「こっちよ」  
下水の細いパイプを渡りきると、私はゆっくりと後ろを振り返る。  
そして目の前の光景をとらえた瞬間、私の背筋を寒気が走り抜けた。  
いつの間にか鳥の巣頭が私の正面にたどり着いて、  
私の太股をいやらしい手つきでなでまわしていたのだ。  
(嘘…っ!)  
咄嗟に現実を拒否するように、きつく目を閉じる。  
が、太股を好き勝手に這いまわる温かい手の感触は、それが夢ではないことをしらしめてくる。  
(嘘、嘘…やだ…っ…どうしよう…)  
体が強張って動かなかった。  
鳥の巣は私がスタンしたと思っているようで――抵抗するタイミングが、掴めない。  
 
「あの、もっと触りたくなってきたんだけど…おっぱい揉んでもいいかなあ…?」  
鳥の巣はあさっての方向を向いて一人呟いた。  
(そんな…っ!)  
私はそっと薄く目を開けて鳥の巣の様子を窺う。  
鳥の巣の左手は相変わらず私の太股を撫でさすっているが、  
息を荒げながら空いた右手を私の胸に手を伸ばしてきた。  
(いや…っ!)  
鳥の巣はヒーロー系のような熱血漢そうな外見に似合わず、そっと優しく胸に触れてくる。  
下から乳房を五本の指でくすぐるようにされ、ぞくっと体が震えた。  
飽くまでも優しくゆっくりと、乳房を持ち上げるようにしながら全体を揉みしだいてくる。  
「う〜ん、でかい!」  
 
(ん…あぁ…っ)  
恐怖と嫌悪感に混じって、腰の奥から甘い痺れが沸き上がってくる。  
左手も太股を撫でるだけではなく、指一本だけをつうっと這わせたり  
膝のあたりを優しくくすぐったりと、妙に…触り方が、いやらしい。  
敏感な内股を、乳房を、鳥の巣の指がゆるゆると這いまわり、  
渇いたからだに水が染み込むように、ぞくぞくと全身に快感が広がっていく。  
 
(ん…はぁ…は…あ、ん…っ)  
 
「あんた一体なんだ、その格好は?  
紐パンなんか履いてふざけてるのか!」  
鳥の巣の指が下着越しにゆっくりと繁みのあたりをなぞり、  
私はびくっと体がはねそうになるのを必死で堪える。  
なんて、なんていやらしい指の動きなのだろう。  
恥丘を円を描くようにゆっくりと撫でられ、私は腰がくねりそうになるのを必死で堪える。  
 
(やれるかアルカイザー!?おっぱいをやれるか!)  
鳥の巣があそこの周辺をつんつんとつつきながら、一人自問する。  
 
「変身!!」  
そう叫ぶと鳥の巣は容赦なく私のキャミを引き裂いた。  
上半身を隠す手段がなくなり、鳥の巣の大きな手が胸を包み込んだ。  
 
(ぁ、ん…ッ!!)  
 
手のひらがさわさわと乳房の外形をなぞり、緩やかに乳首が刺激される。  
(や…乳首、だめ…っ!)  
その間にも左手は内股の弱いところを撫でさすってくる。  
鳥の巣が胸をさわさわするたびに人指し指から小指までが順々に乳首を刺激して、  
その度に甘い快感の電流がぴりっと体を走った。  
私の表情を窺いながら指先で軽く乳首をひっかくようにしてくる。  
器用に動く指に、息が荒くなるのがもう押さえられない。私はきゅっと眉をよせて必死に声を殺す。  
体が熱い。鳥の巣につままれた乳首が、触れられそうで触れられないあそこが、とろけそうに熱い――。  
 
「これは武器だぞ。 こっちもだ。 まさか、これ全部か!」  
鳥の巣がにやにやと笑いながら、あそこの割れ目を下から上にすうっとなぞった。  
途端にびくっと体がはねる。  
明らかに鳥の巣は反応を楽しむようにしながら、割れ目を指一本で何度もなぞってくる。  
体がぞくぞくと震え、もう少し強い刺激を与えられれば今にも喘ぎ声が漏れてしまいそうだ。  
そして執拗に乳首をつまんですりすりと擦ったりゆっくりと揉んだりしてきて、  
上から下から交互に与えられる快感に、私はもうおかしくなりそうだった。  
 
ふいに、鳥の巣の指が止まる。  
もどかしい…もっと、もっと気持ちいいところに触れてほしい…。  
欲望に流されるままうっすらと目を開けて鳥の巣を見ると――  
目が、合った。  
反射的に目を閉じてももう遅い。あいつは私が感じていることに気付いている――。  
鳥の巣はふっ、と鼻で笑うと、突然指で下着越しにクリトリスを押し上げた。  
「んぁ…っ!」  
突然襲ってきた強烈な快感に、私は思わず高く喘ぎ声をあげていた。  
 
「よし、リージョン進入準備だ。」  
 
鳥の巣の意図に気付き、私の体は震えた。これから起こることへの恐怖と、それから期待に。  
鳥の巣の両手の指が紐パンの紐にかかり、するりと紐が解けたかと思うと、  
前の布が落ちてあそこが露わになった。  
 
「すっげ、見ろよ。ブラッククロスより大事件だ!」  
鳥の巣の指がぬるぬるをクリトリスに塗りつけるようにする。  
「あ、ぁん…っ!」  
「乳首もさっきからビンビンに尖ってやがる。こんな淫乱見たことねー…」  
気付けば私の目線の真下に鳥の巣が来ている、そして舌が敏感に尖った乳首のまわりをなぞる。  
「ふ…あ、あぁ…っ!」  
これほどまで愛撫されるなんて生まれて初めてで――気が狂いそうな快感が次々と背筋を駆け抜ける。  
もう、ここが下水道の中だなんて考えられなかった。  
 
遠くから息を呑んで見つめる不定形生物や両生類の視線。  
そして鳥の巣のはぁはぁという荒い息、  
私の恥ずかしいところから響くくちゅっくちゅっという粘着質な音、そして、私の止まらない喘ぎ声。  
「ん…はぁ、いやっ、あ…あん…ッ!」  
鳥の巣の指はクリトリスを優しく、時に激しくリズミカルにこすりあげてくる。  
太股がひくついて腰が揺れる。乳首をちゅぱちゅぱと音を立てて吸い上げられると、  
また私の声が一際高くなる。  
 
「あ…ああっあん…やあぁ…ッ!」  
鳥の巣がちろちろと乳首の先を舐めながら、  
「ああ…やべー…我慢できなくなってきたかも…」  
ぼそりと小さな声で呟いた。  
次の瞬間鳥の巣はジッパーを下げ、ギンギンに勃起したものを掴み出すと、私の手にぎゅっと握らせた。  
そして私の手に自分の手を重ね、その太く硬いものを扱きだす。  
まるで熱い鉄の棒を扱いているような感触に、頭がくらくらした。  
 
「・・・ もっと詳しく教えてくれ!」  
 
鳥の巣はそう言ってしゃがみこんだ。  
絶え間ない快感が途切れてほっと息を吐いたのもつかの間、  
鳥の巣は獣のような勢いであそこにむしゃぶりついてきた。  
 
「やあああああっ!!はぁん…ッ!」  
 
ハアハアと荒い息があそこに当たる。舌が素早く動いてクリトリスを舐め上げる。  
「ふぁ…ああぁ…ッ!」  
そして、太い指があそこに当てられたかと思うと、ぬるぬるとゆっくり中に挿しこまれた。  
私のあそこはそれを待ち望んでいたかのようにきゅうっと締め付けて離さない。  
指がゆっくりと曲げられると、それは私の一番敏感な部分を直撃する。  
「や、ああぁ…だめ…っあぁ…ッ!!」  
鳥の巣はゆっくりともう一本指を沿わせて挿入すると、一番弱い部分を押しこするようにしながら中で指を動かしてくる。  
クリトリスを激しく舐め上げる舌も少しも動きを弱めず、指でぐいぐいと弱いところを刺激され、  
狂おしいほどの快感に翻弄されながら勝手に背中が反っていく。腰のくねりが止まらない。  
「はあん…っあ、ああ…だめ…ッもう…あっ、ああぁ――ッ!!!」  
脊髄を痺れるような快感が走り抜け――私は、達した。  
 
波のように襲ってくる快感と共に腰が何度もびくびくと痙攣し――そして、私は一気に脱力した。  
「ぁ…はぁ…っ…はぁ…っ」  
鳥の巣はにやにやと笑いながら、ぐったりして浅い息をする私の姿を見つめている。  
 
「・・・ お前はよく我慢したよ」  
 
「だがそれは間違った我慢強さだった」  
鳥の巣がふいに私の乳首をきゅっとつまんだ。  
「あぁん…ッ!」  
いったばかりで全身敏感になっているところに強い刺激をくわえられて、私は反射的に甘い声を漏らしてしまう。  
「…まだまだ足んない、みたいだなあ?」  
鳥の巣の力強い瞳が、きらりと妖しく輝いた。  
 
「必ず、正体を暴いてやる!!」  
鳥の巣はまたさっきのように私の正面に立つと、屹立したそれを扱いてみせた。  
力強く逞しい印象通り、それは生々しく血管が浮いてカリが高く張っている。  
あまりのいやらしさに、私の背筋をぞくぞくと震えが走った。  
鳥の巣は私の足首を両手でぐっと掴むと、一気に大きく開かせる。  
鳥の巣のモノの張りつめた先端が、私のクリトリスにぐっと押し当てられる。  
「あっ…やん……っ!!」  
鳥の巣は軽く腰を動かして、モノの先でクリトリスをくにくにと嬲ってくる。  
「はあぁ…っ!」  
粘膜と粘膜がこすりあわされる刺激に、私はそれだけでまた達してしまいそうだった。  
…欲しい。中に、熱い塊が、欲しくてたまらない――。  
 
「や…あ…あぁ……っ」  
 
ぬちゃり、と先端が濡れそぼった入り口にあてがわれ、  
ずぶ、ずぶ…とじらすようにゆっくりと挿入されていく。  
十分すぎるほど潤っているそこは、襞を肉棒にひくひくと絡みつかせながらそれを受け入れる。  
もっと、奥…もっと…とばかりに、私は喘ぎながら腰をゆらめかせる。  
私に理性はほとんど残っていなかった。この異常な状況に、痺れるような興奮を味わっていた。  
 
「あ、んんん…っ!」  
ついに最奥までいっぱいに挿入され、私は嬌声をあげた。  
「すごいッ……ぬるぬるで…やばい…締まる…っ」  
その声と同時に、鳥の巣は思いきり腰を突き上げた。  
「あ、ああぁ…ッ!」  
激しい突き上げが繰り返される。何度も、何度も、深く、深く。  
高く張ったカリが中の一番いいところを何度もこすり、粘膜から気が遠くなるような快感が沸き上がる。  
気持ちがいい。何も考えられない。  
頭が真っ白になるのを感じながら、私は首を打ち振り腰を淫らに動かす。  
 
「いいっすねえ、気持ちよさそうで」  
遠くでクラーケンが羨ましそうに呟くのが聞こえた。  
でも私はそんなことに構っていられない。ただ声をあげ腰を振って鳥の巣の動きに応えることしかできない。  
「ああ…もう最ッ高…たまんねーよ…っ」  
体を内側から揺さぶるような突き上げを繰り返したまま、鳥の巣はうわごとのように呟く。  
 
「終わったら俺にもやらしてくださいねー」  
ふいにゼラチナスプランターの間の抜けた声が下水に響く。  
 
「分かったって…お前いいもの持ってたろ…あれ、使ってやれよ…っ」  
「あ、そういえばそうでしたっけ…忘れてました」  
声は聞こえているのに、夢の中の言葉のように意味が伝わってこない。  
――いいもの…使ってやる…?  
 
瞬間、乳首に電流が流れるような快感が走った。  
「あ、あんっ…やあああぁ…ッ!!?」  
視線をやれば、鳥の巣が乳首に雷の結晶を押し当てている。  
「ふあ…あっあ…あっ、あ…やぁ、――ッ!!」  
深い突き上げと相まって、声も出せないような衝撃だった。  
一気に体が燃え焼けるように熱くなり、私の腰がぐうっと持ち上がって痙攣した。  
突き上げられる。またびくびくっと体が痙攣する。いってもいっても止まらなかった。  
「――ぁ――ああぁ――ッ!!」  
また奥まで突き上げられ、そのたび私の体はびくびく痙攣する。  
うねるような快感に身を任せ、私は体の中に熱い飛沫が放たれるのを感じながら意識を手放した。  
 
「ひあ……ッ!!」  
すぐに意識を取り戻したのは、クリトリスに雷の結晶が押し当てられたからだ。  
「だめェッ…あっあっあ…ッ!」  
おかしくなりそうなほど何度も達したというのに、私の体はまた貪欲に快楽を貪っている。  
薄く目を開けると鳥の巣が再び私を犯そうと待ち構えているのが見えた。  
片手で雷の結晶を使い、片手で極太のアレをしごきあげている。  
それはいっぱいに膨張しきっているようで、先端には先ほどの陵辱の痕跡が光っていた。  
 
「異常よっ!あなた異常よ!!」  
あまりの快感の連続に、私の残ってた理性が悲鳴を上げた。  
「それ以上喋ったらおまえをぶっ壊す。いいか、俺の体から離れるなよ。離れたらぶっ壊す」  
ぐちゅっとそれがあそこに押しあてられ、今度は一気に奥まで突きあげられる。  
「ああ…あああぁん…ッ!!」  
興奮した鳥の巣の挿入はさっきのそれとは段違いだ。  
だが無理矢理押し広げられるような感覚も、今は快楽にしかならない。  
クリトリスから響く強い振動とシンクロするように激しい律動が繰り返される。  
 
「あっんっあ…あああ…っ!」  
鳥の巣が乳首をつまんできた。三点を同時に攻められて、私はびくっとしてまた達してしまう。  
中が収縮するとモノの硬い感触を一層生々しく感じて、また快感が増幅して、また中が収縮して――。  
「はあ…ああぁ、あああん…ッ!」  
ふいに、強い尿意のような感覚が襲ってきた。全身にさっと汗をかき、いけない、と思ったときにはもう遅い。  
「あ、あ、は…ああぁ…ッ!ダメッ!!あっ、あっ、ダメーーーっ!!」  
じゅわっとあそこに熱が広がったかと思うと、勢いよく熱い液体が吹き出てくる。  
その間も鳥の巣は動きをとめず、ぐちゅっずちゅっと奥まで突き上げてくる。  
「いやぁ・・・あぁッ…やあああぁ――ッ!!」  
そう叫んだ私はまた深く深く達し、快楽の余韻に打ち震えたまま鳥の巣の胸に突っ伏した。  
 
そんな事が何度繰り返されたのだろう。  
私が最後に意識を失い、目を覚ましたときにはもう裏通りの出口近くだった。  
全裸にブーツという異様な姿ではあったが、呼吸する度静かに揺れる私の胸には  
唾液も精液も付着した痕跡を残していない。  
下半身の汚れもきちんと拭かれていて、さっきこの近くであんなことが起こっていたとは誰にも分からないだろう。  
しかし、私の腰のあたりにはまだ強烈な快感の余韻がたゆたっている。  
 
「ひッ……あ、ああッ……いやぁ――ッ」  
突如熱く火照った感覚を肛門に受け私は立ち止まった。  
私は歩くことも出来ず、思わずその場にしゃがみこんでしまいそうになった。  
 
(あ、ああっ……いやッ・・・私の身体に何をしたの……ああ、あ……)  
その間も私の肛門の中で火照った何かは、淫らな振動を発した。  
先ほどまで鳥の巣に撫で回されていたお尻を硬直させながらも私は震える指先で  
肛門を探り当てた。  
快楽の続きを待ち望む身体が反応し思わず仰け反った。  
 
「あ、あ・・・・・あむ・・・・・・ひィッ!!」  
すでにふっくらととろけていた肛門はすんなりと指を受け入れた。  
私・・・また、オトコのことを・・・淫らな妄想は留まることをしらなかったが、  
たちまち指の付け根まで沈むと、指先に何かが感じ取れた。  
とろとろの液体が内股から流れ落ち、ブーツを伝って足元にシミを作っていく。  
鳥の巣に犯されていたときよりも激しい恥辱を感じつつ、嬌声をあげることだけは  
必死にこらえて、キリキリと歯を噛み締めた。  
異物が肛門から出るぬぽんという音に私は耳の先まで赤くなるのを感じた。  
 
取り出された紅炎石には一件のメッセージが――  
 
ここを通るには、通行料ってやつが必要だ。100クレジットにまけといてやるぜ  
 
――背筋が寒くなった。  
この先起こる出来事に対して、予測が外れることはないだろう…。  
静寂の中、私はゆっくりと――そう、傍から見ればスローモーションのように  
ゆっくりと視線をあげた…。  
 
「う、うそ・・・あ…あぁっ・・・・こんなことって……!!」  
 
物陰からこちらを見つめる視線があった。少なくとも一対の視線だけではない。  
灼けつくように、そして粘りつき絡みつくような視線がそこにはあった。  
そしてその視線の持ち主たちは視覚ではなく触覚で私を確かめるために近づいてきている。  
 
ああ、それなのに――この、子宮から沸き上がる期待感は一体何なのだろう。  
 
私はふらつく脚に力を入れて立ちあがる。  
もうすぐ、終点だ。  
 

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