ミカエルは西の森のモンスターを蹴散らして奥へと向かった。  
森の奥には『教授』の住んでいるといわれる館があり、ミカエルはなんのためらいもなく扉を開けた。  
 へやにはだれもいなかったが構わず入り込み、部屋の奥にある扉を開け、地下室に下りていった。  
階段を降りるにつれて、喘ぎ声がはっきりと聞き取れるようになり、だんだん女の匂いが強くなってきた。  
ミカエルははっきりとそこにモニカがいることは予測してはいたが、それを信じたくはなかった。しかし、彼は階段を降りていった。  
地下室にたどり着いたミカエルを待ち受けていたものは、あられもない妹の姿と、紫の服を着た女だった。  
 「ああ…はあぁぁん!もっと…もっと…」  
モニカは得体の知れない生物の触手に全身をもてあそばれていた。  
形のよい胸に触手が這いまわり、脚を広げられ、秘穴にはひときわ太い触手が突き刺さり、全身がモニカと触手の分泌したと思われる液体でぬらぬらと光っていた。  
 「ん…実験中は立ち入り禁止だわ!それにしても珍しいわね。こんなところにお客さんなんて…」  
 「貴様!どういうつもりだ!今すぐモニカを離せ!」  
 「いえ…今データを収集していますの。全くすばらしい薬が出来ましたわ。」  
その女はミカエルの言うことなど我関せずといった様子で、勝手なことを並べた。  
 「ふざけるな!」  
ミカエルがものすごい剣幕で怒鳴った。  
 「いいかげんにモニカからその汚らわしい怪物を離せ!早く!」  
 「怒っちゃいやですわ。」  
まだその女は事情が飲みこめていないようだった。  
とうとうミカエルは無言で腰のエストックを抜き、怪物の触手をばっさりと斬り落とした。それから女に剣を向けた。  
 
 「ひっ!さっさと逃げますわよ!」  
そういうと、女は部屋の端に止めてあった戦車に乗り、ドアを破って発進しようとしたが、先にミカエルのファイアクラッカーが戦車に炸裂した。  
教授は爆発にまきこまれてミカエルの足元まで吹っ飛んできた。  
 「お前は…ロアーヌに帰ったらかまゆでの刑だ!」  
ミカエルがのびてしまった教授に言い放つ。それから床にぐったりとへたり込んでいるモニカのところへ駆け寄った。  
 「モニカ!大丈夫か!しっかりしろ!」  
モニカの身体を揺さぶるが、彼女の身体は鉛のように重く、  
首もほとんどすわっておらずにがくがくと動き、べとべとになった金の髪がミカエルの腕にまとわりついた。  
 「あ…もっと…して…駄目…やめないで…」  
モニカはうつろな目のまま、ミカエルに身体をすりよせて来る。  
 「…私だ!ミカエルだ!モニカ!」  
しかしモニカはミカエルだということがわからないようだった。  
 「いやぁ…はやく…もう我慢できないの!」  
そう言ってミカエルに体を預ける。 モニカの予想外の反応に、ミカエルは思わずひきそうになってしまった。  
 「ぐっ…なんということだ…私さえ…しっかりしていれば…」  
ミカエルはモニカをツヴァイクに遣ったことを心底後悔した。が、すべてはもう後の祭だった。  
 
 
 数日後。  
ミカエルは落胆したままモニカを抱きかかえてロアーヌにこっそりと帰ってきた。  
それから、例のいかれた教授もついでにしょっぴいてきて、取り調べるように言っておいた。  
一応モニカをいろいろな医者に見せたが、どの医者も手の施しよう無しだった。  
 「駄目か…」  
 「はい、申し訳ございませんが…姫様は完全に精神が狂っておられまして…手のつけようがございません…」  
 今日診療を依頼した医者もモニカには手の付けようがないらしかった。  
 「はぁ…」  
ミカエルは自室に戻ると、ベッドの中に潜ろうとした。ふとまっさらなシーツを見ると、その下のマットに血のしみが乾いた跡があった。  
 「う…モニカ…」  
モニカの初夜のことが思い出された。ツヴァイクに行く夜にミカエルを求めてきたモニカや、  
ベッドで挿入の痛みにひたすら堪えていたモニカのことが脳内を駆け巡った。  
 「はぁ…あのモニカが!なんたることだ…」  
ミカエルは頭を抱えてうずくまっていた。  
しばらくうずくまっていると、ドアのノックの音が控えめに聞こえた。  
 「入れ。」  
ミカエルは力なく答えた。  
 「ミカエル様、失礼致します。」  
入ってきたのは大臣だった。  
 「モニカ様の件なのですが…」  
 「なんだ。」  
 「あのツヴァイクから来た女を取り調べているうちに、いろいろ判ってきたのですが…  
やはりモニカ様のお具合がよくないのは薬のせいであるそうで…体内に多くの薬が残っているらしく…  
それを取り除かない限りは…」  
 「だからどうしたのだ。」  
 「いえ…あの女が、モニカ様に使った薬の解毒法を発見するかもしれないのです。  
で…なんとなく見当はついているようなのですが…」  
 大臣はもじもじしながら言った。  
 
ミカエルのやつれた顔に希望の色が浮かんだ。確かに、少々狂っているとはいえ、戦車を作ったり、モンスターを改造するぐらいの技術の持ち主なら解毒剤は作れるかもしれない。  
しかも、一度は自分の改造した狂暴な動物の処分法を自分で考え出したという経歴の持ち主らしい。  
 「ならばすぐに研究させろ。あと言っておくが、失敗したらあの女は即かまゆでだ。」  
 「はっ!」  
大臣はほっとした顔をし、そそくさと部屋を出ていった。  
    
 その夜。城のみんなが寝静まったころ、モニカの部屋では、一人の女の喘ぎ声が響いていた。  
 「あん…ああんっ!」  
ミカエルに救出されてからというもの、モニカは毎晩自室で淫事にふけっていた。  
 「ああ…べとべと…気持ちいい…」  
今日はベッドの上で膝立して脚を開き、大胆な格好で快感をむさぼっていた。  
モニカの片方の手は自らの充血してはれ上がった秘穴をかき回し、もう片方の手はそのやわらかでかたちのいい乳房を弄んでいた。もう股の下には水溜りが出来ていた。  
 「んっ…いくっ…いっ…ちゃうーっ!」  
モニカの身体がのけぞり、びくびくと震えた、そのままベッドに突っ伏した。そしてすぐに秘部に指を伸ばした。  
そしてまだ震えの止まらない膣内にモニカの華奢な指が入りこみ、くちゃくちゃと音を立てて動き始めた。  
 「う…いやあぁ…こんなんでは…もう…」  
モニカは糸をひいた指を抜いてからよろよろとたちあがると、夢遊病者のように部屋を出た。  
モニカの通った跡には、半透明のしずくが何滴も落ちていた。  
 
一方、ミカエルは胸にわずかな希望を抱きつつも寝付くことが出来なかった。  
 「モニカ…私がなんとかお前を…」  
ミカエルがつぶやいていると、ちょうどそのとき部屋のドアが開いた。はっとしてそちらを見ると、金髪の女が全裸で入ってきた。  
 「!!」  
ミカエルがベッドから身を起こした。  
モニカはミカエルの所にゆっくりと歩を進めた。そのたびに、ぽた…ぽた…としずくが床に落ちた。  
 「うんっ…抱いて…ください…お願い…」  
ミカエルは思わず一歩ひいた。モニカが数日前も同じように部屋の中に入ってきて、同じような事をミカエルに求めたことがあった事を思い出した。  
が、今のモニカをあのときのモニカと重ね合わせることは出来なかった。と言うより、同じ人物と思いたくなかった。  
 「早く…もう…壊れそうなの…」  
モニカの目が潤み、唇からは、はぁ…はぁ…と切なげな声が漏れてくる。  
凍りつくミカエルをモニカはベッドに押し倒した。  
 「やめろ…モニカ…」  
ミカエルは上体を起こしてモニカを押しのけようとしたが、どうしても拒むことが出来なかった。  
そんなミカエルを無視して、モニカはミカエルのバスローブを開き、半分勃っている一物を口に含んだ。  
 モニカの舌技は絶妙だった。唇がミカエルの茎の部分にねっとりと絡み付いてきて、舌はあるときには舌先で、あるときは舌全体を使って先端の部分をまんべんなく舐めまわした。  
しかも、唇でわざと音を立て、それがミカエルを更に興奮させた。  
 「う…くっ…モニカ…」  
ミカエルの脊髄に局部からのしびれるような快感が伝わっていった。  
 
 「うむっ…ん…」  
モニカはミカエルを上目遣いに見上げ、表情からもう限界が近いことを推測すると、首を前後に振って全体を刺激する動作に切り替えた。  
唇からはミカエルの一物が出入りしてあふれる唾液が唇をつややかに光らせた。  
 「ぐっ…出る…だめだっ!あああっ!」  
ミカエル自身がモニカの中で一瞬大きくなると、モニカの口内に大量の白濁した液があふれた。  
モニカはすかさずそれをのどを鳴らして飲み干すと、更にミカエルの尿道内に残った液を吸い出した。  
 「うおっ…」  
ミカエルの起こした上半身がゆっくりとベッドに倒れてゆき、彼は放心状態でモニカを見た。  
しかし、モニカは間髪をいれずミカエルの分身に刺激を加えて半ば強制的に勃たせると、すぐにその上にまたがった。  
 「あっ…うわああっ!いい!これがほしかったの!」  
ミカエルの上でリズミカルに弾む。モニカの膣内は、初めての時より少々通りがスムーズになっており、襞の絡み付き具合も少しおちていたが、腰のひねりによる多方向からの摩擦や、締め付けては緩める、と言った秘穴自体の淫らな動きはそれらを補って余りある物があった。  
 「うわあああんっ!もっと!もっと突き上げて!このまま…めちゃめちゃにしてぇっ!」  
モニカは両手で胸をぎゅっとつかんでいた。胸の先からも白濁した液が漏れていた。  
 「あっ…あっあっ…」  
 「モニカ…」  
ミカエルもたまらず腰を突き上げた。  
 「そうっ!もっと…ああ…私を壊して!うっ…いくううううっ!」  
モニカの身体がびくびくと振るえながら跳ね上がり、それからミカエルのたくましい胸に顔をうずめた。  
 更にモニカはミカエルを求めたが、ミカエルの頭の中はもう真っ白になっていた。  
二人の狂気の乱舞はしばらく続き、やがて二人とも気を失ってしまった。  
 
ミカエルが目を覚ますと、夜中の3時だった。モニカは横ですやすやと眠っていた。  
 「はぁ…」  
ミカエルはため息をついた。この哀れで健気な妹は一体どうなってしまうのだろうか…と思ったが、すべての責任は自分にあった。  
なんとかしてやらねば…もうあの教授でもアビスの魔物でもだれでもいいから助けてくれ、と思う。ミカエルはモニカを部屋まで運んでやり、服を着せてベッドに寝かせた。  
そして、モニカが旅立つ前夜にもこのような事があったな、と数日前のことを思い出した。  
 「なんとかならぬのか…」  
ミカエルは唇をかみながら自室に戻った。  
 
 
 翌日。大臣が少し明るい顔でミカエルの部室に入ってきた。  
 「ミカエル様!モニカ様の具合が少し良くなられたそうです!」  
 「なにっ!すぐに見せろ!」  
ミカエルは身支度もそこそこにモニカの部屋に向かった。  
 
 
 モニカは相変わらず目はとろんとしていたが、少し焦点が定まっていた。  
また、いつもは荒かった息も今日は静かになっているようだった。  
 「確かにそうだな。」  
ミカエルは少し嬉しそうに笑った。  
 「はい、確かに良くなる兆しがあります。それからミカエル様、例の女が…」  
 「なに?」  
 「解毒法を発見したそうです。」  
 「本当か!ならばすぐに通せ!」  
 「は…はっ!」  
大臣すぐに牢に向かった。何かおどおどした態度が気になったが、ミカエルは教授を待った。  
 
 教授はすぐにやってきた。  
 「で、方法は?」  
 「あら、それは簡単ですわ。男の人のアレを飲ませるのです。」  
ミカエルは一瞬吹き出しそうになったが、辛うじて冷静を装った。  
 「そ…そんなものが本当に効くのか?」  
 「あら、相手はホルモンで淫乱になってるのよ。  
 まあ、この天才の言うことだから間違い無いわよ。」  
 なるほど…じゃあモニカが具合が良くなったのも、大臣がやたらとにやついていたのもすべて納得がいく。  
 「で…それはだれに話したのだ?」  
ミカエルは念のために聞いてみた。  
 「貴方と、大臣さんですわ。」  
 「そうか、わかった。なら大臣をお前の今後の実験台として取らせよう。  
 今後とも十分このロアーヌのために働いてくれ。」  
 「あ〜ら、じゃあもらっときますわ。」  
翌日、教授は大きな樽を担いでツヴァイクにかえっていった。  
樽の中からは、ドンドン、と中からたたく音や、くぐもった悲鳴が聞こえてきたが、すべて教授の  
 「きずついても〜  
  うちのめされても〜  
  バラは美しく咲く〜…  
といういかれた歌声にかき消されてしまった。  
 
その夜。ミカエルはモニカの部屋に向かった。  
モニカの唇を他の男に犯させることは考えられなかったし、モニカにとっても自分が一番やりやすいだろうと思ったからだ。  
ミカエルが部屋に入るとモニカはベッドの中から切なげな目でミカエルを見て、ミカエルはそれに吸い寄せられるようにしてベッドの中に潜っていった。  
 「モニカ…頼む…」  
そういって屹立した自らの一物を取り出した。  
モニカはこくり、とうなずくとそれを口に含んだ。  
ねろっとした感覚がミカエルの先端を包んだ。  
今日はモニカはずるずるという音を立ててミカエルの物を吸いこんでゆき、ぬめぬめした感覚が根元までを包んでいった。  
 「うん…あむ…」  
しばらく部屋にモニカの荒い息いとぴちゃぴちゃという粘液質の水音が響いた。  
次にモニカはどこで覚えたのかは知らないが、ふっくらとした胸の谷間にミカエルを挟み込んで上下に滑らせ始めた。  
やわらかで大きな胸は隙間なくぴっちりと包み込み、ミカエルに絶え間ない刺激を与えた。更に硬く尖らせた舌先がちろちろと先端を這った。  
 「くっ…モニカ…」  
 「むぐっ!」  
ミカエルはすばやく引き抜くと、モニカの口の中に爆発寸前のペニスをねじ込んだ。それからありったけの量の精液を注ぎ込んだ。  
 「むうっ!」  
モニカの目が一瞬見開いた。それからのどがこくこくと動いた。  
そしてモニカは発射直後のミカエルのペニスにまとわりついた精液の残りを舌で丹念に舐め取った。  
 
 ミカエルはモニカから身体を離し、しばらく放心状態でモニカの横に寝ていた。  
 「お兄様?」  
モニカが心配げな顔でミカエルの顔をのぞきこんだ。  
 「モニカ…もう一回頼むよ。」  
 「はい、お兄様。」  
更にモニカはミカエルの一物をくわえ込み、そして夜はふけていった。  
 
翌日。ミカエルはモニカの声で目を覚ました。  
 「お兄様…お兄様。」  
 「ん…モニカ!もう良くなかったのか?」  
 「え…まだ何か体が疼くのですが…でも頭ははっきりとします。」  
 「モニカ…今まで何をやっていたか…判っているか?」  
 「ええ…モンスターたちに犯されていて…お兄様、助けて、と思っていたら、目の前にお兄様がいて…」  
モニカはベッドに顔をうずめて泣き出した。  
 「そうか。モニカ…もうどこにも行かせないから…安心してくれ。」  
 もう治ったようだったな。そうミカエルは思って、モニカの部屋を後にした。  
モニカには正気を失っていたときの様子は話す必要はないだろう。  
今回のモニカの騒動もやっと一段落ついたのだった。  
 しかも良いことは続く物で、カタリナがマスカレイドを取り返し、ロアーヌに帰ってきたのだった。  
 
  しかし!そのカタリナがモニカを再び狂わせてしまうことになるとはだれが予想しただろうか!  
 
その夜。カタリナはいつもの持ち場、モニカの寝室にいた。  
 「カタリナ。戻ってきてくれて、本当に良かった。」  
 「ええ。モニカ様。ところで…わたしがいないあいだ、モニカ様自身にいろいろな事があったそうですね。」  
 「ええ…」  
モニカは目を伏せた。  
 「そうですか。ツヴァイクの方ではずいぶんとお乱れになっていたと聞きましたが。」  
 「カタリナ、言わないで。それは。」  
モニカはカタリナと目をなるべく合わせないように言った。  
 「あら…」  
カタリナは突然モニカをベッドに押し倒した。それからモニカの背中がわに回りこみ、モニカの耳元でささやいた。  
 「フフ…実は私、フルブライト様のところで、ちょっと会社経営をやったことがあるのです。  
 何でも宿星が合うとか言うことで。  
 で、教授の館を買収したのですが、そのとき媚薬について教授から聞きました。  
 それから治療法も。それにモニカ様の事も。」  
 「ええ…それから…?」  
うなじにかかってくるカタリナの熱い吐息にぶるぶると震えながらモニカは聞いた。  
 「ところで、実はこの城の男は夜はほとんど私の奴隷なのです。  
 あの人は除いて。で、だれもモニカ様とは関係は持っていなかったそうですよ。  
 そうなると…モニカ様を治療した人は…」  
 
 「言わないで!お願い!」  
モニカは無視してカタリナはモニカのナイトガウンのなかに手を滑り込ませると、いつも剣術をしていてしまった体のカタリナにはない、  
もちもちとまとわりついてくるようで、かつ弾力のある乳房を弄んだ。  
 「ううっ…あはっ…」  
 「で、モニカ様、ミカエル様との関係を持たれたのでしょう。」  
 「は…はい…あ…許して!カタリナ!」  
すべてを見透かされ、モニカは動揺していた。  
 「はぁ…カタリナ…やめて。女同士で…こんな…」  
 「ふうん。じゃあ兄妹なら良いと…」  
 「ちが…違う!」  
 「違わないわ!」  
カタリナは少し強い様子で言うと、モニカの乳首をぎゅっとつまんだ。  
モニカの乳首はすぐに自らの分泌物でぬるぬるになった。  
 「ああっ!いたい!駄目…お願い…私が悪いの。私がお兄様を…お兄様は…」  
モニカはあえぎ声混じりで必死で弁明した。  
 「フフ…そうね。モニカ様がミカエル様の手を煩わせたわけですね。」  
カタリナはモニカの首筋に白い歯を突きたてながら言い、更にモニカのナイトガウンを一気にはだけた。  
 「いやあああっ!」  
身体をぞくぞくさせながらモニカが叫んだ。  
 
「ふふっ…もうこんなになって…」  
カタリナがモニカの肩越しにモニカの乳房を除きこむと、彼女の乳房がモニカの背筋にぴったりとはり付いた。  
 (あれ…カタリナ…思ったより胸無いのね…)  
モニカは一瞬驚いたが、カタリナはそれを見逃さなかった。  
 「どうしました?モニカ様」  
更に自らの胸を押し付けた。  
 「いえ…なんでも無いわ…それより…」  
モニカはカタリナに悟られないように言葉を濁そうとしたが、カタリナが見逃さないはずはなかった。更に胸でモニカの背中をずりあげながらモニカにたずねた。  
 「そう…それより私の胸が無いと…」  
 「!! そんなんじゃない!」  
 「…ウソはいけませんね。モニカ様。それに…そんな卑猥なことを考えているなんて…  
  ちょっと反省してもらいますわ。」  
カタリナはどこからともなく銀の針を取り出すと、モニカの乳首に突き立てた。  
 「ひうっ!やめて…カタリナ!やめてええーっ!」  
カタリナはぐぐーっと針を進めた。  
 「あううっ…ひっ…あぐうっ…」  
モニカの背中にぶわっと大粒の汗が浮かぶ。針が貫通するのはほんの1秒程度だったが、モニカには数十秒の時間に思えた。  
 「はああっ…はあっ…あっ!いやっ!」  
モニカが息をつくひまも無く、カタリナのしなやかな指が秘所に伸びて液体をすくいとる。  
 「モニカ様…いつからこのような淫乱になったのですか?針を指されて濡らすなんて…」  
 「ち…違う…カタリナが…脱がせたりするから…  
  針で刺されてるときには…感じたりなんか…」  
モニカが涙でぐしょぐしょになった顔で弁解したが、カタリナは冷静だった。わざと糸をひかせた指をモニカに見せる。  
 「へえ…ならもう片方で試して見ましょうか。」  
 「そ…そんな!」  
モニカが言うが早いか、カタリナはもう一方の乳首に針を突き立てた。    
 「そんなっ…駄目…くあああああっ!」  
カタリナはゆっくりと針を進め、モニカの歯がカチカチと鳴った。しかし、カタリナの指には更にあふれてくるモニカの淫汁がまとわりついていた。  
 「ほらモニカ様!やはり針で刺されて濡らして…」  
 「いや…そんなこと…無い…」  
 「…ならお仕置きはこっちにしないと。」  
 
カタリナ立ちあがってモニカの足首をつかむと、ベッドに仰向けなるように転がして、モニカの前に仁王立ちになった。  
 「あ…カタリナ…何を…いやっ!」  
カタリナはヒールでモニカのショーツを引きちぎった。  
 「ふうん…ここでミカエル様を受け入れたわけね。」  
カタリナはモニカの秘部をまじまじと見つめた。そこは相当に淫事慣れしている娼婦のようにじっとりと濡れているようにもかかわらず、まだ破瓜も向かえていない少女のような綺麗な薄紅色だった。  
が、そのギャップがカタリナの嗜虐趣味を更にかきたてた。  
カタリナは荒い息をしながら、モニカの花芯にハイヒールの爪先を当てた。  
 「まさか…カタリナ!それは…いやああああああっ!」  
 「モニカ様、声が大きいですよ。」  
カタリナはモニカのびしょびしょになったショーツを口に無理矢理押し込んだ。  
 「む…むぐっ!」  
細長いヒールのつま先が、モニカの膣内へゆっくりとうまって行く。  
 「あぐっ…あががっ…やめ…」  
モニカは逃げようとするが、カタリナは逆にモニカの足首をぐいっと引き寄せた。  
 「もう半分いれてあげるわ…」  
カタリナは更に足首に力をこめ、みりみりという音を立ててハイヒールが侵入していった。  
 「むぐううう―――っ!」  
モニカが断末魔のような叫び声をあげて、首を左右に振る。  
カタリナもモニカの反応にはもう限界だった。モニカをめちゃめちゃにする前に自らが歓喜で狂ってしまいそうだった。  
 「モニカ様…私の靴の中までモニカ様の熱いのが入ってきて…  
  はあ…このままめちゃめちゃにしたいぐらいです…」  
思わずつぶやいてしまう。  
モニカがおそるおそるカタリナを見上げると、彼女は頬を赤らめてはぁ…はぁ…と荒い息をしていた。  
 「あ…どうしたの?」  
 「いえ…なんでもありません!」  
すぐに冷静をよそおうと、モニカの最奥のほうをつま先でえぐり始めた。  
 「はううっ…いた…いたい!」  
 「ふっ…ここはそんな事言ってないわ!」  
 
カタリナがハイヒールの抽送を繰り返すたびに、モニカの秘穴からピンクがかった半透明の液体があふれかえった。  
少し裂けたみたいだけど、大体なれてきたな、と思ったカタリナはモニカの膣内でもっとも敏感な場所をつま先で探し始めた。  
 「あふっ…駄目…駄目!これ以上…かき回されると…本当に変になるうっ!」  
 「はあっ…モニカ様、ここですか?」  
カタリナがつま先でぐいっと押し上げた場所は丁度モニカのGスポットだった。  
 「ふああああん!」  
モニカの体が弓なりにそりかえった。  
 「あふっ…ああ…もう…駄目!我慢できない!」  
カタリナも気づくと自らの秘部に指を伸ばしていた。ついつい声が出てしまう。  
 「あ…カタリナ。何を…してるの?」  
モニカがたずねたが、カタリナの耳には届いていないようだった。ただ、カタリナの指の動きはどんどん激しくなっていった。  
 「う…モニカ様!私…いきそう…ああ…あああああああああ――――っ!」  
 「カタリナ!う…ああああああんっ!」  
モニカの中からハイヒールがずるりと抜け、カタリナが覆い被さってきた。  
モニカは思わずカタリナを抱きしめた。  
 
「カタリナ…大丈夫?」  
しばらくして、モニカが声をかける。  
 「モニカ様…」  
 「ごめんなさい…カタリナ。あなたが…お兄様のことをあんなに思っていることも知らないで。」  
 モニカはそれからカタリナが去った後の話をした。  
 「…モニカ様。それは知っていました。だけど…モニカ様が…本来ミカエル様に愛されてはならないモニカ様が…それなのに…私は…あの人に…」  
 「カタリナ。本当にごめんなさい。私の軽率な行動で…」  
 「いえ…私がふがいなかったのがすべて。」  
カタリナはマスカレイドを奪われた夜の話をした。  
 「こんな私では…こんなはずじゃ…」  
カタリナは泣き出した。モニカの前で初めて見せた涙だった。  
 「カタリナ。あなた…強くありたかったのでしょう。でも…それはつらいでしょう。もういいじゃないですか…」  
 「は…はい…」  
 
翌日、何か吹っ切れたようなカタリナはロアーヌを旅立っていった。カタリナがどこへ行ったかはわからない。ただ、帰ってくるとモニカは信じて待ちつづけた。  
 「そのときは…ミカエル様と幸せになって…」  
城のテラスでモニカがつぶやいて、目を遠くへやった。  
 
 ―終―  
   
   
 
 

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