一応簡単に解説------  
 右手:ルシンの薔薇(そうび)  
 左手:クワンの竜胆  
シャクヤの恋する気持ちに比例して刺青の花が増えて咲いていく  
 
 
 
『シャクヤ様。私が帰ったら…長い夜を、二人で』  
 
耳にこびりつくように残るクワンの囁き。  
シャクヤは遠征に出るというクワンを見送り、火照る頬を両手で覆いながら自室に飛び込んだ。  
バタン、と戸を閉め、高鳴る鼓動を沈めようと思考に篭る。  
 
――なんなのあのクワンの色気!  
耳元で囁かれただけでドキドキして、身体が熱くなって……  
 
初めてクワンに身体を許したのが十日程前。  
それ以降シャクヤは毎晩クワンの部屋に通い、行為を重ねた。  
戸惑うだけだったはずの夜は時を追うごとに熱く濃厚になり、シャクヤはクワンの手の中に溺れていった。  
 
「クワンったら……」  
「熱々だね」  
「きゃあっ!」  
 
まさか誰かがいるとは夢にも思わず、シャクヤは小さく悲鳴をあげて振り返った。  
 
「ル、ルシンっ!びっくりするじゃないの…!」  
「邪魔なら出て行くけど」  
「べ、別に…少しならいいけど……」  
「少し、ね…」  
 
ルシンは窓辺に座ったまま、再び視線を外に戻した。  
 
――いつからここにいたんだろ…  
 
もしも今来たばかりでないのなら、ルシンはクワンを見送るシャクヤの様子も、  
そしてその後真っ赤になって走り去る様子も見ていたことになる。  
 
おそらく、この数日シャクヤが毎晩クワンの部屋へ通いつめていたことも、ルシンの耳に届いているはず。  
シャクヤの胸は底知れぬ罪悪感でチリリと痛み、俯いたまま顔を上げることすらできなくなった。  
 
気付くといつの間にか近づいていたルシンの足が目の前にあって、シャクヤは驚いて顔を上げた。  
 
「なに?罪悪感でも感じてるわけ?」  
 
すっと指で首筋を撫で上げられ、シャクヤは息が止まりそうになる。  
 
――まっすぐな眼……その奥にはいつも優しさがあって…なのに私、この数日間、ルシンのこと……  
 
「ルシ……」  
「気にすることないよ。クワンと俺を天秤にかける、それはシャクヤに与えられた運命であり義務なんだから。  
 むしろそんな申し訳ない顔されるほうが微妙に俺としては傷つくんだけど。  
 いちいち気にせず堂々としてりゃいいんだよ、シャクヤは次期当主なんだから」  
 
一度開いた口は勝手に動き続け、ルシンは途中で止めなければと思いつつも一気に言い切ってしまう。  
しまった…、と後悔し、恐る恐るシャクヤを見ると――…彼女はふわりと微笑んでいた。  
 
「ありがと…」  
「シャクヤ……」  
「でもルシン、記憶が戻ってからなんだか」  
「…わかってるから言わないで」  
 
くすりと笑うシャクヤが愛しくなって、ルシンは腕を引いて抱きとめ……右手の手袋をするりと取り去った。  
 
「俺にも…花を頂戴……」  
「ルシ……ん…」  
 
ルシンはシャクヤの唇を優しく、しかし隙間なく深く塞ぎ、右手の薔薇の蕾を撫であげた。  
 
「はぁあ…ぁ…んんっ……ルシ、ン…だめ…そこは…ぁあ…っ」  
 
ルシンはシャクヤの膝を押し広げ、溢れ出てくる蜜を吸い上げる。  
この反応の良さを開拓したのがクワンだと思うと、ルシンの胸の底にジリジリと燻る何かがあるのは否定できない。  
が…それを頭から振り払い、ルシンは焦らすように舌の先でわざと軽く絡め取る。  
 
――こんなことを考えるのは癪だけど…  
 
誘うようにぷくりと膨らんだシャクヤの陰核をとがらせた舌で突付きながら、ルシンは思いを巡らせる。  
 
――クワンの事だ…きっとまだ行為に戸惑っているシャクヤに嫌がる隙も与えないほど、啼かせ続けたに違いない。  
 
「…ダメ…?だったら……やめようか…?」  
「……っ…」  
 
同じように攻めて、シャクヤが俺の方を向くとは思わない。  
俺には俺の、愛し方があるはず。  
 
シャクヤが答えないのを見て、ルシンは舌を中央からはずし足の付け根へと遠ざかる。  
 
――「ダメ」ならクワンにも言ったんだろう?だったら俺は、違う言葉が欲しい……  
 
「ぁああ…っ…んぁ……ル、ルシンっ…!」  
「ん…」  
 
ルシンはシャクヤの懇願に気付かないフリをして、太腿を舐め…そして再び中央へと近づき……  
シャクヤが期待からぶるりと身を震わせたのを見て、反対の太腿へと愛撫を移動した。  
 
待ちわびる愛撫が与えられず、焦れ始めたように身をよじらせるシャクヤ。  
蜜壷からは触れられぬ間もルシンを呼び込むように愛液が溢れ、ひくひくと反応するたびに卑猥に水音が響く。  
 
「ぁあ…ん、もぉ…ルシン、お願い…っ…お願い、だから…!」  
「なに?言ってみてよ…ルシンの望みどおりのこと、してあげるから」  
「……ぃの…、お願い…」  
「聞こえないよ?」  
「お願いっ…ルシン、焦らさないで…!…さ、触って…舐めて…欲しいの…っ」  
 
シャクヤのようやくの哀願に満足げに微笑んで、ルシンは愛撫を再び始めた。  
 
「あああぁ…んぁあっ、ああっ…ルシン…ん、もっと…もっとぉ…」  
「ダメだよ…もっと味わいたいから…」  
「んっ、はぁあっ…意地悪っ…ルシンがこんなに…意地悪なんて、知らなかった…ぁあっ」  
 
――俺だって、もっと激しく突き上げてしまいたい…  
 
霞んでいく理性の端を必死に掴むように、それでもルシンは緩やかに腰を揺らす。  
ルシンを押し止めているのは、クワンに対する嫉妬心。  
 
クワンとの違いを思い知らせて、そしてシャクヤに自ら乱れさせ…求める言葉を吐かせたい。  
 
そんなルシンの考えに、シャクヤは期待以上の反応を返していた。  
大きく…深く、しかしゆるりと回していた腰を止めてみると、シャクヤは淫らに腰を揺らす。  
 
「シャクヤ…いやらしいんだね…そんな風に腰を振って」  
「ゃあっ…だって…だって、ルシンが…」  
 
羞恥に頬を染め、それでも待ちかねるように腰を震わせるシャクヤの瞳に、ルシンもまた昂ぶる熱を制御できなくなっていく。  
手袋をしたままの左手に指を絡め、シーツに押さえつける。  
伸びていく右手の薔薇に唇を這わせながら、ルシンは最後の質問をした。  
 
「シャクヤ…どうして欲しい…?」  
「ぁ…ルシ、ン……花を……んん…」  
 
時間をかけて丹念に咥内を味わわれたシャクヤは、ようやく解放された唇を開き、熱のこもった瞳でルシンを見上げた。  
 
「…薔薇を…咲かせて…」  
 
――咲かせてあげるよ…その腕いっぱいに、満開にしてあげる…  
 
ルシンはシャクヤの膝を抱え上げ、その奥まで…もっと奥まで……  
クワンとの幾度もの夜をかき消すように、長く深く、ただひたすらに愛し続ける。  
 
「ぁあっ…ああぁあっ…ああっ、ルシン…っ、ぁああっ…んぁあっ…!!」  
「……っ…シャク…ヤ……」  
 
みるみるうちに枝を伸ばし、はちきれんばかりに膨らみ始めていた薔薇の蕾たちは、  
シャクヤの声に応えるかのように、鮮やかにその花々を開かせていくのだった。  
 

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