私はT260J、御嬢様の旅に同行する事になった、戦闘メカにして執事である。  
 冒険家である旦那様は私を異世界で拾って下さった際、個体名を下さった。  
 ゴホン! そこでもう一度、改めて自己紹介しよう……私の名はテムジン。  
 この名で私は御嬢様に懐かれ、幼少の頃より御仕えしてきたのだ。  
 ではその、我が麗しの御嬢様を――御嬢様? はて、いずこに?  
「テムジン、こんやのやどが見つかったよー! 早くいこーよー」  
 あそこで千切れんばかりに両手を振って、飛び跳ねている方がそう。  
 旦那様が目に入れても痛くないと豪語する、エミリィ御嬢様である。  
 御嬢様は秘宝を求め冒険中の旦那様を探すべく、私達を引き連れ旅立たれた。  
 本当にご立派になられた……エスパーとしての資質も頼もしい限りだが……  
「えへへ、きょうはたくさん歩いたから、わたし疲れちゃったー」  
 良く言えば天真爛漫、かなり頭がゆるいのが旦那様と奥様の悩みの種。  
 しかしご安心下さい、御嬢様はこのテムジンが必ずや道中お守り申し上げ――  
「うーい、早く来いよポンコツ! どした? どっか壊れたか?」  
「すみません、テムジンさん。一つしか部屋空いてなくて」  
 御嬢様を挟んで両隣に立つ少年達が、今回の旅の危険で厄介な仲間達である。  
 御両人とも、御嬢様が家族の他に、ただ二人だけ心を許された者達なのだが。  
 そもそも旦那様は世間では、無宿無頼の冒険家……奇異の目は御嬢様にも注いだ。  
 純真無垢な御嬢様をいじめから守り、一緒に遊んでくれたのが幼馴染の二人である。  
 この危険な旅にも迷わず同行してくれるのだから、無下にもできぬのだが……  
「一部屋だけか。へへへ、じゃあ今夜は……なんてな! たっは!」  
 乱暴者で悪知恵の働く、村ではフダ付きの不良少年だった人間のリッツ。  
 非常に姑息で卑怯な男だが、いつも御嬢様を守って喧嘩にあけくれていた。  
 あの悪ガキも今思えば、随分と逞しくなったものだ……頼もしくもある。  
「僕なんかはこの身体だから、今日あたり馬小屋でもいいくらいですよ」  
 知的でズル賢い、いつも悪辣で手の込んだ悪戯の好きなモンスターのマルム。  
 穏やかだが悪知恵の働く彼も、御嬢様には優しく勉強を教えてくれたりした。  
 冷徹な合理主義者との評判だったが、静かな声で迷わず同行を申し出てくれた。  
「よーし、みんなそろった! じゃあ、まずは夕ごはんにしよー」  
 もし私に意思を表明する言葉が、その発声が可能な機能が実装されていたら。  
 真っ先に二人の少年に私は伝えたい……御嬢様の為にありがとう、と一言を。  
 こうして、村のせんせいと別れを告げた私達は、見知らぬ土地へと踏み出した。  
 冒険者達の活気で溢れた賑やかな町には「旅立ちの町」の看板が風に揺れていた。  
 
 ……やはり私は、ワルガキの双璧と呼ばれた二人の同行が不安だった。  
 
 私の悪い予感は、不幸な事に的中してしまった……デリンジャーが疼く。  
 しかし同時に、エミリィ御嬢様が心底楽しそうだったのは嬉しいのである。  
 たまにはハメを外すのもいい、初めての旅に浮かれる最初の夜なのだから。  
 だが……あの二人め、よりにもよって御嬢様にアルコールを盛るとはっ!  
「おーい、大丈夫かぁ? ほら、しっかり歩けって。マルム、部屋は?」  
「うふふ、だいじょーぶっ! あはは、揺れてる揺れてるー」  
「廊下の突き当たりだよ、リッツ。ちょっと飲ませすぎたね」  
「ゆーれーるー、せかいがー♪ もうずっとー、揺れる揺れるー♪」  
 リッツに肩を貸された御嬢様は、マルムが指さす……蹄さす部屋のドアをくぐる。  
 巨体のマルムは身を屈めるように首を下げて続き、最後に私がドアを閉めた。  
 部屋の真ん中に置かれたセミダブルのベッドに、上機嫌で崩れ落ちる御嬢様。  
「さてと、それじゃま……」  
「うん、後は僕達は……」  
 私は御嬢様の貞操の危機を感じて戦闘準備、各種マスタリーがメモリを駆け巡る。  
 ――だが、私の危機感は杞憂に終わった。  
「また明日な、エミリィ! さて兄弟、今夜はどこで寝っかね」  
「おやすみなさい、エミリィ。そうだね、廊下にでも寝ておこうよ」  
 二人の少年は、私が考えていたようなケダモノでは無かった。  
 人の皮を被った獣と評判のリッツも、今や馬のバケモノといった様相のマルムも。  
 私はこの、若き紳士達に酷く感動し、御嬢様はよき友を得たと思ったのだが。  
「まってよぉ、リッツ、マルム……まって、もすこしだけ……いて」  
 もぞもぞと御嬢様は、ベッドの上に身を起こして二人を呼び止めた。  
 その大きな瞳が潤んでいるのは、何も慣れぬ酒精に酔ったからだけではなさそうだ。  
 やはり、この二人はどれ程の悪党であろうとも……御嬢様にとっては大切なひと。  
「なんで二人とも、わたしについてきてくれたの……?」  
 ドアの前で立ち止まっていた、リッツとマルムが同時に振り返る。  
「何で、って……なあ?」  
「うん、別に」  
 二人は互いに肘で相棒を突っつきながら、御嬢様への言葉をせかした。  
 やがて意を決して、二人は驚くべき一言を放った。  
「ほ、惚れた女を守るのに、理由なんかいっかよ……」  
「僕達、決めてるんだ。エミリィだけはずっと二人で守る、って」  
 突然の告白に、御嬢様は一瞬驚きの顔で呆けて……やがて満面の笑みで微笑んだ。  
 その頬を一筋の雫が伝う。  
「わたしも、二人のこと、すきだよ。リッツも、マルムも、だいすき」  
 この時私は、旦那様に許しを請いながら部屋の隅に下がって待機モードに入った。  
 御嬢様は薄着の服をもどかしげに脱ぎ捨て、生まれたままの姿で両手を広げる。  
 ギシリとベッドが二回続けて軋んだ。  
 
 ……私はこの時、美しく成長なさった御嬢様から目が離せなかった。  
 
「二人ともすごい、おとこのこってこんなになるんだ。あは、熱い……」  
 御嬢様を挟んで、リッツとマルムがたくましい裸体を曝す……マルムは元から裸だが。  
 リッツのペニスは充血してヘソまで反り返り、震える戦端が僅かに濡れて光っていた。  
 昼にラムフォリンクスを食い、シルバーへと進化していたマルムのモノはさらに凄い。  
 まさに馬並みのペニス……私に嗅覚センサーがあれば、その強い獣臭を感じただろう。  
「んと、はじめてだから下手かもしれないの。痛かったらごめんね」  
 御嬢様は鼻先に突き出されたリッツとマルムのペニスを、愛おしそうに握ってさする。  
 そうして順番に、蕾のような唇を寄せて先端にキス。  
 その口での愛撫は次第に熱を帯び、舌先ですくうように舐めながら……その剛直を飲み込んでゆく。  
 湿った三人の吐息が入り混じる中、御嬢様は二本のペニスを交互に頬張った。  
「リッツ、エミリィのも……僕は今日は手がコレだし」  
「ああ、任せな。へへ、ガキん頃に見て以来だぜ」  
 マルムが蹄の手を……前足を見せ肩を竦めると、リッツが御嬢様の股間へと手を伸べた。  
 その湿り気を帯びた茂みをかきわけ、リッツの指先が御嬢様の秘所へと触れる。  
 ピクン! と身を震わせ、御嬢様は鼻から抜けるような声を漏らした。  
「んっ、ぁ……」  
 思わず内股にリッツの手を挟んだまま、脚を閉じて恥らう御嬢様。  
 しかしリッツは構わず御嬢様の足元に移動すると、その両膝を優しく手で撫でた。  
 そうしてゆっくりと股を開かせ、露になった御嬢様自身へと顔を埋めて舌を這わす。  
 ピチャピチャと濡れた音が響いて、思わず御嬢様は大きな声を出してしまった。  
 しかしすぐに、御嬢様を跨いだマルムが、今にもはち切れそうな屹立を唇にあてがう。  
 御嬢様はそれを舌で丹念にねぶり、ぱくりと加えて奥まで飲み込んだ。  
「おいおいエミリィ、ホントに初めてかぁ? すげぇ濡れてんぜ?」  
「は、はずかし……だって、きもちいいんだもん」  
「エミリィ、お口がお留守ですよ。ほら、僕をもっと奥までくわえて」  
「は、はひ……ん、はぁ……おいひい」  
 二人の男にその身を捧げて、御嬢様は嬉しそうに鼻を鳴らした。  
 そのしなやかな肢体を白いシーツのベッドに横たえ、両足をリッツの首に絡ませながら。  
 巨大すぎるマルムのペニスにむせながらも、豊満な胸の谷間にそれを収めて、しごきながら舌を使う。  
 可憐で純情な御嬢様が、淫らな手管で二人の少年に奉仕してる。  
 その姿は私に、ある筈のない劣情を感じさせた。  
 赤子の頃よりずっと見守って来た、純真で可憐な御嬢様。  
「ぷは、ふぅ……ねえリッツ、マルム、わたしそろそろ……」  
「ん? リッツ、エミリィがそろそろ欲しいってさ」  
「こんだけビショビショに焦らせば、たまらねってか……どれ」  
 振り返ったマルムは、顔を上げたリッツと目線をあわせて頷きあう。  
 やがてマルムの巨体がベッドを降りると……リッツが御嬢様の両足を抱えて身を寄せる。  
 それは人間達が正常位と呼ぶ、性交渉のスタンダードなスタイル。  
 何かを確認するようなリッツの視線に、御嬢様は静かに頷いた。  
 
 ……私は敬愛する御嬢様の破瓜の瞬間を、心のどこかで待ち侘びていた。  
 
「初めてだろ? エミリィ、痛かったら言えよ?」  
「大丈夫だよ、リッツは上手いから……エミリィ、力抜いて」  
「うん……ふしぎ、もっと怖いと思ってたのに……うれしいの」  
 エミリィ御嬢様は、圧し掛かるリッツの首に両手を回した。  
 リッツは慣れた手付きで、己の昂ぶる肉棒を御嬢様の濡れそぼる花びらに押し当てる。  
 マルムが見守る中、リッツがゆっくりと御嬢様の肉路へと挿入を果した。  
 短い悲鳴と共に、御嬢様の華奢な身がビクンと一瞬のけぞる。  
「エミリィ、奥まで全部挿っちまったぜ? 痛いか?」  
「少し、いたい……けど、へ、へいき……」  
 この瞬間、御嬢様は少女を脱ぎ捨て女へと成長したのである。  
 私はこの時の画像を、己の奥深くへと記録し何重にもプロテクトを掛けた。  
 例え旦那様でも、解除不能なパスワードを施す……ああ、愛しの御嬢様。  
「あ、あのね、わたしね……も少し、痛くても……へいきだよ?」  
 上体を僅かに起こして、リッツの耳元へと御嬢様は囁いて。  
 そして、傍らでずっと立ち尽くしているマルムを見上げた。  
「マルムにも、わたしのはじめて、あげるね?」  
 御嬢様の意図するところを、即座にリッツは理解した。  
 御嬢様と繋がったまま、その身を抱き上げ体を入れ替え下になるリッツ。  
 その引き締まった肉体に跨る形で、御嬢様はリッツの厚い胸板に両手を突く。  
「マルム……うしろじゃ、いや?」  
「でもエミリィ、僕のはこんなだし……裂けちゃうよ」  
「ううん、だいじょうぶ。三人で、きもちよくなろ?」  
 御嬢様はそう言って、肉付きのよい尻へと右手を伸ばし、その谷間を開く。  
 きつく窄まる穢れた排泄孔が、綺麗な桜色でマルムを待ち侘びていた。  
「じゃあ待って、今ほぐしてあげる」  
 鼻息も荒く、マルムは再びベッドを軋ませ巨体を乗り出す。  
 彼は御嬢様のアヌスを、長く大きな舌でベロリと舐めた。  
 下から突き上げていたリッツが、御嬢様の尻を両手で揉みしだきながら左右に押し広げる。  
「ひうっ、マルムらめぇ……そこ、きたな、ひっ!」  
「大丈夫かな、いきなりで。じゃあエミリィ、先だけ挿れてみるよ」  
 二人の上に四つん這いで重なり、マルムが腰を使って己の化身を突き立てる。  
 その巨大な逸物の先端が、僅かに緩んだ御嬢様のアヌスに触れ……徐々に挿入されてゆく。  
 メリメリという音がまるで聞こえてくるようで、御嬢様はリッツにしがみ付いて悲鳴を噛み殺した。  
「凄いやエミリィ……初めてなのに。これ以上は無理だね、でも凄い締め付けだよ」  
「こっちもだ。尻に挿れられたとたん、キュウキュウ締めてきやがる」  
「や、やぁ……二人ともいわないで、わたし恥ずかしい……」  
 二人の少年の間で、御嬢様は耳まで真っ赤になりながらも快楽を強請る。  
 愛する者をくわえこんだ穴は両方とも、流血で濡れていた。  
 しかしそれでも、リッツとマルムの腰使いに嬌声を上げて息を荒げる御嬢様。  
 その姿を私は、ずっと記録し続けた。  
 それは二人の少年が同時に絶頂に達して、御嬢様の中へと若い精を迸らせても終わらない。  
 シーツを赤く汚しながらペニスが抜かれると、白濁がとめどなく溢れ出た。  
 
 ……私はその時の、御嬢様の恍惚とした表情をその後……何度も自分の中に反芻してしまうのだった。  
 

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