「ゲラ=ハ…お願い、もうすこしこのままで…」
左腕に頬を寄せたクローディアが、そっと呟いた。
「あんたって、本当にいい男ね…」
右腕を抱きしめたバーバラが微笑んだ。
「ずるーい、あたしのゲラ=ハなのにぃ」
背中にしがみついたアイシャが頬を膨らませた。
「おい、ゲラ=ハ」
やり場のない怒りを抱えて、ホークは長年の相棒を睨みつけた。
握り締めた拳がわなわなと震えている。
「何でしょう、キャプテン」
両手に花を抱え、背中にも花を背負ったゲッコの騎士は、軽く瞬きをした。
「お前ばっかりいい思いしやがってー!」
「だって、ゲラ=ハの体ひんやりしてて気持ちいいんだもーん」
「ホーク、あんた暑苦しいからあっち行ってなさいよ」
「無様ね」
ここはワロン島、熱帯気候。つまりはひどく蒸し暑い場所。
心密かにハーレム願望を抱いていたホークは、がっくりと肩を落としたのであった。
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