「ひぎぃぃぃーーーッ!!」
ツヴァイクの山中にある洋館の片隅で、暗がりよりなお黒い影が蠢いている。
それは巨大な植物の触手に絡め取られた女性の姿だった…。
上着は触手により引き裂かれ、形こそ保っているものの乳房という肝心な場所だけは剥き出しになっている。
加えてスカートこそ脱がされていないものの、履いていたショーツはすでになく、女体を弄りやす
いように故意に取り去られた風にも見えた。
腰に巻きついた触手から逃れようと、女性は卑猥なダンスを踊らされていた。
触手に女性が絡め取られているとなれば、まず淫らな秘め事を疑うのが人の常だろう。
そして事実、その女性――教授は植物の蠢かす触手に貫かれていた。
ただし女性器をではない。触手の潜り込む先は尻肉の間に息づくあえやかな蕾。
「ううっ…、は、放しなさ…あっ…、ああぁーーッ……!!」
触手が肛門内で蠢くたび、教授は柳眉をしかめて熱い息を吐き出して喘いだ。
白く細い指を触手に掛けるが、引き剥がすというよりむしろ愛撫しているように見える。
まだ多少苦痛はあるものの元々アブノーマルな嗜好をもつ教授のこと、すでにそれを遥かに
上回る快感を感じている。
「き、気持ちよすぎる……こ、このままじゃ……はぅぅぅッ!!」
ヒトの指より一回り太い触手が、何度も出入りを繰り返し、容赦なく腸内を掻き回す。
触手の先はイソギンチャクの口のように微細に分かれており、強烈な吸引や攪拌を想起させる。
そのような物に腸内を侵されるなどにわかには耐えがたかろう。
しかしすでに教授がそれを受け入れてからかなりの時を経ており、彼女の体内がどうなってい
るか、もはや外面からは知る由もない。
彼女の目はもう何度も地上を彷徨っていた。深い後悔の色と浅ましい欲望の色を込めて。
地上には除草剤がある。
一振りするだけで大木すら枯らしてしまう優れものだ。
しかしそれはあまりに遠く、腕があと二掻き分伸びたとしても手にする事は不可能だ。
教授に刺激を与えて揺さぶることが植物の狙いなのだろう。
彼女が大人しくなりそうなときは触手をその巨乳に伸ばし、巻きつけては執拗に乳首を責めたてていた。
生来くすぐり責めに弱い教授は顔を真っ赤にして、触れられた箇所をビクンビクンと大げさに反
応させて身もだえを続けた。
その裸身がシュリンプピンクに茹で上がり、汗にまみれる。
「あぁぁぁッ……へ、変態…変態なのね!!ひぁぁぁんッ……す、素敵ぃ……」
触手に絡み取られた教授の足元には、流された蜜でできた小さな水溜りと小刻みな振動を繰
り返すローターが散っていた。
植物は触手を伸ばすと、床にこぼれた愛液を吸い上げていく。
それ故に彼女に少しでも多く刺激を与えて継続的に蜜を出させるのだ。
教授は新しい研究の為、自らの両乳首、淫核そして菊門にローターをしていた。
研究そのものはローターともオナニーとも関係があるわけではない。
研究のため、集中力を高めることを目的としてオナニーをしたのだった。
「あぁん…私に…もっと私に快感に耐える意志力さえあれば……」
教授が一際大きく身体を痙攣させると、その手からカランとディルドーが落ちていった…。
教授を襲っている植物(正確には獣だが)は教授が作り出した生き物だった。奇面草…教
授は彼(?)にそう名づけた。
数日前、教授の館から四匹の生き物が逃げ出した。
もしかしたら奇特な人間が彼らを捕まえてくれるかもしれない、いや、きっとそうに違いないと
判断を下したのが間違いの始まりだった。
「ひッ…ミ、ミスジャッジだったわね……あぅぅッ!!それとも…ミスリードだったかしら……んんんんんッ!!」
この期に及んでどうでもいい考えに身をゆだねる教授。
奇面草はマコやバーニィたちと同じく、能動的にヒトを襲う事はあまりない。
だが食欲が覚醒している点は同じだ。彼の食物とは、もちろん女性の淫蜜。
便所の底に潜んでいた彼は、駆け込んできた教授のとろみをまともに顔面に受け、そして猛った。
その食物を食らい尽くそうと触手を伸ばし、初めに教授の肛門に押し入り、そして今に至る。
奇面草は絡め取った教授を祀り上げるように高く掲げていた。
その方が獲物に流させた蜜をすするのに都合がいいからなのだが、そのこと故に教授は空中
で満足な抵抗ができずにいた。
今の彼女にできる事といえば、排泄の穴を穿たれたまま細い脚をばたつかせる事だけだ。
しかし今また一つ新たな問題を教授は抱えていた。
小便がしたい…それも物凄く……いますぐに。
きっと排泄物が大好きな奇面草のことだ。小便なんかしたら喜んで尿道まで弄繰り回されるだろう。
「あぁぁぁ、そんなぁ……いくら私が美しいからって……黄金水まで欲しがるつもりなの……
ああっッ、スケベ……?」
妄想に興奮して耳朶を赤く染めた教授は、なんらためらうことなく小便を放った。
ちょろろろろ……。
激しい勢いで放たれた小便は放物線を描き落ちていく。
みるみるうちに床に大きな水溜りができはじめた。
教授は排泄後の安堵感と快感から蕩けるような視線で奇面草を見つめていた。
「さ、さぁ……あなたの大好きなお小水よ、私を降ろし…ひいッ!…んッ……んんぁぁッ……もう
お尻は勘弁してぇ……」
再開された肛門への責めに対して括約筋を閉めてみるが、まるで力が入らない。
奇面草は小便には興味を示さなかった、あくまでも主食は淫蜜だけ。
そして女性にそれを流させる刺激の与え方を彼は知っていた。
「くぅぅぅッ!!こ、これじゃ、ま…まるきり私、ただの…変態ッ!!そう…私は変態……」
教授の独白とともに蜜壷からはまた大量の液が溢れ出していた。
抵抗しようと括約筋を閉めた感触が気に入ったのだろうか、別の触手が妖しく蠢き、静かに押し入り始めた。
「…なッ!!そ、そんな急に!!……はあぁッ……!!」
菊門が一気に拡げられ、教授は苦悶とも恍惚ともつかぬ吐息を漏らす。
三十路の女が性器を剥き出して吊るし上げられ、不気味な蠕動を繰り返す触手でアナルを蹂躙されている。
「…こんな…姿、誰かに……知られたら…ひぐッ、……かはぁッ!!!!」
世界中の男がこの館に押しかけちゃう、と教授は指を咥えながら小さく声をあげていた。
菊門ばかりがゆるゆると嬲られ、丹念にほぐされて三十分が経過した。
教授は気息奄々だ。時折自ら気持ちよくなろうと蜜壷に手をやるが、その度に触手が腕に絡むと制止された。
涙目の教授が諦めてうなだれた、その瞬間に触手が伸びた。教授の――秘所に向かって。
「えっ……な、何よ、急に……きゃあぁぁぁッ!?!?」
教授はそれまで弛緩させていた手足を一気にピンと四方に伸ばして絶叫をあげた。
何と奇面草は器用にも触手の先端で、教授の包皮を割り開き、剥き出しになった敏感な肉珠を押しつぶした。
暴れだした肉感的な腰を逃がさないようにこれまで以上に触手はしっかり巻きつき、奇面草は教
授の膣口に食らいついたまま離れない。
溢れてきたあたたかな体液を触手の先端でジュルジュルと音を立てて吸い取り、グリグリとクリ
トリスを派手に刺激していく。
「はぉぉぉぉぉッ!!ら……めぇぇぇえええッ、死んじゃう!私、死んじゃうぅッ!!」
教授のあられもない絶叫が洋館に響き渡る。
股間に食いついた奇面草の触手はなんとか離そうとする教授の抵抗を寄せ付けず、クリトリス
の愛撫に熱中していった。
上着とスカートが引き裂かれた。
生まれたままの姿にされた教授の両手両脚に触手が絡みつき、大の字に広げられた。
前後の穴を一斉に責められ、教授にはもう余裕の欠片も残っていなかった。
大きく開いた両脚が幾度となく痙攣し、それに合わせて秘所からとろとろ密が流れる。
太腿からふくらはぎ、足首を伝い指先へと半透明の軌跡が描かれていく。
「……ひいぃぃぃッ!…ぐ……うぐぅッ!」
汗にまみれ、ほつれ毛を首筋に張り付かせたまま教授は不自由な肉体を折り曲げようと試みる。
蜜壷に潜り込んだ触手が一度収縮したか突然ねじれを加えながら膨張する。直腸内の触手の動作も同時だった。
薄皮一枚隔てた衝撃は瞬時に教授の理性を消し飛ばした。
「あッ――、……ッああぁぁぁあああああ――ッ!!!」
洋館から漏れ出した絶頂を告げる女の高らかな絶叫は夜のしじまを切り裂いていった。
幾度となく繰り返される絶叫は奇面草が満足する翌日の朝まで続いた。
開放された教授はうつぶせのまましばらく痙攣していた。
四つ這いとなろうとするが手に力が入らず、仕方なく尻だけを高々と突き上げてのろのろと動き出す。
巨乳が床に押しつぶされ乳首が擦れる感覚が心地よい。
愛液で潤う木製の床を滑るように這い、除草剤を手にする。
「……ふふふ、打ちのめされても、薔薇は美しく咲くものなのよ……」
しゅっ、と眠りこけている奇面草の顔の中央に除草剤を一振り。
奇面草は苦しむ様子もなく、やすらかに寝息を立てたまま枯れて小さく萎んでいった。
猛々しく挑んできた触手も今では萎んで見る影もない。
安堵の吐息を吐き、仰向きになり大の字で転がる教授、脚をM字に開いておけば風が大事な部分を冷やしてくれる。
股間の火照りは収まらず、肛門も蕩けるような熱を持っている。
小刻みな痙攣が収まらず、快楽の余波に双丘がぷるぷる揺らされる様子を眺めながら、教授は
あの生物を作り出した自らの才能に満足していた。
「私は…そう…………天才」
穏やかな笑みを浮かべ、あられのない姿のまま教授は眠りに落ちた。
地下室からの階段に黒い触手が蠢き、扉の隙間から不気味な顔が教授の裸身を見つめる。
増殖した奇面草の分身は音も立てず扉を開けると、すやすやと寝息を立てる教授の肉体を一直線に目指す。
触手の先端が優しく教授の唇をなぞる。ぷるんと肉感溢れる唇が震え、白い歯が見える。
教授の口元から続く、生々しい涎の跡をゆっくりと撫でていく。
下唇の端から顎を通り、首筋を這うと鎖骨を、そして螺旋を描くように丘を登っていく。
先端の膨らみに到達すると二、三度乳輪をなぞり、軽く膨らみを抑えた。
「……うぅん……すけべぇぇぇ……」
教授は甘い吐息と寝言を漏らし、身をくねらせる。
触手はまたも螺旋を描きながら丘を下ると、微かに波打つ白い腹を、切れ目状の臍を辿って
遂に茂みまで到達した。
ねっとりとして蠕動を繰り返す触手の先端が、蜜壷にびちゃりと吸い付くように押し当てられる。
「うッ…うぅん……」
教授は小さく呻くと、右に左に顔を振るようにして仰け反った。
虚ろな目を開くが、すぐには自分の肉体に何が起こっているかは分からない。
触手は教授の肉体に纏わりつくと秘肉の構造を確かめてから、一息に蜜壷を貫いていった。
「ひぎぃぃぃーーーッ!!」
ツヴァイクの山中にある洋館の片隅で、暗がりよりなお黒い影が蠢いている。
それは巨大な植物の触手に絡め取られた女性の姿だった……。