「まさかこんな子供だましに引っかかるなんてね」
ベットの上で気持ち良さそうに眠っている吟遊詩人を見ながら
バーバラは呟いた。
(まいったね、こんなはずじゃなかったんだけどね)
バーバラはぽりぽりと頬をかく。
吟遊詩人に幻のアメジストを何故自分に譲ったのかを問いただそうと、
酒に酔わせたところまではよかったのだが、真相を問いただす前に
先に酔いつぶれて眠ってしまったのだ。
顔にかかった長い金髪をそっとかきあげた。
じっくりと顔を観賞する。
細い眉、意外と長いまつげ、すらりと筋の通った鼻。
無防備な唇は今緩んで柔らかい開き加減。
悪戯心が芽生える。
この男はどんな喘ぎ声を上げるのかしら?
考えただけで身体がぞくぞくとふるえてくる。
バーバラは形のいい唇をぺろりと舌で湿らせた。
(あんたのせいで危険な事に巻き込まれたのだもの。
これくらいはもちろん許してくれるでしょ?)
一枚、一枚ゆっくりと慣れた手つきで服を剥ぎ取り
露になっていく白い肌にキスを落とす。
「……ん」
(あら、もう起きちゃったのかい?)
吟遊詩人の顔を覗きこんでみる。
まだ起きた様子はない。
(びっくりさせないでおくれよ)
気を取り直して再び愛撫を再開する。
首から鎖骨までをねっとりと舐め上げてはそこに吸い付き、
花びらを刻んでいく。
「…ふ…ぁ……」
胸の突起物に吸い付くと甘い声をあげながら詩人の身体がぴくりと跳ねる。