アバロンの街並みは今、悲しみに翳っていた。  
 偉大な王、レオンの死に国民は胸を痛め、重責を背負って気丈に立ち上がったジェラールに想いを馳せる。  
 安息日を前に華やぐ城下の街並みも、どこか空元気を感じさせて切なさを誘う。  
 宮廷魔術士のエメラルドは、その空気を全身で感じて己の責任を実感していた。  
 即位して間もないジェラールに、クジンシー討伐メンバーに選抜された自分の運命を噛み締める。  
 同時に彼女は、奇しくも一緒に戦うこととなった意中の人物を探して城下町に繰り出していた。  
「っと、いた……んもっ、また一人でウジウジ悩んでるんだ」  
 城下でも一番の老舗、冒険者に市民、国の重鎮までが集う満月亭にその姿はあった。  
 見るも逞しい巨躯を、いかにも狭苦しそうに縮めてカウンターの隅に寄せて杯を傾けている。  
 エメラルドは、その姿をやっと見付けて店内に脚を進めた。  
「探したぞ、ベア君。どしてキミはそうやって、一人で何でも抱え込むかな」  
「エメラルド、さん……」  
 二代に渡って皇帝に仕える、帝国重装歩兵の青年が面をあげた。  
 驚きと小さな喜びに彩られた視線を受け止めながら、エメラルドは酒を注文する。  
 歌と歓声が満ちる酒場の片隅、カウンターに二人は並んで腰掛けていた。  
「ジェラール殿下は」  
「ジェラール陛下、ね」  
「あ、はい……ジェラール陛下は、引き続き僕を登用して下さいました。どうしてでしょう」  
「ベア君、それはキミが優秀だから。もっと自分に自信を持ったらどうかな」  
 ――じゃないと、私も見てて気が気じゃない……その本音は心の奥に今はしまっておく。  
 エメラルドは酒場のマスターから泡立つ冷えたエールを受け取り、カウンターに頬杖を突いた。  
「相変わらず自信がないんだ。だから不安になる」  
「そうですね……僕はただ、盾になるしかできないのに。その責務も果せず、レオン陛下を……」  
 ジョッキを握るベアの手が震えていた。  
 大柄で強面な外見とは裏腹に、ベアは繊細で心優しい人間だった。  
 故に今、悩んでいる……己の使命を全うできなかった事を悔やみ、自分を責めている。  
「いつもそうだね、キミは。いいけどさ、別に……私、見守るだけだったし」  
 エメラルドは冷たい豊穣の酒精に口をつけながら、独り言のように呟く。  
 今まではよかった……影ながらベアを見守り、応援して、時に叱咤し、時に激励して支えてきた。  
 だが、これからは違う。  
 既にもう、ジェラール陛下の下に集いし、クジンシー打倒を誓った仲間だから。  
 
「ねえ、ベア君。キミにはキミにしかできないことがあるんだぞ? だから……」  
「でも、僕は……エメラルドさんをはじめ、多くの人が気に掛けてくれるのに。期待に応えられない」  
 己の苦悩と葛藤を飲み下すように、ベアは杯をあおった。  
 空になったジョッキが、トン! と乾いた音を立ててカウンターに置かれる。  
 より身近な、具体的な仲間になったからだろうか? エメラルドは、そんなベアを見るのは辛かった。  
 今まではお姉さん面して、宮廷の奥からベアの面倒を見ながら心配してきたが。  
 今は、共に最前線でジェラール陛下の共をする身……互いに命を預けあう仲。  
 エメラルドは不意に杯をあおって一気にエールを飲むと、椅子を蹴って立ち上がった。  
「よいかベア。我々はインペリアルクロスという陣形で戦う!」  
 驚き目を点にするベアへと、人差し指をつきたて、その分厚い胸をトントンと叩きながらエメラルドは言葉を紡いだ。  
「防御力の高いキミが前衛、両脇をジェイムズとテレーズが固める。私は一番後ろに立つ」  
「エ、エメラルドさん?」  
「お前のポジションが一番重要だ。心して戦え――ベア君、陛下をお守りするのはキミなんだぞ?」  
「は、はあ……」  
 驚き巨体を縮めて、壁際へと身を寄せるベアにエメラルドは上体をずいと乗り出して。  
 そのまま、ピンと伸ばした人差し指で、ベアの額をペチリと弾いた。  
 責任を感じる、その辛さは解る積もりだし、その責任感が好きだから。  
 だからエメラルドは、少しでも重荷を取り除きたかった……影に日向に見守って来た青年から。  
「とりあえずっ! 悩んで凹んで落ち込んで、そうやっててもレオン陛下は戻ってこないんだから」  
「それはっ! そう、です、けど……」  
「なら、今できることをしようよ。ベア君、ジェラール陛下を守って。ま、まあついでに――」  
 私も守って……その一言は飲み込んで心の中に結ぶエメラルド。  
 彼女は呆気に取られるベアの前で杯を乾かすと、マスターに酒を追加してベアに微笑んだ。  
「兎に角っ! しっかりしてよね、キミの鉄壁の守りが頼りなんだから」  
「で、でも」  
「まだ何か? 男の子でしょ、しっかりしなさいっ! 格好いいとこ、見せてよ」  
「それは……その……」  
 もじもじと要領を得ぬベアに、エメラルドは酒場のマスターから受け取ったジョッキの片方を渡す。  
 そして、改めて乾杯を強要すると……可愛い弟分の巨体に身を寄りかからせて、彼女は酒気を身に招いて一時の幸せにまどろんだ。  
 
「エメラルドさん、大丈夫ですか? 部屋取ったんで、今日は王城に戻るのはあきらめて……」  
 広く温かい背中に今、エメラルドは頬を埋めていた。  
 ベアに背負われ、満月亭の二階へと運ばれているのだ。  
 愛しく可愛い、しかし直接的には決して想いを伝えてこなかったベアが、優しくその身を揺する。  
 背後から首に手を回して、エメラルドは酔いに負けた躯をベアに預けていた。  
「じゃ、じゃあ僕は王城に戻りますんで、その、ええと……い、いいのかな」  
 うぶなベアがしどろもどろに、個室の扉を開けてベットにエメラルドを横たえる。  
 ベアの体温が離れてゆくのを、エメラルドは名残惜しく感じて濡れた瞳を向けた。  
 失敗……励まし勇気付けるつもりが、調子に乗って飲みすぎてしまった。  
 結果、この体たらくだが悪い気はしない。  
 ベアはいつでもエメラルドにとって、優しい男の子で、いまもそう。  
 ただ、今夜だけはそれ以上を求めてしまう……長年秘めてきた想いが抑えられない。  
「エメラルドさん、また明日……今日はありがとうございました」  
 ベアが踵を返して遠ざかるのを、エメラルドはベットで上体を起こして見送った。  
 ドアノブに手を掛けるベアが、肩越しに一度だけ振り返る。  
「僕、陛下を……ジェラール陛下を守ります。今度こそ、命に代えても。そして……」  
 その言葉の先をエメラルドは全く予想していなかった。  
 勝手に好意を寄せて、おせっかいと老婆心で接してきたから……全くの不意打ちだった。  
「そして、エメラルドさん。貴女を守り抜きます。それがきっと、僕にできる全てだから」  
 決意を述べて、ベアがドアを開けた。  
 その瞬間にはもう、エメラルドはふらふらと立ち上がり、身を預けるように駆け寄る。  
 自分でも意外だったが、エメラルドはベアの背に抱きすがっていた。  
「エ、エメラルドさん」  
「いや、いかないで……今夜は一人にしないで。ずるいよ、こんなの……」  
 広く大きな背に顔を埋めて、エメラルドは想いの結晶が胸中に弾ける音を聴いた。  
 秘めていた気持ちがとめどなく溢れて、気付けば頬を涙が伝った。  
 ずっと、いいお姉さんでいよう……見た目に反して気弱で繊細な、優しいベアを支えよう。  
 そう思っていたのに、もうエメラルドは自分を抑えられなかった。  
「キミはいっつも、頼りなくて、弱気で。でもホントは強いんだぞ? ベア君、強いんだから……」  
「エメラルドさん……僕、自分に自信は持てません。でも、エメラルドさんが言うなら」  
 己の腰に回る細くしなやかな手を手に取って、優しく解くとベアがが振り向いた。  
 そのまま華奢な宮廷魔術士の身体を抱きすくめると、ベアは甘い体臭に鼻腔をくすぐられる。  
 長い間抱き合い、互いの気持ちを声なき言葉で語らうベアとエメラルド。  
 二人は言の葉を紡ぐことを忘れた唇を、どちらからともなく重ねた。  
 
 ベアははじめての経験に頭が真っ白になった。  
 異性とくちづけを交わす、そのことも初体験で思考を急激に奪ってゆく。  
 ただ感じるのは、桜色の唇の柔らかさ、行き交う吐息の暖かさ。  
 抱きしめれば逞しい腕の中で壊れてしまいそうな、柔らかい体温をベアは慈しんだ。  
 永遠にも思える一瞬が過ぎ去って、唇と唇が光の架け橋を引いて離れると……  
 気付けばベアは無我夢中で、エメラルドを抱き上げベッドへと歩いていた。  
 エメラルドは拒まず、腕の中で恥ずかしそうに俯いていた。  
「ベア君、あの、私ね……凄く、嬉しい、んだけど……その、あの……」  
 ベッドにエメラルドを優しく横たえ、その上に覆い被さるベア。  
 ギシリとベッドが軋んで、恥ずかしそうにエメラルドが視線を逸らす。  
「私なんかでいいのかな、その……ベア君は、こんなこと言うのも、その……」  
 もじもじと胸元のスカーフをいじりながら、エメラルドは身を捩って呟く。  
 ベアはこの時始めて、常日頃から自分を見守ってくれてた、姉のような存在へと恋心を告白した。  
「僕、エメラルドさんがはじめて好きになった人です」  
「うん……でも、私でいいのかな。ほら、私ってさ、なんか、その……」  
「エメラルドさんがいいんです。貴女じゃなきゃ嫌です。好きっ、なん、ですっ!」  
「ベア君……」  
 息を切らせてベアは、エメラルドを見下ろしていた。  
 その頬に手を伸ばして、上体を起こしたエメラルドが唇を寄せてくる。  
 再度キスを交わした二人は、どちらからともなく相手の着衣を脱がせていった。  
「……あ、あれ、ええと……」  
「ふふ、やだ……もう、ベア君いいよ。無理しなくても。少しだけ、あっち向いてて」  
 アバロン帝国が宮廷魔術士に支給する、簡素なチュニックは脱がすことに成功した。  
 だがベアは、その下で白い肌を最後に覆う、下着の金具に大きな手を難儀させた。  
 ベアの胸のなかで喉を鳴らして笑いながら、エメラルドは枕元のランプの明かりへ息を吹きかける。  
 真っ暗になった中、目が慣れてくると……ベアの前に、白い裸体が浮かび上がった。  
「私だけ、やだな……恥ずかしい。ベア君も脱いで」  
「は、はいっ」  
 慌ててベアも、着衣を全て脱ぎ捨てる。  
 お互い生まれたままの姿になったベアとエメラルドは、闇の中に互いを求めて手を伸べた。  
 手と手が触れ合い、指と指が絡み合う。  
「ベア君、さっきは嬉しかった。私もずっと、ベア君のこと好きだった」  
 エメラルドは逞しい胸の中で呟いた。  
 肌を合わせれば自然と、ベアの緊張が伝わりエメラルドの愛おしさを加速させる。  
 ベアにとって自分が、初めての女なのだと知れば、つい気を使ってしまう。  
 それはしかし、相手を想うゆえの純粋な好意からくる欲求だった。  
 ベアの初めてになる、その一夜を大切なものとして共有したい――  
 何より、ベアには男として自信をもって自分を愛して欲しいから。  
 エメラルドは今まで経験した誰よりも、ベアに強いときめきを感じて身体を開いた。  
 
 ベアの気持ちが肌と肌の間に感じられる。  
 しかしそれは同時に、ベアが想いを伝える術に戸惑っているとエメラルドは悟った。  
 既に互いを隔てるものは何もなく、全てを曝け出して向き合っているのに。  
 ベアはエメラルドの上に圧し掛かって見詰めながらも、その先に進めないでいる。  
「そんなに緊張しないで、ベア君」  
「でっ、でも、僕は初めてで……その、エメラルドさんは……」  
「ん、私は、それは、まぁ、初めてじゃないけど……んもうっ!」  
 もどかしげにエメラルドは、ベットに手を突くベアの手首を手に取って。  
 そのまま、厳つい大きな手を己の股間へと導いた。  
 濡れそぼる茂みの奥へと、固く節ばった指がうずめられる。  
「ほら、解る? ベア君、私こんなになってる……はしたない、かな」  
「そんな……エメラルドさんは、はしたなくなんかないですっ!」  
 ベアの指が濡れた音をたてて、エメラルドの秘所を泡立てた。  
 その繊細な動きに身を震わせながら、エメラルドはベアの首に両手を回す。  
「エメラルドさん、あの」  
「ん、平気……そう、そこ。や、あっ……ベア君、いいの。もっと、して……」  
 湿った淫音をたてて、ベアの指先が秘裂へと埋まってゆく。  
 エメラルドはその度に、身をくねらせて喘ぎ声をあげた。  
「ベア君……私も、触っていい?」  
「えっ、あ、あっ、はい」  
 エメラルドは押し寄せる至福と快楽に呆けた顔をベアに向けながら。  
 両手を解いて、厚い胸板をさわさわと撫でる。  
 その手は次第に下がってゆき、引き締まった腹筋を伝って下腹部へと伸びた。  
 猛る剛直へと触れ、エメラルドはそれを優しく愛撫する。  
「凄いよ、ベア君……こんなに。私、嬉しいな」  
 エメラルドの手の中で、ベア自身が熱く脈打ち漲っていた。  
 ベアはエメラルドの指使いに思わず声を漏らしながらも、不意に身を離した。  
「ベ、ベア君? あ、や……無理、しなくて、いいのに」  
「僕、どうしていいか……でも、あのっ、エメラルドさんのこと、好きだからっ」  
 不意にベアは身をずらしてエメラルドの下腹部に顔を埋めた。  
 そのまま唇で陰部に触れて、舌先をその奥へと這わせる。  
 稚拙だが熱意に溢れたその舌使いに、思わずエメラルドは眉根を寄せて全身で喘いだ。  
「やっ、恥ずかし……ベア君っ」  
「エメラルドさん、すっごい濡れてる」  
 ピチャピチャと音を立てて、ベアが貪るように舌を這わせる。  
 エメラルドはもう、身を震わせて快楽に酔う他なかった。  
 やがてどちらからともなく見詰めあい、自然と気運が高まり結合を求め合う。  
「エメラルドさん、僕もうっ……」  
「ん、いいよ……挿れて。そう、そこ……ゆっくり、落ち着いて……」  
 若い劣情の滾りを己の中へと導きながら、エメラルドは見上げた。  
 愛しいベアは今、自分を案じて気遣いながらも、一つになるべく悪戦苦闘していた。  
 それが何だか少しおかしくて、今まで以上に愛おしくて。  
 エメラルドは込み上げる笑みに喉を鳴らしながら、ベアへと身を委ねた。  
 
 エメラルドは今まで、両手で足りぬ数ほどの男と浮世を流してきた。  
 それは女として求める欲求に素直に応じた結果であり、どれも満足のいく関係だった。  
 しかし今、その刹那的な契りが色褪せてゆく……ベアと、一つになった瞬間から。  
「あっ、あ……エメラルドさん、挿いり、ました……」  
「ん、上手よ。そのまま、奥まできて……そう、遠慮しないで」  
「で、でも」  
「ベア君、私はもうキミのものなんだぞ? 私、嬉しいの」  
 肌を重ねて互いの粘膜を合わせて、ベアとエメラルドは一つになった。  
 その幸福感を今、両者は共有している……そのことがエメラルドには嬉しかった。  
 自分の中で今、雄々しく脈打つ強張りが愛しくてたまらない。  
 今までの誰よりも、ベアが好きで好きで、たまらなく好きで。  
 ずっと秘めて押さえ込み、そのまま化石になりかけていた想いが実ったから。  
 エメラルドは幸せを噛み締めながら、逞しい背中に両腕を回した。  
「あっ、あのっ! エメラルドさん、僕もう……す、すみませんっ!」  
「ん、いいよ……私の中に、たっくさん出して」  
 脚と脚を絡めて、エメラルドはベアの逞しい下半身を挟み込んだ。  
 同時に、自分の中で脈打つ肉棒が一際硬度を増して震えるのを感じる。  
 ベアは初めての経験に思わず、挿入から数分ももたずに達してしまった。  
 断続的に白濁が吐き出されるのを、エメラルドは己の中に感じて吐息を吐き出した。  
「ああ……エメラルドさん、ごめんなさい。僕、あのっ」  
「ふふ、いいのいいの。初めてだもの。それより……気持ちよかったかな?」  
「は、はい……あの、僕また……」  
「ベア君、溜まってたみたいだね。まだ私の中に出してる。あは、熱い……」  
 射精は長時間に及び、大量の精液を注がれエメラルドは下腹部に確かな重みを感じた。  
 若い精を迸らせたベアが、萎えることなく自分の中で強張るのを感じる。  
 エメラルドはベアと繋がったまま、身を起こして唇を重ねた。  
「ベア君、好きだよ。ずっと好きだったの。だから……私より先に死んじゃダメだぞ?」  
「は、はいっ! エメラルドさん、貴女をずっと守ります」  
 力強い抱擁にエメラルドは、満足気に溜息を漏らした。  
 心のどこかで、自分が不忠だと……ジェラール陛下に申し訳ないと思いながら。  
 自分を守ると誓ってくれたベアが、今は何よりも大切に思えてならない。  
 エメラルドは分厚い胸板に頬を寄せて、幸せを感じていた。  
「エメラルドさん……僕っ、あのっ」  
「ベア君、折角だからそれも卒業しようか」  
 不意に不思議そうな顔で、腕の中のエメラルドを見下ろすベア。  
「ね、私はベア君の女なんだから……さん付けって、ちょっとヤだな」  
「え、や、でも、ほら、エメラルドさんにはずっとお世話になってきたし……」  
「だから、ね? 私達、もう……こゆ関係でしょ」  
 あたふたと口ごもるベアの唇に唇を重ねて、エメラルドは黙らせてしまった。  
 そのまま舌を絡ませれば、ベアも応えて抱き寄せてくれる。  
「ん、ふぁ……ね? ベア君、もう私のことは呼び捨てて欲しいな」  
「は、はい。ええと、じゃあ……エメラルド、あの、もう一回……」  
「いいよ、ベア。もっと愛して……ずっと愛して」  
 耳まで真っ赤になりながらも、自分の中で漲るベアを感じて。  
 エメラルドは花咲ける笑みでベアを抱きしめ、求めに応じて身も心もゆだねた。  
 

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