳥は、  
自らのローブの裾をずらしリアラの痴態で  
そそり立った肉棒を取り出すと、  
その肉棒を自慰を続けるリアラの顔の前に近づけた。  
「!!!」  
「リアラよ、お前のその姿で私のこれがこんなになってしまった。  
お前の口で少し鎮めてくれないか。」  
「…はい…」  
 
 
チュッ… チュブ… クチュ…  
 
 
「…んむっ…む…はむ…ん…」  
少し前までのリアラなら、たとえ最後にはやらされる事が分かっていても  
断りの言葉を発していただろう。  
だが、既に快感で頭が痺れ正常な思考が出来なくなりつつあるリアラは、  
断るどころか躊躇すらせず目の前に突きつけられた肉棒を  
逆に愛おしげに口の中に含み、愛撫を始めた。  
その間も、胸と秘所に添えられたそれぞれの手は、  
休まずに自らの体を貪っていく。  
その様子を満足気に見下ろした黒翼鳥は、  
指輪の嵌った手を一心不乱に奉仕を続ける  
リアラの頬に添えると、おもむろに口を開いた。  
「リアラよ、お前は娘の為にと思っているようだが、それは違う。  
娘の為に体を張る。見も知らぬ者に体を捧げる。  
詩や歌では美しき美談ではあるが、  
それと今のお前は決定的に違うものがある。  
それがわかるか?」  
「んふぅ…?」  
焦点の定まっていないリアラの目が上を向く。  
「…それは、ここだ!」  
 
 
ビチャッ!  
 
 
「あひゃぁ!!!」  
黒いローブの裾から伸びた右足がすっと後ろに引かれた後、  
勢いよくリアラの濡れそぼった秘所に叩きつけられる。  
だが、容赦のない蹴りだったにも関わらず、  
リアラの口から漏れたのは悲鳴ではなく嬌声であり、  
潤った秘所から聞こえたのは水音であった。  
「くくっ、浅ましい事だ。分かるか? この音がどこから響いているのか。  
聞こえるか? その音と一緒に響いてくる自分のあられもない淫らな声が!」  
 
 
クチュッ! クチュッ!! グチュッ!!!  
 
 
「ひゃん。ああぁ… ふぅん!」  
黒翼鳥が足を動かすたび、リアラの秘所からは愛液の弾ける音が、  
口からは極まった嬌声が、淫らなハーモニーとなって響き渡る。  
既に目は虚ろになり、口からは涎が溢れ、涙とリアラの唾液、  
そして自らの肉棒から垂れる先走りの液でぐちょぐちょになったリアラの顔、  
それを見ながら黒翼鳥は更に言葉を続ける。  
「吟遊詩人によって紡がれる悲しき美談の数々。  
それらの主人公と決定的に違うお前のだらしないここはなんなのだ、リアラ?」  
 
 
グチュッ…  
 
 
「ひゃうん!」  
「娘の為にその身を差し出す? 違うな、お前は自らがこうしたいからこそ、  
こうされたいからこそこの状況を選択したのだ!」  
『娘』の言葉が鍵となったのか、僅かに理性を取り戻したリアラが、  
肉棒の先走り液と自らの唾液で濡れた口を開く。  
「ち、違う… わ、私はメノアを… た、助ける… ために…」  
「思い人以外の若い男の事を思いながら自慰をし、  
見も知らぬ者の肉棒を咥えこんで喘ぐ。  
そしてその行為が本意でないのなら、  
こんなにもここがこうなったりはしない筈だがなぁ、清楚で貞淑な未亡人は。」  
「…わ、わた、わたしは…」  
「違わない。その証拠にお前の右手は何をしている?」  
「…み、右手…? !!!」  
 
 
クチュッ… クチュッ… クチュッ…  
 
 
とうの昔に感覚がなくなっていた右手。  
それはまるで別の生き物の様にリアラ自身の秘所を弄っている。  
手のひら全体で割れ目を擦り、親指と人差し指が敏感な肉芽を摘まみ弄くる。  
その間にも、ぴんと立てた中指が秘裂を割り、  
膣の中に侵入し膣壁を繊細にだが積極的に刺激していく。  
その動き一つ一つに、快感は増し、理性を蕩かせ、  
リアラの意識を甘く痺れさせていく。  
「あは… はぁ… ふぁぁぁぁぁ…」  
「くくっ、また一段と手の動きが激しくなったぞ。  
そんなにも快感が欲しいか?  
欲しいのか、リアストラ・ヘイル。」  
もはや、茫然自失状態に陥っているリアラの顎を黒翼鳥が引き寄せる。  
そして、汗と涙、唾液にまみれた顔を撫で擦りながら、  
甘く甘く黒翼鳥がリアラに囁く。  
「更なる快感を… 神に仕えていては絶対に得られぬ果ての境地を…   
そして、お前の本当の姿を与えてやろう。さぁ、今一度咥えるがよい、  
それが新しき世界への門なのだ…」  
黒翼鳥の言葉が耳朶を、手が顔を、  
そして眼差しがリアラの目を溶かしていく。  
 
 
「(私は… (欲しい) メノアの為に… (快感)   
メノアを助ける為に… (欲しい) 耐えなくちゃ… (肉棒) 神官だから…  
(欲しい) 母親だから… (あそこが…) だから耐えなくちゃ… (熱い)  
こんな事も… (もっと…) 耐え… (熱い)  
こんな… (もっと!) 自慰も… (気持ちよく)   
本当は… (もっと!) 気持ちよくなんかな… (激しくして) 違う…   
(もっと!) 気持ちよく… (私を) 気持ち… (犯して!)  
違う… (乱れさせて!!) 淫乱なんかじゃ…  
(気持ちよくさせて!!!) ちが…)」  
リアラは必死に否定していた。  
心の奥底から湧き上がってくる自分自身の淫らな声に。  
目を閉じ、口を閉ざし、外界からの情報を全て遮断して。  
だが、そうすればするほど、心の声は大きくなってリアラを責めたてる。  
そして、内からの声に呼応するかのように、  
リアラの秘所は、熱く、熱く、熱く濡れそぼっていく。  
 
 
「どうした、リアラ。欲しいのだろう?   
もっと快感を得たいのだろう?  
ならば、望むのだ。思うのだ。心の中で。  
そして認めるのだ。自分が女である事を。」  
黒翼鳥の言葉がリアラの頭に、心に染み込んでいく。  
そして、心の言葉と同調するかのようにリアラの心を占領していく。  
「(わた… (快感を) 欲しくな… (欲しい) ちが…う… (もっと)   
こんな…の… (気持ちよく) ちが…(あれを咥えれば)   
気持ちよく…なん…か (もっともっと) ちが…う… (気持ちよく)   
これ…は… (なんの)メ…メノアの…ため… (本当に?)   
メノア…の… (違うわ) ちが…う…? (気持ちよく) 気持ち…よ…く…  
(私が) わ…た… (私が気持ちよくなりたいの!) 気持ち…よ…く…)」  
目の奥の瞳が揺れる。理性の光と欲望の光がせめぎあう。  
だが、視線ははりついた様に目の前の肉棒から動かない。  
リアラの心で二つの声がぶつかり合う。  
お互いにお互いを侵食しあい、乗っ取ろうとする。  
しかし、秘所からの熱さが一方の輝きと声を大きくしていく。  
まるで、体の熱さがそのまま伝わったかの如く、瞳が妖しく輝きだし、  
熱い声がリアラの心の中を支配していく。  
 
 
「((さぁ!) わ…た… (咥えるの!) …し…は (もっともっと!)   
気持…ち… (快感を!) …よ…く(もっともっと!)   
…な…り… (気持ちよくなりたい!!!) …た…い…)」  
おずおずとリアラが肉棒に顔を近づけていく。  
その顔はもはや清楚で貞淑な未亡人ではなく、  
娘の事をいつも気にかけるしっかりとした優しい母親でもなく、  
欲望に飢えたただの淫らな女の顔であった。  
 
 
チュッ…  
 
 
ジュッ!!!  
 
 
「――――――――――――――――っ!!!」  
黒翼鳥の肉棒に舌で触れた瞬間、リアラの膣の中で今まで以上の刺激が走りぬける。  
客観的に見れば、それは絶頂にはほど遠い軽いアクメであったが、  
焦らされたリアラにとっては今までにない衝撃であった。  
今まで以上の愛液が膣から溢れ、体が痙攣し、  
脳を痺れさせる。そしてそれは、焦れされ続け、  
我慢し続けたリアラの理性を麻痺させるには十分な刺激であった。  
 
 
「ぷぁ…む、んぐ……はむっ…ちゅ…ん。」  
 
 
チュグッ…ペチャ…プチュ…チュッ…  
 
 
もはや、リアラには清楚な母親や  
貞淑な未亡人といった言葉は当てはまらなかった。  
ただ犬の様に、だが、犬とは決定的に違う目を輝かせながら、  
目の前の肉棒を咥え、舐め、一心不乱にむしゃぶりつく。  
その口から漏れ出るピチャピチャという肉棒を舐める音と呼応するかの如く、  
リアラの秘所からもいやらしい淫音が地下牢全体に  
奇妙なハーモニーとなって響き渡る。  
「く… いいぞ、リアラ。お前はどうだ… いいか? 感じているのか、リアラ?」  
「はむぅ… い、いいですぅ… むぅ… 感じるのぉ…   
気持ち… ん、んぐぅ… ぷふぅ… 気持ちいいですぅ!」  
 
 
クチュ… チュ… プチュ… ピチャ…  
 
 
「ふふ… リアラよ、見えるか? 感じるか?   
さっきまで想っていた愛しのアンディが、  
お前の痴態に我慢しきれずにやってきたぞ。」  
「あはぁ… アンディさ…んが…? あはぁん!」  
 
 
リアラさん、凄いです、凄く魅力的です。僕は、僕はぁ…  
 
 
「そ、そんなにぃ… ああ! わた…し、み、魅力的な…のぉ? ああぁ!」  
 
 
グチュ… グチャ… グチュ…  
 
 
いつの間に背後に現れたアンディの右手がリアラの胸を巧みに揉み、  
下に回された左手がリアラの秘所を掻き回す。  
上と下の二箇所からの攻めと、耳元で囁かれる甘い、  
それでいて男を感じさせる秘め声。  
それら全てにリアラは翻弄され、体を火照らせ、  
とめどなく淫水を垂れ流す。  
 
 
普段の冷静な状態ならば、違和感に気づいただろう。  
いや、違和感に気づかなくても、さっきまでいなかった人物が突然現れるなど、  
違和感を通り越して異常である。  
だが、今のリアラにはそれすら認識出来なかった。  
ただリアラに認識出来たのは、  
自らを愛撫し高みに導いてくれる言葉であり、手であり、感覚であった。  
たとえそれが、自らの胸と秘所を愛撫する己の右手と左手の上に  
重なるようにかけられた幻であり、  
魔法によって造りだされた偽りの囁き声であったとしても。  
 
 
凄い、リアラさん。どんどん溢れていますよ、いやらしい液がここからこんなにも…  
 
 
「リアラ、凄い乱れ様だぞ。お前のはしたない所の音がこんなにも響いてくるぞ。」  
「いやぁ、そんな…こと、い、言わないでぇ… …はむっ… はっ… …んん!」  
魔術によって造りだされた偽りのアンディの声と黒翼鳥の声が、リアラを交互に責め続ける。  
 
 
「(私… (もっと!) このまま… (責めて) このまま… (狂わせて)   
だ、駄目… (連れていって)ああ、アンディさん、そこ… (高みに)   
…だ、だ…め… (もっと!!) き、気持ち…い… (気持ちよく)   
ああ! そこ…(気持ちよく) だ… こ… メ、メノ… (もっと!!!)   
そこぉ! (気持ちよく!) …き… (気持ちよく!!)  
…気持ち…よく… (気持ちよく!!!) 気持ちよくさせてぇ!!!)」  
いつしか、リアラの心と心の奥底に生まれてくる淫らな声が一致していた。  
 
 
リアラさん、イキそうですか? イキますよね?   
はしたない姿を曝けながらイッちゃうんですね?  
 
 
「リアラよ、イクか? 身も知らぬ者の肉棒を咥え、  
旅先で出会った若い男に愛撫されながら、  
イクのか? 恥も外聞も捨てて娼婦の様にイクのか?」  
「イ、イキますぅ! 私、イクのぉ! 貴方のを咥えて、  
アンディさんに責めて貰ってはしたなくイクのぉ!!!」  
「ならイケ! 私の精液をその顔にかけてやる。  
それを浴びながらはしたなくイってみせろ。」  
「はいぃぃ! イキます。イキますからぁ…   
かけて! はしたない私の顔にいっぱい貴方の  
精液をかけてぇぇ!」  
 
 
チュクッ! ジュプッ!! グチュッ!!!  
 
 
リアラの唇がまるで野生の獣の様に、黒翼鳥の肉棒を咥え、貪り続ける。  
その激しさと呼応するかの様にアンディの、  
否、リアラの手が胸を荒々しく揉みしだき、  
秘所を激しく掻き回す。自らの手によって揉みしだかれた胸は、  
拷問を受けたかの如く赤く腫れ上がり、中央の桜色の蕾は膨張しつんと天を向く。  
秘所から流れ出た淫水はまるで洪水の様に石畳の上に水溜りを作り、  
石牢の光が届かぬ隅の暗闇に向って川の如く流れていく。  
 
 
「くっ… 出すぞ、リアラ… しっかりと受け止めよ。」  
「ぷふぁ… かけてぇ! リアラにいっぱいいっぱいぶちまけてぇ!!!」  
「むっ…」  
 
 
びゅくっ! びゅっ! びゅくっ! びゅるっ! ぶびゅっ…  
 
 
「んん! ぐ、んん… んむ… ごく…ごく…ごく… ん…」  
肉棒から勢いよく飛び出した白濁液が、  
リアラの口内で暴れまわり喉を強引に満たしていく。  
途中から口から出された肉棒が放つ白濁液が、リアラの上品な茶色の髪を、  
透き通った瞳を、細く整った鼻を、薄くそれでいて女性を感じさせる唇を、  
そして清楚で貞淑な未亡人の顔を、白く白く染めていく。  
口内にもかなりの量を出したにも拘らず、まるで衰えを感じさせぬかの様に  
肉棒が絶え間なくリアラに欲望を降り注ぐ。  
次々と出し続ける肉棒に、  
リアラの顔がこれ以上なく白く染め上げられた瞬間、  
「あぁ―――――――――――――――!!!」  
一際甲高い嬌声をあげ、リアラが絶頂に達する。  
背を反り返らせ、己の手で乳首と肉芽を押し潰し、  
目と口を限界まで開き、まだ浴びせられる白濁液を  
その顔で受け止めつつ、いつ果てるとも知れぬ嬌声をあげ続ける。  
「ぬっ… ふぅ…」  
やがて、黒翼鳥の低い呻きと共に迸っていた白濁液が、  
最後の残滓をリアラの隙間なく白化粧された顔に最後の化粧をほどこす。  
「―――――――――ぁぁぁ…」  
最後の残滓がふりかけられると共に、  
地下牢全体に響いていたリアラの嬌声も次第に小さくなっていく。  
 
 
「ふふ… イッたか、リアラ…」  
 
 
美しかったですよ。リアラさん  
 
 
黒翼鳥と幻のアンディの声を、  
欲望に染まった目をどことも知れぬ天に彷徨わせながら  
受け止めるリアラ。顔いっぱいに白濁液の化粧をし、  
自らの手によって愛撫された胸は、  
痛いほど充血しているのが分かるほど赤く腫れ上がり、  
秘所からは今もとめどなく愛液が溢れ、  
地下牢の中に欲望の川を形作っている。  
「………」  
リアラの口がぶるぶると震えながらゆっくりと開く。  
だが、何かを言いかけた瞬間、一瞬ビクンと体を震わせると、  
石畳の上に静かに崩れ落ちていった。  
 
 
 
 
 

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