「私の言った通りになっただろう?」
イスカンダ−ルの言葉にルビィは顔を曇らせたが、「うん」というように小さく頷いた。
それに満足したのか、しないのか・・・イスカンダ−ルはルビィを抱き上げてベッドに寝かせると、体重をかけすぎないように気を付けながらその上に覆いかぶさる。
ルビィの髪に指を絡めながらそっと頬に唇を寄せると、ルビィは静かに目を閉じた。
速い鼓動と、その身体に満ちる熱は隠しようがなかったが。
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あれからしばらくして、再びルビィはイスカンダ−ルの部屋を訪れていた。
今回は他の仲間も同じ宿にいたが、皆寝静まったのを見計らってルビィはドアを叩いた。
イスカンダ−ルも寝ているかも、とは考えなかった。
なんとなく、この男はそういう事を・・・全てを見通している気がする。
占いはできないと言っていたが、それ以前に占う必要がないという程に。
「ちょっと、くやしいけどね・・・」
ルビィはそう言ってまたイスカンダ−ルの膝に乗りかかった。
イスカンダ−ルは今度は非難せず、そっとルビィに腕を回した。
「あッ・・・はぁ・・・っん・・・・・」
イスカンダ−ルはルビィの全身を愛撫した後、足の間に顔を埋めると、既に濡れている部分に舌を這わせた。
丁寧に舐め上げ、溢れる液体を掬って飲み込む。
「気持ちいい・・・・・気持ちいいよ・・・ッ、ん・・・」
肉芽を軽く噛むと、ひときわ大きくルビィの身体がしなった。
「あっ・・・あっあぁ・・・・・・あぁぁッ!!」
そのままそこを吸いながら、時折舌の先で刺激すると、ルビィは何の躊躇もなく昇りつめた。
荒い息を落ち着かせると、ルビィは紅潮してぼんやりとした顔をイスカンダ−ルに向ける。
イスカンダ−ルはその瞳をまっすぐに見つめ返した。
ルビィは視線を逸らさずに、小さくつぶやいた。
「・・・入れて。」
イスカンダ−ルは軽く唇を重ねると、体勢を整えてそっとそれを潜らせた。
「んっ・・・・・・
初めこそルビィはその圧迫感に身体を固くするが、何度か繰り返した行為、すぐに慣れて全身でイスカンダ−ルを受け入れる。
「ん・・・は・・・ッあ・・・」
ゆっくりとした、しかし確実に快感を誘う動きにルビィ の感度はどんどん高まっていく。
「ね・・・ぇ?何か・・・言ってよぉ・・・っ・・・なんか私・・・恥ずかしくて・・・っ・・・」
ここまできておいて恥ずかしいも何もないだろう、と半分呆れながらもイスカンダ−ルはルビィを抱き起こして、わざと耳元に息がかかるように囁く。
「ん・・・?愛の言葉でも囁いて欲しいのか?」
「・・・ッ」
きゅ、とルビィの内部が締まり、イスカンダ−ルを締め付けた。
「そ、そんなんじゃ・・・違う、違うよ・・・もっと別の事言って」
ふむ、とイスカンダ−ルは少し考えて、 ルビィの胸を両手で揉みながら言った。
「・・・お前は、全く成長せんな」
カッとルビィの顔が赤く染まる。
「・・・なによ!な・・ぁっ・・ああんっ・・・」
「静かにしろ」
イスカンダ−ルの動きがぴたりと止まった。
不意に廊下から足音が聞こえた。
『・・・おっかしいなぁ〜・・・ルビィの奴、どこいったのかなぁ・・・』
「ヒロユキ・・・」
足音はそのまま遠くなり、聞こえなくなった。
「・・・今度は、見せてやるか?」
「なッ・・・」
「ずいぶんと、感じやすくなっているようだが?」
繋がった部分から、透明な液体が滲み出していた。
可笑しそうにルビィの乳首を弄る。
「んっふうっ・・・
「また、小僧が来たらどうする?」
確かに、ここがイスカンダ−ルの部屋だからそのまま通り過ぎたに違いない・・・もしも
『イスカンダ−ルさん、ルビィを知りませんか?』
なんて声を書けてきたら、どうするのだろう。
「や・・・めてよ・・・」
イスカンダ−ルは満足そうに笑い、激しくルビィを責めはじめた。
敏感になっている身体は痛いほどに感じている。
「や・・・・・ぁ・・・・・・ッ・・・・ダメ、もう・・・」
ルビィはイスカンダ−ルにしがみついた。
「・・・イっちゃう・・・・・ッ・・・・」
その耳に、またあの足音が聞こえてきた。
「!!」
急激に熱が冷める。
全ての感覚が鋭くなっているらしく、その音はさっきよりも鮮明に響いていた。
とても長い時間に感じられた。歩調を緩めたような気がする。今にも止まるのではないか・・・この部屋のドアの前で。鍵は・・・
急にあらゆる事が気になってくる。
突然、イスカンダ−ルが動いた。
「ッ・・あ・・んんッ!」
慌てて声を押し殺すルビィ。
(待ってよ、本当にバレたら・・・)
「・・んっ・・・んッ、んんーーーッ!!」
ルビィにも分かった。からかっているのではなく、本気でイかせようとしていると。
内部を擦られ、突き上げられるたびに全身に激しい快感が襲った。
声を出せない代わりに、涙が溢れて止まらない。
イスカンダ−ルは動きを止めないまま、ルビィの尖った乳首に吸い付いた。
「ーーーーーーーッ!!」
ルビィの身体が弓なりに反る。
もう声を出さずに堪えることが出来ない・・・その口をイスカンダ−ルが塞ぐ。唇で。
同時に、ルビィの最奥にその熱を解放した。
「んんんッんー−ッ、んーーーーーッ!!」
イスカンダ−ルは密着した身体を通して、ルビィの達した絶頂の激しさを感じていた。
そのまま疲れて寝息をたて始めたルビィを見下ろして、イスカンダ−ルはふっと笑った。
「小僧はすぐに行ってしまったが・・・お前が必死に我慢しているのが可愛くてな、黙っていた」
既に深い眠りについていたルビィは何も聞こえていなかった。
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「・・・・・で?またイスカンダ−ルさんとこにいたワケ?ルビィ」
次の日の朝食の席、一晩中探し歩いていたらしいヒロユキは赤い目をこすってルビィと何か言い争っている。
イスカンダ−ルはふと窓の外に目をやって、遠い過去を想っていた。
「そうよ。何よ、なんか文句あるの!?」
ヒロユキに勝ち目は無さそうだ。
〜Fin〜