コムルーン島の火山は皇帝によって静められた。島民は皇帝を称えて帝国  
の臣民となった。火山島の町が皇帝賞賛に包まれていた。皇帝達はしばらく  
島にとどまる事にした。島民達の心からのもてなしを皇帝達は堪能した。  
 
 皇帝の近衛兵、イーストガードのレンヤが一人で歩いていた。シュウサク  
はまだ遊び足りない年頃だった。島民のもてなしもシュウサクには合わない  
物だった。そのシュウサクを商人風の男が追った。  
 「退屈なんじゃないのか。」  
 「何か面白い物があるの。」  
 「ああ。」  
 剣の腕も品行も近衛兵に選ばれた事が証明している。だがシュウサクに  
も隙があった。  
 
 二人が来たのは火山を研究していたあの怪しい魔道士の館だった。魔道士  
が変装を解いた。  
 「何故こんな事を。」  
 「他の方々には内緒にしたかったので。この姿で現れると島民も皇帝陛下  
も他の近衛兵の方も何か何かと聞いてきたがりますから。」  
 「それで、何か面白いものはあるの。」  
 「ああ、あるとも。」  
 魔道士がいやらしく笑った。  
 「シュウサクくん、君は女性が好きかね。」  
 「ええ、人並みには。」  
 それを聞いて更に魔道士が笑った。  
 「では、みだらな快楽に溺れている女性は好きかね。恥じる事は無い。」  
 「き、嫌いではないです。まあ、その、ええと。」  
 シュウサクが赤面した。魔道士はシュウサクと肩を組んで言った。  
 「実はね、君達の皇帝陛下、彼女が私にある依頼をした。どうも彼女は、清  
純そうに見えてそうでなかったようでな、触手を用意して欲しいと言ったのだ  
よ。それも、人間を性的に喜ばせるような触手をね。」  
 「そんな、まさかあの皇帝陛下がそんなわけがないです。」  
 「そんな事を言って、シュウサクくん、君はあの美しいアガタ陛下が色っ  
ぽく乱れる姿を想像してワクワクしてるんじゃないかね。いや、ワクワクして  
いるに違いない。実は今日も陛下が来ているんだよ。君には特別に陛下が触手  
で戯れているところを見せてあげよう。勿論陛下からは見えないように何も聞  
こえないようにね。」  
 シュウサクは黙ってうつむいた。  
 「来たまえ。」  
 
 シュウサクは魔道士に連れられて館の中を歩き回った。シュウサクが知らな  
い仕掛けで今まで見た事がなかった所を二人は歩き始めた。そして部屋に入っ  
た。  
 「ここがその部屋だよシュウサクくん。」  
 大きな部屋だった。部屋の端から端まであるカーテンで部屋は分けられて、カ  
ーテンの向こう側の様子は全くわからなかった。  
 「このカーテンを開けると、向こう側に特殊なガラスがあり、その更に向こ  
うに愛しのアガタ陛下がおられるわけだ。そして、そのアガタ陛下は触手でい  
やらしい遊びをしている。」  
 さも楽しげに魔道士は言った。そして紐に手をかけた。  
 「ではカーテンを開けるぞ。目に焼き付けておきたまえ。」  
 カーテンが開いた。魔道士が笑った。触手が飛び込んできた。  
 
 触手がシュウサクの首に、腰に、左足に巻きついた。一点の気のしまりもなか  
ったシュウサクは触手の最初の襲撃を全く防げなかった。だが次の瞬間皇帝とと  
もに戦ってきたイーストガードに戻った。剣を抜いて巻きついてきた触手を斬っ  
て離れる。だが新たにまた腰に巻きついた触手に引かれて体勢が崩れ、より触手  
の元の近くへ引き寄せられ、そして両手両足に触手が巻きついて身動きが取れな  
くなった。  
 「いかんねシュウサクくん。よりによって皇帝陛下のそんな姿を欲するとは全  
くもって不適切だ。特にただの臣民でなく近衛兵がそれではいかんよ。ところで  
どんな気分だね、触手で美女が乱れる姿を見ようと思って触手に捕らえられると  
いうのは。」  
 魔道士の嘲笑が後ろから聞こえる。シュウサクは剣を使おうとするが完全に動  
きが封じられている。  
 「さて、君には慰み者になってもらおう。勿論私のではない。懐が豊かな御婦  
人と知り合ってね、君の様な好男子が触手でいやらしくもだえる様が見たいのだ  
そうだ。勿論ただ君を何かと交換するわけではない。君は入り口だよ。君を始ま  
りとして彼女を段々と私の虜になるように罠を仕掛ける。そして多くの物を手に  
入れるつもりだ。彼女が来るまでは君の行動の自由を奪う程度で触手はそれの他  
に何もしないよ。人間を性的に喜ばせる触手と言うのは本当だ。まあ、その時が  
来たらわかるだろう。君の想像の中で触手に狂っていた皇帝陛下がどんな気分だ  
ったかがね。」  
 そこまで言って鈍い音がして魔道士が黙った。  
 
 魔道士の声に代わって鋭い声が響いた。シュウサクの主君の声だった。  
 「シュウサク!!頑張って!!」  
 「陛下!!どうしてここに!!」  
 アガタは触手を飛び越えなぎ払い、シュウサクの真下まで駆けつけた。そして  
シュウサクの剣を奪い取るようにして取って触手を切り裂いた。  
 「あなたが知らない人についてくのを見ちゃって心配になったの!!」  
 後ろを見ると魔道士が震えながらひざ立ちになっていた。だが力尽きたとよう  
に倒れた。触手が勢いよく襲い掛かってきた。  
 「きっと陛下を狙うように命令したんです!!」  
 「そうね、だから急いで部屋から出るのよ!!」  
 シュウサクの剣を振りかざし、シュウサクの手を引いてアガタは走った。その  
アガタめがけて飛んできた触手がまた切り落とされた。間もなく触手が届く限界  
を超える所に着く。そこでアガタの腰に触手が巻きついて引いた。  
 「あなたは逃げて!!皆を連れて戻ってきて!!」  
 剣をシュウサクの方へ放ってアガタが叫んだ。そのアガタの手足に触手が絡み  
つき、口を触手が塞いだ。触手がアガタに寄って行った。寄って行って、服の隙  
間から次々に侵入していった。  
 シュウサクは剣を抱えて歯を食いしばった。ここで町まで行ったら皇帝が触手  
嬲られるのは避けられないにしれない。だが今の疲れた自分では触手を倒せない  
かも知れない。シュウサクは陛下を助ける事にした。一動で助けれなければ自分  
達は触手の虜になる。シュウサクは一刀に全力をかけた。とっておきの強撃を出  
した。一気に触手を断ち切って二人は部屋の端にたどり着いた。  
 
 「陛下、ごめんなさい。実は。」  
 「全部聞いてました。」  
 シュウサクは床に伏して大声で謝った。  
 「あんな、あんなふしだらで無礼な事を望んで罠にかかって!!もう、もう!!」  
 泣き出しそうなシュウサクに優しい声をアガタがかけた。  
 「シュウサク、顔を上げなさい。」  
 シュウサクの前に、全裸になった。アガタが立っていた。思わずシュウサクが  
顔を覆った。そのシュウサクにまた優しい声をかけた。  
 「シュウサク、さっきの触手が気持ち悪い粘液を出していて、それが体中につい  
て気分が悪いわ。あなた、なめてきれいになさい。」  
 たじろぐシュウサクを今度は強く促した。恐る恐る、シュウサクはアガタの顔に  
口を近づけた。アガタは三十路だ。そして美しい。シュウサクにとって近くてしか  
し遠い存在だった。そのアガタに舌をつけた。  
 
 顔中を舌でなめまわした。シュウサクは胸が苦しかった。アガタの額にも舌を往  
復させた。こんな近くでアガタを見た事がなかった。息をするのが大変なほどにシ  
ュウサクはたかぶり、緊張していた。可愛らしいあごをなめた所でアガタが首から  
下へ移るよう言った。首をなめるとアガタがくすぐったいのを我慢して熱い息を吹  
くのが感じられた。喉をなめ、うなじをなめ、かすかに体を揺らすアガタに胸をな  
めるよう言われた。流石にシュウサクは躊躇したが、アガタは確かな口調でやるよ  
う命じた。  
 左胸に舌をつけ、上下に往復しながら徐々にずらしていった。アガタの吐く息が  
小刻みに、更に熱くなり、声が混じる。豊かな胸だった。その胸の上半分と下半分  
をなめ終わった後、アガタが意地悪く言った。  
 「まだ残ってるでしょ。先をなめなさい。先端を。」  
 シュウサクはつばを飲み込んだ。鼓動が激しくなる。ここをなめるのは他の部分  
とは意味が違うとシュウサクは思った。心のうちにある封印を勅令と言い聞かせて  
破り、胸の先を口に含んだ。  
 「そう、吸いなさい。」  
 吸われて、アガタが鋭い声を放って震えた。吸うたびに震えた。両方をぬめり気  
が無くなるまで吸った。アガタは次は腕と肩をなめさせた。肩をなめるとアガタは  
長い息を吐いた。二の腕のどうしても出てくるたるみを丹念になめ、ひじの裏側も  
なめ、前腕をなめた。手の平をなめるとこらえきれず笑い声を上げた。  
 
  アガタは腹部を指差した。シュウサクは右に左に舌を滑らせ、少しづつ下  
に下にとなめる部分を移動させた。ところどころ、少しくすぐったいのかア  
ガタの手が強張った。舌の往復は、ついに最も繊細な部分に達した。  
 「陛下。」  
 「やりなさい。」  
 座っていたアガタが立った。手を握り締めていた。シュウサクは今まで以  
上に慎重になめ始めた。アガタは興奮を隠さなかった。叫んでいた。手を硬  
く握り、腕を真っ直ぐに伸ばして叫んでいた。聖騎士の絶叫が部屋にこだま  
した。  
 
 シュウサクが足の指の先をなめ終わって口を離した。アガタが優しく微笑  
んでいる。まだ息は静まっていない。  
 「陛下、あの、ありがとうございました。」  
 「何を言ってるの。これはただの気まぐれの温情じゃないわ。無謀にも皇  
帝を大事にしたいばかりに、全滅して確実な逆襲を台無しにしそうになったあ  
なたへの恩返しなわけでもない。ただの身づくろいよ。」  
 そう言ってアガタが静かにシュウサクの頭をなでた。そして、触手の切れ  
端で縛っておいた魔道士を見た。  
 「陛下、どうしますこの賊は。」  
 「そうね、いい事を考えたわ。」  
 
 触手の部屋でまた触手が、アガタを襲った時ほど活発にではないが蠢いて  
いた。  
 「ほ、ほぎー!!あ、あくー!!ぴ、ぴぎゃー!!もっと!もっとだー!!」  
 あの魔道士が縛られたまま触手に全身をまさぐられて叫んでいた。しかし、  
快楽に身を任せるばかりで、後悔も恥も苦痛も何も感じさせない、完全に楽  
しんでいるとしか思えない様子だった。そもそも、触手を操れるのに全く触  
手の動きを止めていない。  
 「陛下、世の中は広いですね。」  
 「火山の人工大噴火を直撃させても死にそうにないわね。」  
(完)  
 

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