――びっくりしたけど、嫌じゃなかった――  
 
エレンは駆け足で自室に戻るとベッドの上に転がり、見慣れた天井を見つめた。  
そっと胸に手を当ててみる。  
高鳴ったままの心臓。そして濡れたままの唇。  
先刻、ハリードにキスをされた。  
もう辺りが真っ暗だからといって、彼はエレンを森を抜けて村が見えるまで送ると言い出したのだ。そして村を背中に  
「じゃあ、またね」  
と言いかけた瞬間――  
 
――いつのまにか抱き寄せられていた―  
 
あまりに突然の出来事だったため、目を閉じることも顎を上向かせることも忘れてしまっていた。暗闇のせいでその時、ハリードがどんな表情をしていたのかも分からなかった。  
ただはっきりと読み取れたのは、彼の懐に包まれながら胸に響いた、彼の小さな言葉だけ。  
 
 
天井を眺めながらエレンは唇に人指し指と中指を重ねた。  
 
 
眠れない夜も、この言葉だけは信じてみようか。  
 
 
目をつぶり、顎をほんの少し上向かせる。  
エレンの中で呪文のように繰り返される彼の言葉。  
 
 
「愛している」  
 
 
「んっ…あっ!!」  
エレンはびくんと体を弓のように反らせた。へそにユリアンが舌を添わせたからだ。  
苦痛とも快楽ともいえる感覚につられ、縛られた手足に力が篭る。  
 
ユリアンはエレンが寝ている間に縄で拘束することに成功した。エレンの衣服を一枚一枚脱がしていった時は、長年の想いが押さえきれず、つい男根が急いでしまった。  
 
エレンのお腹を舌と指で伝っていくと、まだ脱がさないでいた紺のブラジャーで行き止まった。ユリアンはエレンの背中に手をまわし、ホックをはずした。  
白くみずみずしい乳房が揺れ、そして愛らしい桜色の突起がユリアンの視線を奪う。  
ユリアンはいやらしい指使いで、エレンの乳首を両方同時にきゅっとつまんだ。  
 
「あんっ!」  
 
ユリアンはエレンの二つの豊かな乳房の間に顔を沈めた。  
そしていつのまにか勃ってしまっているエレンの乳首を唇で挟み、舌で撫でたり、柔らかく噛んだり、きつく吸いあげたりした。  
胸から刺激を受ける度に、エレンは甘さを増してあえぐ。  
「あ、あんっ…やっ!だめっ!」  
 
しかしエレンがどんなに声をあげても、体をうねらせても、ユリアンの舌や指が止めることはなかった。  
むしろエレンの愛らしい声は、ユリアンをより刺激してしまっていたのだ。  
 
 
「俺はずっと…エレンをこうしたかった…」  
ユリアンはしつこく乳首をつねったまま、エレンの唇へキスをした。舌を大きくからめ、嫌がるエレンの口の周りを唾液でべとべとにしてやった。  
 
 
「ハリードとやったんだろ?」  
「…!」  
思いがけないユリアンの問いに、エレンは顔を真っ赤にした。  
―――ハリードとあたし、二人だけの秘密――どうしてそれをユリアンは知っているのか。  
エレンはおそるおそる聞き返した。  
「誰から聞いたの?」  
「質問に質問を返すな!」  
ユリアンは怒鳴りつけた。そしてエレンの反応を見て楽しむ。強がりながらもびくっと肩を震わすエレンが、愛らしくてたまらない。  
「なんでまた毎晩毎晩あんなオヤジとなんかと…」  
そう言いながら、ユリアンはエレンの両足首を縛っていた縄をナイフで切り、エレンの両足を思いっきり広げた。  
「あんっ!!」  
先程まで十字架に架けられたイエス・キリストの形で固定されていたエレンは、ユリアンの更なる悪戯によって大の字に固定されてしまった。  
ユリアンは首かしげ、エレンの足の付根まで接近した。まじまじとエレンのパンツを覗く。  
 
ユリアンはそのまま秘部を下着ごしに鼻で突いた。鼻、唇、そして頬できゅうきゅうと押してやる。  
「っ!ひぁ…あっ、あっ…!」  
エレンはあまりの快楽に沸き上がる声を塞ぐことは出来なかった。全身を痙攣させ、瞳を微かにうるませた。  
「やめて…」  
 
「本当にやめてほしいの?」  
ユリアンはそう呟くとエレンの秘部をめがけ勢いよく指圧した。  
「はぁん!!!」  
突き指したひとさし指を、そのままぐりぐりと捩りこむ。  
「あん!!ああん!!!だめぇ!!」  
「体は嫌がってないみたいだぜ?」  
 
ユリアンは気付いていた。エレンのパンツは、もう楕円型の染みができている―――愛液だ。  
ユリアンは女性特有のこの液が非常に好きだった。  
 
エレンがはいていたのは、紺色の薄いシルク生地に白い刺繍とレースが入ったパンティ。先程ユリアンが脱がせたブラジャーと間違いたくセットだろう。  
ユリアンはエレンのパンツに手をかけ、一気に下へ下ろした。  
「いやああ!」  
エレンは泣き叫んだ。しかしユリアンはエレンがわめけばわめくほどにやけた顔になっていった。  
 
「ハァ…ハァ…エレン、かわいい…」  
 
愛液がまた一滴、太股を伝った。照明に照らされたエレンの秘部は角度が変わるごとにきらきらと輝き、まるで宝石のようだった。  
 
「俺とハリード、どっちが気持ちイイ?」  
そう囁いてユリアンはエレンの震える体を抱きよせた。  
「いやああっ!放してっ!!」  
 
どんなに抵抗してもかなわない。先程まで縛られていた罠を切られても、まだ金縛りが解けることは無かった。  
エレンの体に甘い電撃が走り、また力が抜けた。  
 
「先入しよっか、やっと一つになれるな」  

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