ウィーーーン……ガチャンッ。  
 クラッシックな機械音を響かせながら、走行と回転を繰り返すロボットアームが最後のパーツを取り付ける。  
 「終わったぜ」  
 中島製作所の社長兼工場長でもある中島は帽子を脱いで汗を拭った。  
 ユニコーンの姿を模して作ったボティタイプ9。T260Gは早速動作のチェックにはいる。  
 「攻撃性能良好防御性能良好移動性能良好…各部正常。現時点で稼働状況極めて良好、問題なし」  
 「そりゃそうさ、問題があったら困る。何せこのタイプ9は中島製作所が威信を賭けて世に送り出す  
ボディだからな」  
 自慢の髭を撫でながら中島は語った。  
 いい出来だった。ユニコーンの美しさ、気高さ、そして力強さに溢れている。  
 超銅金製のボディを軽く弾くとコーンッ、と軽快な音がこだました。  
 それにしても、と思う。トリニティの連中は、こいつの本当の機能を知ったらどれほど仰天するのだろう。  
 満足げにニヤニヤとしまらない笑いを浮かべる中島社長を尻目にT260Gは特別仕様モードの  
プログラムと各種装備の稼動チェックを進めるため、かつてRB3と共に戦ってくれた仲間たちへと  
連絡用の通信回路を開いた――。  
 
 「いやぁぁぁあああッ!!」  
 下着もつけていない陰裂に直接食い込む感覚にメイレンは絶叫した。  
 非力な彼女の腕では脚につけられた鉄製の錘の重量に耐えられず腰を浮かすことすらできない。  
 その苦痛の恐ろしさは当事者でなければ分からない、想像を絶するむごさであることを痛感した。  
 メイレンの全身から脂汗が噴き出した。  
 その悲鳴と汗の量が彼女に襲いかかってくる苦痛の激しさを物語っていた。  
 「ひぃぃぃッ!助けて!降ろして!股が裂けてしまうわ!…はぅッ!?ふぁぁぁあああッ!!」  
 陰裂に食い込む最頂部の縁が振動し、もう一度メイレンは悲鳴を挙げることとなった。  
 クリトリスに伝わる振動が激痛の中に快楽を生み出していた。  
 
 (どうしてこんなものに乗ってしまったの…)  
 後悔してももう遅い。  
 ユニコーン型のボディタイプ9はとても優雅であり、メリーゴーランドの馬を想像させるその姿は、  
少なくともメイレンにとって好奇心を刺激するには十分だった。  
 目の前で4本の脚をかがめられ、背を差し出されると、思わず腰を掛けてしまっていた。  
 T260Gが立ち上がると、一気に変化が起こった。  
 金属製の胴の両側から出てきた隠しアームは、素早い動きでメイレンの両脚に錘をつけると、  
唖然とするメイレンを尻目に彼女の衣類を全て器用にも取り去ってしまったのだ。  
 最後に残ったショーツは、鋏に先端の形を変えたアームが腰の両側から切れ目を入れて、  
もう一方のアームがするりと引き抜いていた。  
 素っ裸にされたメイレンだったが、それで新型ボディの機能は終わりではなかった。  
 メイレンが腰かけたユニコーン型のボディの背中の部分が徐々に角度を増していき、屋根の  
ような二枚の板が六十度ほどの角度で組み合わされている形に早変わりしてしまったのだ。  
 哀れな犠牲者第一号であるメイレンは全裸で三角木馬に跨らされた格好となった、しかもその  
脚に鉄製の錘をつけられるというおまけつきだ。  
 「ひぃッ!!…あぐぅッ!!……くぅぅぅッ!!」  
 両足が床に向かってぴんと伸ばされ、台の背が彼女の股間の柔肉を引きちぎるほど深々と  
喰い込んでいた。  
 彼女がいくら腿に力を入れても、磨き上げられたボディの表面を空しく滑るだけだった。  
 それでも、苦痛と快感から逃げようと、上半身を前後左右に動かし、僅かに動かせる手足の  
指先を哀れにくねらせていた。  
 しかし数分間耐えた後、苦痛とクリトリスから伝わる快感の刺激でメイレンは逝ってしまった――。  
 
 
 「……はううッ!!」  
 約2時間後、エミリアはメイレンと全く同じ状況に陥っていた。  
 形のよい乳房を揺らし、見えない何かに向かって抗議するかのように暴れるエミリア。  
 しかし彼女はメイレンよりも腕力はあった。渾身の力を腕に込め、木馬から身体を浮かせる。  
 「ほお…」  
 と、中島は2階の部屋からモニターでその様子を見ながら感心していた。  
 (だが、これは予想通りの展開。問題はここから新機能が正常に作動するかどうかだ……)  
 中島は一人心配そうに呟くと、部屋に連れてきたメイレンに目を落とした。  
 汗を滲ませて荒い息をするメイレンの労をねぎらわないといけない。  
 首をうなだれ、ぐったりしたままイスに座らされているメイレンの乳首を中島はそっと口に含んだ――。  
 
 「だ、誰か……ここから降ろして……」  
 身体を浮かせることはできたが、木馬からは一人で降りることは無理だとエミリアは判断し、絶望した。  
 誰か人の助けがなければ、やがてまた木馬に腰を下ろすことになるだろう。  
 真下を見ると、木馬の背中がエミリアの柔肉を誘うかのように不気味に振動している。  
 (あんなところに降りてしまったら…)  
 一体どうなってしまうのだろう、と考えると冷や汗が流れ、手が滑りそうになる。  
 あらん限りの力で踏ん張るエミリアは木馬の背中の一部が開いて男性器の形をした張り型が  
飛び出してきていることに気付かない、そして……。  
 「ひあッ!?ひぃぃぃッ!!あぁぁぁあああッ!!」  
 張り型はエミリアの肉壷に狙いを定めると一直線に貫いていた。  
 すでに濡れていたエミリアの媚肉はその擬似男根をすんなりと受け入れる。  
 膣壁を擦られ、白い衝撃がエミリアの身体を走る。  
 「こ、こんなのいやぁぁぁッ!!」  
 力を失い木馬の上に落下したエミリアは苦痛に尻を蠢かせると一際高く咽び泣いた。  
 裂かれた媚肉の上の肉の芽は残酷な責め苦にもめげずに熱く、しっとりと泣き濡れていた。  
 エミリアの肉体は激烈な苦痛に苛まれながらも、苦痛の大きさに近いほどの快感が全身を貫いていた。  
 彼女が手足を突っ張ると、台の背はより深く股間に分け入ってきたが、それでも絶頂への快感を  
貪ろうとする本性のほうが強く、そのまま二重、三重の快感で逝ってしまった――。  
 
 
 「……きゃあぁぁぁッ!!」  
 さらに2時間後、アニーはメイレン、そしてエミリアがたどった道を見事に踏襲していた。  
 しかし三人の中で最も運動神経が高いアニーは張り型に貫かれた瞬間、ユニコーンの首筋に  
しがみついていた。  
 ズチュッ、ズチュッ、と卑猥な音を立てて肉壷の奥まで貫かれる。  
 「はひぃぃぃ…、も、もう……や、やめてぇッ!!」  
 紙一重で木馬に落ちないアニーの肉壷を張り型は一定のリズムで責め続ける。  
 台の表面には淫らな分泌液が滴り流れた。  
 「こりゃあ、予想以上の大奮闘じゃないか」  
 ベッドの上で四つん這いにさせたメイレンとエミリアを指で責めながら中島は唸っていた。  
 ああっ、と切なげな二人のよがり声が防音壁に包まれた部屋中に響き渡る。  
 どうやら元気を取り戻してくれたようだ、中島は肉壷の中で指を折り曲げると、激しく性感帯を擦り続けた。  
 ベッドの上に突っ伏した二人の膣壁が指をキュッと締め付けている。  
 どろどろになった両手を二人の肉壷から離すと、一滴残さずなめ取った中島はT260Gにファイナル  
モードの信号を送った。  
 
 ファイナルモードは凄まじいの一言に尽きた。  
 アニーの尻の穴にもう一つの張り型がつきささり、たわわに実った両乳は飛び出してきた  
クリップにより、その先端の蕾を挟まれると同時に、微弱な電流が流されていた。  
 アニーは抗ったが、高まっていく自分の情欲を抑えきれず、陶酔の坩堝にのめりこんでいく  
自分の情けなさに涙を流していた。  
 彼女の気持ちとは裏腹に、股間には多量の蜜が溜まっていた。  
 そのまま大きく仰け反ると木馬に柔肉を食い込ませたアニーは声にならない声を挙げていた。  
 「………………ッ!!!!」  
 隠しアームがアニーの両脚を掴むと激しく揺さぶりを掛けた。  
 木馬の背中もマッサージ器のように動き出し、クリトリスを挟むと揉みつぶすように何度も  
執拗に動いていた。  
 「ひぐぅッ……あうぁ……たすけ……ひぃぃぃッ!!!……」  
 魂の消えんばかりの悲鳴が高い工場の天井にこだました。  
 涙と涎にまみれながら、何とか快楽から逃れようともがくアニー。  
 木馬をギシギシと鳴らしてアニーの白い肉体が激痛にのたうった。  
 その動きはまるで自分から女の亀裂を、牙をむいた木馬の背に擦りつけているようだった。  
 中島がモニターを拡大すると、アニーは白目を剥き、何度も気をやりながら痙攣を  
繰り返しているところだった。  
 
 このままではアニーちゃんが壊れてしまうじゃないか、と慌てて中島は部屋を飛び出し、  
T260Gの非常用電源を落とした。  
 うつろな目のまま口元に笑みを浮かべてぐったりするアニーを二階へ運ぶと、急いで気付用に  
膣内射精を施してやる。  
 舌をれろれろと絡めて人工呼吸を行なうと、アニーが苦しそうに息を吐き出した。  
 舌と肉棒を差し込んだまま抽送を繰り返し、彼女の回復を待つしかない。  
 実験に付き合ってくれた被験者たちへのせめてものお礼と、今後の彼女たちの協力を  
当てにしてのアフターケアだ。  
 経営方針を変え、戦闘用から娯楽を目的とした機械作りへシフトしていくには彼女たちの  
協力、特に実体験によるデータの採取は欠かせないはずだ。  
 確実な協力が見込めるように、念のために3人の痴態は録画してあるが、どうやらそれも必要なさそうだ。  
 床では大の字になったメイレンとエミリアが、愛液を漏らしながら特大のバイブレーターを秘所に  
咥えこんでいる。  
 幸せそうな二人の寝顔を見ながら中島はアニーの中に出していた――。  
 
 
 中島と取引をしたT260Gはボディの変更をせずにボロへと向かっていた。  
 このボディは人間の女性を喜ばすことができるボディとして開発されたのだ。  
 きっとローズマリー様も喜んでくれるだろう。  
 中島社長が言うところの“あへ顔”こそが人間の至高の悦びを表す表情らしい。  
 最後のアニーの表情がその“あへ顔”だったそうだが、T260Gには理解できない。  
 ただ再生した画像の中でアニーは『壊れちゃう…』とひたすら口にしていた。  
 『壊れる』ことと“あへ顔”にはどのような因果関係があるのだろうか。  
 端末で検索しようとすると、メイレン、エミリア、そしてアニーの気持ちよさそうに楽しむ様子が  
メモリ内にフラッシュバックしてきた。  
 検索をやめ、静かに省エネモードに入る。  
 2時間32分と50秒後に懐かしいボロへと帰還した。  
 大地に降り立ったT260Gに駆け寄るローズマリー。  
 
 そしてボロの大地は、雲ひとつない蒼天に響き渡ったタイム隊長の絶叫を皮切りに、  
再び騒動の幕が持ち上がるのだった――。  
 

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