「ルービーィ、危ないって!もういいからやめろよーっ」  
「大丈夫大丈夫!これくらいどうってことないわ!」  
イスカンダールとの旅の途中、ふとした好奇心でルビィは障害物越えスキルもないのに(笑)ごつごつした岩によじ登っていた。  
「私の予感では、この先に・・・」  
おろおろと心配そうに見守るヒロユキをよそに、ルビィはどんどん登っていってしまう。  
もう少しでその頂上に頭が出るくらいのところで、思いきり身体を伸ばしたルビィの足下、がら、と小さな音を立てて岩肌が削れた。  
「あっ!」  
「ルビィ!」  
 
 
イスカンダールとサファイアが駆け付けた時、ルビィの下敷きになって目を回しているヒロユキの姿があった。  
 
「・・・ん・・・」  
「ヒロユキ!?・・・気がついた?」  
「ん・・・ルビィ・・・?あれ、ここは・・・」  
「ワンダ。ヒロユキ、頭打って気絶してたから」  
言われて、ヒロユキは頭の痛みを思い出した。・・・もう、さほど気になるものでもないが。  
「大丈夫だって、おっさん言ってた。」  
少し頭を持ち上げて、ルビィの向こう、窓の外をに目をやると暗闇に包まれている。  
「俺、ずっと寝てたんだ・・・みんなは?」  
「寝てると思う。もう、こんな時間だし」  
ルビィは、と言いかけて、寝ないでずっと居てくれた事に気付く。しかも、なんだか今にも泣きそうな顔をしていて、ヒロユキは面食らった。  
「・・・ゴメンね・・・私のせいで。」  
「あ、おいルビィ。どうしたんだよ」  
いつもと違う、元気のないルビィに戸惑い慌てるヒロユキ。  
「本当にごめんね・・・私、どうしてこんなにいいかげんなんだろ・・・」  
「ルビィ、いいよ、俺、ほら、大丈夫だし。ルビィらしくないよ、そんな顔」  
「だって」  
「俺なら大丈夫だって。そんなにヤワじゃないよ。ルビィのひとりやふたり落ちてきたって全然平気さ」  
何故か、ルビィはそれを聞いてさらに泣きそうになって、じっとヒロユキを見つめている。  
『ルビィって、時々こんな顔するんだよな』  
ヒロユキは戸惑う一方で、どこか冷静にその状況を見ていた。  
『ルビィはいつも元気すぎるくらい元気だけど、本当はちょっと違うのかな』  
なんとなく思っていた。それを口に出して聞いてみたことはないが。  
 
「あ、おなかすいてない?飲み物は?」  
突然ルビィはぱっと明るくなって今度は落ち着き無くぺらぺらと喋り始めた。  
「ね、何かして欲しいことある?」  
相当反省しているのだろう、普段なら絶対に言わないような事を口走っている。  
いつもパシリに使われている立場が逆だよ、と苦笑いする。断っていたが、なかなかルビィは引き下がらない。こうなると手が付けられないのだ、ルビィは。  
「・・・なら、ひとつ、いいかな」  
「何?何でもする!」  
「(そんな気軽に『なんでもする』なんて、言うなよ・・・)・・・ルビィと、したいな」  
「・・・えっ」  
ルビィの目が大きく見開かれた。  
ヒロユキはぐい、とその腕を引っ張ると、そのままルビィはヒロユキの上に倒れ込む形になった。  
「普段は口が裂けても言えないもんな・・・こんな事。」  
「ヒロユキ・・・」  
「俺、ルビィの事好きだよ。」  
「何、何言ってるのよ・・・」  
慌てて身を起こそうとするルビィだが、ヒロユキがそれを許さない。  
「じょ、冗談はやめてよ・・・  
「なんでもするって言ったじゃんかよ」  
動揺して、どうしていいかわからずに視線を彷徨わせている。ルビィのこんな様子は滅多に見ない・・・いや、さっきからずっとルビィはおかしい。いや・・・おかしいのは自分の方か・・・?  
「ルビィは、俺より背、低いもんな」  
「え?  
「こんな風に、下からルビィを見上げるなんて事、今までになかったから・・・なんか」  
「・・・何、何言ってるの?」  
「いや、もしかしたらルビィが岩に張り付いている時から、あのルビィを見上げてた時から、俺はずっとドキドキしてたかも知れない・・・」  
「ヒロユキ・・・」  
ヒロユキは手を離した。  
 
「ごめん、どうかしてた。」  
ルビィは自由になったが、ヒロユキの上から離れようとはしなかった。  
「ルビィ?」  
「・・・いいよ。・・・・・でも、私でいいの?」  
返事の代わりに、ヒロユキはがばっとルビィに抱きついた。  
 
 
ぎこちない仕種で服を脱ぎ、一緒にベッドに入ったが、お互いに照れと恥ずかしさとで何もできず、何も言えなかった。  
時々顔を向けて、目が合う度にそっぽを向く。  
やっと、ヒロユキが口を開く。  
「ルビィ」  
ルビィが何か言おうとする前に、その手がルビィに伸び、ぐっと引き寄せられた。  
素肌同士で伝わる温もりと、体の起伏。そしてお互いの鼓動が伝わる。  
「ルビィ・・・」  
ごろり、とルビィごと半回転してヒロユキはルビィの上になる。  
「今日は、泣きそうな顔ばかりしてるね、ルビィ」  
「ヒロユキだって・・・ヒロユキだって、情けない顔してるわよ・・・」  
かすかに震える声で、精一杯の強がりを言っているようだった。  
「そりゃ、いつもの事だろ」  
ヒロユキは笑って、ルビィの唇にそっと触れた。  
いつもその笑顔を、言葉を追っていた唇。ルビィが目を伏せたのを見て、ヒロユキは自分の唇を重ね合わせた。  
不思議と落ち着いて、長い間ただずっと触れ合わせていた。  
 
やがて、ルビィの腕がおそるおそるヒロユキの体に回された。しかし落ち着く場所が分からず、たどたどしく彷徨う。  
ヒロユキはぴったりと体を密着させて、唇をそろそろと下へずらしていった。  
首筋を舐め、鎖骨を辿り、やわらかな膨らみの間に顔を埋める。  
「や・・・」  
恥ずかしそうに身をよじりながら小さく声を上げるルビィ。  
ヒロユキは左の乳首に軽くキスをして、小刻みに震えるそれを口に含む。  
「あっ・・・」  
先端を舌でつつくように刺激しながら、軽く吸いあげると、ルビィの身体がびくん、と跳ねた。  
「や、あ・・・ヒロユキ・・・あん・・・」  
もう片方の乳首にも手を伸ばし、摘んでひねってみる。  
「あっ・・・ああ、っん・・・」  
「可愛いよ、ルビィ・・・」  
少しずつ存在を確かなものにするルビィの乳首と同様に、ヒロユキは自分のものがどんどん固くなるのを感じた。ルビィの胸をわしづかみにして、興奮のままに強く握りしめ、揉む。  
「あんっ・・・あッあ・・あーッ・・」  
ルビィは初めての感覚に戸惑い、流されながら仰け反って嬌声を上げた。  
 
さらにヒロユキは唇を滑らせ、下腹部に辿り着くと、そっとルビィの足を開かせる。  
「・・・濡れてる」  
言われて、顔を真っ赤にして俯くルビィ。  
足を閉じようとしたが、それよりも早くヒロユキがその間に身体を割り込ませ、息がかかるほど近くに顔を近付ける。見ていると、かすかにそこが艶かしく動き、どろり、と透明な液体がそこから溢れた。  
ヒロユキは自分の人さし指を舐めると、そこに差し込んだ。  
 
「ひっ・・・  
既に濡れているそこはぴちゃり、と小さな音を立て、浅くだがヒロユキの指を容易に飲み込んだ。  
「熱いね・・・ここ」  
いいながらヒロユキはゆっくりと何度も指を出し入れする。その度に水音が大きくなっていく。  
「ルビィ、見て・・・こんなに・・・  
「やだ、見ないで、何も言わないで・・・  
ヒロユキは親指でルビィの小さな肉芽に触れた。  
「・・・っはっ・・・・  
「ここが、気持ちいい?」  
俯いたまま答えないルビィ。しかし、ヒロユキの指が動く度に全身を震わせ、声を出さぬように耐えてい  
「教えてよ、ルビィ・・・ルビィを気持ちよくしてあげたいんだ」  
「・・・ん・・・・んー・・・  
泣きそうな表情で、首を振るルビィ。  
「言えない?でもさ、ルビィ・・・さっきから、すごく溢れてくるよ、ここから・・・  
指を入れたままのそこから透明な液体が滴り落ちている。  
指を増やし、もう片方の手で肉芽を摘んで扱くように動かす  
「やあっ・・・あっ、ダメ・・・ああんッ・・・・」  
「気持ちいいんだろ、ルビィ」  
「あっ、あん、ん・・・ッんう・・・  
息を荒げ、目に涙を浮かべてこくりと頷く。ヒロユキはそんなルビィの反応を見ながら、ルビィを責めたてていく。  
そして、ルビィの声に、息づかいに、ヒロユキは押さえ切れなくなった。  
 
「ルビィ。・・・俺・・・」  
その声の様子に、はっとルビィが顔を上げ・・・そして、視線を落とす。そこにはヒロユキのそそり立ったものがある。  
「・・・あ・・・」  
「怖い?」  
何も言えず、しかし目を逸らせずにいるルビィの手を導き、それに触れさせた。ルビィの手が触れた瞬間、さらにそれは角度を増した。  
「すごく熱い・・・」  
「ルビィのここも、熱いよ...」  
ぐちゅぐちゅと、卑猥な音を立てる。  
「・・・ルビィ」  
ヒロユキの呼ぶ声に、ルビィはヒロユキの瞳を見つめ、しっかりと頷いた。  
 
 
十分に濡れたそこにヒロユキのものをあてがうと、くちゅ、と音を立てて吸い付いた。そのまま、ヒロユキはルビィの腰を持ってゆっくりと突き刺していく。かなり濡れてはいるが、まだ狭いそこはぎちぎちとヒロユキを締め付け、ルビィにも激しい痛みが襲う。  
「....あ・・・あっ・・・っ」  
「大丈夫?ルビィ」  
「・・・だ・・・いじょうぶ・・・あ、熱い・・・ヒロユキ、すごく熱い・・・」  
ゆっくりと腰を進めながら、ヒロユキは何度もルビィにキスをした。  
何かが張りつめる感覚の後、その緊張が不意になくなる。ずる、と吸い込まれるようにヒロユキはルビィの中におさまった。  
「ルビィの中、すごく気持ちいい・・・」  
「ヒロユキ・・・全部、入っちゃったの・・?  
「ああ」  
「・・・そう・・・ありがと・・・」  
ルビィはヒロユキの胸に顔をつけて、嬉しいのか痛いのか・・・静かに泣いていた。  
やがてルビィがヒロユキの方に顔を向けた時、にっこりと穏やかに笑っていた。  
 
ヒロユキが腰を動かし出す。  
ぎこちない動作だったが、次第に心得てより深くを求めてルビィの内部を抉っていく。ルビィもまた、翻弄されながらもその動きに合わせて自ら動いていく。  
「あッ・・・あっ・・・・ヒロ・・・ユキ・・・ッ」  
「ルビィ・・・・すっげー・・・イイよ、ルビィ」  
「ヒロユキ、ああん・・・あ、そこ・・・もっと、んんッ・・・やだ、あ、気持ちいいよぅ・・・」  
そして、鮮明な快感が解放を求めて急速に高まっていくのを感じ・・・  
「ヒロユキ・・・・あ、わたし、イきそう・・・  
「俺も・・・もう出る・・・」  
「ッ・・あッ・・・あふっ・・・んッんッ・・・・んんーーッ・・・」  
「ル・・・ビィ・・・ッ」  
ヒロユキがルビィの奥深くに熱いものを解放するのと同時に、ルビィの内部が激しくうねるように痙攣しはじめた。  
ふたりは抱き合ったまま、お互いに落ち着くのを待ち、また唇を重ねた。  
何も言わなかった。  
ルビィはうっとりと目を閉じ、そのまま寝息をたてはじめ、ヒロユキはまたルビィが目を覚ますまで、そのままじっと見守っていた。  
目が覚めた時、一体どんな顔をするのだろうか・・・ヒロユキはぼんやりとそんな事を考えていた。  
 
 
〜Fin〜  

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