「・・・どうやら私の虜になりたがっているのはあの男だけではないようですわ・・・」
そう言ってロックブーケはねっとりとした絡みつくような艶めかしい視線を
私の隣にいるインペリアルガードへと向けて送った。
インペリアルガードの方を見ると、口を半開きにして涎を垂らして恍惚している。
先ほどの格闘家を誘惑するロックブーケの姿を見たせいなのだろうか?
それとも、術の効果が格闘家だけでなくインペリアルガードにまでとどいていたというのか。
「・・・ほら・・・いいのよ・・・こっちに来て・・・」
ロックブーケはいやらしく舌を舐めまわしながらインペリアルガードを誘ってきた。
インペリアルガードも、フラフラとロックブーケの方に歩いてゆく…
「駄目だ!そっちいっては駄目だ!」
私は、インペリアルガードを引き止めよう声をかけた。
しかし、その声はもはやインペリアルガードの耳にはとどいていなかった・・・
「・・・フフ・・・あなたもいい子…いい子にはゴ・ホ・ウ・ビをあげなくっちゃ・・・」
ロックブーケはインペリアルガードを抱きすくめつつ、その股間の方へと手を寄せる。
そして、鎧の隙間から中に手を伸ばしてインペリアルガードのものをいじくり始めた。
「・・・ああっ・・・ああ・・・あっ・・・」
インペリアルガードは喜びの感情がこもったうめき声をあげている。
ロックブーケはその手をゆっくりと動かしながら、先ほどと同じようにインペリアルガードの耳元に囁いた。
「・・・フフ・・・立派な槍じゃない・・・
・・・ほら?よくお聞き。あそこの男共・・・よく知っているでしょ・・・
・・・私、あいつらにいじめられて、ものすご~く困っているの・・・
・・・だから、オ・ネ・ガ・イ・・・あいつらをやっつけて・・・
・・・そうしたら・・・もっと、も~っとゴ・ホ・ウ・ビあげちゃう・・・」
そういって、ロックブーケは手の動きを早めつつ、インペリアルガードの耳の辺りをひと舐めした。
「・・・あっ・・・ああっ・・・」
インペリアルガードがこれ以上に無い至福の表情を見せる。
至高の快楽に身を寄せて、その喜びを全身で受けているかのようだ。
「・・・さあ、あなたもお行き・・・」
インペリアルガードを自由にしてやると、ロックブーケはそう冷たく言い放った。
快楽から解放されたインペリアルガードは一見、正気に戻ったかのような冷静な顔を見せたが、
その槍の矛先は明らかに皇帝達に向けられていた。
「くっ・・・お前もか・・・」
インペリアルガードの槍の一突きをとっさ避けるホーリーオーダー。
術にかかっているとはいえ仲間である彼らを倒す事もできず、
ただその攻撃を受けるか避けるしかできなかった・・・
「ホホホホ・・・いかがです、陛下。仲間に裏切られいたぶられる気分は?
でも、大丈夫。すぐに陛下も同じように幸せにしてあげますわ・・・」
「・・・ええいっ、黙るんだ!私は皇帝だ!化け物になど屈してはならぬのだ!」
ホーリーオーダーは必死に罵声を上げつつ、自身にこみ上げてくる邪心を打ち消していた。
しかし、そんな努力をあざけ笑うかの様にロックブーケは次の得物に手をかけようとしている。
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