ここはアビス。  
タフターン山を模した空間に、ビューネイは独り佇んでいた。  
「アウナス爺、アラケスの馬鹿、可愛いフォル、みんなやられたのか…」  
幻影の自分が戦った、人間達の姿を思い出す。  
人間界のタフターン山での、戦いの記憶を。  
浅黒い肌の剣士。  
金髪の槍使い。  
蒼い覆面の男。  
派手な大剣使い。  
象。  
いずれも、取るに足りない力しか持ち合わせていなかったが、本来の力の半分も出せない自分の影は、無様にも敗れた。  
油断していたのは事実。  
しかし、その時の人間達の強さを思い出してみると、疑問がわいてくる。  
人間にしては強い。だが、仮にも我々は四魔貴族。  
しかも、暗黒の力が染み渡るアビスにいる。  
負ける要素が見当たらない。  
考えられるのは…  
「聖王遺物、か…。」  
300年前、自分を倒した聖王。  
その右手に輝いていた剣の力ならば、あるいは。  
 
「七星剣…あの剣なら、確かに四魔貴族でも辛いわね…」  
みんな、あの剣にビビって、その隙を突かれたに違いない。  
「ちょうどいい。この機会に、七星剣を破壊してあげるわ…」  
仲間をやられた憎悪か、殺気をほとばしらせながら、人間達を待ち構えた。      気配がした。  
数は六人。自分の支配するこの領域に侵入してきた。  
「来たか…」  
全身に力を入れる。  
古の三頭龍の魂を呼び起こし、白いエネルギー体として具現化させる。  
「魔龍侯の力、思い知るがいい…」  
沸き上がる魔力の嵐。  
着物が風になびき、魅力的な、すらりと長い足が顕わになる。  
魅力も魔龍侯の武器。  
男一色で来た人間達を誘惑、無力化する自信もあった。  
妖精族の力でもある、魅惑の凝視。  
自身の美貌と、圧倒的な魔力。  
これらに後押しされた自信の中、近づく気配を感じていた。  
 
「ビューネイ!お前で最後だ!」  
乱入者は、会いざまにそう言い放った。  
「わたしは虫ケラに負ける運命なのか…?」着物を翻し、戦う体勢をとる。  
「かかってこい……自分たちが虫ケラだということを思い知らせてやろう!」  
戦いが始まった。  
人間達が、ビューネイを囲む。  
にやにや、しながら。  
「……?貴様ら、何がおかしい?」  
ビューネイが問いかける。  
「…なんでもないさ…人間の強さ、思い知らせてやるよ!準備!」  
褐色の男が剣をしまい、他の男たちに号令をかけた。  
同時に、全員が黄金の棍棒を構える。  
「…貴様ら、そんなもので私を倒せるとでも?」  
(棍棒なんかで何ができる?)  
嘲笑の形に唇を歪ませるビューネイ。  
が、緊張は緩めない。  
他の四魔貴族の三人を破った奴らだ、秘策があるのかもしれない。  
「行くぞ!みんな!」  
蒼覆面が叫ぶ。  
 
「振り逃げ!!!」  
ブンッ!  
空間に余韻を残すほどのかけ声をあげ、男達が棍棒を振り下ろす。その場で。  
途端に、姿を消す。  
「………は?」  
ビューネイはついつい緊張を緩めてしまう。  
消えた。完膚なきまでに消えた。  
気配すらも感じなくなった。  
だが、ビューネイ独りが立っているかのように見えるその空間に、再び声がこだまする。  
「シャドー、サーバント!」  
闇に、包まれた気がした。  
「何を…何をする気だ、貴様ら…?」  
人間達の得体の知れない行動。  
聖王以来に感じていなかった、この感情。  
恐怖。  
自分の身体が後退っているのに気付いたビューネイは、はっとして気を入れた。  
敵は姿を消した。  
だが、確実に近くにいる。  
集中して、敵を居場所を探ろうとした。  
が。  
ゴッ!!  
「…ッ!?」  
頭部を殴られ、打ちのめされる。  
立ち直り、後ろを振り向く。  
 
「犯り逃げ!!!」  
ブンッ!  
空間に余韻を残すほどのかけ声をあげ、男達が肉棒を振り下ろす。その場で。  
途端に、姿を消す。  
「………は?」  
ビューネイはついつい緊張を緩めてしまう。  
消えた。完膚なきまでに消えた。  
気配すらも感じなくなった。  
だが、ビューネイ独りが立っているかのように見えるその空間に、再び声がこだまする。  
「シャドー、サーバント!」  
闇に、包まれた気がした。  
「何を…何をする気だ、貴様ら…?」  
人間達の得体の知れない行動。  
聖王以来に感じていなかった、この感情。  
恐怖。  
自分の身体が後退っているのに気付いたビューネイは、はっとして気を入れた。  
敵は姿を消した。  
だが、確実に近くにいる。  
集中して、敵を居場所を探ろうとした。  
が。  
ゴッ!!  
「…ッ!?」  
頭部を殴られ、打ちのめされる。  
立ち直り、後ろを振り向く。  
 
薄ら笑いを浮かべながら派手な男が立っていた。  
「貴様っ…!」  
反撃しようとしたが、男は棍棒を振って、また姿を消してしまった。  
ガッ!  
「あうっ!」  
またビューネイは殴られる。  
すぐ振り返る。が、消える。  
その繰り返し。  
卑怯極まりない、人間達の戦術。  
じわりじわり、とビューネイはダメージを受け、次第にふらふらとしてきた。  
「…っ!?」  
ビューネイは痛みとは違う感覚に、身をビクリとさせる。  
胸を、揉まれた。後ろから。  
だが、思うように反撃のための体勢を作れない。  
とりあえず平衡感覚を保つため、足を開いて立ち、後ろを向く。  
すると。  
ペチン。  
尻を太い鞭のようなもので叩かれる。  
(まさか…象の、鼻?)  
嫌悪感が体を駆け巡る。  
下等生物に。たかが象などに。このような辱めをうけようとは。  
「ふざけるなっ…やめろ、貴様らぁっ!」  
声を張り上げ、手を振り回して何かを追い払うかのようにして抵抗するビューネイ。  
 
そして遂に、着物の帯が切られた。  
「なにっ…」  
とっさに、着物が脱げないように押さえるビューネイ。  
その腕も、何かに絡めとられたように広げられる。  
「ああっ、放せっ、放せぇっ!!」  
しかし抵抗する力もなく。  
一糸纏わぬ裸体。長い金色の髪は白い肌に軽くかかり、申し訳程度に胸を隠す。  
「さ、さすが、四魔貴族は違うな…」  
誰かの声が聞こえる。どの男が発したのかはわからないが。  
髪がどけられる。  
同時に、肌色に近いような綺麗なピンクの乳首が顕わになる。  
先端が何かに触られてるかのようにピクピク動く。  
「ひゃっ…さ、触るなぁ!」  
先端のみならず、全体を揉みしだかれていく。  
「ひあっ……やめっ…」  
声を震わせて抵抗しようとするビューネイ。  
しかし吸われた。  
「んあっ!」  
体をよじって逃げようとする。  
が、体は動かせない。ただただ、体の奥底が熱くなってゆく。  
 
しばらくそうして乳房をいじられてしまう。  
「…あうぅ…貴様…ら、やめ、やめろっ!」  
拒絶。嫌悪感。でも…  
「こんなんでも、湿るんだな。女って不思議なもんだ。」  
じっとりと恥丘付近は濡れ、まだなお、液体がにじみ出ている。  
「下、誰がいただく?」  
虚空から恐ろしい提案が出た。何をしようというのか。  
「おれ、いいかなぁ?」  
象。下等象。  
(なっ、ふざけるなっ!)  
象が、むしゃぶりつくのか。  
それに抵抗すら出来ない自分。  
ビューネイのプライドは、もはや無いに等しいものだった。  
「よーし、がんばれ!綺麗に舐めてやれよ!」  
「行く、ぞう〜」  
ぴちゃり。  
象の鼻が秘部に触れる。ビューネイの下半身がビクッと震える。  
そして、象の鼻が一気に愛液を吸いとる!  
ジュルジュルッ。  
ビューネイの全身を、かつてない衝撃が突き抜けた。  
「うあぁっ!ああぁっ!」  
悶えている、その声がより象を興奮させる。  
鼻先が、秘割周辺を這いまわる。  
その動きは、妙に速い。  
 
ビューネイの体は、その刺激に反応し、新たな体液を分泌する。  
透明な象に強姦されるその姿は、はた目にはつっ立ったビューネイが自慰行為の如く欲情しているように見える。  
「ふぅ〜ごちそうさま。もう満足です〜」  
ようやく象から開放されるビューネイ。  
同時に腕の束縛も解け、仰向けに倒れこむ。  
「ふ…ふあぁ……も…やめ、やめて、よぉ…」  
倒れたまま、懇願するビューネイ。  
魔龍侯様はどこへやら。  
「さて、私が次でいいのかな?」  
透き通るようなテノール。金髪の男だろうか?  
「ああ、どんどんやっちまえ!散々濡れたんだ、かなり入りやすいんじゃねぇ?」  
下卑た笑い声。ビューネイは絶望感に身を細めた。  
 
「私の槍…存分に味わうがいい」  
 
ずぶっ。  
「うあっ…あああぁっ…」  
男の(自称)槍が陰唇に埋没してゆく。  
が、何かの違和感を感じたのか、止まる。  
「…はあっ、やめ、その奥は、やめろっっ」  
ビューネイが必死に阻もうとする。が、表情は、痛みの予感のためか、緊張しきっている。  
「ふっ…行くぞ!エイミング!」  
全神経を槍に集中し、狙いすました一撃。  
クリティカルヒット。  
「あああぁぁっ!」  
突き破られる。男の侵入を阻むものは、ない。  
600年の時を越えて、ビューネイは少女から女になったのだった。  
「…というか、処女だったんだな、お前」  
男が馬鹿にしたような声でつぶやく。  
「何百年もずっと処女かよ。見た目は美人なのにカラダは、てか?」  
別の男がけらけらと笑う。  
(貴様ら人間が、魔王様を滅ぼしたりするから!)  
ビューネイは心中で毒づく。  
と、いうより声に出せなかった、というべきか。  
 
「安心するがいい。私とて一国の貴族。女性を飽きさせたりはせぬ。」  
心底自慢にならんことを口走る男。かなり興奮しているのかもしれない。  
「では、参ろう。二段突き!」  
ずちゅっ、ずちゅっ!  
「あくぅっ、ああぁっ!」  
脳まで響く、深く鋭く、素早い突き。槍小剣Lv50は伊達じゃない。  
「まだまだ。チャージっ!」  
「あああぁっ!」  
「スパイラル、チャーージっ!」  
「ひあああぁぁっ!」  
怒涛の連続技。  
深く、深くへ入り込み、また抜かれる。  
「ぁう!…うぁ、うあぁ…」  
単純なピストン運動が、ビューネイの中の女を刺激する。  
象により舐めとられた愛液は、いつしか再びビューネイと男との結合部からしたたり、溢れだしている。  
「うあっ、そんな…深いっ…」  
押し寄せる快楽。声ももはや裏返り、ただ戸惑い、悶える。  
その反応に、快感を覚えたのか、男の往復速度も勢いをつけてゆく。  
「…はっ、はあぁっ!あくっ…あぁ…うあぁっ!」  
飲み込むように収縮する内部は、槍を激しく刺激する。  
 
「…もう、駄目だ!行くぞっ!」  
男が叫ぶ。  
「あ、あぁっ…いやぁぁぁっ!!」  
ビクッと体が跳ね、熱い白濁が胎内に爆発した!  
「…っ!!!」  
 
 
「おっ?イっちゃったか?ミカエルの技は凄いな、まったく」  
「しっかし、コイツ意外と可愛い声で鳴くよなぁ…。おい、ミカエル。お前の番は終わりだぞ、代われ」  
 
引き抜かれる槍。すると秘裂からは白い液体が溢れだす。  
「さて、次は俺だ」  
「いや、待ちたまえ。君は最後のほうがいいんじゃないか?」  
二人の男が姿を現した。         既に各々武器を構えている。  
曲刀カムシーン。  
シャープな小剣。  
「ロビン、お前は下でいいよ。俺は口に出すことにする」  
「……もう……い…、いや…」  
武器を振りながら歩いてくる男たちを薄目にとらえ、ただビューネイは横たわり、震えるしかなかった。  
 
―――――――助けて――  
 
FIN  
 
 

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