トーレ村。
年中雪に覆われ、そんな村があることすらほとんど知られていない、小さな村。
村の中にある寂しい宿で、ルビィはひとり物思いに耽っていた。
サファイアとヒロユキは買い出しに出ているが、この雪では帰りは遅くなるだろう
(本当はサファイアひとりで行くと言っていたのだか、ルビィの「ヒロユキ!あんたも行ってきなさい!荷物持ちよ!」の一言で、ヒロユキも同行することになった)。
やがて何かを決意したように部屋を出て、あるドアの前で立ち止まる。
イスカンダールと名乗る男の部屋。
ノックしようか、どうしようかと考えているうちに、中から声がした。
「入っていいぞ」
「ずっと廊下に立っていたら寒いだろう・・・で?どうした?何かあったか?」
イスカンダールはベッドに腰掛け、椅子をルビィに勧めた。
ルビィは黙って椅子を通り越すと、イスカンダールの膝の上に座った。
「・・・・子供か?お前は」
呆れた声。しかし別段降ろそうともしない。ほとんど気にしていないようにも見える。
「・・・子供なんかじゃないわ」
「だったら・・・
その言葉を遮って、
「あのね、続き・・・して欲しいの」
イスカンダールの顔が険しくなった。
「ね。抱いて欲しいのよ」
「私は、お前のそういう軽率な言動を・・・
「お願い」
ずっと顔を伏せたままのルビィを見て、イスカンダールは穏やかに問いかけた。
「何を恐れている?・・・これから、空中庭園に向かうことをか?」
「だって、最後かも知れないじゃない・・・勘違いしないでね、最期の思い出にって訳じゃないの。私は、必ず帰ってくるわ。終わらせやしないわ。だから、証が欲しいのよ・・・運命に負けない証が」
「それなら、もっと他に方法があるだろう」
「ううん、これじゃなきゃダメ。もう決めたの。私が一度決めたら絶対に変えないって、もう分かってるでしょ?
それに・・・占い!占いで出たのよ。
「全くお前は・・・
言いながらも、イスカンダールにも分かっていた。こうなったらルビィを止めることなど出来はしないことを。方法ならいくらでもある、しかしそれでルビィの心は・・・どうしようもなかった。
「お願い」
「後悔することになるぞ」
「どうして?」
イスカンダールはふっと笑い、
「私はイスカンダールだぞ?私と寝た女は、私以外の男では満足できなくなる」
ルビィはこつん、と頭をイスカンダールの胸元に預けて、
「やってみせてよ」
そうはっきり言った。顔を上げ、今度はちゃんとイスカンダールの方を見ていた。
イスカンダールはそっとその額にキスをした。
ルビィを膝の上に乗せたまま、背中から手を回して器用に服を脱がせると、あの夜と同じように、ゆっくりを乳房を揉み始めた。
首筋に唇をつけてそっと反応を伺う。
「ん・・・ふぅっ・・・ん、・・・
小さく消え入りそうな声を上げて、ルビィはイスカンダールにもたれかかっていた。
そっと下着の上から足の間をなぞられて、ビクッと体を堅くする。ほどなく下着の中に手が入り込み、小さな突起をとらえると軽くひねった。
「あッ・・・!」
思わず反射的に逃れようとするルビィの体を片手で押さえて、かまわずにそこを責め立てる。
「あ、やあッ・・あんっ・・・あ、あーッ・・・・」
イスカンダールは体勢を整えると、もう片方の手で乳首を刺激しはじめた。唐突に激しい反応が甘い快感に変わり、半ば叫び声のようだったルビィの声も甘い溜め息に変わってくる。
「あ・・・あん・・・あふっ・・・うんっ・・
イスカンダールはそっと指を差し入れ、そこが十分に湿ってきたことを確認した。
「いいか?ルビィ?」
責められながら耳元で囁かれて、ルビィはどうしていいかわからなくなってきていた。
「いいのか?」
もう一度、問いかける。
ルビィは大きくうなずいて、それに応えた。
イスカンダールはそっとルビィを持ち上げて、くるりと反転させて向き合う形にさせた。
一度軽く唇を吸って、
「しっかりつかまっていろ」
ルビィはただ何度もうなずいて、イスカンダールの首に両手を回した。これからどうなるのか、言わなくてもわかる。怖れと、期待と、好奇心とがルビィの頭の中をぐるぐる巡っていた。
イスカンダールは自らのそれを無造作にあてがい、ゆっくりと沈めていった。
「・・・ッあぁ・・・つ・・ぃ・・・・ッ・・・・・!!
言葉にならなかった。
焼けるように熱く、そして激しい痛みにぎゅっと目をつぶったが、堪える事が出来ずに涙が溢れる。
「・・ゃあッ・・・あ・・・・・ああ・・・・・!
イスカンダールはルビィの体を支えながら、急がずゆっくりと腰を進めた。
「い・・・痛・・・・ぃ・・・
ぼろぼろと涙をこぼしながらそれだけをやっと口にしたルビィをきつく抱き締めて、最後、強く突き込んだ。
「ああッ!
イスカンダールは優しい顔でルビィの涙を嘗め取って、今度は長く口付けた。
「ああッ・・・あっん・・・んぁっ・・・
やがてルビィが痛みに慣れてくると、ゆっくりと、そしてだんだん激しくリズムを取りながら抜き差しを始めた。動きに合わせてルビィの嬌声が響く。
「あッ・・ん・・・
「感じているのか?
イスカンダールの言葉にカッと身体が熱く火照る。
「言わないで・・・恥ずかし・・・んんっ・・
イスカンダールはルビィをベッドに押し付けて、何度も強く突き上げる。
「あっ・・・ア・・アッ・・・・アッ・・・ダメ・・・もう・・・
いく、いっちゃう・・・・ん・・・・ ッ・・・ !!!
頭の中が真っ白になり、ルビィは意識を手放した。
宿の玄関が開くチャイムの音。
「ただいまー」
「ヒロユキさん、おつかれさま」
「ルビィ、帰ったよ・・・あれ?いないや・・・
イスカンダールの部屋のベッドでぐっすりと眠っているルビィ。
「なんでここで寝てるんだよ」「まだまだ子供ねぇ・・・」
ルビィはそういった会話を夢心地で聞いていた。
Fin