比較的穏やかな地中海気候に恵まれた都市、モウゼス。  
町の中央に位置する井戸の中に隠されるといわれる魔王の遺産を巡り  
南北に玄武術士ウンディーネ、朱雀術士ボルカノの一派に別れ長い間争いを繰り広げていた。  
しかし数ヶ月前、世界を救ったとされる英雄たちがこの町を訪れたことで  
その状況にも変化があった…  
 
「ちょっとボルカノいないの?調合用の薬品切れちゃったから  
少し分けてくれないかしら?」  
「…何のようだ」  
ここは町の南側にあたる朱雀術士の館の最上階、町を一望できるベストスポット…  
なのだが、せっかくの景観を隠すように遮断光布が張り巡らされ  
壁を埋め尽くすように棚がそびえ立ち部屋のところごころには怪しげな呪符が貼られている。  
研究道具や書物などもごちゃごちゃと散乱し一種のカオスな空間ができあがっていた。  
この部屋の持ち主、ボルカノによって。  
 
「関係ないな。私に聞きにくる暇があったら自分で採りにいってはどうかな」  
「何よ、性格悪いだけでなく心も狭いのね。あなた私に負けたくせに」  
「うるさい!!そのことを持ち出すな!」  
そうなのだ。長きに渡った争いは英雄たちが介入し片方を制圧したことで一気に進展した。  
英雄たちはウンディーネ側に加担しボルカノの館に乗り込み、  
大暴れするは館の財宝は盗むはで、じゃまする者はそれはもうぼっこぼこに袋叩きにし  
かくして館は半壊しボルカノを慕う弟子たちも怪我人が全体の80%を占め  
ボルカノ率いる朱雀術士たちは壊滅状態になった。  
それ以来ウンディーネはあの略奪者たちに手を貸し協力的に接したのに対し、  
結果的に世界を救った英雄にボコられたということがボルカノの立場を居づらくさせていた。  
 
『もう術士たたみますか?たたみませんか?』まで話しはすすんだが  
せっかく持った自分の城、もとい館をボルカノは手放すことが出来なかった。  
幸い弟子たちも残ってくれ今はこの玄武術士による度重なる嫌がらせに耐えつつ  
細々と研究を続ける日々を送っていたのだった。  
 
そんな中ウンディーネはボルカノと顔を合わせるたびにくすくすと嫌味をはいた。  
それも古傷に火星の砂を刷り込まん勢いで。  
「ねぇ、いいじゃない私が研究することで貴方の研究内容も進むかもしれないわ」  
「何を白々しい。大体専門分野が違うと真っ向から跳ね除けたのはお前の方だ」  
「まぁ今時そんな古臭い実験やってるのあなたぐらいなもんよねぇ。  
話しても無駄ね、もういいわ勝手に貰っていくわ」  
そういい薬品のビンが置いてある棚に向かうと勝手に吟味し始めた。  
「おい勝手にいじるな!」  
「後で返すわ。とにかく今すぐ必要で時間がなのよ」  
ボルカノの忠告を無視しためつすがめつビンを手に取るウンディーネに  
さすがにボルカノも堪忍袋の尾が切れ、術の印を切り詠唱をはじめる。  
 
「もう我慢ならん!」  
「何よ、やるっていうの!」  
対するようにウンディーネも詠唱を開始する。部屋は二人の術気で溢れビリビリと空気が震えた。  
互いに術を放つと凄まじい轟音が響く。  
しかし防術対策が施してあるためこの部屋から術や音が漏れることはないし誰も気づかない。  
仮に気がついたとしてもボルカノの怪しい研究によりこの部屋から轟音が発せられることは日常差万事なので  
いつものことかと気に留めないだろう。  
まるで子供のケンカのようにギャーギャーと騒ぎながら二人は争った。  
しばらく均衡状態が続いたが、二人とも疲れが出てきたのもあり  
勝負を決めようとウンディーネは大きな術を発動させるため複雑な詠唱を試みる。  
その隙を見てボルカノは術を放った。  
「バードソング!」  
「くっ!」  
よろめいたウンディーネに素早く近づくと背後から腕をつかみ拘束した。  
その際抵抗したウンディーネの手が近くの台にあたりビンや器具が音を立てて床に落ちたが  
そのことにも注意を払わずボルカノはウンディーネを睨みつける。  
「勝負あったな…!」  
 
パンッ!と乾いた音がしてボルカノがのけぞった。ウンディーネのビンタが決まったのだ。  
「…!」  
腕をほどくことができ勝ち誇るウンディーネに今度こそ本気で切れたボルカノは  
振り払われた腕を引きずり込み床にうつぶせに押し倒した。  
「女のくせに調子にのるなよ…!」  
ウンディーネの腕を片手でねじ上げたまま腿が見えるほど深く開いたスリットに手をさし入れ  
足の付け根のあたりを軽くなで上げる。  
っ!ウンディーネがびくんと反応したのを見るとボルカノはニヤニヤと笑い毒を吐く  
「どうしたんだ?もしかして感じたのか?」  
「…こんなのに反応するわけないでしょ。それともこんなので満足させたつもり…?」  
負けずに言い返すと、ボルカノはウンディーネを仰向けにして腕は頭の上で一まとめにし  
ウンディーネにのしかかった。  
「フン。減らず口も叩けないくらいヒィヒィ言わせてやるよ。若い男の精を吸い取って  
老いた体を隠しているんだろう?だったらせめて俺を気持ちよくさせるんだな」  
「やっと本性を現したわね…望むところよ…!」  
それを聞くとボルカノはウンディーネの唇に荒々しくむしゃぶりつき  
ウンディーネもそれに対してボルカノの口に舌を進入し絡ませた。  
相手を食らうように強く口をふさぎ合い、先ほどの炸裂するような音とは打って変わって卑猥な音が部屋に響き渡る。  
「ん…うぅン…あ」  
「…ん…ン…くっ…」  
二人とも元来負けず嫌いな性格のため行為は激しくなり次第に息が上がってきた。  
 
ようやくボルカノがはっ…っと息を吐き顔を持ち上げ大きく空気を吸い込んだ。  
ウンディーネも同じで顔をほのかに赤く染めながらはぁはぁと呼吸を繰り返し  
そのたびにウンディーネのたわわな胸が大きく上下し揺れるのを見て、ボルカノは  
惹かれるようにそれに手をかける。  
適度に弾力があり手のひらに収まりきらないほどの大きさだったが  
やわやわと揉みこむとウンディーネがあッ…とかすかに声をもらした。  
片手だけで触っていたがもう必要ないと判断し腕の拘束を解き、両手でウンディーネの  
胸を蹂躙し始めた。  
 
「ふぅ…うふふ…布の上からで楽しいかしら朱雀術士さん…」  
「自分ばかりが気持ちよさそうでは話しが違うな。お前も俺をどうにかしたらどうだ」  
それを聞いたウンディーネはくすっと笑うとボルカノのスーツに手をかけ  
首のタイを解きシャツのボタンをはずし前を開く。するとひきしまった上半身が露になった。  
「まぁまぁ鍛えてるのね…」  
そこに手を這わし反応を楽しむ。ウンディーネの手つきにボルカノの手は一瞬止まったが  
さっきよりも強く胸を刺激した。  
ウンディーネの手がさらに下に伸びボルカノのベルトを外そうとしたが  
それを阻止しウンディーネの背中に手を伸ばしホックに手をかけた。  
そのまま下に引き、ドレスをずるりと剥ぐと蝶がさなぎの殻をやぶり抜け出てくるように  
溢れんばかりの胸やほどよくしまったくびれ、官能的な色に染まった成熟した体が  
目の前に現れその光景に思わず息を呑む。  
「それでどうしてくれるの?」  
その声に吸い寄せられるように喉元に吸い付き火花を散らすようにしるしを残す。  
手に触れるしっとりとした素肌の感触に見せられ愛撫もさらに激しくなった。  
「あっあぁン…!」  
熱をもった息にそろそろ互いに限界が近くなりボルカノはウンディーネのショーツを  
剥ぎ取り、そこに指を押し当て軽くかき回した。  
「あ…っっ」  
ひくひくと反応するウンディーネを尻目にピチャピチャと水が溢れ出るそこに  
浅く指を入れながら親指で核を練り遊ぶ。  
ずっと指を埋めると内壁がボルカノの指をきゅうきゅうと締め付けさらに行為を促すよう強請った。  
「いやらしいな…」  
嫌味を言っても与えられる快楽に従ってるのかウンディーネは言い返さず、  
指を2本に増やすとひときわ高い声を上げた。  
「ッふ……んんぁぁぁぁ…!」  
絶頂を向かえ体が大きく反り指をくわえ込んだ中がぎゅっとしまる。  
「あっ…あッあぁ…」  
荒く息をはいて果てたウンディーネを見てたまらなくなったボルカノはベルトをはずし  
はちきれんばかりに固く熱をもった自らを出しウンディーネの中に挿入した。  
 
ボルカノをむかえそこは窮屈に伸縮を繰り返す。  
「っぁ…。動くぞ…」  
ウンディーネの足を抱えボルカノは体を大きくスウィングした。  
はじけるような水の音に顔を赤くし快楽に体をゆだねる様子は  
ウンディーネの水を操る術士という肩書きをとても卑猥に聞こえさせる。  
「あぅ…あッあッあッあッ…」  
「は…出…すぞ…!」  
ドクッドクッとウンディーネの中にはき出すとボルカノはずるずると自身を抜き出した。  
一緒に果てたらしく体を震わせているウンディーネの横にどかっと倒れこみ  
ふーっと息を吹きしばらく瞑想しているとウンディーネがボルカノの下半身のほうに移動するのを感じた。  
「いっぱいお世話になっちゃったわね。お返ししてあげるわ」  
「!?…おい…!」  
そうするとボルカノのそれを手に持ちゆっくりと摩り、ぺろぺろと丹念に舌で舐めだした。  
「くそッ…」  
動転するボルカノに気分を良くしたウンディーネは愛撫を加速させた。  
これにはボルカノもたまらず果てたばかりの自身はすっかり元気をとりもどしていた。  
さらに手だけに飽き足らず胸をたぷたぷと揺らし挟み込んで奉仕するウンディーネに  
ボルカノは下半身に血がたぎってきたのを感じあわててウンディーネを引き寄せる。  
「もういい。入れさせろ」  
「命令は聞かないわ。今度は私の番かしら」  
ウンディーネはボルカノに跨ると騎乗位で自らの中にボルカノを導き体を揺すった。  
「はッはッはッ…はッ…気持…ちイイ…でしょう…?」  
揺するたびにウンディーネの胸が大きく弾み、そのテンポがどんどんと速くなっていく。  
ボルカノも動きにあわせて下から突き上げた。  
「んッんッ…!あ…あぁぁぁぁぁぁ…!」  
「あぁ…!」  
二人の頭の中に白い閃光が走り同時にがくんと快楽の最奥に引きずり落とされた。  
力尽きボルカノの上に倒れこむウンディーネを受け止めボルカノはぽつりとつぶやいた。  
 
「ばあさんにしてはよく動くじゃないか…。まぁ全然今ひとつだけどな…」  
それにぴくっと反応しウンディーネも言い返す。  
「ええ…そうねまさかまだまだこの程度で終わりじゃないわよねぇ…」  
二人の間に火花が散った。  
「…今言った言葉後悔させてやる。明日は腰痛で苦しむんだな!」  
「ふん。あなたこそ私に骨抜きにされて再起不能になるのね!」  
繰り返し言うが二人は元来気が強い。情事のあとのけだるい空気は一瞬にしてとりはらわれ  
敵意むき出しの見えない圧力が二つ膨れ上がった。  
 
こうして互いに引かずやりあった結果、ウンディーネが帰って来ないことを不審に思った  
玄武術士がボルカノの館に押しかけ、しらないといいはる朱雀術士と  
日ごろよく思っていない両者は口論の末自分たちの師匠と同じく(内容こそまた違うが)壮絶な争いを  
繰り広げるのであった。  
しかしそんなことがあった後日、何かにつけてウンディーネとボルカノは互いの館を行き来したそうな。  
合性が悪かったのかよかったのか、きっと二人とも別の意味での戦いを続けているんだろう…  
 
 
end  
 
 
 

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