「抱いて欲しいの」  
クローディアははっきりと言った。冷静沈着なグレイでも、耳を疑ってしまう。  
「皇女なんて政略の道具。いずれ嫁ぐ身…。  
でも私はグレイ、貴方を愛してるの…だから…」  
悲しい結末を口にする彼女の言葉を遮り、口付けた。  
甘い唇を割り入って、舌を差し込むと、クローディアもたどたどしく応えてくる。  
今の彼女には普段の気丈さが感じられない。不安と僅かな好奇に覆われている。  
不安から震える、小さな肩をきつく抱き締めてやった。初めての性交に恐怖を抱くのは  
当たり前だ。それをいかに感じさせずに、快感を感じさせられるかは  
男に掛かっている。唇を離し、スルスルと器用に服を脱がせるとクローディアが小さく呟いた。  
「慣れてるのね」  
「そりゃあな。」  
「…ねえ、グレイ…」  
「なんだ?」  
「……いや、やっぱり良いわ…」  
「…?」  
深くは追求しない。喋りたくないのならそれで良いだろう。  
控えめな形の良い胸からは、女が香る。先端を口に含み転がすと  
クローディアは驚いたような甲高い声をあげた。それは次第に嬌声に変わっていく。  
余った腕は優しく彼女の体のラインを唇から下へとなぞっていく。  
指が辿りついたのは、彼女の秘所だった。未だに僅かな濡れしか無い秘所は  
指で穴をこじあける事でさえ難しいだろう。グレイは指で彼女の蕾へ触れた。  
女体で一番感度の良い場所。そこで軽くイかせてやるのが目的だ。  
自分で触れた事も見た事もない場所の感覚にクローディアは思わず大きく喘いでしまう。  
恥ずかしそうに両手で口を覆うが、グレイに  
「お前の声が聞きたい。」  
と言われ、取り払われてしまった。  
彼の太い指先は存外器用に蕾を愛撫する。皮を剥ぎ、肉との境目を  
舐めあげたり、強く摘む。次第に蜜がたっぷり溢れだしてきた。  
「ゃ…あっあっあー…!」」一際大きな声をクローディアは出し、ぐったりとしてしまった。  
白い肌に汗の滴が光るのは、妖艶な絵である。グレイは自身が  
猛るのを抑えて、達したばかりの蕾を執拗に愛撫し続けた。  
「やぁっ…も…さっきイっ…たのに…ぁん…ああ…い、イかせない…で…ぇ」  
「気持ち良いのだろう?クローディア。」  
「…ぅ…ひゃ…ぁああ!」  
グレイの問いにも答えられず、生まれて初めての快感にクローディアは酔いしれている。  
 
その後もクローディアが気をつ失いかけるまで愛撫を続け、  
秘所十分な程に濡れそぼっていた。試しに指を一つ差し込んでみるが、  
口は容易に指を飲み込んでいく。クローディアは異物の侵入に妙な感覚を  
抱いていた。心地が良いのか、不快なのか。それすら分からない。  
しかし、指がナカを蹂躙し始めた途端に、感覚が前者なのだと分かった。  
何度も達し、敏感になりきった秘所は指の動き全てに反応してしまう。  
「あ…ん…や、またイっ……あ、れ?」  
クローディアは突然指を抜かれ、物足りない目線でグレイを見上げた。  
「クローディア。どうした?」  
何事もない、と言わんばかりの笑顔をグレイはこちらに向けている。  
「意地の悪い人…。」  
「挿れて良いのか?クローディア。」  
「…グレイ…もう…挿れて…。」  
差恥で顔は火の如く赤い彼女に、グレイは軽く口付け、耳元で囁く。  
「最初は痛いだろうが…大丈夫だ。怖くはないさ。」  
 
腟口に、グレイ自身があてがわれる。懇願したのはクローディアであったが  
流石に恐いらしく、グレイの背に手をぎゅっと回したまま離さない。  
グレイは決心したように、腰をゆっくり動かした。  
「っ…痛…ゃん…あぁぅ!」  
潤いに助けられながら、最奥に到達したが、グレイは動きたい衝動を抑えるのに必死であった  
クローディアがそれを察したのだろう。  
「グレイ…?動いて…」  
「…大丈夫か?」  
クローディアは頷いてみせた。ゆっくり腰を動かし始めると  
腟内が次第に柔らかくなっついった。それに伴い、クローディアも  
快感に酔う嬌声をあげる。ようやく、お互いに快感を感じられる、と  
グレイは胸を撫で下ろし、本格的に突き始めた。まるで見透かしたように  
的確に彼女の感じる部分を責めるので、クローディアは達しぱなしの状態である  
口から漏れる声は途切れを知らない。彼女が感じれば感じる程、激しく収縮する秘所は  
グレイをきつくしめつけ、彼の限界を近めていた。  
「クローディア…ッ!」  
「き…て、グレイ…!」  
互いの名を呼び合いながら、グレイは精を吐き出した。余りの心地よさに  
クローディアは力ない嬌声を漏らして体を痙攣させている。  
汗ばんだクローディアのデコをグレイは優しく口付けた。  
 
 
「クローディア、言いかけた事は何だったんだ?」  
翌日、旅路を往きながらグレイはふと尋ねた。  
「叶わない願い事よ。気にしないで…。」  
切なそうに目を伏せるクローディアが印象的であった。  
「グレイ…愛してる。」  
「ああ、俺もだ。愛している。」  
例え、彼女が死のうと、別な人と夫婦になろうと  
恐らく、彼女が言いたかったのはこういう事なのだ  
 

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