監禁されている部屋のベッドの上に力なく座り込み、タリスは深い溜め息をついた。  
ここへ連れて来られてから、Dr.クラインに犯されてから、一体どれくらいの時間が過ぎたのだろう。  
外の状況を知る手がかりは一切なく、タリスは時間の感覚を失いつつあった。  
何しろ毎日が同じことの繰り返しなのだ。この部屋を訪れるDr.クラインに、体を好きなように弄ばれるという。  
抵抗することはできない。Dr.クラインに初めて犯されたその後に、良くわからない拘束具を取り付けられた。  
額にはめられた細い銀色のリングにしか見えないその拘束具は、逆らおうとすると彼女の神経系を攻撃して動けなくしてしまう。  
タリスは小さく身震いすると、両の腕で自らの細い肩を抱いた。  
「私の体……おかしくなってる……」  
Dr.クライン。ブラッククロスに魂を売り渡した悪魔のような科学者。  
自分のことを生きた玩具、性欲処理の道具としかみなしていない男。  
近寄られるだけで嫌悪感でいっぱいになる。なのに――。  
体を愛撫されると快感で頭の中が真っ白になり、嬌声をあげて身悶えてしまう。  
どうしてあの男は乱暴に自分の欲望だけを満たそうとしないのだろう。与えられるのが痛みと苦しみだけなら、まだ良かったのに。  
彼は常に自分を愛撫し、快感を味あわせ、絶頂を迎えさせるのだ。そんなもの、感じたくないのに。  
ここのところ、自分が怖い。心のどこかで、彼から与えられる快感を待ち望んでいる自分が――。  
 
物思いに沈むタリスの耳に、ドアが開く音が聞こえた。はっと顔をあげ、体を強ばらせる。  
「……淋しかったか?」  
Dr.クラインが入り口に立っていた。酷薄な笑みを浮かべ部屋の中に入って来る。  
無意味だということは知りながらも、タリスは後ろへと下がった。  
「そんなわけないわ。あなたなんか来ない方がずっと嬉しい」  
「相変わらずつれないな」  
Dr.クラインが手を伸ばし、タリスの肩を掴む。  
「だが、そこがいい。……そそられる」  
ぐいと引き寄せられ、唇を奪われた。閉じていた唇をDr.クラインの唇がこじあけ、舌を差し込まれる。  
「んっ……」  
ベッドの上に勢い良く押し倒された。Dr.クラインの手が胸元に差し込まれる。科学者の細い指が、乳房をまさぐった。  
「やっ……」  
拒絶の声をあげて身を捩ろうとする。が、Dr.クラインの手は絶妙な動きでタリスの敏感な部分を探り当てて行く。  
「気づいているか? 体つきが変わって来ている。前よりもずっと――いやらしい体つきになってきた」  
Dr.クラインが耳元に口を寄せ、囁きかけてくる。言葉とともに流れ込む熱い息吹に、必死でかぶりを振った。  
「駄目、やめて……」  
「男をそそらずにはいられない体つきだ――」  
「あっ……」  
体から力が抜けた。Dr.クラインが胸元をはだけさせる。乳首は既に固くなり、上を向いていた。  
Dr.クラインが乳首を咥えると、舌と歯で愛撫する。舐め回される感触に、頭の中はどんどん白くなって行った。  
背がのけぞり、喉から甘い声が洩れる。  
「はあっ……」  
「いい声だ。もっと鳴かせてやるからな」  
Dr.クラインがにやりと笑い、下腹部へと手を伸ばそうとした、その時だった。  
彼の白衣のポケットからけたたましい電子音が鳴り響いた。顔を顰めてポケットに手を入れる。  
 
「折角、いいところだというのに……」  
忌ま忌ましそうにポケットから携帯を取り出すと、何やら話し始めた。  
「……なに? ちっ、全く仕方がない奴だな。わかった、すぐに行く」  
携帯の電源を切ると、Dr.クラインは首を横に振った。  
「残念だが、お楽しみはお預けだ。急用が入ってな」  
「え……?」  
ほうけたような声が出た。靄のかかった思考は、言われたことを明確に判断できない。  
Dr.クラインが面白そうな表情で、口許を歪めた。  
「だが待てよ……」  
戸棚の一つを開け、彼は頑丈そうな革ベルトを取り出した。手際良くタリスの両腕と両足を拘束すると、ごろんとベッドに転がす。  
「な、何なの……?」  
意図がわからない。Dr.クラインはまたしても笑った。  
「いわゆる放置プレイという奴だ。……お前の体は既に充分すぎる程火がついている。  
このまま、その燃え盛った欲望の火を誰にも沈められずに放置されたらどうなるか? 実に興味深い」  
「そんな……」  
「さて行って来るか」  
哄笑をあげながら、Dr.クラインは部屋を出て行った。  
 
「あ……あ……」  
Dr.クラインの去った部屋で、タリスは一人身悶えていた。  
彼の言葉どおり、先程までの愛撫で体はいやという程火照っていた。体の芯が疼いて仕方がない。この熱をどうにかしたい。  
だが疼く体を慰める術がない。自分で自分を慰めたくとも、手足は拘束されている。  
体の熱さに気が狂いそうだった。なんとかしたくて、寝台のシーツに火照る体を擦りつけてみる。  
だがそうやって得た僅かな刺激は、却って火に油を注ぐ結果となった。ますます疼きがひどくなる。  
「……だれ……か……はあっ……たす……け……」  
 
 
「悪い悪い、遅くなったな」  
「う……」  
戻って来たDr.クラインを、タリスは潤み切った瞳で見た。その瞳に理性は残っていない。  
「ほう……これはこれは」  
Dr.クラインはベッドに腰を下ろすと、タリスの身体を抱き寄せた。全身欲望の塊となったタリスは、彼に身を擦り寄せた。  
「……抱い……て……」  
必死で喉の奥から声を絞り出す。今はもう、それしか考えられない。目の前の男は、自分の体の疼きをおさめてくれるということしか。  
「もちろんそのつもりだが……」  
言いながらDr.クラインはズボンのジッパーを下ろし、中から男根を取り出した。  
「まずはその前に口で私を奮い立たせて貰おうか」  
頭を掴まれると同時に口をこじ開けられ、その中に男根をねじ込まれた。  
「ほら……舌を使ってそれを愛撫してみろ。そうすれば抱いてやる」  
Dr.クラインの手がぐいと頭を股間におしつけて来る。息が詰まりそうになりながらも、必死でタリスは舌をその表面に這わせた。  
「……うっ……いいぞ……もっとだ。もっと緩急をつけて舐めろ」  
口の中の男根が膨れ上がり、熱さと堅さを増して行く。先端から苦い液体が滴り出した。  
「よし、それくらいでいいぞ。出てしまうからな」  
頭を押さえていた手が離れた。言われるままに顔を離す。Dr.クラインの股間の男根は唾液に濡れそぼり、天を向いてそそり立っていた。  
それを見ているうちに、性欲に支配された体がひどく疼いた。あれを早く自分の中に入れたい。入れて滅茶苦茶に突いて貰いたい。  
「お……ねが……い……」  
「入れてほしいのか?」  
問い掛けにタリスは頷いた。  
「……そうだな。いや待てよ……」  
 
Dr.クラインはタリスを抱き上げると、自分の体の上に跨がらせた。  
「さあ……そのまま腰を落とせ。お前が自分で入れるんだ」  
男の手と言葉に導かれるまま、タリスは腰を落として行った。Dr.クラインの膨張した男根が、蜜を絡ませた秘裂に触れる。  
「はあんっ……」  
待ち詫びた感触が自分の中を満たして行く。タリスは背をのけぞらせ、大きく喘いだ。更に腰を落とし、根元まで自分の中に男根を埋める。  
「んっ……あっ……」  
「どうだ……気分は……?」  
「ああっ……はあっ……」  
激しく喘ぎながら、タリスは腰を上下に揺すった。その度に体の中のDr.クラインの男根が、彼女に強い快感を与える。  
「良さそう……だな……私も……良いが……」  
もはや快楽をむさぼることしか考えられない。腰の動きが次第に激しくなって行く。頭の中が真っ白になる。  
「くっ……出すぞ……」  
Dr.クラインがタリスの腰に手を回し、ぐっと互いの体を密着させる。その瞬間彼は絶頂に達し、彼女の中に熱いものがほとばしった。  
「うっ……あっ……あはああああっ!」  
一声高く叫んで、タリスもまた果てた。体から力が抜け、Dr.クラインの上にぐったりと倒れ伏す。  
「はあ……はあ……」  
絶頂に達した体からは次第に熱が引いていき、それと同時に理性が戻って来た。今自分の置かれている状況。  
「……わ、わたし……一体何を……?」  
はっとして顔をあげる。その前にDr.クラインの顔があった。彼女を見て、意地悪く笑う。  
「良かったぞ。実にいい乱れっぷりだった。自分から私を咥え込んでさんざんよがってな」  
「あ……」  
思わず身震いする。理性が失われた時の狂態。自分は憎むべき男の前で、一体どんな痴態を見せてしまったのか。  
「そんなに怯えた顔をしなくても良い。褒めているのだぞ」  
「い、いや……」  
無意識のうちに逃れようとした体を、Dr.クラインの手が捉えた。またしても乱暴に押し倒され、覆い被さられる。  
「さて、第二ラウンドといくか。私はまだまだ物足りないし、お前だってもっと何度もイキたいだろう?」  
一度快楽に支配された体が理性をまた放棄するのも、時間の問題のようだった……。  
 

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