「これが、僕達の世界……あっ、故郷が、あんなに遠くに!」  
「坊チャン、見てくだサイ! カイがまだ、あそこで手を振ってマスヨ!」  
 四人の少年少女を乗せ、天の柱は世界を眼下に舞い上がる。静かに上昇する床板の上で、  
J+の声にロアンは力なく応えた。見るからに落胆の色濃い彼はしかし、空元気で笑っては  
下を覗き込み「人間の目じゃ、もう見えないよ」とJ+の頭をポンと撫でた。  
 その痛々しい背中を、アーニャはじっと見詰めるしかできない。  
 アシュラの前線基地を潰し、天の柱を解放したが……そこに、故郷を突然出奔した筈の  
乙姫の姿はなかった。もう、いなかった。散り散りに逃げるアシュラの手下を問い質して、  
四人は……取り分けロアンは動揺を隠せなかった。同じく揺れるアーニャとは違って。  
 乙姫はその病弱な身体で必死にここまで辿り着き……身体で通行税を払ったらしい。  
「きっともう、俺達が次の世界に行ったと思って……それを追いかけて乙姫さんは」  
 ぎゅむ、と拳を握って、ロアンが擦れ違いを悔やむ。努めて場の雰囲気を明るくすべく、  
無理にはしゃいでたサーシャとJ+も押し黙ってしまった。  
 沈黙を載せてただ、天の柱は伸びる。  
「――ロアン君、乙姫のこと……心配?」  
「そりゃ心配さ! だって乙姫さんは……その、ええと、まあ」  
 アーニャは当たり前のことを、本心を秘めてロアンに問い掛けた。振り向くロアンは、  
即座に答えた後に言い澱む。頬が、赤い。アーニャは親友の行方も気がかりだったが、  
そんな態度でいつになく必死なロアンもまた、気になっていた。その訳も、知っていた。  
 親友の乙姫もまた、ロアンに想いを寄せる少女だから……そしてアーニャは、旅立ちの  
前に、その想いを遂げる橋渡しをしてしまったから。いつもいつも、熱烈に恋心を寄せて  
来たロアン……その気持ちに応えられずにいるうちに、そうなってしまった。  
 アーニャが親友を羨む、そんな自分を恥じた瞬間。音もなく床板が停止した。同時に  
開ける世界の天井……そこに人影。もしや――  
 思わずアーニャは息を飲み、ロアンがもしやと駆け寄り……仲間達も続く。  
「やあ、君達はミューズに認められし人間なんだね。なら、運命の城に行く権利がある」  
 背に天使の翼を生やしたスーパースライムが佇んでいた。  
 乙姫ではなかったことに皆が落胆する中……アーニャは複雑な心境に溜息を零した。  
 
 鳥が囀り、蝶が舞う……そこは安らぎに満ちた空間だった。  
 運命の城へとロアン達は向かったが、アーニャは一人の時間が欲しいと申し出たのだ。  
 そして今、天使スライムの厚意でこの場所にいる。石畳が所々に草花を芽吹かせる庭園。  
ミューズの園と呼ばれる円形の空間は、八つのゲートに通じる橋を等間隔に分岐させつつ、  
異界の最果てに浮かんでいるのだった。  
「綺麗……空気が澄んでる。……駄目、アーニャ。こんな時こそ、私が落ち着かないと」  
 深呼吸して、自分で自分をしかりつける。そうして周囲を散策しながら、アーニャは  
胸中の黒い霧を払おうと苦心した。好きな男の子と、親友と、三角関係。自分の性格なら、  
本当は正々堂々とロアンを取り合える筈で。乙姫も同じだから、二人は親友だった。  
 しかし乙姫は身体が弱く、何より身体と言えばアーニャは……  
「よそう、考え込むのは。先ずは、乙姫に追いつかなきゃ」  
 それからのことは、その時に考えればいい。そう思うアーニャは、気晴らしに荷物から  
小さなダイアリーを取り出した。しかし日記というプライベートな独白は今、アーニャに  
どうしても乙姫とロアンの事をアレコレ語らせてしまう。  
 結局ペンを挟み込み、閉じたダイアリーをアーニャは荷物へとしまった。その時。  
「あの、もしやこの間の……わたしを助けて下さった方ですか?」  
 不意に声がして、アーニャは思わず腰のレイピアに手を添え振り返った。漲る緊張は、  
次の瞬間には霧散して掻き消えたが。自分と同じ年頃の少女が、そこには立っていた。  
「……ああ、この間の」  
「はい、乱暴な方達に襲われていたところを、助けて頂きました」  
 少女はカリオペと名乗り、柔和な笑みに頬を綻ばす。つられて微笑を返そうとしたが、  
アーニャは上手く笑えなかった。その表情の陰りに、カリオペが心配そうに近付いて来る。  
「あの時、颯爽と現れた皆様は……あなたは素敵でした。それが……どうかされました?」  
 どうやら今の自分は、随分としょぼくれて見えるらしい。  
「もし良ければ、わたしの園で一緒にお話しませんか? お力になれるかもしれません」  
 不思議とカリオペには、頑ななアーニャの心を解く優しさが満ち満ちていた。  
 
 カリオペの園は主の姿を、何よりその心を映す鏡だとアーニャは思った。  
 園内には先程の場所同様に、草花が控え目に空気を梳いている。宙を舞う虫達もどこか、  
久方ぶりの来客を歓迎するように、そして主の邪魔をせぬように高く飛んでいた。  
「そうですか……そんな事が。アーニャさん、どうか気をお強く持ってください」  
 庭園の中央にあるテーブルを挟んで、アーニャはカリオペに心境を吐露した。  
 無論、全てを語った訳ではない……自分の身体の秘密など、とてもではないが言えない。  
何より、そんなおぞましい話をするのが躊躇われる程に、眼前のカリオペは可憐だった。  
「でも、カリオペさんに話したら、私少しスッキリしました」  
 アーニャは湯気をくゆらすティーカップを手に取り、幾分か落着きを取り戻した自分に  
安堵した。同時に、悩みを聞いてくれて、まるで自分の事の様に悩んでくれるカリオペに、  
心の中で感謝を呟く。  
「その乙姫さんという方も、お強いんですね……たった一人で」  
「でも心配なんです。身体の弱い人ですから。それに……」  
 カップを置いて放した、その手をアーニャは膝の上に握る。そうして作った拳をじっと、  
俯き見詰めて声を絞り出す。  
「私は、きっと羨ましいんだと思います。……妬ましいとさえ、思えてしまう」  
 それが卑しいことだと知るだけに、アーニャは心苦しかった。自分も素直に、ロアンに  
ぶつかっていきたい。ロアンがそうしてくれるように、気持ちを伝えたい。  
 だが、生まれ持った特異な身体が、それを決して許さなかった。  
「それでもアーニャさんは、お友達を案じてます。お優しいんですね」  
「そんなっ! 違います、私なんか……」  
「ロアンさんは幸せな方です。こんなにも素敵な人達に愛されているんですもの」  
「私は、違う……違います。ロアン君の気持ちに、私は……」  
 カリオペは静かに紅茶を一口飲むと、すっと椅子から立ち上がった。見詰めるアーニャ  
との距離が、ゆっくりと縮まってゆく。そのまま彼女は、綺麗な装飾の椅子の横を巡って、  
背後からアーニャを抱きすくめた。  
 甘い体臭がアーニャの鼻腔をくすぐり、背もたれ越しでも確かなぬくもりが伝わる。  
「そんなに思い詰めてはいけません、アーニャさん」  
 不意に自分を包む優しさに、アーニャは顔も名も知らぬ母を感じた。  
「私は何でも、素早く迅速なことを好みますが……恋に焦りは禁物です」  
「でも、私は」  
「乙姫さんという方はきっと、わたしが感じたままの方ならこう言います」  
 耳元に口を寄せて、カリオペがより身を預けてアーニャを包む。  
「親友だから、アーニャさんにも一生懸命ロアンさんを想って欲しい、って」  
 不意にアーニャは立ち上がった。今まで堪えて押さえ込んでいた情動が噴火した。  
 ずっと優等生だった。誰にも相談できなかった……己を汚して自分を守ってくれてる、  
双子の弟にしか話せなかった。それが今、目の前で微笑むカリオペが受け止めてくれた。  
 気付けばアーニャは地に膝を突いて、カリオペのお腹に抱き付き泣いていた。  
「大丈夫ですよ、アーニャさん。乙姫さんもきっと無事です」  
 優しくカリオペが、頭を撫でてくれる。アーニャは見下ろすカリオペに母を見た。  
 遠慮なく頬を摺り寄せ甘える……そうして、優しさに溺れながらアーニャは泣いた。  
 真紅の瞳から涙は、とめどなく流れて頬を伝った。  
「さあ、もう涙を拭いて。後は……ロアンさんを信じて、想いを伝えてください」  
「それは……それだけは駄目なんです。カリオペさん、それだけは……ごめんなさい」  
 アーニャの頭を抱き、その深い翠緑色の髪をカリオペが優しく撫でる。アーニャはもう、  
幼子のように無心でカリオペの温もりに身をゆだねた。無限にも等しい母性を感じる。  
 しかし同時に、アーニャの身に潜む異性が、魅力に溢れる少女の匂いに目覚め始めた。  
覚醒にアーニャが気付いた時にはもう、股間で大人しくしていた逸物へと血液が流れ込む。  
それは小さな下着の圧迫を押し上げ、ホットパンツの上に巨大な峰となって盛り上がった。  
「こ、これが……私なんです。淫らで汚らしい、ロアン君には見られたくない……私」  
 僅かに頭をカリオペから離して、涙で濡れた顔で見上げるアーニャ。その姿を見下ろす  
カリオペは、股間の異変に気付いて小さく驚いたが……すぐにまた、全てを許すような  
笑みを形作って、アーニャをより強く抱きしめる。  
「そういえばまだ、助けてもらったお礼をしていませんでした。だから、アーニャさん」  
 カリオペが僅かに頬を赤らめ、そっと呟くと……アーニャもまた、恥ずかしげに頷いた。  
 
 庭園の隅に、清潔感の溢れる寝台があった。花に飾られ、白いシーツが眩しい。しかし  
それよりも今、アーニャの真紅の瞳には、清冽なまでに白いカリオペの肢体があった。  
 躊躇無く、しかし互いに気恥ずかしさから背を向け服を脱ぎ、全裸になっていた。  
「アーニャさん……そのままではお困りでしょう? お礼ですから、さあ」  
「は、はい。でも」  
 でも、でも、でも……そう何度も呟きながら、結局アーニャは寝台に上がった。そして  
カリオペの隣に身を横たえると、どちらからともなく互いを抱きしめる。華奢で小柄な  
カリオペの抱擁は柔らかく、彼女は腹部に密着する肉柱が熱いと微笑んだ。  
「わたしにはこれくらいしか……アーニャさん、それとわたし、実は……」  
「カリオペさん、私――ごめんなさい、こんなにも滾ってしまう。恥ずかしい」  
 脚に脚を絡めて、肌と肌を擦り合わせながら。次第に近付く唇と唇が、言葉を象るのも  
忘れて重なり合った。カリオペはミューズと呼ばれる、古き神々とはまた別の神族だと  
先程聞いたが。その感触はアーニャには、人間と全く同じに感じた。  
 唇を離すと、もうとろけた目を潤ませ、再びカリオペが瞳を閉じる。アーニャは黙って  
再度唇を重ね、さらには舌を差し入れ無心にカリオペを貪った。  
 その瞬間、予想外の出来事にアーニャは目を見開いた。  
「ん、んんっ! はぁう!」  
 舌を舌で舐めあい、互いの唾液を混ぜあいながら吸い合っていたアーニャとカリオペ。  
 何とカリオペは、その濃厚なキスだけで達してしまったのだ。アーニャは自分の身体を、  
カリオペが噴出した潮が濡らしてゆくのを感じた。ぐっしょりと秘蜜が溢れ出た。  
「あ、あの、カリオペさん? ええと」  
「はぁ、はぁ……わ、わたし……早いんです。こんなにされたら、もう……」  
 早漏、という言葉は女性にも使うのだろうか? とアーニャは一瞬考えたが。すぐさま  
思考を奪って欲情が弾ける。恥らうカリオペの首筋へと舌を這わせ、同時にやや小ぶりで  
形よい乳房を手にする。手の内の膨らみを、両方交互に揉みしだいていると……またも  
カリオペは絶頂を迎えて声を上げた。  
「凄い、カリオペさん……こんなにぐっしょり」  
「は、恥ずかしいです。わたしってば、いつもこう。すぐに達して、潮を吹いて……」  
 既にもう、溢れ出る愛液にシーツが大きな染みを作っていた。そのしたたりは温かく、  
アーニャの下半身を濡らしている。それが糸を引けば、自然とアーニャの昂ぶりは一層  
股間を充血させるのだった。同時にまた、女性器も蜜に濡れる。  
「わたしに構わず、アーニャさんは……そうだ、わたしが口で」  
 カリオペはもう、しっとり汗ばんで息が荒い。それでもおずおずとアーニャの上になり、  
その股間でヘソまで反り返る男根に顔を近づける。カリオペの吐息がかかるたびにそれは、  
先走る粘液をだらしなく垂らした。  
「カリオペさん、私も……お互い、口で」  
「は、はい……アーニャさん、優しくしてくださいね」  
 カリオペがアーニャの顔を跨いで、同時に蕾のような唇に巨大なペニスを含んでゆく。  
 アーニャは今、目の前に本来自分にあるべき普通の女性器を初めて見て、魅入っていた。  
 既に愛液の甘露に濡れ、薄めの陰毛が輝いている。その秘裂は自分のものとは違って、  
包皮に包まれた陰核があり、その周囲を綺麗な桃色が象っていた。見た感じでは自分同様、  
あまり異性を知らぬ綺麗な印象がある。アーニャはそっと、そのクレパスに口づけた。  
「ひゃうっ! んんんんっ――ご、ごめんなさい、アーニャさん」  
 そっと唇で触れて、舌を這わせた瞬間だった。やはり、またカリオペが達した。同時に、  
アーニャは顔にくまなく、勢い良く噴出した愛液を浴びてしまう。頬を濡らすそれを手で  
すくいとり、指で絡めてニチュニチュもてあそび……そっと口に運ぶアーニャ。  
「カリオペさんの、美味しいです……こんなに沢山」  
「ごめんなさい、わたしばかり何度も……気持ちよすぎて」  
 申し訳なさそうに肩越しに振り返り、再度カリオペがアーニャ自身を飲み込んだ。その  
唇と舌での愛撫は、弟のものに比べて稚拙な児戯だったが……カリオペの懸命さ一途さが、  
いやがおうにもアーニャを興奮へとかりたてる。  
「ふぁ、カリオペさん……んっ、わ、私も……沢山、イッてくださいね」  
 アーニャは痺れるような快楽に、愉悦の笑みで身も心も解けながら。負けじと目の前の  
秘所へと指と舌を這わす。その都度、カリオペは口を離して身を仰け反らせ、大漁の蜜が  
アーニャの顔へ降り注いだ。  
 
 既にもう、カリオペが何度達したかアーニャは覚えていなかった。  
 互いに夢中で相手を貪っていたが、同じ法悦でも天国と地獄だった。歓喜の嬌声をあげ、  
カリオペはすぐに達して身を震わす。その下でアーニャは、射精感が込み上げるたびに、  
程よい刺激をもたらす口が離され、生殺しのまま悶えていた。  
「あっ、あの、カリオペさん……私、もう……」  
「す、すみません、わたしばかり」  
「い、いえ……可愛いです、カリオペさん。こんなにここが」  
「ふああっ!」  
 充血したカリオペのクリトリスに触れ、指で優しく包皮を脱がしてやる。それだけで、  
あっけなくカリオペは達して潮を吹く。その度に恥らう姿は、アーニャが見ても愛らしい。  
 自分もこんな、可愛らしい本当の女の子なら……そう思うアーニャはしかし、現実には  
隆々と漲る巨大な怒張を強張らせていた。  
「アーニャさんも、イきたい、ですよね……はぁ、はぁ……待ってて、下さい」  
 桃の様に見事な尻が、アーニャの目の前で浮かび上がった。身を起こしたカリオペが、  
今度はアーニャと正対するように肢体を跨ぐ。そうしてゆっくりと腰を下ろしてくるので、  
アーニャは自然と、その触れれば折れそうに細い腰に両手を当てた。  
 それだけでまたカリオペがオルガズムに溺れる。もうアーニャの全身は、とめどなく  
あふれ出すカリオペの淫蜜でびしょ濡れだった。自分のに比べて粘度は薄いが、その量は  
尋常ではない。カリオペは全身が性感帯で、感度が良すぎる。  
「わ、わたしが動き、ますね……沢山、気持ちよく、なって、くだ、ひうっ!」  
 アーニャの剛直を手で握り、自らの肉壷へと導こうとするカリオペ。彼女はゆっくりと  
腰を下ろすのだが、入口に濡れそぼるアーニャの穂先が触れただけで、快楽に身を震わせ  
達してしまう。  
「ふふ、おかしい、ですよ、ね……わたし、何でも、早くて、はぁん!」  
「そんなこと……あ、ああ、挿る……私のが、カリオペさんに」  
 比較対象が弟の粗末なモノだけとはいえ、アーニャは自分のペニスが人一倍巨大だとの  
自覚はあった。勃起時の太さ、長さ、硬さは自分の身体の一部とは思えない程だ。  
 それがいま、少しずつカリオペに飲み込まれてゆく。数センチ腰が沈む度、声をあげて  
カリオペが身震い呆けて天を仰ぐ。  
 何度も達した後、カリオペはアーニャを根元までくわえ込んだ。  
「どう、ですか。わたしの、中……こんなの、久しぶ、んっ! 奥が、こじ、あけっ!」  
「カリオペさん、凄い……やだっ、私ったら。あ、あっ、あの……実は」  
「は、はい……何でも、仰って、くだ、さ、ひぁっ!」  
「私、カリオペさんが、初めての女性なんです。それが、何だか嬉しくて……」  
 そう告白して頬を赤らめ、慌てて愛液塗れの顔を両手で覆うアーニャ。彼女はその時、  
指の隙間からカリオペの、心からの微笑を見た。  
 アーニャは童貞ではなかった。物心ついたころからの激しい劣情と、常軌を逸した性欲。  
それらは全て、自分ひとりで密かに処理してたが……処理しきれぬ時は、弟が手伝って  
くれた。父親に開発されつくした尻で、弟はいつも萎えるまでアーニャを絞ってくれた。  
 だが、女性との性交は初めてで、それがカリオペで……アーニャは不思議な嬉しさに  
戸惑った。同時に、ロアンがこの気持ちを乙姫で体験したかと思うと、言葉にあらわせぬ  
悔しさ、妬ましさ、うらやましさが親友へ向けられる。それが今、何より恥ずかしい。  
「アーニャさんもいつか、ロアンさんと結ばれるといいですね。わたし、祈ってます」  
 カリオペは脱力しかけた身体で、アーニャの細く柔らかい、しかし適度に腹筋のついた  
腹部に両手を突く。そうして今度は、徐々に腰を上げ始めた。膣壁を血管の脈打つ熱棒が  
こすり、達するやストンと力が抜けて、またも根元まで挿入。その衝撃でまた、絶頂。  
 カリオペはそれでも何とか腰を振って、アーニャと肉をぶつけ合った。  
 先程から焦らされっぱなしのアーニャも、次第に高みへと導かれてゆく。  
「ん、あっ、いいっ! や、やだ、口から出ちゃう……初めてのオマンコいいっ!」  
「アーニャさん、凄い……わたしのお腹、中から破れひゃ、くぅん! はぁ、あああっ!」  
 アーニャはやっと達した。普段にもまして大量の精液が、ドクンドクンとカリオペの  
子宮内に注がれてゆく。それはまるで野生動物のように、断続的に長々と続いた。  
「やっと、一回目、ですね……アーニャさん、まだまだ、もっと……萎えるまで」  
 そう言うカリオペは、子宮口まで抉られ腰砕けになっていた。アーニャはその後何度も、  
初めての女性に溺れて萎えるまで射精し、その何倍もの数だけカリオペをイかせた。  
 

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