彼女がそばにいるだけで満足だった。  
決して遂げることのない愛 身分の違いという大きな壁  
そして…血塗られた我が生。  
今にしても思う。  
あぁ、どうして俺は海賊だったのだろうかと。  
あぁ、どうして自分の本当の気持ちだけでも伝えることできなかったのだろうか?  
だがその答えはわかりきっていたことだった。  
いつものように自問自答する、だがもう戻れない。  
時は止まることなく進む、情け容赦なく。   
男は独り言を漏らす  
「クローディア…お前と冒険できただけでも、俺は幸せだったぜ。」  
男の独り言は、そよ風に優しく包みこまれ。  
草木の香りとともにどこまでも遠くへと運ばれていった。  
 

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