帝都アバロンの地下を最終皇帝のロクサヌと側近達が進む。ここに来たのは  
偶然であった。何故墓参りなどする気になったか皇帝自身もわからなかった。  
目前に迫った最終決戦の準備や共和制への移行が要する激務からの一時の息抜  
きとも過去への表敬ともとれるが、それが思いがけない亡国の萌芽を捕捉した  
。タームがいた。昔の皇帝が異国の地で遭遇したと言われる、強大な社会を構  
築して人類を脅かすシロアリである。  
 装備を持ってきていたのは幸運であった。ロクサヌ達はタームの本拠地へと  
突入し、クイーンを見た。伝承された記憶に近い姿形をしたそれは、しかし記  
憶に無い様子を見せた。確かにクイーンであるが、どこか、生気を感じさせな  
い。  
 気がつく前に、その抜け殻を跳び越えて影が飛来した。その姿は人間の女に  
似ている。しかしその肌の色と背中に生やした羽は明らかに人間の物でない。  
そして何者かわからないその女の目は、ついにロクサヌ達はわからなかった。  
その目を覗き込んだ時、皇帝達は無力化されたのである。  
 
 72時間後、今や世界最大の都市アバロンは地獄と化していた…タームが闊  
歩し、アバロンを自分達の新たな都市に改造し始めていた。「先住民」は全て  
連れ去られターム帝国建国の奴隷にされていた。そして抵抗の可能性がある者  
は勿論殺害された。奴隷達の最大の関心事は皇帝の安否であった。最後の希望  
を皇帝に託していた。  
 
 「…生きてる」  
 ロクサヌは目を覚ました。体はどこにも異常は無いように思える。地面の冷  
たさと湿り気を感じる。地下である。あの、最後の記憶にあったクイーンの部  
屋と同じだった。  
 (あの女!!)  
 咄嗟に武器を取ろうとするがそこには何も無かった。慌てて下を見回し這い  
回るが、落ちてもいない。  
 (奪われたか)  
 恐れが這い上がりつばを飲み込んだ。側近はどこにも見当たらない。ロクサ  
ヌは自分が敵の手の内に落ちた事を理解した。  
 
 焦る目で辺りを探した。あの女もタームもいない。だが、何かの香りをか  
いだ。世界帝国となったヴァレンヌ帝国の皇帝は、世界の最果てからも取り寄  
せる事が出来る。しかし未知の香りである。過去の記憶を辿って戦慄した。  
 (いけない!!これは!!)  
 だが遅かった。敵を探す目は主人を探す目に変わり始めた。  
 「おはよう。私のかわいいロクサヌ」  
 ゆっくりと彼女は降りて来てロクサヌを抱くとキスをした。ロクサヌの目の  
色は更に酔いの色を濃くした。ロクサヌはクイーンの唇をむさぼった。  
 「ちょっとロクサヌそんなにがっつかないでって。でもうれしいな」  
 「光栄です」  
 興奮したままロクサヌが目を潤ませて言う。  
 「何故わたしのようなおぞましい者をお許しくださったのでしょうか」  
 「それはねロクサヌ」  
 またクイーンは一度キスしてから言った。  
 「あなたが、とてもかわいいから」  
 まるで子供のように喜ぶロクサヌを腕の中に抱いた。ロクサヌは待ちきれな  
かった様に青い、陶磁器よりも滑らかな肌に頬擦りした。  
 「いい気持ち」  
 目の前に胸がある。その形は理想的な物を備えている。女性のロクサヌから  
見ても。  
 「吸っていいのよロクサヌ」  
 すぐさまその先端にロクサヌは飛びついた。手を丸め、目を瞑って至福の顔  
を浮かべている。ロクサヌの顔は人間の見せ得る最も幸せに満ちた表情をして  
いる。堪能し切ったロクサヌが荒い息で口を離した。  
 「私のも、私のも自由にして」  
 装備を投げ捨て装束を投げ捨て、顔を輝かせてロクサヌが裸体になった。  
 「いいのロクサヌ?うれしいわ」  
 そっとクイーンが背をかがめ、顔を埋めた。  
 「あっ」  
 鋭い声が漏れた。しかし顔は柔和その物だった。愛しいクイーンに吸われる  
快感にとろけた。  
 
 「お前は!!」  
 「絶滅していなかったのか!!」  
 次々に驚きの声が上がる。だが七人はかつて戦った時以上に歴戦の英雄であ  
った。その為に油断した。遺跡の奥に六人が倒れた。本体を倒され、もはや蘇  
生する機会の無い死だった。  
 「やめてくれ。ロックブーケだけは助けてくれ…」  
 「言われなくてもそうするわ。安心して」  
 ロックブーケは既に虜になっていた。二人の美女は寄り添って遺跡を出た。  
 
 タームの帝国は世界全土を覆った。その世界帝国の帝都の最深部で今日もま  
た甘いうめき声が上がった。  
 ロックブーケとロクサヌが、二人してクイーンの胸にとりついている。その  
二人の手はクイーンの手を自分自身の陰部に導いている。  
 「うっ」  
 「あふっ」  
 「少し留守にしてごめんね。どうしてたの?」  
 「ロックブーケと遊んでました」  
 「お互いに相手があなただと思って」  
 「そうなの。今日はたっぷり楽しみなさい」  
 

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