「なんかね〜女三人旅も結構悲しいわね」  
「だよね」  
「そうね」  
「どこかにいい男いないかなぁ〜」  
「なんかさ、クローディア前連れてた彼、男前だったよね!」  
「あぁ…グレイね…」  
「そうそう、グレイ!どして別れたの?」  
「あー…なんか…」  
「なんか?」  
「趣味合わなかったのよね…性的な意味で」  
「なにそれ〜!」  
「笑えるんですけど〜!」  
「だって…初めての時、いきなり『その靴で俺を踏んでくれ』とか言うのよ」  
「ないわね」  
「ありえないね」  
「そしたらだんだんエスカレートしてきてさ、言葉で攻めてくれとか縛ってくれとか言うの」  
「やだ〜!あの顔で?あの声で?」  
「で、どうなったの?」  
「むかついたから、力一杯縛り上げて放置してきたわ」  
「ひどいことするわね!」  
「てかさ、バーバラが前連れてた彼もイイ線いってたじゃん」  
「ホークだっけ…?どうして別れたの?」  
「ん〜、彼結構ステキだったんだけどねぇ…なんかこう、体の相性がね」  
「あなたも?」  
「聞きた〜い!」  
「すっごい……早かったの、入れて十秒ももたないの」  
「ありえな〜い!」  
「それは酷いわね」  
「そしたらさ、『そんなに締め付けないでくれよ』とか言うの!締め付けてないっつーの!」  
「しかも人のせいにするとか」  
「笑える〜」  
「てかアイシャの連れてた彼、なんかスマートな感じでよかったじゃん?」  
「ジャミルだったっけ…?」  
「あ〜、彼ね!なんかさ〜結構よかったんだよね〜、途中までは」  
「どういう事?」  
「ぶっちゃけ言うと、超ちっちゃかったの!」  
「ちっちゃかったって」  
「アレが?」  
「そーそー、で、あげくの果てに、『ガバガバじゃねーか』とか言うの!超ムカついたし!」  
「どんなのだったの?」  
「こんなもん!」  
「アイシャ!小指で表すのやめて〜」  
「本当、ろくな男いないわよね」  
「ほんとね〜」  
 
「あっでもね、前、貴族の…アルベルトっていたじゃん?実は彼と寝ちゃったんだけど、これがなかなかよかったの!」  
「………」  
「………」  
「どしたの?」  
「私も寝た」  
「私も」  
「うそ!?」  
「なんかすごい自分の不幸をアピールしてきてさ、寂しいんです、僕は独りだとか言って」  
「それ、私も言われた!この傷を癒してくれるのは君だけだ、とか言って」  
「そうそう、それであなたを見ると姉上を思い出しますとか言って甘えてきたわよ」  
「で、なんかやっぱり僕は強くなりたいとか言って1人で去っていった」  
「私には、殿下が呼んでるとか言って」  
「これはやられたわね」  
「今度会ったらボコボコね」  
「それより、今日アルツールで話しかけてきた男の人、なんだったんだろうね」  
「ハゲの人?」  
「名前、もう忘れたわ」  
「そうそう、ハゲの人」  
「なんか『もうこれ以上殺さないでくれ』とか言ってたわね」  
「意味不明だよね」  
「それとか『前は髪はフサフサだったのに今回は…』とか言ってたし」  
「変な人ね」  
「うん、しかもなんか私達が通り過ぎたあと、金髪の女戦士にボコボコにされて剣奪われてた」  
「可哀想な人…」  
「彼、不運そうな顔してたもんね」  
「ほんと、ろくな男いないわよね」  
「本当ね」  
「だよね〜」  
「さ、今日はこれくらいにしてもう寝ましょうか」  
「話し出したらキリがないわね」  
「明日こそステキな彼に巡り会えますよーに」  
「おやすみー」  
「おやすみなさい」  
「おやすみ〜」  
 
 
 
おしまい  
 

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