また、あの夢を見てる……悪夢を。  
 サーシャは今、暗い闇の中で、小さな姉と一緒に手を繋いでいた。  
『おねえちゃん、はやくなかにはいって。しーっ、ってしてないとだめだよ』  
 これは、六つか七つか、八つか。まだ十になる前だったと思う。サーシャは決まって、  
いつも姉をクローゼットの奥に隠れさせた。そうして、あの男から守ったのだ。  
『アーニャ、おいでアーニャ……呪われた子。おいで……』  
 あの男の声が近付くと、幼いサーシャはクローゼットの扉を閉める。そうして姉を背に、  
唇を硬く結んで立ちはだかった。あの男がその前に、ぬらりと現れる。  
『さあアーニャ、今日も父さんが清めてあげよう。お前は呪われているんだよ』  
 男は屈むと、サーシャの小さな顎を片手で掴む。もう片方の手は既に、背後へと回って  
尻を撫で回していた。無骨な指がやがて、下着の中へと入り……尻の谷間を行き来した後、  
中心に窄まる汚れた排泄孔を刺激してくる。  
 おぞましい感覚が蘇り、サーシャは夢の中で深紅の瞳を大きく見開き、戦慄に震えた。  
 父親は酒びたりで、酔うと必ずアーニャを求めた。両性の入り混じる異形の娘の肉体を。  
呪いを清めると言っては求め、その都度サーシャは変わりに身体を差し出した。幼くして  
サーシャは実の父に肛虐の限りをつくされていた。  
『ハァハァ、ヒック! アーニャ……今日も、父さんと寝ようね。清めなければ……』  
 父親が唇を重ねてくる。酷い口臭に酒気が入り混じり、ねっとり不快な舌がサーシャの  
咥内へと侵入してくる。そうして舌に絡み付いて吸ってくる。その間も父の手は、衣服を  
脱がし始めていた。  
 背後に姉の、守るべき人の存在を感じながら。サーシャは夢で何度も犯されるのだ。  
 このキスはそのはじまり……いつもの、眼を背けられぬ暗い過去。サーシャはしかし、  
自分の唇に重なる質感が、柔らかく湿った温もりへと変化してゆくのを感じた。同時に、  
意識が徐々に鮮明になり、霞む視界に醜い父親が消えて行く。  
 ――覚醒。気付けばサーシャは、うっすらと瞳を開いていた。何かを呟こうとした、  
その口は誰かの唇に塞がれている。顔を覆う表情は真剣に、長い睫毛を揺らしていた。  
「あっ、良かった……息を吹き返した。大丈夫ですか?」  
 見知らぬ少女の顔が、少し離れて問い駆けて来る。同時につままれていた鼻から、白い  
小さな手が離れた。混濁とする意識のサーシャは、次の瞬間には込み上げる嘔吐感に  
水を吐く。  
「溺れてたのを見つけたんです。覚えてませんか? わたし、夢中で飛び込んで」  
 背を摩ってくれる少女も、びっしょりと水に濡れていた。その背後では赤々と焚き火が  
燃えている。サーシャは口元を拭うと、落ち着いて記憶の糸を手繰り寄せた。  
 確か、この世界の新しき神アポロンに会って、秘宝を貰って。更に秘宝の情報を聞き、  
四人で山の神を目指して洞窟へ……それから? そう、それから……  
「そうだ、僕は足を滑らせて、急流に落っこちたんだ。それで」  
 ロアンやJ+、何より姉の声が耳に残っている。他の三人とははぐれてしまったようだ。  
 サーシャはずぶ濡れの我が身に震えて、己の肩を抱く。  
「兎に角っ、火をおこしたので服を乾かしましょうっ! 風邪をひいてしまいます!」  
 寒いのは冷水に流され濡れたからではない……悪夢の残滓が、胸中に澱んでいる。  
 しかしそんなことはお構いなしで、目の前の少女は大きなスリットのチャイナドレスを  
脱ぎ出した。慌てるサーシャはしかし、自分が女として生きてきたことを思い出す。  
 目の前の少女は確実に、自分を同性だと思っているらしかった。  
「あなたも脱いでください、ええと……」  
「僕は、サーシャ。助けてくれてありがとう。君は?」  
「わたしはリンっていいます。さあ」  
「あ、ちょ、ちょっと待っ……リン? 君があの?」  
 名乗った少女の名前に、サーシャは聞き覚えがあった。山のふもとの町で、ある婦人が  
娘を心配していた……山の神の洞窟に、ポーションを取りに言った我が子を。その名前が  
確かリン。つまり、今目の前で下着姿になった娘のことだろう。  
 年の頃は同世代か、少し幼いか……そんなことを考えていると、リンの手が伸びてきて  
サーシャはうろたえ焦りながら身を捩った。  
「あの? ああ、母さんったらまた心配してるんだ。大丈夫なのに……さ、脱いで」  
「ま、待って、脱ぐ、脱ぐから見な……見ないでぇぇぇっ!」  
 サーシャはシャツを脱がされ、さらにホットパンツに手を掛けられ絶叫した。  
 
「え……あ、あれ? あの、サーシャさん……これ」  
 目の前で脱がしたてのホットパンツを手に、リンが硬直している。  
 当然だ……しましまのパンツは、股間がささやかに膨らんでいたから。  
「え、ええと、まあ、僕は……」  
「やっ、やだっ! お、おおおお、おっ、男の子なんですかっ!?」  
 瞬間、リンは顔を真っ赤にして飛び退いた。その幼くもしなやかな半裸が、揺れる炎に  
映し出される。まだまだ少女の、青い果実が驚きに震えていた。見上げるサーシャはつい、  
初めて姉以外に見る異性の肌に、顔が火照るのを感じる。  
 リンはしかし羞恥心を爆発させ、手にしたホットパンツで顔を覆った。  
「ううう、うっ、嘘っ! やだ、どうしよ……わわわ、わたしったら」  
「あ、いや、僕こそごめん。ちょっと事情があって、女の子として生きてるんだ」  
 自嘲の笑みに顔を歪めて、サーシャは立ち上がった。パンツ一枚の身で、とりあえずは  
手で股間を覆う。そこへと血液が集まり始めてるのを感じた。  
「……でも、男の子なんですよね」  
「うん。それより、その……ズボン、返してよ」  
「えっ? あ、あああっ! わわ、わたしったら……ごごご、ごめんなさいっ!」  
 リンは慌てて、手にしたサーシャの着衣から顔を離した。  
 気まずい沈黙に、サーシャは溜息を一つ。リンの反応も当然だった……つまり、自分は  
普通の人間ではない。身も、心も。歪んだ父親の性愛が、少年を捻じ曲げていた。  
 だが、リンの戸惑いはなにも、サーシャの女装そのものが原因ではなかった。  
「あっ、あの……サーシャさん、ええと。その、さっき……」  
 リンはもじもじと、サーシャのホットパンツを両手でもみくちゃにしながら、俯きつつ  
何かを伝えてこようとする。その真っ赤な顔は、まだあどけなさが滲んでいた。  
「んと、その……さっき、わたし、サーシャさんと、と、とっ……ふぇ、くしゅん!」  
「……兎に角、火の方へ行こう。君の服も乾かさなきゃ。それと……少し、隠してよ」  
 サーシャに言われて、初めてリンは下着姿の自分を両手で覆い、逃げるように焚き火へ  
駆けてゆく。彼女が落とした自分の着衣を拾って、サーシャも後に続いた。  
 焚き火を挟んで、互いに服を乾かしながら座って対峙……再び、重苦しい静寂。  
 バチバチと枯れ木の燃える音だけが響く中、口火を切ったのはリンだった。その大きな  
瞳を潤ませ、しかし強い光を灯してサーシャを見詰めてくる。炎越しにその姿は、とても  
愛らしいものに感じた。照り返しの揺れる白い肌が瑞々しい。  
「あのっ! サーシャさん……その、さっき……わたし達、しましたよね」  
「? ……ああ、ええと。うん、でも助かったよ。君が人工呼吸してくれなかったら」  
「わたしっ、初めてだったんです! ……その、男の人と、初めて」  
「えっと、それは……ゴメン」  
 それを言うなら、サーシャも本当の異性と唇を重ねたのは初めてだった。  
 姉と寸分違わぬ、精緻に飾られた顔を彩る桜色の唇。サーシャのそれは、二人の味しか  
知らない。自分が守るべき姉と、殺したい程に憎い父と。  
 改めてサーシャは、リンの感触を思い出す。懸命に命を吹き込んでくる、その蕾の様な  
柔らかい唇を。その息遣いを。息を吹き返したその瞬間が脳裏に蘇ると同時に、初めて  
サーシャは自分の雄を意識した。ずっと女として生きてきたが、サーシャは間違いなく、  
一人の男……一匹の雄だった。  
 それを訴えるように、どんどん下腹部が熱くなってゆく。  
「あっ、謝らないでください。どんな時でも、困ってる人は助けなさいって。それに……」  
 リンが立ち上がった。ぎゅっと拳を握って、上体を突き出してくる。  
「教わったんです! ファーストキスは、大事な人に捧げろって!」  
「……じゃあ、やっぱり謝らなきゃ。ゴメン、リン。見ての通り、僕は……」  
 サーシャは焚き火に、リンに背を向けた。劣情をもよおしているという、後ろめたさ。  
 リンは純情な少女だ。まるで姉のように。そう、姉のアーニャも異形の身体故、毎夜  
肉欲に悩まされているが……ロアンの気持ちに応えたいと悩む、一人の乙女だった。  
 そんな姉の純潔を守り、身を焦がす欲情を慰めるのが、サーシャの生きる理由。  
 しかし今、初めてサーシャの男が姉以外の少女を前に滾っていた。  
「……そっち、行っていいですか? サーシャさん」  
「駄目、来ちゃ……駄目。服が乾くまで、僕に近付かないで……君はだって」  
 サーシャのか細い声を遮り、リンが地を蹴った。  
 
 不意にサーシャの背を炙る、焚き火の熱が遮られた。背後に降り立つリンの気配。  
「わたし、教わったんです。初めては全部、大事な人に捧げろって」  
「今時珍しい人だね……お父さんに?」  
 父親という存在は、口に出すだけでサーシャにはおぞましい。己を抱く手に力が篭る。  
「……そんな感じです。だから」  
「だったら、さっきのはナシ。あれはただの人工呼吸、人命救助。誰にも言わないよ、僕」  
「でもっ、わたしサーシャさんと……キス、しました」  
「だからそれは――」  
 背後から抱き締められた。背中に小さな膨らみが二つ押し当てられる。ビクリと一瞬、  
サーシャは身を震わせた。恐る恐る肩越しに振り返れば……すぐ近くに、リンの真っ赤な  
顔があった。じっと真っ直ぐ、見詰めてくる。  
「サーシャさん、ひょっとして母さんから話を聞いて来たんじゃないですか?」  
「え、あ、ああ……うん、でも君を助けるのはついでで、実は秘宝を」  
 リンは強く、強く強くサーシャを抱き締めてくる。もう薄布一枚身に付けていない……  
全裸なのだとサーシャは肌で感じた。たちまち股間のささやかな肉芽が硬く充血する。  
「ついででも、助けに来てくれた……実はわたし、困ってたとこなんです。だから」  
「ま、待ってリン。それは、確かに結果的には……」  
 身体を預けてくるリンの、腕の中でサーシャは向き直った。理性が徐々に薄れてゆく。  
「わたし、サーシャさんなら……あの人の教え、守りたいだけじゃなく」  
「でも僕、その、女の人とは……普通の女の人とは初めてだから」  
 サーシャには女性との体験がなかった。女性の様に犯された経験しかない。  
 サーシャは淫らな開発済みのアナルを持ちながら、童貞だった。  
「……サーシャさんっ! わたしが初めてじゃ、お嫌ですか? わたしは……」  
「い、嫌だなんて……ただ、その」  
 ――ああ、僕は男なんだ。サーシャは漠然とそう考えた。思考はそこで途切れた。  
 目の前でリンが眼を閉じ顔を上げる。気付けばサーシャは吸い寄せられるように、  
改めてリンとキスを交わしていた。先程の感触が蘇る。柔らかく、温かい。  
 何度も離れては見詰めあい、また不器用に唇を重ねる。リンという存在がサーシャに  
男であるという気持ちを蘇らせてくれる。男として求めてくれる、それが嬉しい。  
「……サーシャさん。わたし、どうしたらいいですか?」  
「えっ? ああ、うん……どうしよう、と、取りあえず……ええと」  
 心底困って、サーシャはリンを抱き締めた。しがみ付くようにリンも、背中へと手を  
まわしてサーシャを包んでくる。互いの体温が温かく、染み渡るように気持ちが満ちる。  
 サーシャはしかし、本当にどうやって男女が交わるのかを知らなかった。  
 まさか普段みたいに、尻を責めて欲しいなんて言えない。  
「……あの、じゃあ……見てもいいですか? サーシャさんの……あそこ」  
「えっ……うん」  
 リンはもう、耳まで真っ赤だ。そしてそれは多分、自分も同じなのだとサーシャは思う。  
 僅かに腰を浮かして、サーシャは最後の一枚を脱ぎ捨てた。勃起して尚、先端まで全て  
包皮でくるまれた、小さなペニスが姿を現す。リンは一際眼を見開いて息を飲んだ。  
「これが、男の人の……カワイイです」  
「ほ、ほんとは、お姉ちゃんのとか、もっとこう……」  
「触って、いいですか? あっ、えと、その……わたしのも、触って」  
 サーシャはリンを気遣い、地べたに座りなおして、自分の脚の上にリンを招いた。  
 そうしてリンの華奢な肩を抱き、頬へと唇を寄せる。リンも恥ずかしそうにしながら、  
そっとサーシャのペニスを握ってきた。ぎこちなさが、普段の姉の巧みな手練とは別の、  
えもいわれぬ快楽をサーシャにもたらす。皮がクチュクチュと音を立てて擦れた。  
 爆発しそうな鼓動の音を体内に聞きながら、サーシャもリンの股間に手を伸ばす。  
「これが、本当の女の子……あ、濡れ、てる?」  
「凄い、男の子って、凄いです。ビクンビクンしてる」  
 サーシャは、姉よりも薄い下腹部の茂みへと、指で分け入っていった。その奥には、  
綺麗な一筋の切れ込みがあるだけで、それをなぞれば蜜が滴る。リンは鼻から抜ける様な  
声で喘ぎ、より一層熱心にサーシャ自身を握ってくる。  
 二人は息を荒げながら時々唇を重ね、互いの性器を無心に愛撫し続ける。  
 重なる二人の影が、炎に照らされ岩肌に揺れていた。  
 
「あ、あの……サーシャさん、そろそろ」  
「う、うん、でも」  
 逡巡するサーシャから、リンは離れて立ち上がった。ほっそりとした裸体の白さが、  
サーシャの視界を覆ってゆく。リンはそのまま腰を下ろして仰向けに寝そべると、大きく  
股を開いた。恥ずかしいのか指を噛みながら、顔を背けつつ……横目で潤んだ視線の矢を  
サーシャへと注いでくる。  
 サーシャはその上に覆い被さると、リンの頬や首筋、乳房や腹部へとキスをしてゆく。  
 そうして、始めて見る完全な、しかし幼い女性器へとくちづけた。  
「ひあっ! やぁ……サーシャさん、そこ汚――ふぁ……こ、声が漏れちゃう」  
「綺麗……これが、女の子。本当の……んっ、んん、ふっ……ここかな?」  
 姉の秘所を思い出すが、サーシャには全く別の味に感じられた。何よりリンの性器には、  
雄々しくそり立つ巨大なペニスはない。ただ、それがある筈の場所には、小さな陰核が  
隠れていた。そこへと舌を這わせると、リンがぶるりと身震いする。  
 サーシャは丹念に、女性器を構成する全てを舌と指で愛撫した。そうすることで一層、  
自分の雄が昂ぶるのを感じる。股間は痛い程に充血して強張っていた。先走りが先端から  
糸を引いて地面に滴る。  
「ふう……い、いいのかな。リン、もう僕。でも……」  
「はぁ、はぁ……サーシャさん、運命って信じますか?」  
「運命?」  
「わたし、ずっと言いつけ通り待ってたんです。運命の人……わたしを捧げる人を」  
 それが自分なのかと無言で問えば、リンはほころぶような笑みで頷いてくる。  
 意を決して、サーシャは己の劣等感を片手で握って、結合するべくリンに重なった。  
 体重を掛けぬよう、地に片方の手を突く。気遣いが伝わり、リンが「大丈夫です」と  
優しく微笑んだ。そうして両手で抱き締めてくるので、サーシャはリンに溺れてゆく。  
「んと、これ、どうしたら……僕、ちゃんとできるだろうか。ええと、皮は……」  
「サーシャさん、多分ここです。そう、そのまま……きてください」  
 何度も互いの皮と粘膜が擦れ違う。その度に愉悦の声を上げつつ、二人は時間をかけて  
結合の瞬間へと近付いていった。文字通り手に手を取って。  
 そうしてついに、サーシャは己の芯がリンを左右に開いてゆく感触に悶える。  
「んんっ! っ……うあっ! はぁ、はぁ……くぅ」  
「だ、大丈夫? リン、痛い? よね? ゴメン、やっぱり――」  
「やめないで、ください……サーシャさん、お願い。わたしのはじめてに、なって」  
 破瓜の痛みに耐えながらも、リンは新鉢を捧げる喜びに微笑んだ。その目尻に大粒の  
涙が浮かび、思わずサーシャは胸が締め付けられる。こんなにも可憐で純真な少女に、  
自分が運命の人だと想われている。  
 サーシャは今まで呪ってきた運命を、少しだけ信じる気になれた。  
「じゃ、じゃあ……全部、挿れるよ。僕も、リンがはじめてで……う、うれしい」  
 こんなにも粗末で小さなペニスでさえ、リンの肉路は狭すぎて。サーシャは慎重に、  
ゆっくりと挿入してゆく。圧して締め付けてくるリンは、切なげに喘いで声を上げた。  
「あっ、ああ……最後まで挿っ、あ、ああっ! だ、だめぇぇっ」  
 根元までリンの中に埋めた、己の化身があえなく果てた。普段から挿入される側で、  
何度も直腸で精を受け止めてきたが……初めて男性として女性と交わり、サーシャは  
身震いとともに仰け反る。射精はとめどなく、断続的にリンの中で止まらない。  
「熱い……サーシャさん、まだ出てる。これが、男の子の……」  
 リンは恍惚の表情で、優しくサーシャを抱き寄せ胸に顔を埋める。どちらからともなく  
身体を横にすれば、萎えたサーシャのペニスがするりと抜けた。続いて出血が内股を伝う。  
「血が……リン、痛くない?」  
「大丈夫、何だか嬉しくて……サーシャさん、わたしのこと」  
「……ゴメン、好きになっちゃった。だってリンは、僕の初めての人だから」  
「サーシャさん、もっと強く抱いて……わたしをサーシャさんで満たして」  
 サーシャは男に、リンは女になった。二人は男女になって結ばれた。  
 言い表せぬ多幸感に、サーシャは強くリンの華奢な身を抱き締める。リンもサーシャの  
薄い胸に顔を埋めると、頬を寄せて見上げてくる。その瞳に光が星と瞬いていた。  
 ――姉さんはきっと、ロアンとこうなりたいんだ。サーシャは漠然とだが、姉の想いを  
理解した。そうして再び、リンと唇を重ね、より熱心に大人のキスを交わした。  
 

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