(もしかして、これって……婚約指輪とか、それに近いものなの!?)  
娶るための前準備で相手に送るもの、といえばそれしか考えられない。  
「そうです。人間の世界で言う婚約指輪みたいなものですよ」  
どうしてかこちらが考えてることが丸分かりの様で、詩人が言ってくる。  
「あなた、何なの? 力がどうとか、娶るとか、わけの分からない事ばっかり  
言ってるけど」  
バーバラは声に焦りをなるべく出さないように、彼に訊いた。訊いても、  
おそらくは理解しがたい答えしか返ってこないだろうが……。  
「人が神と呼ぶ存在だと答えたら、どうします?」  
案の定、理解しがたい答えが返ってきた。興奮に声は掠れてはいるものの、  
口調は穏やかなものだった。  
「あなたみたいな神がいるわけないでしょう!?」  
彼の言葉に、バーバラは声を荒げた。  
無理矢理女を抱こうとする身勝手極まりない神がいるわけがない。  
神はもっと慈悲深く、民を見守るものではないのか?  
「だが、本当なんだよ」  
こちらから手を離すと、羽織っていた外套をふわりと脱いで地面に広げた。  
「嘘よ」  
「嘘じゃない」  
言葉と共に軽くこちらを抱き上げると、広げた外套の上に寝かされてしまった。  
(やばい!!)  
本能はこのままでは危ないと告げ続けている。服のベルトには小型剣が  
収めてある革のケースも付いていたが、それを取ろうにもやはり取ることができず、  
焦燥感が募るばかりだ。  
しかし、また別な本能は彼に触れられて悦んですらいる。寝かされてしまった事で  
さらに先を望んで、秘部はゆっくりと潤みをたたえはじめた。  
 
「バーバラ」  
詩人がこちらを優しく呼ぶが、動かない体の代わりに心の中で顔を背ける。  
「やめて。これ以上触らないで」  
「お断りします」  
こちらの上に彼が体を重ねてきた。それに伴って、いつも被っている帽子が  
乾いた音を立てたて落ちる。朝の外気に触れて冷えている金の髪も、こちらの顔の  
すぐ横に流れてきてその冷たさを伝えてくる。  
 
「やめてっ……!!」  
指先が胸に触れたかと思えば、ゆっくりと揉みしだかれる。  
「っん……放してっ!!」  
ぞわぞわと気持ちの悪さが胸を中心として、頭の先やつま先へ広がった。  
そしてもう一つ、その感覚と相容れない感覚が最奧へと向かい、潤みとして  
あふれ出す。  
(最悪)  
その瞬間をはっきりとバーバラは感じ取って、胸中で毒づく。  
そんなこちらの状態を知ってか知らずか、彼は攻める手を止めようとしない。  
「この胸で、男を狂わせては楽しんでるんですよね?」  
――数ヶ月前も、胸で抜いてあげたりしてましたね、彼はそう意味深げに言って  
微笑んだ。  
(……!!)  
彼のその言葉に、どきりとしてしまう。  
というのも、それが紛れもない事実だったのだから。  
 
そのとき留まっていた町の酒場で知り合った男と行為におよんで、  
さんざん快楽に耽った。彼の言葉通り、胸で愉しませたのもその時だ。  
しかし当然だが、その情事の場に詩人はいない。男に声を掛けた酒場にも  
彼の姿はなかったはずだ。  
 
(なのに、どうして……?)  
「いつも全部見てますよ、あなたの痴態の全てを」  
彼の舌先が乳首をとらえた。ぬるぬるとしたそれが乳首にまとわり付いて  
放れない。気持ちがいいはずはないのに、彼の舌で反応して乳首が勃ちあがる。  
「体、悦んでますね」  
くすりと彼が笑ったかと思うと、また別の刺激が襲ってくる。乳首を吸ったり、  
歯を立てられたり……。  
「ん……やめてッ……て」  
嫌がる声に感じて悦がる時の艶も交ざっている事に気付き、声を押し殺す。  
(ダメ。嫌なのに……どうして!?)  
あくまでも同意の上での行為ではない。それは分かっているのに、体が感じて声を  
出させる。こんな状態にも関わらず、感じるというのはどういう事なのか。  
「素直に欲情してると言えば楽ですよ」  
指先で乳首をこね回しながら、詩人が言う。  
「欲情してなんか、ないよ」  
しかし、体は欲情してる女そのもの。触れられてすらいない秘部もとろとろに  
潤んでしまっている。  
 
「でも、こんな風になってますよ」  
彼の視線の先に、勃った乳首があるのは分かっている。見られてなおも感じて、  
痛みを覚えてしまうほど勃ち上がる。  
「あなた、最低な男ね」  
「そうかもしれません。だけど、あなたも本当は嫌じゃないんでしょう?」  
この状況が本当に嫌ならこんなにならないはず、と指先で乳首を弾いて見せた。  
「っあ……」  
「ほら、感じてる」  
驚くほど詩人は優しく微笑むと、先程の様に耳朶から首筋、鎖骨、そして胸元と  
舌で辿る。  
ただし、今度は胸の谷間を通り過ぎ、下腹部まで辿った。  
「ちょっと……!!」  
ほどなくして、彼の手が服のベルトに掛かった。金具の音と飾りで付いている  
鈴の音が虚しく響いて消える。  
「どうしました?」  
彼からは悪びれる様子は感じられない。手は確実にベルトを外して、脱がそうと  
する。  
「やめてって言ってるの!!」  
こちらの声に耳を傾ける事なく、軽く腰を抱いて体を浮かせたかと思うと  
服を一息に取り去られてしまった。  
「ここまで感じてくれてるのに、やめたらあなたに失礼だ」  
粘ついた詩人の視線が、秘部へと注がれる。濡れた下着越しに、おそらく  
うっすらとでも秘部が見えているだろう。  
「やめて。見ないでくれる?」  
そんなこちらの言葉にふっと微笑んだかと思うと、彼の指が濡れた秘部を  
入り口から筋へと下着の上から辿った。その辿った先にある肉の芽を  
擦りあげてくる。  
「やっ……そこはっ!!」  
鋭い刺激が全身を駆け抜けていく。押し殺すはずだった声も思い切り上げて  
しまった。  
「いや……いいから放して!! やめてっ!!」  
こちらの反応を一つも見逃すまいと、詩人はじっとこちらを見つめながら  
肉の芽を攻める。その視線にも犯されている様な感覚を体は覚えていた。  
「摘まれると堪らないんですよね。胸と同じで」  
彼の言葉と同じくして、ぷくりと熱を帯びて硬くなった肉の芽が摘まれて  
指と指の間でこね回される。その途端に体は正直に反応した。  
「んッ……ん――!!」  
頬を幾筋もの涙が零れ落ち、体は震えて息をするのも苦しい。  
 
(いや……!!)  
気持ち良くないのに気持ち良い。自分の感覚なのによく分からない。  
「悦がり泣きするほど、そんなにいいんですか?」  
「そんなんじゃ……ない……っ!!」  
口を開いても言葉が長く続く事はなく、零れるのは堪えた喘ぎ声ばかりに  
なっていく。  
「ちゃんと言って下さいよ。言わないと、終わりませんよ」  
またいつもと変わりない微笑を、詩人は見せる。  
(おかしい。こんな状態で、微笑んでいられるなんて……)  
その奇妙さに彼女は肌を粟立たせて震えた。  
どうしてこんな状態で微笑めるのか。それは『狂っている』としか言い様が  
なかった。  
でもそれは自分にも言えることだ。こんな状態で体は悦び、秘部を開かせて  
いるのだから。  
「狂っている、か。確かに、長く生きているうちに少しずつ狂っていたのかも  
しれません」  
またこちらが声にしていない言葉を彼は口にしていた。  
「でなければ、あなたを――人間の女性をこんなにも自分の物にしたいと  
思うこともなかった」  
表情は見えなかったが、その声にやりきれなさが含まれているのがはっきりと  
分かった。  
「『神が人間を娶るなど、あってはならない』、そうずっと自分に言い聞かせて  
我慢していましたが、神にも限界というものがあるんですよ」  
その言葉の次の瞬間、  
「っ……!!」  
肉の芽をひときわ強く摘まれて、一瞬で危うく達してしまうところにまで  
追い込まれてしまう。喘ぎも声にすらなっていなかった。  
「達しませんでしたね」  
肩で息をしているこちらを見て、詩人が言う。  
「無理矢理にされて、感じるとでも思ってる?」  
苦しいながら、バーバラはなんとか言葉を吐き出した。  
「現に感じてるじゃないですか――こんなに蜜を滴らせて」  
下着をずらして潤みを帯びた入り口に指先を入れて、出し入れを繰り返す。  
また、もう片方の手では肉の芽を執拗に擦り上げる。  
指が動く度に粘ついた音が零れてきて、羞恥心が煽られた。  
「いやぁ……!!」  
自分の秘部から出てるそんな音に、今すぐにでも耳を塞ぎたい衝動に駆られた。  
 
「たくさん零れてきてますよ」  
指もふやけてしまうぐらい、という詩人の声が耳に入る。  
「やめて……!! 指、抜いて!!」  
「美味しそうに咥えてるのに、抜けるわけないじゃないですか」  
こちらの願いを、まったく彼は聞こうとしない。聞くどころか、さらには……。  
「しかも、指一本じゃ足りなさそうだ」  
一本だった指を二本に増やし、先程よりも音を立てて中をかき回す。  
「そんなのだめぇ……ッ!!」  
無理矢理に中をかき回されて、腹の中に気持ちの悪さだけが広がる。  
それなのに、濡れは止まるどころかますます激しくなっていく。  
「だめッ……!! もういい加減に……っ!!」  
「ダメですよ。まだ止めるわけにはいきません」  
中から抜いた指を詩人はこちらの口元へと持ってきた。大方こちらに  
舐め取らせるつもりだろうが、そんなのはごめんだった。そんなこちらの  
意志を察したのか、彼は肩をすくめて指先を引っ込めた。  
「さて……」  
そう呟くと、彼は何故かこちらの首に掛かっているアメジストのペンダントに  
手をかけた。  
いとも簡単に金具を外してしまうと、自らの手のひらにそれを乗せてじっと  
見つめた。  
何をするつもりなのか? こちらにはまったく見当をつけることができなかった。  
詩人はただ静かにアメジストを見つめているだけで、その行為自体は自分を  
無理矢理に抱いている行為とは無関係だとしか思えなかった。  
しかし、実際は無関係ではなかった。  
 
「私だけでなく、石(彼)もあなたが欲しくて我慢できないみたいだ」  
詩人が石から目を離しこちらの顔を見つめて、またまた意味の分からない事を  
口にした。  
「?」  
「つまりは、石もあなたと契りたいと思っているという事だよ」  
視線での問いかけに、彼は答えはした。しかし、それはこちらの疑問を根本的に  
解決する様な答えではなかった。  
「あなたを抱く男はみんな『悦い』と狂う。どれだけ『悦い』のか、まずは  
石に味見させてみましょうか?」  
ひとり呟く様に言うと、石を濡れて開いた秘部へとあてがった。  
「やめて!! 何考えてるの!?」  
さすがにこの彼の行動は予測が付かなかった。まさか石を張り型の様に  
使うとは誰も思わないだろう。それも大粒とはいえ、ペンダントとしてはざらに  
ある大きさの石だ。そんな大きさでは張り型の役目をなすとは到底思えない。  
「ほら、入りますよ」  
「やっ……!!」  
あっけなく、秘部に彼の指先で届く範囲内までしっかりと石を咥え込まされて  
しまった。  
「そんなに嫌がらないで」  
勝手な事を言ってこちらの潤んだ瞳をのぞき込んだかと思えば、口付けを  
落としてくる。  
「嫌がるに決まってるじゃないの!!」  
「でも、きっとすぐに悦くなりますよ」  
彼が耳元で囁いた、まさにその時。  
「んっ……!?」  
中で何か――石とは思えない何かが蠢いた。自ら熱を発するはずのないそれが、  
熱を放ち始めて、男性自身が入り込んだ時の様な質量も一緒に伝えてくる。  
しかも、それはだけでなくしっかりと最奥まで届いて突いてくるのだ。耳にはそれが  
動いたことによって発せられる、くちゅりという粘着質の音も入ってくる。  
「あなた好みの大きさと形でいいでしょう? 動きもちょうどいいはずです」  
「いいわけ……んんっ!!」  
実際問題、形状や動きはちょうどいいものだった。それがもたらす圧倒的な  
恍惚感に襲われて、抵抗する気力が奪われてしまいそうになる。  
 
「はっ……ダメっ……!!」  
「石が泣いてますよ。『悦い』って。あまりにも石が興奮していて、  
それを感じてる私も……」  
何やら彼がもぞもぞと動き出す。するとカチリという金属製の音――まるでベルトでも外したかの様な音だ――が耳に入った。  
その音とともに中で蠢いていた物も、ぴたりと動きを止めた。  
そして、  
「……口を開いて」  
こちらの肩辺りをまたぐ様にして、目の前に自身を晒してきた。  
しっかりと興奮に怒張したそれは、鈴口から透明な液を零している。  
「冗談でしょう!?」  
ここまで好き勝手にしていて、さらに口でもしろと言うのか? 呆れとさらなる  
怒りで声を大きくした。  
「冗談でここまでしませんよ」  
口元へ自身を近づけた。ぽたりと、鈴口から液が零れて唇へと落ちる。  
「早くしないと、その綺麗な顔が私のモノで汚れてしまうかも知れませんよ?」  
「……最低」  
当然どちらも嫌に決まっている。しかし、どちらも拒否するという選択は  
できそうにない。  
絶対的な力を前にして、バーバラは彼の要求を黙って聞くことしかできなかった。  
渋々と口を開くと、この時を待ち構えていた彼自身が口一杯にあてがわれる。  
雄の匂いで気持ち悪さを覚えたが、彼に一方的にあてがわれているために黙って  
咥え込む事しかできなかった。  
「しっかり舌だけじゃなく、口全体で愉しませて下さい」  
「ふ……っ」  
舌で幹から雁首まで辿った後、鈴口を舌先でくすぐってやる。零れてくる液が  
舌に絡んで、ぬめぬめとした感触を伝えてきた。  
「咥えてる顔、とてもいやらしいですよ」  
彼がくすりと笑いながら言う。その顔は紅潮して、額にはじんわりと汗が  
浮かんでいる。  
「舐めている所を見せて」  
唇すれすれの所まで自身を抜くと、そう要求してくる。  
「いやって言ったら?」  
「今すぐ顔に出します」  
詩人は自身をひと撫ですると、わざと液を顔に数滴垂らしてきた。  
「こうして、ね」  
 
再び渋々と彼自身を舐める作業に戻った。舌先がちろちろと動く様を彼はじっと  
見つめて、時折低く呻き声を上げた。  
「色々な男をこうやって愉しませてきたのかと思うと、たまりませんね」  
「あたしも無理矢理にあんたにこんな事されてる女が他にいると思うと、  
腹が立つわ」  
心の中では『ケダモノ』と彼を罵りながら、そう口にした。  
「あなたに対してだけですよ。こんなに暴走してるのは……っ!!」  
顔を快楽に歪ませて、急に口内に無理矢理に自身を押し込んできた。  
「んぅ……!?」  
「いやらしい舌使いを見ていたら、そろそろだめそうです」  
しっかり吸って、と彼が言う。その顔は限界間近に見せる男の顔そのものだった。  
冗談でもなんでもなく本当に『そろそろ』なのだろう。  
「ふぅ……っん」  
早く彼に限界が来て、この状態から解放されることをひたすら願いながら、  
吸ってる感覚と舌の感覚が麻痺してしまいそうになるほど、彼を追い上げた。  
そして、さほど時間はかからずにその時は訪れた。  
「しっかり全部飲み込まないと、だめ、ですよ」  
「ふっ……んん!!」  
彼の体が震えたかと思うと、どろどろと口内に詩人の精が放たれた。  
それは特有の味といがらっぽさと、精神的な嫌悪感だけを残して体内へと  
消えていく。  
「最後まで舐めて、バーバラ」  
再び口内から自身を出すと、まだ少し痙攣しながら出ている白濁を全て  
舐め取らされてしまった。  
 

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