『まぁ、どんなに泣き叫んだところで助けなんて来ないでしょうね・・・ふふっ』  
ベッドにぐったりと横たわる弟に、そういいて恍惚とした眼差しを向ける姉。  
その眼に射抜かれた弟アルベルトは身を萎縮させる。  
瞬間、すっと姉ディアナの手が上がった。しなやかな鞭を持った手が。  
 
ビシャンッ!   『うあああああっ!!』  
 
鞭がうなりを上げて叩きつけられるのと  
アルベルトが悲鳴を上げるのはほぼ同時であった。  
『う、あ・・・や、だよっ・・・! 姉さん・・・もう、やめてよっ・・・!』  
息絶え絶えに懇願するも、ディアナの容赦ない『訓練』はなおも続く。  
一振り、二振り、三振り。  
張り詰めた空気を切り裂くように鞭とアルベルトの悲鳴は続いた。  
『あはは・・・ねえわかるアルベルト? まだこれからがお楽しみなのよ?』  
本当に可笑しいとでもいうように、ディアナは満面の笑みを弟に見せる。  
その裏に肉食獣の凶悪な眼と牙とを隠して。  
 
『な、なにが・・・お楽しみだというんですか?』  
アルベルトが唯一抵抗できるのは言葉でのみ。  
体はもはや力を失い、動かすこともままならない。  
それは、鞭の一振りごとに刻まれた蚯蚓腫れの跡が如実に物語っていた。  
そうして弟の吐き出すようにいった一言が姉の、  
自身に対する興味に油を注いでしまったことを  
この可哀相な弟は知らなかった。  
 
『お楽しみ、お楽しみ・・・それはもう本当に楽しいことだわ。私も、あなたも、ね・・・』  
ディアナの弟に向ける眼差しは先程とは打って変わって  
とろんとした、甘い光をたたえていた。  
 
『ひっ・・・!?』  
アルベルトも、姉の今までとは違う  
その眼の光に本能的に危険を感じたのだろう。  
おもわず目を瞑り身を縮こまらせる。  
『・・・!』  
 
次の瞬間、彼に与えられたのは口元への柔らかい感触であった。  
『・・・!? ん、む・・・ぁ、ぅ・・・!』  
そっと眼を開くとそこには姉の甘い瞳が映り、  
姉の唇と自分のそれとが重なりあっていることを確認した。  
 
深く、姉の柔らかな舌が自分の口内に入ってくる。  
(どう、なっているんだろう・・・?なにがおきているんだろう、これは・・・夢か)  
姉の濃厚なキスに半分ぼうっとしながらアルベルトは思索をめぐらせる。  
さもあろう、今まで散々に虐げられてきたアルベルトにはどうして  
姉が自分と唇を重ねるのかまったくもって分からなかった。  
いつもいつも、そして今日もただ鞭でしたたかに打たれ続け  
気を失ってそれで終わりだと思っていた。  
それがどうしたことか今日の姉はまったくいつもと違うのだ。  
覆い被さるような姿勢で、自身の舌でただひたすら弟の口の中を掻き乱す。  
ちゅっちゅっと、姉が吸い付くたびに二人の唾液が水音を立てる。  
 
嫌なはずなのに、嫌じゃない。  
彼の中で壊れはじめた感覚が彼の思索を邪魔する。  
ああ、これが姉さんの味・・・。  
いつもルージュをひいた艶かしい唇は  
こんなにも温かく、こんなにも柔らかく、こんなにも甘いものだったんだ。  
自分の口の中の唾液を、姉の舌にからめとられる。  
代わりに姉のものが自分の口の中を満たしていく。  
こくん、と小さくのどをならし、その姉の味を堪能する。  
(おいしい・・・って、いっても良いのかな、こういうの・・・)  
そんなことをふと思ってしまう。  
 
キスの味だけではない。  
姉の香水の匂いが漂ってくる。  
熱を帯びた吐息が触れ合う。  
自分と同じ柔らかなブロンドの髪が彼の頬を優しく撫ぜる。  
その全てが今までの苦痛を忘れさせるほど、アルベルトに快楽を与えていく。  
ディアナの手中に落ちたも同然の彼に、もう抵抗などできなかった。  
 
一方のディアナは弟とのキスに夢中になり先程から押し黙ったまま、  
しかし弟の喘ぐ声を聞くたびに嬉しそうにし、弟の舌の柔らかさを味わい続ける。  
弟が欲しているものも分かる。先程のどをならしたことでわかった。  
親鳥が捕ってきたエサをヒナ鳥に与えるようして  
自分の口の中にたまった唾液を弟の口の中に惜しみなく流し込んでやる。  
弟は何の疑いも迷いもなくこくりこくりと飲みこむ・・・嬉しそうに。  
 
”アルベルトは気付いていない”  
 
ディアナのとろんとした瞳の奥に、  
依然として煌々と輝く肉食獣の眼の光は  
弟の無防備な顔一点に向けられていた。  
二人はさらに深く深く、唇を重ねていった。  
 
「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・!」  
部屋にはアルベルトの洗い息遣いだけが聞こえる。  
長いキスから解放された彼はベッドに仰向けになったまま、乱れた呼吸を整える。  
ディアナは、弟のまだ信じられないというような恍惚とした眼差しを見遣り不敵な笑みを浮かべる。  
それをアルベルトに気付かれないよう、ひそかに。  
 
「ねえ、さん・・・ど、してこんなことした、のですか・・・」  
少し間をおいて、アルベルトが消え入りそうな声で尋ねる。  
「どうしてかって? それはあなたを“愛している”からにほかならないわね、そうでしょう?」  
「・・・よかった。わたしは姉さんから、愛されているの・・・ですね」  
「もちろんよアルベルト」  
いままで散々に鞭で打たれ続けてきたのは何だったのか。これもまた自分を愛しているからなのか。  
そんな疑問が頭の中を掠めるも、いまはただ姉と交わしたキスの余韻がアルベルトの頭の中を支配していた。  
 
「ねえアルベルト、あなた・・・好きな子はいるの?」  
「え・・・?」  
突然の姉からの質問にアルベルトは戸惑う。  
「例えばほら、先月のクリスタルシティでの舞踏会。あの場所にあなた好みの子はいなかったのかしら?」  
「そ、それは・・・。」  
 
―――過去にガールフレンドがいたこともないようね。  
 
弟の様子からそれは容易に読み取れた。  
そうして口ごもり答えられずにいるアルベルトを見てディアナはなお言葉を続ける。  
「それじゃあなた、今までにキスもしたことないわよね?」  
「え、あ・・・!」  
姉の質問にアルベルトは、また心臓を射抜かれるようにドキリとさせられ、言葉に詰まった。  
 
「例えばおやすみ前の母上との軽いキスなんかではなくて。いま私たちが交わした濃厚なキスみたいな。  
・・・さっきのはねアルベルト、ディープキスっていうのよ。」  
 
そうして枕元にかがみこみ、アルベルトの耳元でささやく。  
「あなたの舌と私の舌がからみ合って一つになる。お互いがお互いを求め抱き合うように、ね」  
「・・・! あ、ありません・・・ありません!」  
姉の口から発せられたとは思えない、思いたくもないあまりに直接的な言葉を遮るようにアルベルトが声を荒げ答えた。  
「そう、ないの。それじゃ初めてのキスの相手は私になるのね。」  
「・・・!」  
顔を赤らめながら押し黙ったままのアルベルトの顔を覗き込んだ。  
 
「かわいいわ、アルベルト。さっき嬉しそうに私を求めてくれたあなたも、今のあなたも」  
そういって弟の頭をクシャクシャと撫でる。  
「ああ・・・ねえ、さん・・・」  
深く唇を重ねていた時と、質問を投げかけ躊躇していた時と、こうして髪を撫でてやっている時。  
純粋無垢な仔犬のような弟の、反応のそのどれもが可笑しくて笑い転げてしまいたかった。  
バカな子ほど可愛いものはないなんてよくいったものだと、嘲笑を、偽りの微笑みの仮面で隠しながら。  
その気持ちをどうにかおさえこみ、ディアナは最後の質問を投げかけた。  
 
「それじゃアルベルト、“したこと”もないのでしょう?」  
ディアナの言葉のトーンが変わった。  
「した、こと・・・なんのことですか」  
「あなた、もう18になるんだったわね。」  
「・・・は、はい」  
「どういうことか・・・解からない年でもないでしょう?」  
「・・・!!」  
 
ついに言葉の“意味するところ”が思い当たってしまった。  
「え、あ・・・あ・・・」  
頭の中で懸命に考えるが拒絶の言葉が追いついてこない。  
「ようやくわかってくれたみたいね、アルベルト。」  
ディアナは先にもましてにっこりと微笑む。  
「ひっ・・・!!」  
唇を重ねる前の一瞬に見た・・・獣のような煌々とした眼の光を湛えた姉にアルベルトは絶句した。  
そうしてこれから起こるであろう狂乱の出来事を想像し戦慄が走った。  
 
「ねえさん・・・? 悪い冗談はやめてください!」  
姉の恐ろしく輝く眼を懸命に見返しながらアルベルトが制止しようとする。  
「冗談、ですって? 冗談なんかではないわ。それよりねぇアルベルト・・・? そろそろ効いてくる頃なんじゃないかしらね。  
「え・・・。」  
姉の言葉にふと我に返ると・・・たしかに体が熱い。  
全身火照るような熱が自分を包んでいた。  
あなたがね、あんまり嬉しそうにするから・・・少しイタズラしたくなったのよ。。  
「な、何のことです!?」  
「・・・。 ・・・媚薬を、さっきのキスの時に飲ませてあげたのよ、口移しでね」  
「・・・なっ・・・!!」  
またしても予想だにしなかった姉の言葉に言葉が詰まる。  
 
「ふふ、心配しなくても大丈夫よ。私もね少し飲んでしまってるの。もう抑制も効かない。  
ただ目の前にいる異性は自分の愛の営みの対象となるだけ。  
ところであなたはどうなのかしら?自分の体のことなら自分がよくわかってるはずだけど・・・」  
そう言ってディアナはアルベルトの下半身にちらと目をやる。  
「あ・・・!」  
そこではアルベルトの牡がトクントクンと脈を打っていた。  
気付かないうちに・・・こんな事、いままでなかった。薬による作用。  
自分の体のあきらかにおかしい反応にアルベルトは恐怖を覚えた。と同時に腰を引き隠そうとする。  
「いいのよ隠そうとしなくても。」  
アルベルトのその羞恥の仕草を見てディアナは微笑する。  
 
「媚薬、なぜ飲ませてあげたかわかるかしら?・・・それはね、あなたも私も楽しめるようによ。  
そうしていっぱいいっぱい、射精せるように、ね・・・?」  
姉は微笑を崩さない。しかしその言動はもはや狂気じみている。  
「姉さん、何をいって・・・!?」  
これ以上は本当に危険だと悟ったアルベルトは、姉を殴って気絶させてでも止めなければならないと思った。  
「姉さん、いい加減に・・・!!う、うああっ!」  
ベッドから勢い良く起き上がろうとした瞬間、鞭でしたたかに打たれた上半身に電撃を受けたような痛みが走った。  
体が火照っているせいで痛みが激しく増していた。  
「残念ね、アルベルト。最後のチャンスもこれでもうお終い」  
くくっとのどを鳴らして姉が勝利を誇るように見下ろす。  
アルベルトが四肢の力の緩めた瞬間を、獣と化した彼女は見逃さない。  
ベッドの梁に鞭を括りつけ素早くアルベルトの手足を拘束した。  
 
「お楽しみお楽しみ・・・ってね、言っているでしょうアルベルト?」  
 
「さっき鞭でたくさん“遊んで”あげたのはね、あなたを逃がさないため・・・。  
どう? 体が熱くなって・・・傷もだいぶ痛むでしょう?でもそれも時期に忘れられる。  
快感があなたを飲み込んだら何もかも忘れて・・・私だけを求めるようになるわ」  
ディアナはアルベルトのズボンのベルトを緩めすっかり硬くなった牡を露わにさせた。  
「ひっ!?」  
ディアナの行動におどろき身をよじるアルベルトだが手足を拘束されていては意味を成さない。  
「自分でするのと人にされるのとじゃ違った快感があるんじゃないかしらね・・・」  
アルベルトもまだ成人ではないが、体つきはそれなりに出来上っている「男」である。  
その弟のいきり立つ牡をディアナはそっと手で包み込む。  
 
「あなたがまだ5つか6つくらいの時・・・私と一緒にお風呂に入って以来、あなたが裸でいる所を見たことが無かったわ。  
だから見ないうちにこんなに逞しくなってくれて、姉さんとっても嬉しいのよ。あの時から比べたら本当に立派になった。  
私の可愛い弟・・・。」  
そうしてディアナは手に包んだ牡をゆっくりと上下に、しごき始めた。  
「あっ、ああ、ああぁ・・・!」  
嫌悪からか快感からか、もしくはその両方の感情からか、アルベルトの切ない喘ぎが地下の薄暗い部屋に響く。  
「い、やだ!やめてください姉さん!そんなっ・・・はしたないことっ、やめてください!  
アルベルトの言葉など耳に入らないのかディアナは無心に弟の牡を弄ぶ。  
 
「さぁ、はやくイっておしまい」  
しごく手を早め、弟を絶頂へと導いていく。  
「や、やだ、で、でる!でる・・・! あ・・・! ああ、うあああああああ!!」  
悲痛な叫びと共にびくん、と絶頂に達したアルベルトの体がはねる。  
そうして自らの腹にベッドに・・・姉の白い綺麗な手にさえも、ドクドクと咆哮を上げて白濁をぶちまける。  
鈴口から飛び出し溢れるその量が媚薬による快感の大きさを如実に物語っていた。  
 
アルベルトは焦点の定まらない瞳を天井に向けてはぁ、はぁ、と荒く息をつく。  
「思ったとおり、いっぱい射精してくれたわね。  
ふふ、こんなに白くてネバネバとしていて・・・美味しそう・・・!」  
姉の声にふと我に返って横目で見遣るとそこには  
手の甲に付いた精液を蝋燭の火にかざしうっとりと見つめ、次にはそれを口に含んで味わう姉の姿があった。  
「・・・っ!!」  
今度はぴちゃぴちゃという水音だけが部屋の中に響く。  
「あなた女の子と“?がった”ことがまだ一度もないんだったものねぇ?  
この“初物”の味・・・ふふ、どんな料理よりも美味しいわ」  
独り言のようにディアナがつぶやく。  
 
―――姉さんが、舐めてる、私の出したものを美味しそうに。私は姉さんのお役に立てているのかな・・・。  
 
自分の出した精液を舐めるその淫靡な姉の様子と狂気の言動がアルベルトの精神を徐々に徐々に、蝕んでいった。  
 
姉は、肉食獣が獲物を狩り終え前脚や口の周りに付いた血を嬉々として舐める様そのものだった。  
いつも以上に大量に放出された白濁の濃密な刺激臭が漂う。  
自分でさえ嫌悪を感じるそれを姉は美味そうに舐め取っているのだ。  
吐き気と目眩が同時に襲ってきた。それでも何とかこらえ、姉に問いかける。  
 
「・・・ね、ねえさん」  
「なあにアルベルト?」  
「その、あ、の・・・」  
「・・・どうしたの?」  
「ねえさんは・・・私のことが好きなのですね。」  
「何を改まって言うのアルベルト、もちろんじゃない。どうしてそんなことを聞くのかしら?」  
「・・・お願いです。私のことを本当に愛してくださっているのなら・・・こんな事・・・」  
「こんな事・・・?そのあとは何かしらアルベルト?」  
“アルベルト”を堪能し終えたディアナはいまだベッドに束縛され仰向けになった彼の耳元で、ささやく様に問う。  
「や・・・やめて、くださいっ・・・!」  
ディアナの怖ろしいほどの威圧を受けながらも絞りだすように言葉にした。  
 
「嘘おっしゃい」  
懇願むなしく、姉のその一言ですべて帳消しにされる。  
「・・・! ひっ・・・!」  
そういうや姉はアルベルトのいまだ怒張収まらぬ牡をその白い細い指に絡めた。これが証拠だといわんばかりに。  
さっきあれほど射精したにもかかわらず、トクントクンと脈打ち、まだ満たされぬ欲を求めていた。  
主であるアルベルトが望みはせずとも、それは媚薬によって狂わされ、ただただ雌を犯す凶器になっていた。  
「私はあなたのこと堪能したけれど・・・あなたはまだ私を知らないわね。  
姉弟なのに不公平なんて嫌でしょう? だから私をたっぷり味わってほしいの・・・」  
そういうディアナももはや媚薬の魔力に蝕まれ、弟のためなどという気持ちはどこにも無かった。  
彼女の秘所もまたしとどに濡れ、弟の牡を求めている。  
 
「あなたのその嫌がる気持ち、理性がまだ働いてるのかしら。  
でも・・・それもじきに消えていくわ。私と繋がることで、ね・・・?」  
そういうと片方の手でアルベルトの牡を、もう片方の手で濡れそぼった自身の秘所をあてがう。  
くちゅり、と淫靡な愛液の水音が立ちはじめた。  
 
アルベルトに背筋の凍る気配が再び湧き上がった。  
「悪い冗談ですよ、姉さん・・・? や・・・・です、お願いです・・・!」  
ディアナが姉弟として禁忌の一線を越えようとしていることを悟ったアルベルトだが  
震える声での必死の抗議ももはや姉には届いていなかった。  
「あ、ああ、あああ・・・!」  
そればかりか姉の手で牡を扱かれる快感が再びアルベルトを襲ってきて抵抗の気持ちを崩す。。  
「あっ、ん、んっはぁ・・・ん!」  
ディアナもまた自身の指を秘裂に挿入し、受け入れるための準備を始める。  
 
互いに息遣いは荒くなる。アルベルトの牡はますます張りつめ「雌」を待ち望んでいた。  
そこへディアナの体がビクンと震えた。  
「はっ、はっ、あ、はあっ・・・!」  
軽い絶頂を味わったのか、準備はできたといわんばかりにいよいよ弟の方へ向き直る。  
そうして純白のドレスをたくし上げベッドに上がると仰向けになった弟に跨った。  
 
「ね、アルベルト。私をしっかり味わって・・・?」  
「・・・! あ、や、いや、だ・・・!」  
身をよじるアルベルトだが、きつく束縛された手足ではどうすることもできない。  
ついに姉は仰向けになった弟の、その怒張した牡に秘所をあてがった。  
「さあアルベルト・・・!」  
「あ、あ・・・!!」  
互いに濡れたそこはぴちゃりいやらしい音を立てる。  
亀頭が姉の入り口を押し広げていく。  
「・・・!」  
必死で腰を引くアルベルトだがもはや何の意味も成さない。  
愛液と先走りが交じり合ったそこにはもはや何の抵抗もないと確信したディアナは不敵な笑みを浮かべ  
いよいよ腰を深く沈めた。  
 
すんっという鈍い音。  
「あ、ああああああんっ!」  
「うあああああっ!!」  
歓喜の声と悲壮の声、その2人の声が上がると同時に。  
姉弟の一線を越えた性の交わりは果たされてしまった。  
 
 
「・・・あ、あああああ、い、いやだーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」  
 
 
ついで、アルベルトの絶望の叫びが部屋中に響き渡った。  
 
 

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