第2幕(後編)  
 
「………う…………ん……」  
うっすらと目を開ける。薄暗い中にぼんやりと石の壁が…否、石の天井が視界に入る。  
「(…いし……かべ……ち…が…う……あれ…は…て…ん…じ…ょ…う…  
…ここ…は……わ…た…し…は……たし…か…)」  
 
…ジュ…  
 
「!」  
横たわったまま、ぼんやりとする頭で自らの状況を把握しようとするリアラ。  
だが、それを阻もうとするかのように自らの身体が反応を示す。  
「(あつ…い、からだ、ほてって… そうだ… わたし…)」  
 
…ジュクッ…  
 
「あんっ!」  
起き上がろうとしたリアラに、快感の残り火が身体を走る。  
それと共に、秘所から快楽の残滓がこぼれだしていく。  
「うっ!(そう… 私イってしまったんだ、あんなモノを入れさせられて…)」  
 
…ジュッ…  
 
「くっ…」  
皮肉にも、身体を駆け巡る快感が意識を鮮明にさせていく。  
だが、今までに無い快楽に侵された身体は、  
立ち上がろうとする力を無くしていく。  
「はぁ…ぅ…くっ…力…はいら…うっ…はぁっ…はぁ…あうっ!」  
必死に立ち上がろうとするリアラ。  
しかし、もがけばもがくほど身体に残る快楽の蕾は、リアラの身体に  
快感の花を再び咲かせようと花開いていく。  
「…あっ…駄目…かんじ…くっ…かんじ…ちゃう…のぉ…」  
 
…クチュ… …クチュ…  
 
立ち上がろうとしていたリアラの手は、いつしか自らの秘所に添えられていた。  
再び熱くたぎり始めたそこに手を伸ばす。  
その行為が自らを乱れさせてしまうと分かっていても、  
リアラの意識は無意識にそれを求めて手を伸ばしていく。  
「…ひっ…かんじる…かんじるのぉ…さわっただけで…  
…いっぱい…いっぱい…あふれてきちゃうのぉ…」  
 
 
チュッ… プチュッ… クチュ…  
 
熱く火照り始めた身体を冷ます様に、地下室の床にうつ伏せになって胸を擦りつけるリアラ。  
その間にも指は止まることなく、再び溢れ出してきた愛液を纏わりつかせながら、  
更なる快感を得ようと秘所をまさぐり続ける。  
「いいのぉ… とまらないのぉ… あつくて、あつくて…  
かんじちゃうのぉ!」  
 
クチュッ! グチュッ! グチュッ!  
 
指の動きが加速していく。  
同時に、抑え気味だった声が次第に大きく、淫らに響いていく。  
もはや、清楚で貞淑なサリカの母の面影はなく、  
快楽を貪る一匹の牝が出来あがろうとしていた。  
「いいのぉっ! こんな… かんじっ! すぎっ…て!  
かんじるっ! かんじるっ! かんじちゃうーーー!!!」  
 
グチュッグチュッグチュッ  
 
腰を高く上げ、胸を床に擦りつけ、淫らな嬌声を上げ続ける。  
地下室の闇が見つめる中、指が激しく秘所を嬲っていく。  
その指が、秘所の中で快感に震え赤く充血し始めた陰核を捉えた瞬間、  
 
ビクン!!!  
 
「イっちゃうーーーーーー!!!!!!」  
 
一際高い嬌声を響かせ、激しくその身を反り返した。  
 
「はぁっ… はぁっ… はぁっ…」  
 
痙攣を起したかのように震える秘所からは、愛液が止め処なく滴り落ち、  
朱く染まった身体を、玉のような汗が覆い隠す。  
艶やかで淫らな嬌声を奏でた唇から荒い息を吐き出しつつ、  
吐き出される息と共に立つ力を失われたかの如く、  
ずるずると床に崩れ落ちていった。  
「…はぁ… …はぁ… …はぁ…」  
「…ふふ… 素敵よ、リアラ…」  
自慰による絶頂を迎えた体を整えるように荒い息を吐き出すリアラ。  
そのリアラに向かって静かな声が投げかけられる。  
「…あな…た…は…」  
未だ全身を苛む快感と疲労に耐えながら、リアラが声の方に振り向くと、  
いつの間にかそこにいたのか暗闇を背負ってサーナが悠然と見下ろしていた。  
「本当に素敵だったわ… 貴方が、あのリアラが、あそこをあんなに濡らして…  
あまつさえ自分から腰を振ってイってしまうなんて…」  
「!!! ………」  
サーナの言葉を聞き、自らの痴態を思い起こしたリアラは、  
悔恨と羞恥、そして幾ばくかの快感の残り火に顔を赤くさせる。  
「本当にこれが、あの真面目で清楚な私の親友のリアラかしら?   
…それとも…」  
いかにも信じられないといった風情で顔を手で覆うと、  
悩むような素振りを見せながらリアラに近づくサーナ。  
そしてリアラの傍らに立つと、その優美な足でリアラの濡れそぼった秘所を踏みつける。  
 
ギリッ!  
 
「あひぃっ!」  
 
先程の快感が抜けずまだ愛液を溢れさせていた秘所を踏みつけられたリアラは、  
衝撃で思わず声を漏らしてしまう。  
そんなリアラの反応を面白がるように、  
愉悦の表情に歪んだ顔でリアラを見下ろしながら、ヒールの突起で荒々しく嬲っていく。  
「…それとも、嬲られてはしたない声をあげる今の貴方の姿が、  
本当の貴方なのかしらねぇ… リアラ…」  
「くっ… い、痛… あっ! あぁ! あぁっ!」  
サーナによって与えられる痛みが、黒翼鳥の責めの余韻が残る体に刺激を与え、  
リアラの声を、悲鳴から嬌声へと変えていく。  
それと共に、サーナの声と足の動きもますます激しくなっていく。  
「感じているのね、気持ちいいのね、リアラ。  
私の足で踏みつけられて、言葉でなじられて、体を責められて  
はしたなくイってしまうのね、リアラ!」  
 
ギリッ!  
 
ジュクッ!  
 
「ぁぁああ…あ―――――――――!!!」  
 
サーナの足がより深くリアラの秘所に食い込む。  
瞬間、リアラの体が大きく震え、肺に残っていた空気を全て搾り出すような絶叫をあげる。  
絶叫と共に秘所からは今まで以上の愛液が溢れ、石畳の床をサーナの足を濡らしていった。  
 
「…ふふ… いやらしいリアラ。他人の  
それも同性の足に踏みつけられながらイッちゃうなんて、  
昔の貴方からは考えられないくらい、いやらしいわぁ。」  
己の足を濡らしていく愛液と、  
焦点の合っていない目を虚空に彷徨わせるリアラを見つめながら、  
リアラの顔の前に濡れた足を差し出し口を開く。  
「リアラ、いやらしい貴方のお陰でこんなに濡れてしまったわ。  
後始末をしてくれるかしら?」  
「…ぁ…は…い…」  
虚ろな目をサーナの足に向け弱弱しい声で返事をするリアラ。  
未だ快感が思考を鈍らせているのか、普段なら断るような要求にも素直に応じていく。  
そのまま、舌を突き出しサーナの濡れた足に這わせ舐め始める。  
 
…ピチャ…ピチャ…ピチャ…  
 
「ふふ… いい子よ、リアラ… 最高よ… ふふふ…」  
一心不乱に足を舐め続けるリアラ。その姿を見て愉悦に浸るサーナ。  
地下牢にリアラの舌の音とサーナの笑い声が木霊していった。  
 
「…リアラ… ありがとう、もういいわ。」  
 
黒翼鳥の精液に未だ汚れた髪を揺らせながら、  
度重なる快感によって、赤く染まった身体をくねらせて奉仕するリアラに、  
穏やかに声を投げかけるサーナ。  
既にサーナの足に付着したリアラの愛液はすっかり取り除かれ、  
代わりにリアラの唾液が濡らし始めた頃、サーナは奉仕の中断を命じた。  
「………?」  
それが自分の仕事といわんばかりにサーナの足に奉仕していたリアラは、  
奉仕の中断に、未だ朦朧とした視線を目の前のサーナに向ける。  
自分を見上げてくるリアラの顔を、陶然とした表情で受け止めながら、  
リアラの頬を撫でながら、耳に口を寄せ静かな声でゆっくりと囁く。  
「良い子ね、リアラ。良い子な貴方に素敵なご褒美をあげるわ。」  
「…ご、ご褒美…?」  
「そう… 貴方の献身的な態度に対する私からのご褒美…」  
そこで言葉を切ると、サーナは後ろに控えていた黒翼鳥に視線を飛ばす。  
今まで愉しそうにリアラとサーナのやり取りを眺めていた黒翼鳥は、  
その視線に頷くと、懐から何かを取り出しサーナに手渡す。  
それは、透明に輝く手のひら大の水晶球であった。  
 
「…そ、それ…は…?」  
「ふふ… すぐにわかるわ。すぐにね…」  
サーナの真意が分からず不安そうに尋ねるリアラに、サーナは含み笑いで返すと  
手の中の水晶球を触り始めた。  
すると、水晶球から男性とも女性ともしれぬ声が流れ出す。  
「おはようございます。音声案内モードでメニューを開きますか?」  
「ええ。」  
「記録モード、閲覧モード、編集モードがございますが、  
どれになさいますか?」  
「閲覧モードを。」  
「…な… サ、サ…ナ…」  
水晶から発せられる声に、静かに応えていくサーナ。  
そのサーナに不安を覚え、リアラは声を震わせる。  
だが、そんなリアラの声を無視したまま、サーナは水晶の声に応えていく。  
 
「何も不安になることはない。  
これはお前の態度に対する褒美なのだから…」  
「ひゃぅっ!」  
突然の快感と声に驚くリアラ。  
いつの間にか、サーナの背後に控えていた筈の黒翼鳥が  
リアラの傍に屈みこみ、後ろから胸に手を伸ばしていた。  
先程の快感の余韻が未だ抜けきっていない体を弄くられ、リアラの口からは喘ぎ声が漏れる。  
そんなリアラを、黒翼鳥は笑みを浮べながら弄んでいく。  
「…あ…ん…ぅ…ひゃっ!」  
「お前の反応… いや、態度はとても素晴らしいと  
私もサーナ殿も感服しているからこそ、  
今日の運びとなったのだ。少しは喜んだらどうだ?」  
黒翼鳥の手がリアラの体をまさぐる。  
ここに来てからの調教で敏感になった乳首が尖り、秘所が愛液を垂れ流す。  
その反応を愉しそうに眺めながら、黒翼鳥は不意にリアラの体から手を離した。  
「はぁっ… はぁっ… はぁ… …?」  
今また快感の波に流されまいと耐えていたリアラが、  
突然の中断にほっとしたような、それでいて何処か残念そうな複雑な表情で黒翼鳥を見上げる。  
自分を見つめてくるリアラの頬を撫でながら、愉悦の表情で語りかける黒翼鳥。  
「続けても良かったのだが、  
どうやらサーナ殿のご褒美の準備が出来たようなのでね…」  
「サーナ殿のご褒美」という黒翼鳥の愉しげな言葉に、  
リアラは何かを感じ取ったかその身を震わせる。  
快感に酔わされたおぼつかない体で、必死に身を捩って黒翼鳥から離れようとするリアラ。  
だが、そんなリアラの背後からその身を抱きすくめるように、  
伸びてくる腕がその動きを止める。  
「何処へ行くの? リアラ… せっかく貴方の為に用意したのに。」  
慈しむ様にリアラを抱き締めるサーナ。  
目の前の耳に口を寄せて優しく言葉を紡ぐ。  
 
「…メノアに会いたくない…?」  
「!」  
囁かれた言葉にはっとするリアラ。  
与え続けられた快感の影響で未だ重い体を無視して背後のサーナに顔を向ける。  
だが、振り向いたリアラの目に映ったのはサーナではなく彼女が手にした水晶球。  
それをリアラの目の前でチラつかせながら、更にサーナは囁き続ける。  
「メノアの事を想いなさい…   
会いたいのでしょう? 抱き締めたいのでしょう? 傍にいたいのでしょう?  
ならば想いなさい 貴方の愛しいメノミリア・へイルの事を。」  
「…メ…ノ……ア…」  
サーナの囁きにつられるかの様に、リアラも愛娘の名前を口にする。  
そのままサーナの持つ水晶球に目を奪われていく。  
それを目を細めて眺めていたサーナは、前方に佇む黒翼鳥に視線を送る。  
その視線を受けた黒翼鳥が手を動かし言葉を紡ぐ。  
数秒の後、何かを観察している風にリアラを見ていた黒翼鳥が、  
こちらを見つめていたサーナに対して頷き返す。  
それを確認したサーナは、未だ水晶球に向かって  
うわ言の様に娘の名を繰り返し呟いているリアラの額に、手にした水晶球を押し付けた。  
「…ノ…ア… …あ…」  
「さぁ、母と娘の感動のご対面よ」  
そう言い放つと、手にした水晶球をリアラの額に押し付けたまま、  
サーナは更に言葉を紡ぐ。  
「…メ……ノ……ア……」  
サーナの言葉が終わると同時に、  
娘メノアの名を最後にリアラの意識は薄れていった。  
 
「入ったか?」  
「ええ… 正常動作の印も点いてるし、起動は成功というところかしら?」  
「そうだな。これで晴れて愛しい愛娘との再会が叶うと言う訳か。」  
「再会… そう、再会は再会ね。それだけは間違いないわ。  
…この子が望むメノアとは限らないけどね。」  
「ふっ… 酷い女だ。」  
「女は愛の為ならいくらでも残酷になれるのよ。  
それよりも、これは大丈夫でしょうね?」  
「我ほどではないが結社の技術は優秀だ。  
単体の主観モードでのテスト自体は数えるほどしかしていないが、失敗はない。  
まあ、『共有』による『融合』の危険性はまだあるが、予定の精神系呪文の他に  
セーフティとして新規開発した抑制呪文も先程同時にかけておいた。  
もっとも、精神レベルの低下したこやつの母親として意識が、  
『融合』を促進してしまう可能性はあるがな。」  
「それはそれで使い道があるわ。…と言っても私はこの子を信じているから…   
ねぇ… リアラ。」  
そう呟いたサーナは、倒れているリアラの髪を撫で擦る。  
「貴方は強いわよね。私が羨むほど強くて優しくて純粋で…   
だから、最後まで壊れずに私の期待に答えてくれるわよね、リアラ…」  
 
『壊れずに』という言葉を無視すれば、  
愛しげに優しげに、まるで慈母の如き眼差しでリアラを見つめるサーナ。  
未だ目を覚まさないリアラを静かに床に寝かせた後、  
立ち上がり壁に立てかけてあった鈴を鳴らす。  
鈴の音が薄暗い地下室に響き渡ると、数瞬の後、召使いと思しき数人の少女が姿を現す。  
一糸乱れることなく現れた少女達に、床に横たわったリアラを運ぶように指示すると、  
何かを確認するように目を閉じていた黒翼鳥に振り返る。  
サーナのその動きに気づいた黒翼鳥は、  
閉じていた目を開けると運ばれていくリアラを見やりながら、低く笑いながら口を開く。  
「ああ、ちゃんと行き着いているようだ。  
現在、操作権限を握っているこちらが停止命令を出しているので、  
意識が停止している状態、いわば、深い眠りについてるような状態で留まっている。」  
「あっちの方も?」  
「あちらも同じ状態だ。勿論、互いに知覚は出来ないがね。」  
「ふふっ… そう… ならいいわ。  
じゃぁ、すぐに始めましょうか。もう待ちきれないわ。」  
「…ふっ、恐ろしいことだ。では、先に行っている。お前も早く来るのだな。」  
「…ええ、すぐに…」  
サーナの底冷えする冷たい声を背中に聞きながら、  
傲然とした足取りで地下室を後にする黒翼鳥。  
その背中に薄笑いを投げかけながら、サーナは手に握り締めたままの水晶球を優しく見つめる。  
 
「すぐに行くわ、リアラ… すぐに貴方を…  
 
――――――――――壊してあげる。」  
 
 
 

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